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思い人がいる者同士の結婚【#ながたんと青と】

だいぶ前にAmazonで無料で3巻くらいまで購入できたのでそこから読み始め

 

結局最新刊まで読み切ってしまった

 

戦後の京都を舞台に、戦争で旦那をなくした35歳の未亡人 いち日(いちか)が

実家の経営破綻寸前の料亭の融資の条件として持ち掛けられた縁談を

駆け落ちした妹の代わりに受けるところから始まる本作

その縁談の相手がまだ20歳の青年で・・・

 

という、うーん、結構前に入手していたのですが、またもや年上女性カップルものです

一度このジャンルのまとめ作ろうかしら

 

今まで読んだのと毛色の違うところは

すでに2人は結婚していること

いち日は死別した旦那が

結婚相手の周(あまね)も幼馴染に思いを馳せているものの、その子は兄の許嫁で

兄と幼馴染が暮らす家から逃げたくて、いち日の家を利用している

特に中盤、思い人である幼馴染が決して兄から大事にされているわけではないというのも分かってくるので余計に苦しいんだろうなというのが想像に難くないというか

まぁしんどいよね。俺だったら幸せにできるのにって思うよね

 

で、そんな利害の一致で成り立っていたはずの夫婦関係が

料亭を立て直すという目標に向けて二人三脚で頑張るうちに

2人の関係性に変化が生じてくる・・・というお話

 

初めはドライな関係を保っていた周は、いち日の料理にかけるひたむきさや年上の包容力にだんだん惹かれていく。

幼馴染からの呪縛はどんどん軽くなってはいくものの、そうすると今度は好都合だったはずの戦死したいち日の元旦那への嫉妬心に苦しみ始める

 

いち日はいち日で、周の才能に助けられ、料亭の経営が改善していくにつれ

こんなところで終わっていい人物ではない、こんな年上の女と一緒にいるべきでも勿論ない、彼のためにも彼を開放すべきだと

距離を取り始める

15歳という年齢差もさることながら35歳という出産適齢期からも外れ始めている年齢であることに悩んでもいる

 

結婚もしていて、同じ方向も向いているはずなのにすれ違う夫婦の物語です

 

が、ちょっとすれ違い期間が長すぎて、料亭の再建という目標についてはすごく嘖々と進んでいって、サクセスストーリーとしてわりと読みやすく楽しいのですが

年の差カップルものとしてみると、関係性が遅々として進まず、7巻現在でも3歩進んで2歩下がる状態なのが非常にじれったい

そろそろばちっと方向性を見せてほしいなぁと思ったりなんだったり

 

とはいえ前述の通り、経営再建ものとしてだったり、女卑の時代に働く女性料理人としての職業モノとしても見ごたえがあって

副題が「いちかの料地帖」ということで、

戦後すぐの料理事情をもとにしたレシピもすごく面白いです

自分では作れんので、眺めるだけですけどね