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映画、漫画、革のブログです

MVPは昌平君【三角的恋愛の餐宴ネタバレ感想】

昨日アップした三角的恋愛の餐宴の感想記事ー

 

belphegor729.hatenablog.com

 

ネタバレ上等なので、ぜひ読んで。漫画

 

 


とりあえず終盤はあまりにも亮介がえぐすぎてしんどかった

作者あとがきで、「亮介が嫌われすぎたので逆に行くところまで行ってしまおう」

とブレーキを破壊したっぽいが

弟ができて我に返る響と、そんなのお構いなしに響を情と背徳感で縛り付け、都合のいい道具として使い捨てようとする亮の対比はかなりえぐい

タガを外したのは確かに響だけど、幼い響にはタガが外れるとどうなるかまで気が回らないというか、まさかここまで暴走するとは思わないよね

思わないし、もてあそんでおいて心は響のほうを向いていないというのも

カラダしか求められていないことに、体だけでも求められているのならと気持ちをだまして心をすり減らしていく描写は、下手に性描写を描かない分

シチュエーションの醜悪さがかなり際立っていました

性格は嫌いって断言してるから、初SEXの時のお前が好きだ発言はフェイクなんだよなぁたぶん

あるいはお前(のルックス)が好きだか

完全に性処理道具扱い、道具だから自慰と変わらないつもりなんだろうか

それで彼女への罪悪感を相殺しているのがある意味凄いよね。でもきついっすわ

わいNTR嫌いやねんだから

本当にちょっと読み進められる自信がなくて、思わず最終話先に読んじゃったよ

 


そういった中で、ちゃらちゃらしていたはずのライアン先輩が、全てのNTR系漫画に召喚したいくらいいい仕事をしていてよかった

それだけで私の中の好感度はマックスですよ

大体加害者のマインドコントロールによってディスコミニケーションが発生して破局しますからね

 


被害女性に対してマインドコントロールされているとしっかりと伝えて

パートナーにもしっかりと相談をする

ちょっと便利に使われた気もするけれど、でも導入も含めて結構無理がなくてよかった

ここは響がまだ高校1年生で若かったのも功を奏した気がする

もう少し年齢を重ねていたら、亮が怖いってライアン君にはいっていなかったろう

 

で、やっぱり昌平のキャラが良い

特に中盤以降

響に好かれたい、という思いから一歩進んで

彼なりにできる範囲で響を支えようという姿勢が強くなっていくのが好感度高くて

彼のその一途さが終盤のしんどい展開の中読み進めていく原動力になったところが大きいっすね

特に、終盤かや乃が亮を断罪しに行くときに、危うく稲村兄妹への断罪になるところを防いだのが熱い

凄い静かなシーンではあったけれど

パートナーをよく見ていた昌平と

お互いのことをちゃんと見ていなかったかや乃の対比になっていて

お互いのことをよく見ていなかったことを昌平に気づかされたからこそ

亮との関係を続ける、という選択肢がかや乃の中に生まれたんだなというのが

短いシーンの中で結構説得力を持って描かれてたなと

そういった意味でも亮は昌平に感謝した方がいい

昌平本当にいい子。彼が一番成長したよ

彼の好感度が低かったらたとえハッピーエンドでも読み進める気にはなれなかった

後日談的最終話は、そんな彼の思いがしっかりと報われた気がしてとても良かった

 

亮に関してもまぁ可哀想っちゃ可哀想ではあるんですよね

全く擁護はできないですけど

彼と父親の関係

彼が父親に対して持っている劣等感、コンプレックスで情緒が不安定になっているところで

響からのアプローチでさらにメンタルをかき乱され心の平安が奪われていた

 


そこで志望大学に落ちたところでメンタルが決壊し

”他人のせいにする”ことを覚えてしまった

 


シチュエーションには同情するけれど

発散の仕方に同情の余地がなく

そもそも有能な父に対するコンプレックスについても

父親が提示した六大学合格というボーダーはクリアしているにもかかわらず

父親と同じ大学に合格しなかったことで勝手に”父に見下される”と被害妄想を膨らませ

そのはけ口を、最初は昌平に、次に響にぶつけていったのはまぁ擁護できんですよね

挙句の果てに自分で選んだボロアパートにも、そのせいで彼女と家でSEXできないのも

響を道具にする理由に使っている

醜悪

一発頬をぶたれただけで済んだのはスカが足りないよなぁとも思うけど

 


結果として、かや乃と対等な関係での交際はもうなく、彼の理想の夫婦像は、かや乃と付き合っていく限りにおいてはなくなってしまったので、そういった意味で彼の人生において失ったものは少なくはないのかもしれないですね

尻に敷かれているっていえば可愛げはあるけれど、明確に主と従の関係はできてますでしょう。対等な関係では間違いなくない

後日談で整った容姿も失ってますしね

気づいたら太らされてたんじゃなくて、太りたくなかったけど受け入れざるを得なかったんだろうなと思う

まぁそういった意味でしっかりざまぁはできてるのかなと

 

あー、いや、こいつでも響と昌平別れさせることに成功して関係継続したとして

たぶんかや乃と結婚するときになったら響捨てるよな

捨てなくっても最低だが

かや乃とライアン君の接触を禁じたり響きに昌平と別れさせようとしたり

交友関係破壊して依存させようとしているところ

かなりモラハラ旦那の素質があるんだよな・・・

ここで響との関係が露見しなかったら

響を捨てて響闇落ち、最悪自殺で原因究明の中で露見

響と関係を続けたとしていつかはバレルだろうし、そうなれば稲村亮一家は崩壊

そうでなくてもモラハラ気質のまま夫婦関係続けていたらまぁたぶんかや乃が不幸になる未来が見えるので

ここで性根叩き潰されてかや乃の尻に敷かれたルートが一番亮にとって平和な可能性があるな・・・

そう考えるとやっぱりざまぁが足りない

 

 

 

読み終わってすぐはちょっと物足りないなって感じたけど

あとからじわじわといろいろ感情が沸き上がってきて

ついつい何度も見返しちゃう味わい深い漫画でした

よきよき

 

幼さ故の執着が若さ故の過ちを呼び込んでぐずぐずになっていくのが面白い【#三角的恋愛の餐宴】

アマゾンで2巻まで110円だったので試しに買って読んでみたのですが

(と思ったら1巻はすでに無料で入手していた💦)

なかなかおぞましく、なかなか良い結末の漫画だったのでご紹介

 

 

 

絵のタッチはかってにかいぞう期の久米田康治さんに似ていますね

 

粗削りな感じ、結構嫌いじゃない

 

ざっくりとしたストーリーは

 

稲村響は少しおかしい

再婚によって突然できた義兄  に恋をしてしている 

亮介妹の響には振り向いてくれず、

しかも亮介には小学校のころから付き合っている彼女 渡辺かや乃 がいる

なのに彼女の行動には過干渉気味

そんな亮介を振り向かせ、かや乃から奪い取るため、かや乃の弟で自分のことが好きな同級生 昌平 と付き合うふりをする

亮の当て馬をやらされる昌平もこのままいいように使われるつもりはなく

響を振り向かせるためにあの手この手を使って奮闘する

 

初見だと小悪魔妹に兄とその彼女、そして彼女の弟が振り回される

まだ中学と考えの幼い響の自分勝手な行動が

歯車を狂わせていき、誰もかれもを不幸にしていく様は

まさにファムファタル的な要素の強い作品

 

一番狂わされたのは義兄で、一番苦しんだのは響自身

 

正直3巻終わりでキャラクターの欲望が大暴走してかなり醜悪な

描写こそ控えているもののシチュエーション自体は18禁のアングラな雰囲気で

読んでいてかなりしんどいです

弱みに付け込んで要求がエスカレートしていくのを丁寧に、かつ醜悪に積み上げていく

 

暴走がエスカレートした結果、きれいに次の流れにつながって解決していくのは

個人的によくできていて

ちょっと展開がまきで、ざまぁ展開はもう少しはっちゃけてほしかったかなと思いつつも

よくよく考えれば十分報いは受けているし

 

青春という多感な時期の中、傷つきながら大人になっていく群像劇として

4巻と読みやすい巻数でまとめられているのも進めやすくていいですね

とりあえず同じ4巻で完結する青春のアフターよりは読後感はいいです

あれは面白いんだけどしんどい・・・

belphegor729.hatenablog.com

 

 

今なら4巻全部買っても1000円程度なので気になったら行っちゃうのが吉ですよ

 

 

 

 

プ女と野獣14話を呼んで愕然とした話

前回の愚痴記事に追記という形で乗せてたんだけどと

ちょっと追記で済む分量ではなく書きたいことがつのってきたので切り出して新規記事としてアップ

 

 

belphegor729.hatenablog.com

 

結論から言ってしまうと主人公の久我があまりにもひどかったので読む気を失った

という話なんだけど

 

palcy.page.link

 

なんか、なんつーのかな

俺がおかしいのか?

と思うくらいにあり得ない展開で

ちょっと読んでみて感想が欲しい

サクッと読む程度のポイントはすぐ貯まるし

読み終わったらアプリアンインストールしてもいい

 

もしくはあらすじについては前回の記事を読んでもらうとして

最新の14話の内容をまとめるのでどう思うかコメントが欲しい

 

14話の内容は

急に自分の進路について久我に伝えるか悩む百花から始まり

どう伝えようかと悩んでいたら、逆に久我から海外に最低1年行くことを告げられる

百花がどう伝えようか悩んでいた自分の進路は警察で

卒業後半年は会えなくなることで悩んでいたことを告げ、自分も同じだから大丈夫と大丈夫なふりをする百花だが

人の目を気にせずイチャイチャできる学生恋愛が羨ましく感じ、そんな自分に自己嫌悪を募らせる

前話で知り合った久我の後輩の彼女、椿さんにそんな自分の悩みを打ち明ける百花

話を聞いてもらった後

「百花が我慢するような関係であれば別れた方がいい」

と助言される百花

さらに、思いをぶつけるべきだ、我儘を言っていい

と椿さんに背中を押された百花は

久我に、久我の体面を考えて会いたい気持ちを我慢して、いい子を演じてきたけれど、本当はもっと会いたかったこと、海外に行ってほしくないことを伝える

久我は

「なんでもっと早くいってくれなかったのか」

と詰め寄るも思い返し

「気持ちをちゃんと受け止めるから、もっと我儘を言っていい」

と百花を優しく抱きかかえる

百花の我儘を聞いたうえで、俺の我儘を聞いてくれ

俺は海外に行きたい

と返す久我

君も警察学校に半年行くんだよね

一緒に乗り越えよう

と百花にいう久我

私間違ってました。一緒に乗り越えましょう!

と返す百花

二人なら乗り越えられそうな気がする

と言う百花のモノローグで終わるんだけど

 

だめだ、途中まで何とかバイアスかからないようにフラットを意識してごまかしてたけど誤魔化しきれない・・・

終盤の流れは百花が丸め込まれているようにしか見えない

丸め込まれてスリーカウントゴングなってる絵しか出てこない

 

本作で繰り返し繰り返し不満に思うのが

久我が年上ムーブを全くしないことなんですよ

 

百花が久我に遠慮をしている、気を使っているという認識がかけらもない

かけらもないから

”どうしてもっと早く言わなかった”

とかDVギリギリの発言が出てしまうと思うんだ・・・

この発言を決め顔で出してきたので頭を抱えたよ

相当残念な発言だと思うんだよね

百花なんも悪くないじゃん

 

百花は”久我のため”に我慢しているわけですよ

デートをする際に変装すらしないような久我のために

 

と言うことに切れる前に気付けよ

立場も責任もある芸能人である久我が

未成年女性と、しかも学生と付き合っているなんて文春砲でも撃たれたら久我のプロレスラー人生は終わるんですよ

それを百花だけは分かっているから我慢していて

その程度のことすらわかっていないから久我はこんな無責任で残酷な発言ができる

うわーないわーって目の前がくらくらしましたわ

で、君の我儘を聞いたので俺も我儘を言う

はもう最低以下のゴミ

「俺も我儘を言う」

のが許される最低限必要な久我のアクションは

”百花の我儘をかなえる”

君の願いをかなえたから俺の願いも聞いてくれ

という事だと思うんだけど

勢いに流されているけど

百花の我儘、叶いましたか?

 

君だって半年警察学校行くよね

だから俺が1年海外に行ってもいいよね

 

と言っているに等しくて

海外に行ってほしくない

はおろか

もっと会いたい

という我儘にすら

解決のための提案がない

 

一緒に乗り越えよう!

 

だけ

 

椿さんに相談する前と後で何も変わってねぇ

 

そもそも、百花の警察になりたいという話も今まで多分出てきていない(出てきてたらごめん。でもざっと読み返した感じは無かった)から

久我の罪悪感をそぐために急に用意した設定にしか見えんのよ

どっちもどっち感を出すためというか

ちなみに、ちょろっと調べましたけど

警察学校、休日であれば許可を取れば外出どころか外泊も可だそうで

海外遠征と同列で語ってよい話では全然ないですよね

警察学校とは|在学期間・授業内容・給料・休日などを解説 – マナラボ

 

結局久我の

「海外に行きたい」

という我儘だけかなって

百花の

「もっと会いたい」

という我儘は一ミリもかなわない

 

呼ばれたらいつでも日本に戻ってくるよ!

とか調子のいいこと言っているけれど

プロレスの興行なんてそんな生易しいものではないはず

日本国内でさえあっちこっち行って時間取れておらず、百花を寂しがらせているのに

アメリカなのかメキシコなのか知らないけれど、プロレスで海外って言ったらまぁ多分どっちかでしょう

広い北米大陸順繰りしていく中で日本に戻る時間なんてあるわけないじゃん

あったとして、百花の予定と合わせられますか?

1日会うために何日も修行先の団体開けて、往復のチケットを取って帰れますか?

その飛行機代は二人のこれからのために使わなくて大丈夫ですか?

 

安請け合いすんなよ

逆に不誠実だわ

 

あと、

俺鈍いから

を免罪符にするな

鈍い自分に甘えて百花におんぶにだっこな現状は見ていて不快

鈍いという自覚を持ったなら

鈍いから、百花が俺に言って

と相手にボールをぶん投げるんじゃなくて

鈍いから、うざいくらい意識して気を付けるよう”俺が”頑張る

のが正解でしょう

 

久我なにも頑張ってないねん

この14話の中で久我なにもしてないねん

海外遠征の話するときも

その前に

「俺たち離れ離れでも電話とかで連絡取り合っていけば大丈夫だよね」

とかくそダサい前置きで同意させておいてから報告するし

そういわれたら百花は大丈夫としか返せないでしょ

 

なんでもっと早くいってくれなかったじゃねぇよ馬鹿

そういうこというような奴だから言えなかったんだろ反省しろ!お前が!

 

我慢するのも百花

相談するのも百花

状況改善に動くのも百花

 

久我は「俺海外に行くけど二人の関係は大丈夫だよね」

とか言って百花に同意させるだけでそれで問題ないと思っているのか

百花の父親に切った啖呵は何だったのか

 

一緒に乗り越えようなんて聞こえのいいことを言っているけど

久我は二人の恋人関係を維持するために何にも、なーんにもしていない

 

この14話で大きな爆弾を落としておいて

百花が我慢する現状から1ミリも動いていない

むしろ、百花が我慢していることを久我が認識したうえで現状維持であることで

後退すらしていることに衝撃とともにドンびいたわけです

 

久我の世間体を守ったまま

もっと百花と一緒に会う時間を増やすにはどうするか

 

というのは、芸能人と未成年女性が付き合う上でもっとしっかりと取り扱うべきテーマだし

それについて百花の口から言わせたんだから

ちゃんとこの14話の中で解決策を提示して、久我の口から言わせてほしかった

俺は解決策思い浮かばんけど

思い浮かばんからこそ安易に取り扱うテーマじゃなかったんじゃないかな

いっそ触れない方がよかったんじゃないかな

とすら思うよ

安易に扱ってぶん投げるくらいなら

 

作者

椿さんに

「我慢する関係なら別れた方がいい」

って言わせておいて

結局、しかも百花ちゃんだけが”我慢をする”関係から1ミリも動いていないことに気づいているのかな

正直最後の流れは子供の百花が大人の久我に丸め込まれているようで

おぞましさすら感じましたよ・・・

 

久我も何か我慢しようよ・・・

 

文字数前回の記事超えててワロス

結局、恋愛初心者二人がイチャイチャするのがこの漫画の本題で

芸能人と未成年、大人と子供のカップルだからこそ起きるトラブル

というのは、この漫画の主題じゃないってことなんだろうな

Not For Me

ということは分かったので、これ以上ぐちぐちいうのもあれだし

スパっと読むのやめます・・・

青少年保護条例の大事さを切に感じる【#プ女と野獣】

久しぶりにダメな漫画にぶち当たってしまった

という愚痴です

 

 

 

最近インストールした漫画アプリにPalcyというのがあって

palcy.jp

 

無料の購読ポイントの取得が、使用期限が短い代わりに非常に容易になっていて

かつなろうものを含めた良作漫画が非常に多くていいアプリだなぁと思ってはいるのですが

ちょっとこの漫画はいただけなかった

 

イケメンよりもガタイのいい男の人が好きなプロレスファンのJK百花と

そんな百花の推しの悪役プロレスラー 久我が

 

いろいろあって付き合い始めるんだけどいろいろある

 

的な話で、

 

まぁいろいろで濁したんだけど付き合い始めもなかなかにやばくて

 

もともとSNS上でもレスラーとファンとして交流があって

久我自身も好感の持てるファンだと思ってはいたのだが

 

初めて百花がプロレス観戦しに行った際に、出待ちして少し会話した後に

久我から頬にキスをするっていう

 

その後交流が続くんだけど

百花が未成年だと知って一度は離れようとするも

百花にはっぱかけられて久我から告白、付き合いだすと

 

まぁ付き合うまでは本題ではなく

あくまで年の差美女と野獣カップルのいちゃいやラブコメだというのは分かるんだけど

 

とはいえ久我がアラサーとは思えないくらい幼稚で見ていられない

近い年齢同士であれば恋愛初心者だしまぁしゃーないですましていいというか、そういう方面でのラブコメと言うことで楽しめるとは思うんだけど

 

でもそうじゃないわけじゃん?

年下でしかも未成年じゃん?

それを選んだのは久我じゃん?

百花がいいって言ったからとか言い訳に使っていい年齢差じゃないじゃん?

 

百花はまぁいい

ずっと追いかけてきたわけだし、タイプの男性から好きです言われたらまぁOK出しちゃいますでしょう。

でも久我はさ

おまえ百花のことどんだけ理解したうえで告ってんのよ

SNS上でちやほやしてくれて、写メ送ってもらったら可愛かった

というレベルで告ったようにしか見えんのです

というか、初対面のファンに手を出すってやばくない・・・?

 

最悪そういう交際スタートであるのはおいておくとしても

交際内容がいただけない

 

久我の腹のくくり方が全然足りんのですよ

年下の彼女の許容に甘えている

 

自分自身が有名人すぎてデートにならない←デートする前に気づけ、変装しろ

初デートやぞ

ファンより彼女を優先しろや

職業的に無理?

そうだね。だからその二択を迫られる前に自衛しろ

ばかか

で、挙句の果てにおうちデート?

未成年自宅連れ込んだらそれこそ犯罪だろ!

 

で、最終的にこんなところで愚痴をはくに至った理由が最新話でね・・・

俺海外に行っちゃうけど俺たち大丈夫だよね

 

だそうで・・・

お前が言っちゃいかんでしょ

 

自分の都合で遠距離になるのに

フォローではなく同意の強要ですよ

これは同意の強要

 

男性が年上物ってそこまでドラマにならないと思っていて

だからこそ読んでいる漫画のほとんどが女性が年上物なんだけど

なんでかっていうと

男性と女性では基本的には男性のほうが強いわけですよ

更に年上と年下だと年上のほうが強いでしょ?

男性で年上だと 強い×強いと弱い×弱いのペアなわけですよ

バランスが全く取れていない

しかもこのカップルに至っては

有名人とそのファンなわけですよ

トリプルスコアで久我のほうが強いわけで

久我がしっかり百花をエスコートするという意思を見せないと

完全に百花が受け身になってしまって

彼女にばかり負担を強いている

 

彼がすべきことって、

高校生のガキみたいに「僕たち大丈夫だよね」なんて同意を求めることではなくて

大人として、社会人として

この危機的状況をどう解決するか

まだ幼い百花にどう安心してもらうか

彼女の”気持ち”に寄り添って真摯に向き合うことだと

思うんですよね

 

この全体的な久我の幼さというか、幼稚さについて

そろそろ指摘が入らないときつい

年長者であり社会人でもある自分が

未成年の少女をエスコートする

という意識が全く足りておらず、今のところそれが許され続けているので

リアリティが全然醸成できていないんですよ

 

現状百花の久我に対する恋愛感情が盲目すぎて

久我はそこに甘えているようにしか見えない

 

ちゃんと年少者をフォローしたうえで

そのうえで悪役レスラーなのに可愛いものが好きというギャップが活きてくると思うのに

ウサギを可愛がるんと百花と恋愛するんは違うんぞ

同レベルで考えていないか?

 

前に紹介した だって結婚しているから!という漫画で、一回り年下の男の子からの告白をかわす理由に

 

belphegor729.hatenablog.com

 

青少年保護条例を出してくるんだけどさ

なんというか、こういうバランスの悪さで年少者が苦しむことを回避するためにあるんだろうな

という感じがしてくるのですよ、この条例。このマンガ読んでるとさ。

最低限大人というくくりの中に入れられた者同士であれば、責任の所在は自分たち

でも責任のとれない未成年が青年と付き合うことで言いなりにならないか、負担を強いられた場合に自己責任にしていいのか

そういうことなんでしょう

たとえ相手にはっぱをかけられたからとはいえ、未成年と付き合うと決めたのであれば

その関係性について、大人である久我側が責任をもっていかないといけないんじゃないの?

恋愛初めてだからとか言って許される話ではないと思うんです

ハードモードの恋愛を、選んだのは久我自身なんだから・・・

 

海外遠征エピソードはまだ途中なので

これをきっかけに久我の甘い考えに喝を入れる展開であればいいんだけど

今のところは今回もやっぱり若い百花が本来年長者が使うべき気を使ってあげて、我慢をしている状態

こいつは今までの失態の反省をしていたのかと

あぁ、なんでこんなにイライラしているのかわかった

結局、真剣に交際します!

と百花の両親に言っておいて、その真剣の中身が提示されたことが一回もないんだ

大人の癖に、常に受け身、一緒に乗り越えていこう

で、若く未熟なパートナーを引っ張って導いていく素振りが全くない

たぶん、話の展開的に、同僚で親友の椿が百花ちゃんから今の状況を聞いて

久我に説教するんだろうけど

結局自分では気づけんのよね、このひと

どういう結論になるのかまだわからんけど

とりあえずこの下りが終わったらもう読まないかな・・・

 

百花ちゃんは可愛いしいい子なんだけどね。

それだけで読んでられないし、むしろいい子だからこそこんなこどもおじさんとは別れた方がいいとそういう感情しかわかねぇ

 

 

最新話が最後まで公開されたんで読みましたが・・・

正直これは酷い。想定をはるかに超えて酷い終わり方でした

belphegor729.hatenablog.com

 

この漫画レズしかいねぇ・・・【ムルシエラゴ】

紅守 黒湖(こうもりくろこ)は大量殺人を実行した凶悪犯罪者だが

死刑を延期する代わりに政府に代わり凶悪犯罪者を処刑する「国選処刑人」となり

警察では手に負えない犯罪者をサクリファイスしていくお話

 

黒ずくめでひょろっとした高身長

政府の元敵対者が枷をはめられ政府の犬に

享楽的な性格でそんな状況でも自身の快楽のために行動する

 

という感じが、ヘルシングのアーカードをほうふつとさせ

 

ヘルシングの影響下にあることは間違いない作品だと思います

いいよね、ヘルシング

ヘルシングが好きな人は本作もかなり刺さると思う

そろそろドリフターズ話を進めてもらえませんかね

で、アーカードは純粋に戦闘を楽しむことに愉悦を感じていましたが

本作の主人公、コウモリはそれ+同性食いを生業としていて、結構ゴリゴリのレズ描写が入ってきます

間違いなく売りの一つですね

事件の先で、レズであろうとノンケであろうとかまわず手を出し

シスターからはたまた事件の被害者の奥さんにまで手を出す

 

彼女に話が回る時点でかなりグロい事件のオンパレードになるのですが

彼女のカラっとしたレズ描写でそこらへんがマイルドになって読みやすくなっているのは間違いない

そもそも1話時点で2人も”カノジョ”がいて濃厚なプレイで始まるっていうのがもうね

良いよね

また、レズ描写の濃さだけが本作の魅力ではなく

1つ1つのストーリーがかなり骨太で、さらに1つの話の引きがしっかりと次の話、先の話につながっていく。過去のキャラクターがしっかりと先のストーリーで活躍していくので、そういった点でも読みごたえがありますね

 

現在20巻(ヘルシングの倍!)まで出ていますが

パートナーの一人屠桜 ひな子、そしてコウモリ自身の出自について

ほとんど開示がないんですよね

語るべき話はまだまだあるので

結構長くお付き合いができそうです

 

セクシャルマイノリティについてもう一歩踏み込んだ作品【君の世界に恋はない】

こういう時代だから、というのがあるのだろうけれども

ふと、頭をよぎるんですよね

 

お子がLGBTだったら、自分は受け入れられるだろうか

 

って

今でこそ仮面ライダーを一緒に見ているけれども

1年前はニチアサはライダー戦隊には見向きもせずプリキュアに興味津々で

好きな色はピンク

 

今のうちからそんなことにやきもきしていたら身が持たないとも思うし

あまり今の段階でとやかく言うのもトラウマとして植え付けてしまいそうでもあるし

あまり考えないようにしているのですが

ただ、そもそも私自身が

LGBTの理解促進のためにキャプテンアメリカをゲイにしろ!

みたいなことを平気で言う輩のいる界隈に拒否感があり、あまり快く思っていないので、偏見があるという自覚も一応あるんです

 

そんな感じで、LGBTについていろいろ思うところがあり

たまたまアプリのおすすめとして紹介されたので読んでみたら結構興味深かったので、こちらの漫画を紹介

 

ちなみにこちらの漫画は前に紹介した、「プ女と野獣」や「カラダ、重ねて、重なって」が配信されているPalcyで配信されています

 

どうも界隈の人って、界隈じゃなくてもそうなんだけど

既存の作品にそういう要素を入れろ!

っていうのが目につくんだけど

 

それをテーマにして新規の作品で読者に勝負しろよ!

って思うんですよ

まぁ入れろ、っていう人は大体創作側じゃなくて外野なんだけどさ

 

本作は前回紹介した「セックスしたい、したくない」と同じく

 

belphegor729.hatenablog.com

 

生身の異性に性的欲求のない「アセクシャル」の女性が主人公

 

そんな彼女の目から、性とは何かについて改めて考えていく作品となっています

自分は普通とは違う

じゃあ普通ってなんだ、どこからどこまでが普通なんだ?

 

面白いのが、心理学部を舞台にしていて、そうすることにより

考察するなかで多様性とは何か、性的志向とは何かについて深堀していってる

 

一言セクシャルマイノリティ、LGBTといってもそこにはいろいろあり

自分の性的志向に名前がつくことで安心する反面

そうでなくてはならないと逆に縛られることもある

ホモセクシャルだからと言って全く女性の体に興奮しないわけでもない人もいるし

アセクシャルだからと言っても少しは体が反応する人もいる

 

でも「俺はホモだから・・・」と、周りの視線を気にして蓋をしてしまうこともある

そうなんだから、そうあらねば

 

でもそうでなくていいんだ

みんなが普通と言っている異性愛者だって、グラデーションがある

本作の中では、「どこまでが浮気か」というディベートを行う中で

一つのカテゴリーの中でもグラデーションがあるということを示すことにより

だから、様々なセクシュアリティについても、型にはめて押し込めるものではなく

一つの性的志向というジャンルのなかのグラデーションなんだ

というところまで持っていこうとしている感じが誠実だなと感じます

 

LGBTのカテゴライズも、あくまで指針の一つでしかなく

そうかもしれないと思えばそうでいいし

違うなと思えばやめてもいい

 

もし未来、子供たちが自分の性的志向について悩むことがあれば

そっとこの本を勧めたいなと思わせる作品でした

 

ただなぁ、「セックスしたい、したくない」よりも1歩2歩踏み込んでいるのに

立った6話しかないので非常に消化不良

非常に興味深い世界観で、もっともっと広げられたはず

最後の展開もすごく唐突で、二人の関係性についてもっとしっかりと醸成してほしかった

せめてあと1巻くらい、せっかくLGBTに興味が持てる良いコンテンツだと思ったので

しっかりと描き切ってほしかったなぁ

 

 

 

マイノリティについて考える【#セックスしたい、したくない】

なんでこの漫画を手に取ったのかがいまいちよく思い出せないのだけれど

 

たぶん読んだ媒体はピッコマかなぁ

途中まで読んで、なかなかに刺さったのでそのまま単行本を購入

 

木村イマさんの作品と同じパターンですな

 

belphegor729.hatenablog.com

 

セックス依存症の女性 のどかと

他人に性欲を抱かない男性 庸司

の出会いを通して

 

彼ら彼女らの悩みに触れ

 

マイノリティであること

 

について考えるきっかけになる漫画

 

作者後書きで語っている通り

庸司の性的志向”アセクシャル”についてがおそらく本作の主題で

のどかに関しては、彼と正反対の存在としてアサインされた感じはあります

 

庸司の性的志向については、少なくとも作品中では生まれついてのものであり

理解されず、理解されることをあきらめてきた庸司が

のどかとであい、正反対ではあるもののセクシャルマイノリティである者同士としてその志向との向き合い方を知り、より前向きな将来を志向していく

そうであっていいんだ、というポジティブなメッセージを感じます

 

でも、のどかの性的志向には原因があり、でもそれを自分として育ってしまい

もはやそれが自分となっている

たとえ”ビッチ”とさげすまされても、そうでない自分にはなれない

食欲や睡眠欲と同じようにあるその衝動を、手放せない

たぶん、”原因がある”ということも含めて庸司と対照的な存在として設定されているんだろうなとは思うんですよね

 

そして、そんな正反対な2人だからこそ

2人が出会い、お互いを認め、関係性が醸成していくのがすごく尊くて

 

終盤の展開、今の延長線上にある未来ではあるのだけれども

そこで変に劇的な何かを用意しないところがとてもテーマに対して誠実で

 

恋愛感情はなくても、情はある

2人はこれからも、マイノリティであることに苦しむことがあり続けるのだろうけれども

その情の繋がりで、その苦しみはきっと軽減されていく

そんな明るい未来の見える素敵な漫画でした

 

正直もっと早く読みたかった

セクシュアルな話ではないけれども、自分も人間として外れている、欠けている自覚があって、ただそのことに気づくのが遅く、今更軌道修正できないということもカウンセリングを受けてよく理解しているので

もっと早く、正直大学生のころにはうすうすそうなんじゃないかと感じていて

ただ10年以上前の当時、そういうことについて名前がついていた時代でもないので情報も少なかったんですよね

 

作中に出てくるような、緩やかなコミュニティの存在が、例えば大学時代に私にもあれば、何か違ったのかな、今悩んだり苦しんだりすることもなかったのかな

と考えたりもします

 

と、自分語りになってしまいましたが

読後感がすごく爽やかで1冊でさくっと終わるので結構おすすめな漫画です

 

 

 

ついでに、同じ作者のこちらの漫画も百合ものとしてかなり上質だったのでお勧め

 

ちなみに、セクシャルマイノリティ関連の漫画はもう一個面白いのがあったのでそちらもまた紹介する予定です

 

今更だけど #テラモリ 読み終わったですよ

靴好き、服好きの間で一時期話題になっていましたテラモリ

 

 

 

ゲームがオタクな女子大生の高宮が高い時給に吸い寄せられて紳士服専門店「テーラー森」でバイトをはじめ、お店のスタッフやお客さんたちと様々な出会いを通じ、フォーマルファッションの知識を増やしながら人生を変える経験を得ていく

そんな漫画

ちなみに登場人物の名前が全部福岡の駅名からとられていて

福岡出身としてはその点でも結構印象的な漫画でした

(福岡引っ越した当初は薬院に住んでいて平尾にある小学校に通っていて、中学時代は春日原駅から降りたところにある塾に通って、大橋駅から徒歩10分の高校に通ってましたものでw)

 

私もこちらのブログで紹介されているのを見て購入し

fashion.adeliepenguin.info

革靴ネタにうんうんとうなずいたり

紳士服についてのうんちくに学ばせてもらったりしていたのですが

 

だんだんネタが紳士服業界裏話から

テーラー森のスタッフの人間関係に移ってきて

当時はラブコメにあんまり興味がなかったのでだんだん読まなくなっていったんですよ

 

で、付き合ってあげてもいいかな

 

が連載しているマンガワンアプリで公開していたので

懐かしいなぁと思いながら

単行本未購入分をちまちま読んで、やっと読み終わったところなんですが

いや、いいですね

当時は興味のなかった恋愛部分が非常に楽しいし

お仕事物の漫画としても

 

たまたま始めたバイトで初めて仕事というものに触れ

その業界について知識を深め、またそこで働く社員たちに感化されながら

そこに自分の未来を見始める

そんな彼女の背中を、時に厳しく、時にやさしく押してあげるスタッフに囲まれ

最終回では自分が次の世代を育てる側になる

 

1話と同じ展開で終わる最終回は大好物です

というか大人になった高宮が美人すぎる

 

さらに、本編終了後だいぶ時間を空けて連載された後日談がまぁ素晴らしかった

 

多くは語らない、語れないけど

本当に理想的な後日談で

とりあえず高宮ちゃんの花嫁姿はやばかった

これリアルタイムで読んでいた人はうれしかっただろうなぁ

何よりもテラモリ読んでいたころから5年近く時間がたったのかと空恐ろしくもなる・・・

 

ちなみに作者のikoさんは今

パルシィという漫画アプリで

 

SEXの悩みを抱えた男女の恋愛マンガ描いてます

調べるまで気が付かなかったけど確かに絵が同じだな

結構同じ悩みを持っているので、なるほどなぁというか、もっと早くこの漫画に出合いたかった

最新話では二人の悩みはおおよそ改善してしまって、普通にいちゃラブしているので若干終わりそうな予感もあるんだけど。結構好きだしそんなに巻数も重なっていないのでもう一波乱持ってきてほしい

こちらもなかなかおすすめですw

そのお陰で今があるのであれば、ダメだったことにも意味がある【#付き合ってあげてもいいかな】

最初はね、いちゃいちゃレズもの最高ですやん的な

ほのぼの日常系漫画だと思って読んでいたんですよ

 

 

いちゃいちゃして、すれ違って、

本音で話し合って仲直りして

未来に向けて一歩一歩進んでいく、そんなポジティブな漫画だと思っていたんだ

最近読んでる漫画もよくも悪くもそういうのばっかりだし、この漫画にもそういうのを期待していた

んだけど

 

違った

全然違った

 

付き合ってあげてもいいかな

ってちょっと傲慢な台詞だなとも思ったんだけど、此もきっと伏線で

 

実際は

軽い気持ちで付き合い始めたはずが、思った以上に本気になってしまい、でも今更かっこ悪くて本心を伝えられずに自縄自縛になってしまった冴子と

はじめて告白されて女の子と付き合い始めたけど、彼女に向ける感情が好きなのかどうか、自信が持てないまま依存していったみわが

ぼろぼろになって別れて

新しい出会いをへて

ちょうどいい関係を見つけていくお話、なのかな

 

軽いのりを期待してたら急にガツンと殴られた感じはまどまぎ以来かも

破局以降から単行本の表紙のテイストもガラッと大人びるんだけど

辛い話だな、

しんどいなと思いつつも

 

すごくいい漫画だなと思ったのは

世の漫画が、付き合いました、破局しました

で終わるのが多いのに対して

 

本作は、

破局しました

から、更に進んで

どうして破局してしまったんだろう、どうすればよかったんだろう

ボロボロになりながら、自省し

次の出会いを大切にする

 

フィクションだから

どうしてもそこにある出会いを特別なもの運命の二人として扱いたくなるところではあるんだけど

 

現実と同じように、どの恋愛も、誰との恋愛も

主人公であろうとモブであろうと等しく扱って

 

失恋したって死ぬわけじゃない、次がある

という流れに持って行ってるの

これをフィクションでやるのはかなり勇気がいることなんじゃないかなと思うんですよね

 

正直私は途中まで受け入れられなかった

できれば二人に、よくある漫画のようによりを戻してほしかったんだけど

 

恋人から友人になる物語も

あってもいいのかもね

 

と思えるくらいには、この漫画を好意的に受け止めているのかもしれない

 

作者は、レズ、あるいは百合を特別なものではなくどこにでもあるものとして扱いたかったとコメントしているんだけど

 

たぶんこれもフェイクなんだと思うんですよね

 

だって、読み返していくと第1話の時点で二人の関係が破綻する伏線を丁寧に描いている

みわは、冴子ではなく同性愛が許される環境を愛していることをずっと示唆し続けているし

冴子は、誘った側の余裕を見せたくて自分の心にうそをつき続ける

みわの”付き合ってあげてもいいかな”というノリに冴子は消耗し続けるんですよね

 

でも、それはそこに至るまでひた隠しにしてきていて

その一環としてのコメントなのではと思う

 

だって同性愛であることについて、そのネガティブな面を

私が読んだどの百合ものよりも真正面から向き合っているんですよ

これは同性愛だからこその問題だな、しかも別れた後だからこそ生じる問題だと

そういうのをオブラートに包まずガツンとぶつけてくるのがとても誠実に感じて

いっそ気持ちいい

 

いや、どこにでもあるものだからこそ、特別ではないからこそ分かれちゃうのかな

 

2人とも、実は冴子もちゃんと女性と付き合うのが初めてで

その”特別”な関係性を維持することに必死になりすぎていろんなことから目をそらし続けて

辛い結末を迎えてしまう

たぶん関係性にこだわり過ぎて、相手そのものを見れていなかったのは2人ともなんだよね

 

普通じゃない、普通じゃないと張り切って、必死になってしがみついて、だめになって

 

でも、それを糧に

2人は2人が自然体でいられる新しいパートナーを迎えることができた

同性だからとと言って、肩に力を入れる必要はないんだ

 

上手くいかなかった過去があるからこそ

それに気づき

上手くいっている今がある

2人は、上手くいっている今をいつしか笑いながら話せる中になる

 

もう最新話まで追いついてしまって

そんな未来が示唆されつつもそこまでたどり着くにはまだひと悶着二悶着ありそうではあるのだけれども

 

恋愛ではなくても、これも特別な二人の関係と

そう思わせてくれる

そういう意味では運命の出会いを果たした二人の

そんなエンディングを追っかけて行こうと思っています

 

好きな展開じゃないのに、すごく好きな漫画になりました

思いのほか刺さったので思わずグッズも買ってしまいましたw


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www.pal-shop.jp

どこで着るんだって話ですけどね💦

 

魅力的なヒロインがぐいぐい引っ張っていって楽しい【#プロミスシンデレラ】

ジャンルにはまって気付いたんですが

年上彼女ものって思った以上にポピュラーだったんですね

 

こんなにたくさんあるとは

アプリ「マンガワン」で連載中のプロミスシンデレラ

去年ドラマ化もしていたんですね

しかもデビュー作なんだ、絵めっちゃうまいなぁ・・・

 

曲がったことが大嫌いな27歳バツイチの(元)専業主婦 早梅と

17歳老舗旅館の次男坊 壱成の

10歳年の差のドタバタラブコメディ

 

旦那の浮気を咎めたらそのまま離婚を告げられ

体一つで飛び出した早梅は

職もなく金もなく、帰る実家もなく

ホームレス一歩手前の状態に陥っていた



そこに現れたのが過去に同級生をいじめているところを早梅に咎められ

いつか仕返しをしてやろうと思っていた高校生の壱成

 

壱成は早梅に住むところを提供する代わりに「リアル人生ゲーム」に付き合ううよう要求するのだった



といったストーリー

リアル人生ゲームについては二人が繋がるきっかけに過ぎなくて、割と序盤でこのイベント自体は終わっちゃいますが

 

シチュエーションとしては前に紹介した「だってもう結婚してるから」にかなり近くて

belphegor729.hatenablog.com

家庭内の不和で居所をなくした奥さんが

若い男の子に弱みを握られいうことを聞かされるんだけれども

男の子のほうも心に闇を抱えていて、女性とのかかわりは

彼にとってもそこからの逃避であって

同じように、あるいは自分以上の不遇にもめげない彼女の力強さだったり、

誰からも気づいてもらえなかった自分の闇に、同じ目線で向き合ってくれたり

 

だんだんと気になる女性に代わっていって

いびつな関係から大切な関係に代わっていくのがとても良いです

 

本作を引っ張っていく一番の魅力はヒロインの早梅よね

不幸な生い立ちにめげない強さ

今の不遇にもおれない強さ

周りにも気を配れられるやさしさ

 

さばさばした江戸っ子気質な性格も読んでいてすごく痛快で

義理堅く責任感が強いところも凄く魅力的

 

だからこそ、限界超えちゃった時に見せる弱さにやられちゃうんですよね

壱成でなくてもこれはやられてしまう

 

キャラクターとしての強度が圧倒的に高い

これは人気が出るし、ドラマ化もするわと納得

 

特にね、早梅が壱成への恋心を自覚したコマ

具体的には73話なんですけどね

このコマの早梅が最高に可愛くてね

立場が上だったはずの壱成が、人間力でどんどん力関係が逆転していって

そのまま惹き込まれて早梅の気を引こうと四苦八苦するのもほほえましいんだけど

もともと最悪の出会いから始まって

過去のトラウマもあり自立したいという思いの強かった早梅が

壱成の弱さに気付き、彼もそこから上がってきてほしいと彼への感情が変化していき

それももともとは年上としての思いやりややさしさだったはずなんだけど

壱成の彼なりのアプローチに早梅もまたほだされていくのもとてもにやにやするんですよね

 

早梅も早梅で少女時代のトラウマで心の扉が固くなっているところ

こじ開けていくのは怖いものなしの猪突猛進な若さなんだなぁ(・∀・)ニヤニヤ

 

年齢差も10歳とまぁこれ系の中ではそれなりに小さい方で、早梅もまだ20代半ばなので全然若い

年齢差で抑えていただけで、なんやかんや壱成一筋なのもいいですねぇ

その分初恋の相手の壱成の兄の成吾さんがすごく可哀そうなんだけれども

早梅は過去のことと感情を清算してしまっているけど

彼にとってはこじらせた初恋なんだよな

最近こう、実らない初恋系に結構感情移入するようになってしまって

その筆頭格が成吾さんなんだよな。

逆に、作中で表現されている以上にこいつクズだなと思うのは早梅の元旦那の正弘

彼女に身寄りがないことを知っていたうえで、

そして、結婚を機にパートをやめさせてもいるのに

こっちは初恋相手との再会に舞い上がって不倫するとか

身内に裏切られて閉ざしていた早梅の心を無理やりこじ開けたくせに

自分も裏切るのかって、正直恋愛感情が無くなっていたとしても

罪悪感なり義務感でその初恋は控えるか、せめて早梅との関係を清算してから移るよね

結局ばれてすぐ離婚を切り出すというルートしか残せなかったせいで

何も準備ができていない状態の早梅を放り出すことになってしまっているわけで

まぁ早梅に好意が有るかどうか以前の問題で壱成がぶちぎれるのも仕方がない

謝って済む問題ではないだろうに、ただひたすら御免なさいしか言わないのはかなり読む側の印象も悪いし

壱成に殴られてなお理解するそぶりもなかったので、もう駄目なんだろうなぁこの人

早梅は強いから大丈夫だとか思ったのかもだけど

強いのと強くならざるを得なかったとは違うと思うんよね

スパっとフェードアウトするのも仕方がないヘイトのため方だったんじゃないかなと思いますね

ここ最近読んだ漫画の中では一番悪意なく悪を成す人間でした

 

と、まぁ嫌いなキャラはいつつも序盤で速攻フェードアウトしてくれたし

そこからはかなり好みな展開でほくほく

 

ストーリー自体も終章に突入した感もあり

あと1~2巻で終わりそうかな

そもそもプロミスシンデレラ

ってどういう意味が込められているんだろ

最終回とかで明かされるのかな

バシッとタイトルの伏線回収きたらかっこいいなぁ

暴走する独占欲【#恋と心臓】

前回紹介した「幸色のワンルーム」は恋愛要素薄めのサスペンスメインな作品でしたが

 

今回紹介する「恋と心臓」はサスペンスな恋愛もの

 

(DMMBook只今50%ポイント還元セール中なのでリンクを作成してみました)

※1巻期間限定無料公開中(~1/17)

5巻までセール中だったので、えいやで全巻購入しちゃいました

前のポイント還元セールでかなりポイントもたまっていましたしおすし

 

ストーリーとしては

極論を言うと幼少期に海外に引っ越してしまったために離れ離れになった思い人と再開するために奮闘する青年の話なんだけど

 

彼が海外に行かざるを得なくなった事件が物語を動かす原動力となっている

 

母が海外で事業を展開しているため一人暮らしの羊があるとき家に帰ると

謎の青年 春馬 に声を掛けられる

彼は隣に住んでいた羊の幼馴染を自称し、羊の母の紹介で羊と一緒に住むことになったという

 

しかし羊に幼馴染がいた記憶はなく、また隣家は今現在廃墟となっており

その住人は無理心中をしたはずで

 

ではこの春馬という青年は誰なのか

 

つかみどころのない春馬との共同生活に戸惑いつつも

春馬が羊を大切に思っていることはわかる

羊が巻き込まれるトラブルをいつも大事になる前に助けてくれる春馬

しかし、羊の友人たちは、そのトラブルが”あまりにも出来すぎている”ことに疑問を感じ始める・・・

 

だとしたらタイミング神じゃない?
よりによって春馬君が来た日に盗撮されて
羊まで浮気したみたいになっちゃってさ

なんだか

誰かに仕組まれてたみたいじゃない?

 

 

ヒロインの羊は、友人思いで真面目な性格

二人の友人冬弥と早和子を大事にしており

春馬とも仲良くなってほしいと思っている

そうでないと話が転がっていかないというのもあるかもだけど

こういうおせっかい焼なヒロイン好きなんですよね

神様はじめましたとかもそう、少女漫画に多いイメージ

 

隣家での無理心中については早い段階で未遂に終わり、実際に死んだのは母親のみ

春馬は助かるのだけれど

 

羊も事件に深く関わっており、そのせいで春馬に関する記憶を完全に閉ざしてしまっている

春馬は記憶のカギとなる人物ということで、羊の母によって無理やり引き離されており

淡い恋心が離別によって歪んでしまい

異常なまでの執着心を育て上げてしまっている

 

なんとしても羊を独占したい春馬と

その独占欲に羊が傷つくことを恐れる二人の友人とのせめぎあいが本作の表のテーマだとは思うのですが

 

裏のテーマはあまりにも厳しすぎる幼少期で心が壊れてしまった春馬を

羊が記憶を取り戻し、受け入れ、癒していく物語でもあって

実際私が全巻購入したモチベーションとしては

この羊から春馬への愛情に尊さを感じたからというのが強い

 

本作が読めるアプリ上では本編は完結していて

今は友人二人にフォーカスを当てたスピンオフに移っているんだけど

いやーエンディングのラストカットは感動しましたね

 

後日談好きとしてはエモさに身悶えてしまいました

どろどろとした人間のエゴと

尊い純愛を同時に摂取できる良作でした

 

 

 

 

で、こっからネタバレ感想なんだけど

物語が転がっていくうえですれ違いとか言葉足らずみたいなのがどうしても必要になっては来るのだけれども

にしても

羊の母 八木沢涼と友人 大嶋冬弥の二人は酷かった

ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん(長い・・・)

で言っていた

そこでその行動はアウトやろ!というのが強い

羊が心を病み、記憶を閉ざす原因となった隣家の事件の当事者である春馬を強引な手腕で海外に当座けるほど羊を気にかけているはずなのに

その羊を一人置いて海外に勤務して、コミュニケーションもめんどくさがっているのはどうかと思うんですよね

タダでさへ離婚でひとり親になってしまい、羊は愛情に飢えているはずなのに

自分も羊にとっての忌まわしい記憶の一つと後ろめたい気持ちがあって大事には思っているが積極的にかかわることにおびえている、とかであればいいんだけど

そこら辺の整合性はちょっとほしかったかも

冬弥に関してはなんかあれですね。物語の都合に振り回されている感じもあるけど

立ち回りがひどすぎる

恋心を自覚していないどころか手遅れになってからあがき始めるのがなんとも醜い

せめて序盤のみっともないむーぶさへなければまだ見られたんだけど

そんでそれをスピンオフでもまだ続けているのが

正直彼の後始末付けたり振り回されたりそれでも嫌いになれない早和子が可哀相・・・

 

ていうか早和子ちゃん最初から最後まで常に不憫だったな

実らぬ恋に身を焦がしながら、一番損得なしで真摯に羊のことを思って行動していたの彼女だよね

冬弥は「羊は友達だから」と常に自分に言い聞かせつつ、肝心なところでタガが外れて早和子の頑張りをぶち壊し続けるし

「自分は馬鹿だから」と卑下するふりして自分の愚行を肯定しようとしているようにも見える。馬鹿ならばかなりに駒に徹するべきだと思うのよね

春馬も過去が呪縛になって真摯に羊の幸せだけを求められない

早和子本当にスピンオフで幸せになってほしい

 

 

ここまで全てが歪なの本当に凄い【#幸色のワンルーム】

漫画アプリで何気なく開いた漫画でどぎついあたりを引くと脳汁が出ますね

 

幸色のワンルーム(1)(DMMBooks)

 

今回紹介する漫画は

Pixivで始まったのかな?

マンガUPで最新刊発売で紹介されていたのが目に留まり読み始めたのですが

なかなか狂気にあふれていて読みごたえがある作品ですね

 

少女を誘拐したハル

ハルに誘拐された少女

世間では捜索願も出ているが

傷だらけの少女はハルから逃げることなく

逆に、警察と少女の良心から逃げ続けるゲームを提案する

報酬は結婚

捕まるときは一緒に死のう

 

違和感だらけの二人の関係を物語を進めながら読み解いていくミステリー仕立ての作品ですね

 

少女は初期の段階で、両親からの虐待を受けていることがわかるのですが

そんな彼女をストーキングし続け最終的に誘拐したハルもまたまともではない人生を送っていて

なぜ彼が彼女をストーキングし続けたのか、誘拐したのか

 

既刊9巻で常に新しい情報が開示されていくのでだれることなく、常に新鮮な気持ちで読み続けることができます

中盤で登場する探偵はちょっと都合がよすぎてファンタジーな存在ではありますが

特にハルの生い立ちが特殊すぎるのでそこらへんもちょっと紛れつつ

ハルと少女が到達しうるであろう一つの未来として提示されている感じもあります

 

物語の展開的に、おそらく11巻程度でエンディングを迎えるのではないかと思いますが

ここからさらにまだ出していない爆弾をいくつも抱えていそうな本作

まだまだ楽しみは続きそうです

 

この作品ドラマ化もしてたんですね

放送時期的に全然話が進んでいないころのドラマ化みたいで、終盤は完全にオリジナル展開みたいですね

ちょっと見るメンタルにはなれなさそうかなぁ

 

しかし最近はこういう形式多いですね。

今までって雑誌で公開した分を単行本化するのが通常なのに

単行本を先行販売して、アプリは追いかけで公開していく

思えばこの着せ替え人形は恋をするとか、薬屋のひとりごともそうで単行本買い始めたんだよなぁ

 

今回もまんまとはまってしまって、最新刊を購入しちゃいました

待てる人はアプリで、待てない人は単行本で

良いすみわけだと思うけど

こういう先が気になる系はなかなかアプリまで待てないよね

日常系だったら待てるけど

そして買ってしまったせいで、10巻がさらに待ち遠しい・・・

新しいタイプの死亡フラグ回避もの、すごく好み【#ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん】

最近マジでなろうか年上彼女ものばっかり読んでいる気がする。あ、あと百合

令嬢系5年上彼女もの3百合系1そのほか1くらいの割合

 

令嬢ものも前に悪役令嬢ものについて考察した時と比べさらに多岐にわたるんだなぁということがわかってきたのですが

belphegor729.hatenablog.com

異世界転生ものはいいんですが、最近は悪役に仕立て上げられて処刑された後に生まれ変わる系がポチポチあったり

あれ結構しんどいんですよね。基本的に冤罪で処刑なので、残された人の悲壮感がえぐい

 

で、今回紹介するのが、そんな悲運の未来を、ゲームプレイヤー側がキャラクターに干渉して防ごうという、

なんというか、オタクなら1度は願ったことがあるのではなかろうかというシチュエーションを題材にした

ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん

 

正直タイトルでちょっと敬遠していたのですが、読んだら抜群に面白かった

あ、アニメ化決定おめでとうございます

 

ありません?

ゲームしてたり、マンガ読んでいたりして

「あーなんでそこでそんな選択しちゃうの!!」

って言いたくなるシチュエーション

そんな声が、ゲームのキャラクターに届いてしまい・・・

というのが本作

 

小林さんに気のある遠藤君が

小林さんに乙女ゲームを勧められるんだけれど

先に読むと理解が深まると一緒に渡された、ラスボスキャラの悪役令嬢のスピンオフ

いわゆる「悪役にもつらい過去が」系のスピンオフを先にプレイさせられてしまったせいで

悪役令嬢に感情移入してしまってプレイを拒否する遠藤君

わかる、すごくわかるぞ遠藤君

私もKeyのAirをプレイし終わったときに放心して1週間くらい上の空で、

どうやったら二人は幸せになれたんだろうとぼへーっと物語に飲み込まれていたんですよね

AIR - Switch

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  • プロトタイプ
Amazon

いや、来世で二人は幸せになったんだ

とかそういうのはいいんです。今世での二人の話しかしていないので

もっと言えば晴子さんがまったく救われていないので・・・

と、話がそれた

 

で、そんな遠藤君にどうしてもプレイしてもらいたい小林さんは

「遠藤君実況してよ、私その実況に解説付けるから」

と謎の提案

二人でプレイすることになるが

 

その実況と解説が、なぜか攻略対象キャラの王子にだけ聞こえており・・・

 

悲劇の悪役令嬢リーゼロッテにハッピーエンドを届けるため

二人の高校生の奮闘が始まる

 

といった感じ

まぁまずそもそも論としてリーゼロッテさんが悪役令嬢もの史上トップクラスで可愛い


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ここ重要どんなに面白くても、絵がへちょいとなかなか入ってこない

それで読むのやめちゃったなろうコミカライズも幾つかあるしね

 

 

で、リーゼロッテが悪役令嬢になってしまった理由が

ツンデレという概念のない世界で

王子への好意をうまく表現できずに自縄自縛になってしまい

追い詰められ弱っているところを付けこまれて闇落ちしてしまう

といった感じで、


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私もこういうシチュエーションは結構しんどいんですよね

報われない両片思いとか本としんどいんですよ

お前そこは気づくやろ!

とか

なんでそこを勘違いで済ませようとする!

とか、

そう思っているならその行動はないだろ!

結構多いじゃないですか

ぶっちゃけ本作でも遠藤小林ペアはそうなんですが、が、が

 

そこをうまく実況と解説の二人がフォローして

素直になれないリーゼロッテを王子がエスコートしていくので

非常にストレスフリー

またリーゼロッテの照れ顔も可愛いので、純粋に眼福でもあります


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また今作が読みやすいのは、基本的に悪人がいないというのもありますね

結構悪役令嬢ものっていわゆるヒロイン役のほうが悪どく、

いじめと告発される事案もヒロインの世間知らずの行為に対する叱責を大げさに騒ぎ立てていただけというパターンが多いんですが

本作のヒロイン フィーネも普通にいい子で

彼女も二人の声が聞こえるようになったことで、いじめだと思っていたリーゼロッテからの行為が、彼女への思いやりからくるもののプライドから素直に伝えられていないだけで、決して彼女に害をなすために行っているわけではないということがちゃんと伝わるので


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若干の百合要素もありつつ、二人の関係性も改善していくので、まぁ語彙力が死んでいるんですが”良い”のですよ

 

二人のおかげでツンデレの概念を理解した王子とフィーネのおかげでだんだんツンが潜んでいって、本来の優しいリーゼロッテが現れていく中盤

そして、外れていったストーリーを強制的に元に戻すように悪夢にさいなまれ、闇落ちしかけるリーゼロッテを守ろうと奮闘しているのがちょうどいまコミカライズしているところですね

王子とリーゼロッテの恋仲も気になりつつ、遠藤君と小林さんの関係も、今のところ遠藤君の一方通行ではあるものの、遠藤君も頑張っているのでそこらへん報われてほしいところ

 

まぁ実際のところカクヨムで最後まで読んでるんですけどね

ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん(恵ノ島すず) - カクヨム

なろう系は結構原作完結済みのものが多いので、割と安心して先を楽しみにできるのが良いですわ

 

令嬢もの、生まれ変わり系は全部面白いけど重いし

特にこれ誰も悪くない”はず”なんだけど

正に「そう思っているならその行動は違うだろ!」が重なって主人公が命を落とすところから始まるのでかなりしんどい

原作のほうも終わっていなくて着地点が見えず、そもそも罪と自責を背負ったまま20年弱立っていて、未来ハッピーエンドがあっても過去のバッドエンドが救済されるわけではないのですっきりするヴィジョンが見えないんですよね

 

ざまぁ系も、始まったばっかりでざまぁのターンまで言っていないやつが多かったり

と面白いけれどもフラストレーションたまるのが多いので

こういう善意で補強されているような漫画が清涼剤なんです

 

思い人がいる者同士の結婚【#ながたんと青と】

だいぶ前にAmazonで無料で3巻くらいまで購入できたのでそこから読み始め

 

結局最新刊まで読み切ってしまった

 

戦後の京都を舞台に、戦争で旦那をなくした35歳の未亡人 いち日(いちか)が

実家の経営破綻寸前の料亭の融資の条件として持ち掛けられた縁談を

駆け落ちした妹の代わりに受けるところから始まる本作

その縁談の相手がまだ20歳の青年で・・・

 

という、うーん、結構前に入手していたのですが、またもや年上女性カップルものです

一度このジャンルのまとめ作ろうかしら

 

今まで読んだのと毛色の違うところは

すでに2人は結婚していること

いち日は死別した旦那が

結婚相手の周(あまね)も幼馴染に思いを馳せているものの、その子は兄の許嫁で

兄と幼馴染が暮らす家から逃げたくて、いち日の家を利用している

特に中盤、思い人である幼馴染が決して兄から大事にされているわけではないというのも分かってくるので余計に苦しいんだろうなというのが想像に難くないというか

まぁしんどいよね。俺だったら幸せにできるのにって思うよね

 

で、そんな利害の一致で成り立っていたはずの夫婦関係が

料亭を立て直すという目標に向けて二人三脚で頑張るうちに

2人の関係性に変化が生じてくる・・・というお話

 

初めはドライな関係を保っていた周は、いち日の料理にかけるひたむきさや年上の包容力にだんだん惹かれていく。

幼馴染からの呪縛はどんどん軽くなってはいくものの、そうすると今度は好都合だったはずの戦死したいち日の元旦那への嫉妬心に苦しみ始める

 

いち日はいち日で、周の才能に助けられ、料亭の経営が改善していくにつれ

こんなところで終わっていい人物ではない、こんな年上の女と一緒にいるべきでも勿論ない、彼のためにも彼を開放すべきだと

距離を取り始める

15歳という年齢差もさることながら35歳という出産適齢期からも外れ始めている年齢であることに悩んでもいる

 

結婚もしていて、同じ方向も向いているはずなのにすれ違う夫婦の物語です

 

が、ちょっとすれ違い期間が長すぎて、料亭の再建という目標についてはすごく嘖々と進んでいって、サクセスストーリーとしてわりと読みやすく楽しいのですが

年の差カップルものとしてみると、関係性が遅々として進まず、7巻現在でも3歩進んで2歩下がる状態なのが非常にじれったい

そろそろばちっと方向性を見せてほしいなぁと思ったりなんだったり

 

とはいえ前述の通り、経営再建ものとしてだったり、女卑の時代に働く女性料理人としての職業モノとしても見ごたえがあって

副題が「いちかの料地帖」ということで、

戦後すぐの料理事情をもとにしたレシピもすごく面白いです

自分では作れんので、眺めるだけですけどね

 

 

結婚はしてからが始まり【#だってもう結婚してるから!】

 

1巻が無料だったので買ってみたらそのままずるずると全巻購入していた・・・

そしてまさかのおねショタ系だった・・・

 

いつも不思議に思っていた

ハッピーエンドのその後も

少女漫画のカップルたちは

幸せなのかなって

 

教師を目指す安定(やすさだ)と結婚した真陽(まひる)

結婚して5年、中学教師になった安定と、主婦として支える真陽

おいしいご飯を旦那にふるまうのが夢だった真陽は、しかし仕事を優先し、自身を顧みない夫に、ないがしろにされているようなさみしさを覚えていた。

誕生日も仕事、旅行の約束も学校行事で流され続け、せっかくの料理よりも日曜大工を優先

それなのに、その最中にかかってきた生徒からの電話には自分には見せない笑顔で答えるに至り

真陽の不安と不満が頂点に達し、パート先の同僚から娘の学生服を借りて学校に侵入するという暴挙に出る

 

旦那の授業風景を眺めて我に返った真陽が学校を去ろうとしたところに

授業をさぼっていた少年新(あらた)に見つかってしまい学生服のコスプレをしている写真を撮られてしまう

写真を消す代わりに何でも言うことを聞くよう脅される真陽


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中学教師の妻と、その生徒の奇妙な関係が始まった

 

という感じのストーリー

いびつな始まり方をした奇妙な人間関係が、巡り巡って新しい扉を開いていく

出会った二人、真陽と新はそれぞれに家庭に問題を抱えていて

 

真陽は愛し合って結婚したはずなのに、ハッピーエンドのその先は感謝もされず、見向きもされない、必要とされていないことに心を削り続けている

 

新は、両親の不仲によるストレスのはけ口として実質的家長の母から厳しい虐待を受けている

「父のようになってはいけない。完璧でなければならない」

と、期待というには重すぎるプレッシャーに身も心もすり減らしている

 

夫から、或いは母から

一番身近な存在から傷つけられている二人

 

新くんがまぁいいショタ

小生意気だけれども、それは愛情に飢えた内面を隠す仮面で

真陽が心に同じ傷を負っていることに気づいてしまった彼は、ツンツンしつつも気にかけてしまう

その感情の名前を友人に言い当てられた時の動揺する顔とか本当にごちそうさまって感じ

こういうの、こういうのが好きなんですよ

 

もともと、料理を夫に喜んでもらいたい、というささやかなことを幸せだと感じていた真陽もこんないい人いないよ?っていうくらい善人で

気にかけてくれた彼に返す言葉が謝罪ではなく感謝であることに気付いている

 

脅す子供と脅される大人

という関係から

中学生と、担任の妻

という関係に代わっていき

さらにその先がどうなっていくか、

というのは是非是非先を読んでもらいたいところ

 

マンネリ化した夫婦関係に若い子が入ってきてお互いの関係を見つめなおす

というフォーマットだとこの作品群と結構似ているんですが

belphegor729.hatenablog.com

 

真陽の旦那、安定のキャラクターがなかなかにエグイ

あこがれていた教師という職業になれたことを大事にしすぎて

教師である自分が当たり前だと思っていて

そして、教師になることを応援してくれていた真陽もそんな自分を肯定すべきと思っている

安定と一緒に幸せになりたかった真陽と

真陽に教師の妻になってほしかった安定

この二人の溝は大きく

あまりにも自分を中心にしすぎる安定から真陽に矢印が伸びることが全くないのがもういっそ怖い

 

二人が心を通わせたように見えたBBQも

安定に必要とされたと安どする真陽と

教師の仕事の仕事を真陽が支えてくれたと喜ぶ安定

同じことのように見えて、その感情の中心にあるものがずれている

1巻だけでも

真陽の作った料理に手を付けない

ディナーデートの後に夜中まで遊んでいた学生を見つけ、デートの最中なのに生徒を家に送ることを優先する

しかも、雨が降り始めたからと言って、二人で入るために出したはずの真陽の傘を同意も得ずに渡してしまうし


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挙句の果てに子供を作るかどうかも一方的に押し付けようとする

傘の下り、自分も傘持っていなかったくせに、折り畳みを用意していた真陽の手柄を横取りして生徒に説教しているのいっそホラーだよね

 

教師は忙しいから休日くらいは自分のしたいことをしていいはず

教師なんだから、生徒の安全は一番に考えるべき

家に一人でいる真陽は子供の面倒を見ればさみしくない(と同僚が言っていた)

 

教師である安定を真陽は肯定してくれる”はず”という期待

子供の話も彼女のため、そうす”べき”という押し付け

 

真陽とすれ違っていることに気づいてはいるし、どうにかしないととも思っている

気づきを与えられる機会も少なからずあり、しかも彼自身その機会を活かす意思もあったのに

ことごとくはずれを引き続けてぞっとする

ここまで酷い勘違いはフィクションだろうと

 

思うんだけど

ただ、これ本当に他人事と笑えるのだろうか・・・とも少し思うんですよね

 

仕事で疲れた時、そっとしてほしいと思うこともあるし

ごはん用意されたって食べる時間じゃないよと思うこともある

謝ったんだから許してくれてもいいんじゃないかと逆切れしそうになることもある

 

流石に言わないけれどね

彼はさらに、重い認知バイアスで真陽のことを見ていないことにすら気づいていないのだけれども

なんか最近も些細な言葉づかいで奥さんを傷つけたりもしていて

歩み寄ろうとして”あげた”んだから相手も歩み寄る”べきだ”

そう考えることも正直多々ある

そう考えてしまった後、実行に移すかどうかはもちろん別問題

 

ただ、気づけたらら自制するけど、気づかず行動に移して、傷つけることも少なからずあるので、安定のことをあまり他人事のように突き放すのもよくないんだろうなぁとも思う

 

1巻2巻は前振りで、もちろん2巻までも面白いんだけど、本格的に話が進んで面白くなるのは3巻なので一気にサクッと読み切ってほしい

 

私も普通に寝る前に読み始めてそのまま止まらず変な時間に寝ることになってしまいましたw

 

 

こっからネタバレ感想

はい、本当に良いおねショタでした

最初は生意気だった新君だけど、それも肝心なところに”気づける”子という描写がギリギリのところで不快感を軽減していて

真陽のことを信用して頼り始めた2巻

浅香に真陽のことが好きなんじゃないかと問われて意識し始めた3巻

どんどん二人の関係が深まっていっていくのが本当に尊い

好きだからこそ安定と幸せになってほしいと自分の気持ちを閉じ込めようとする新も尊いし

真陽のことを見ようとしない安定に啖呵を切る新も尊い

彼を中心に、”不倫”をうまくテーマに組み込んでいるもよくできているなと思っていて

恨んでいた父と同じ状況に陥っていることに気づいたり

であるからこそ真陽を母と同じ目には会わせないと小さな腕を目一杯広げて真陽を守ったり

 

真陽は最後まで、大事ではあるけれど恋愛対象とは見ていないんですよね新のことを

ただ、大事であるからこそ新が求めてくれるならやぶさかではないという彼女の考え方も、割と今までにない感じが好き

なんというか、博愛ですよね

彼女にとってはそれが普通なのかもしれないけれど、すごくいいキャラクターに育ったんだな、って思います

新の優しさに応えたい。そのために、お母さまにも幸せになってほしい

一つもらったら、一つ返す

返してもらったら、また返す

そういう正のキャッチボールを続けた結果が二人の関係性につながっていく

逆にもらいっぱなしが当たり前になって、投げてこない真陽に問題があると彼女のやさしさに胡坐をかいていたのが安定だと思うと

 

まぁ、うん

いろいろ言いましたけど

やっぱり最低だと思いますよ

 

手遅れだったとはいえ、反省できただけ木村イマさんの作品に出てきたダメ男どものほうがまだましというか

 

関係改善のために自分がセッティングした場なのに

自分にとって都合のいい妻に”もどれ”といい

 

本当に自分のことを理解してくれていたのが誰か

生徒に突き付けられた後ですら

最後の最後で真陽に寄り添わず、大事なものを取りこぼしてしまう

 

ここまでないがしろにし続けて、今更これからは仲良くなんて虫が良すぎるのもありますね

 

女心がわからない俺でもわかるってといいながら

不和の原因を真陽にあるとナチュラルに決めつけるのも空恐ろしさがありましたし


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結婚前の気持ちに戻るといわれて、付き合うよりも前に戻るつもりだと思ってしまうのも、なぜ離婚ではなく別居なのか、真陽の気持ちがどこにあるのか、冷静になろうと言っているのに逆に血が登ってしまってるっていうね

 

挙句の果てに、不倫相手にはめられて職場すら失うのはもう本当に人を見る目がなさすぎるというか

安定のことを一番大事にしてきたのは誰か

大事にされていることに甘んじてないがしろにし続け、

彼女の言葉を自分だけに都合がよいように解釈し安易に流された罰

なんでしょう

 

個人的には、女性の同僚に誘われていく先が、奥さんがデートに誘った店かよ


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っていうのがもうこいつのダメさを如実に表していた気がする

すげぇよ

凄すぎる

 

どこで気づけば間に合ったんだろうって言っているけど、


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安定が気づいたのは

 

真陽の心がもう安定から離れた

 

ことであって

どうしてそうなったかについては、いまだに気づけていないと思うんだよね

夫婦の会話が”なくなった”と””も思っている時点で自分の責任を否定しているから

だからどこからやり直しても、多分結果は変わらないと思う

 

本作結構、前回紹介した「女ともだちと結婚してみた」と対照的な作品だと思っていて

 

belphegor729.hatenablog.com

 

夫婦という”契約”で繋がった二人と、縛られた二人

明と暗だと思うんですよね

 

夫婦だからできたことを尊び、夫婦であるために変わろうとする二人と

自分の妻はこうあるべき、彼の妻だからこうあっても仕方がない

と変われない夫と、変わることをあきらめる妻

多分、結婚がスタートだった瑠璃子、くるみ、そして真陽と違って

安定は結婚がゴールだったんでしょうね

 

なんにせよ、個人的にはすごく爽やかで素敵なハッピーエンドになったと思っているので

うーん

このハッピーエンドの先も、ちらっとでいいのでちょっと見たいなぁ