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セクシャルマイノリティについてもう一歩踏み込んだ作品【君の世界に恋はない】

こういう時代だから、というのがあるのだろうけれども

ふと、頭をよぎるんですよね

 

お子がLGBTだったら、自分は受け入れられるだろうか

 

って

今でこそ仮面ライダーを一緒に見ているけれども

1年前はニチアサはライダー戦隊には見向きもせずプリキュアに興味津々で

好きな色はピンク

 

今のうちからそんなことにやきもきしていたら身が持たないとも思うし

あまり今の段階でとやかく言うのもトラウマとして植え付けてしまいそうでもあるし

あまり考えないようにしているのですが

ただ、そもそも私自身が

LGBTの理解促進のためにキャプテンアメリカをゲイにしろ!

みたいなことを平気で言う輩のいる界隈に拒否感があり、あまり快く思っていないので、偏見があるという自覚も一応あるんです

 

そんな感じで、LGBTについていろいろ思うところがあり

たまたまアプリのおすすめとして紹介されたので読んでみたら結構興味深かったので、こちらの漫画を紹介

 

ちなみにこちらの漫画は前に紹介した、「プ女と野獣」や「カラダ、重ねて、重なって」が配信されているPalcyで配信されています

 

どうも界隈の人って、界隈じゃなくてもそうなんだけど

既存の作品にそういう要素を入れろ!

っていうのが目につくんだけど

 

それをテーマにして新規の作品で読者に勝負しろよ!

って思うんですよ

まぁ入れろ、っていう人は大体創作側じゃなくて外野なんだけどさ

 

本作は前回紹介した「セックスしたい、したくない」と同じく

 

belphegor729.hatenablog.com

 

生身の異性に性的欲求のない「アセクシャル」の女性が主人公

 

そんな彼女の目から、性とは何かについて改めて考えていく作品となっています

自分は普通とは違う

じゃあ普通ってなんだ、どこからどこまでが普通なんだ?

 

面白いのが、心理学部を舞台にしていて、そうすることにより

考察するなかで多様性とは何か、性的志向とは何かについて深堀していってる

 

一言セクシャルマイノリティ、LGBTといってもそこにはいろいろあり

自分の性的志向に名前がつくことで安心する反面

そうでなくてはならないと逆に縛られることもある

ホモセクシャルだからと言って全く女性の体に興奮しないわけでもない人もいるし

アセクシャルだからと言っても少しは体が反応する人もいる

 

でも「俺はホモだから・・・」と、周りの視線を気にして蓋をしてしまうこともある

そうなんだから、そうあらねば

 

でもそうでなくていいんだ

みんなが普通と言っている異性愛者だって、グラデーションがある

本作の中では、「どこまでが浮気か」というディベートを行う中で

一つのカテゴリーの中でもグラデーションがあるということを示すことにより

だから、様々なセクシュアリティについても、型にはめて押し込めるものではなく

一つの性的志向というジャンルのなかのグラデーションなんだ

というところまで持っていこうとしている感じが誠実だなと感じます

 

LGBTのカテゴライズも、あくまで指針の一つでしかなく

そうかもしれないと思えばそうでいいし

違うなと思えばやめてもいい

 

もし未来、子供たちが自分の性的志向について悩むことがあれば

そっとこの本を勧めたいなと思わせる作品でした

 

ただなぁ、「セックスしたい、したくない」よりも1歩2歩踏み込んでいるのに

立った6話しかないので非常に消化不良

非常に興味深い世界観で、もっともっと広げられたはず

最後の展開もすごく唐突で、二人の関係性についてもっとしっかりと醸成してほしかった

せめてあと1巻くらい、せっかくLGBTに興味が持てる良いコンテンツだと思ったので

しっかりと描き切ってほしかったなぁ