Let Life Loose

主に革靴、レザークラフト、映画について語っているblogです。緩く生きたい

靴のパターンオーダーに興味ありませんか?(後編)

前編はこちらです。

前編では、セントラル系とジョーワークス系のパターンオーダーブランドについて紹介しました。

後編では宮城興業系のブランドとそれ以外のブランドについて紹介します。

 

3.宮城興業

謹製誂靴

宮城興業は古くからREGAL等の国産ブランドのOEMや海外ブランドの日本向け生産を担っていた工場で、国内の工場ではいち早くパターンオーダーを展開しています。そのパターンオーダーのブランドが謹製誂靴です。

謹製誂靴の特徴は、豊富なデザインバリエーションと日本全国でオーダーできる販売網の広さです。また、海外展開も積極的でその販路を日本以外にも広げています。

しかし、取扱い店舗ごとに価格や取り扱ってる皮革の種類、フィッテイングスキルに差があります。同じオプションでも店舗によって価格が違うこともあります。

基本価格は安いけど、革を良いものにすると他の店の方が安い、何て言うこともあります。

木型は3種類ありますが、サイズおよびウィズごとに木型が用意されており、高価格な店舗はおいてあるサンプルシューズが多い傾向にあるようです。

パターンオーダー初めてのかたをターゲットにしていると思われ、踵にすこし余裕のある木型だと思います。

取り扱い店舗の一覧は宮城興業のHPにありますが、上記の通り価格設定は取り扱い店舗に委ねられており、店舗のHPには詳しいオプションの記載がない(HPによっては基本価格の記載すらないorz)ので、色々オプションをつける場合、そのオプションが設定可能か、トータルでいくらになるかは実店舗にいかないとわからないことが多いです。

 


荒井弘史靴誂え室

荒井弘史靴誂え室は、宮城興業から独立した荒井弘史さんが手掛けるパターンオーダーのブランドです。

浅草にありますFANS浅草本店というお店でオーダーが可能です。
ラストの種類は大きく分けて3種類で、そこからトゥの形などでさらに分岐していきます。

また、1つのラストのパターンでもwizとlengthごとにサンプルシューズがあり、その数は圧巻です!

5のA-wizとかもありますので、足が小さすぎて合う靴がないかたの駆け込み寺にもなっているそうです。

荒井弘史靴誂え室の特徴は上記のフィッティングサンプルの豊富さ以外にもたくさんあります

まずはデザインの豊富で、デザインサンプルは是非見に行ってもらいたいです。

その上軽微なデザイン変更も3000円の追加で対応可能です。

はいてみて痛みがある箇所については無料で木型を調整してもらえます(削る方向は無理)

 

二つ目が用意しているレザーの豊富さです

代表的な高級皮革であるアノネイ・デュプイ・ワインハイマーを全部取り揃え、カーフのなかでも特に貴重な生後6ヶ月以内の皮を鞣したベビーカーフもラインナップ。薄くてしっとりしたさわり心地は是非さわってみて欲しい。

ベビーカーフもその他高級皮革と同じく16000円のアップチャージ(令和元年5月現在)でオーダー可能です。

コードバンの色数も豊富で、象や猪など珍しい革もたくさん取り揃えています。

 

4.その他

   ここまで、大きく製靴工場ごとにブランドを紹介してきましたが、ビスポークを行っている工房でパターンオーダーも受けているところや、宮城興業のような製靴工場が独自にパターンオーダーも請け負っているものがあります。

ここからはそういったブランドを紹介していきます。

まだほとんどお伺いできていませんので、行ってみたいところの紹介になりますが最後までお付き合いください

 

浅草コブラー

浅草コブラーはとても人気の高い修理屋ですが、オーダーシューズも取り扱っています。

ラストは大きく二種類ありますが、特徴的なのがそのうちのひとつ「ツイステッドラスト」です。ツイステッドラストは足の力の流れを考慮して少し捻りを入れたラストで、ビスポークシューズで取り入れられることのある特徴的なラストです。

また、この価格で底付けが手縫い(ハンドソーン)なのも魅力で、修理屋さんだからか選べるオプションも豊富でアッパーや底材だけでなく、靴を支える芯材も選べることができます。

アノネイ等の高級素材は、他ブランドと比べ高めになっていますが、基本価格やアップチャージで選べる国産皮革も良い質感です。

デザインも自由に選ぶことができ、提示したデザインにより追加の価格が変わってきます。相談しながらデザインを考えるのも楽しそうです。

フィッテイング調整のしかたも、乗せ甲と仮靴の作成の二種類があり、個人的には、プラス2万円で仮靴の底縫いをしてくれるのでもしお願いするなら仮靴の方が良さそうだな、と思ってます。

余談ですが、店主がとても話上手でついつい長居してしまいます(^_^;)

 

leather port

 leather port は、千葉県印西市にあるオーダー専門店です。

leather port は中国で活動しているレザー職人の中から、代表である井熊氏が直接会ってこれはと思った職人の商品を展開している隠れ家的なお店です。

紳士靴のほかにワークブーツ、ベルト、ウォレットのオーダーもでき、そのどれも素晴らしいクオリティのものです。

紳士靴、ワークブーツともに、乗せ甲などの対応はできませんが、

井熊氏のフィッティングデータをもとに職人が最適なwidthとlengthの木型をチョイスしてくれます。

紳士靴は、アッパーはアノネイのヌメ革に職人が手染めで染色していますので、ブロセントほどの細かい指定はむつかしいですが、職人の感性にお任せして出来上がりを楽しみにする感じがよいと思います。

また、leather portの紳士靴の木型も浅草コブラーと同じ、ツイステッドラストを取り入れています。

ワークブーツはホーウィンのクロムエクセルのような一般的なものから、ワイルドな質感が魅力のトスカーニワックスブルハイドやブライドルレザーで有名なトーマスウェア社が新しく開発した質の高いコードバンなど魅力的なレザーを多数用意しています。

トスカーニワックスブルハイド

トーマスウェアコードバン

紳士靴もワークブーツもハンドソーンで底付けされているのも魅力の一つです。

メールでのオーダーも可能ですが、サイズの決定がとても重要ですので、是非店舗までお伺いしてください。

なお、令和元年7月1日より価格改定が予定されており、紳士靴については10万円を超える価格となりますのでご興味のある方はそれまでに来店されるとよいと思います。

 

てつじや

てつじ屋は、銀座にあるオーダーメイドシューズを手掛けるお店です。お店のなかにはたくさんの木型がところ狭しと並んでおり、個人的にはとてもワクワクします。

オーダーシューズは6万7千円から。

てつじ屋さんには別の目的でお伺いしたのでオーダー靴の詳細については一度聞いてみたいと思っています。

また、フィッティングの啓蒙に熱心な方で書籍も出版されており、フィッティング調整アイテムの開発やフィッティングについての啓蒙活動など多岐にわたってご活躍されています。

また、子供の頃から足に合った靴を履くべきとの考えから子供靴の販売も行っており、かわいいながらも本格的な子供靴を取り扱っています。

 

お伺いした店舗はここまで、ここからは一度お伺いしてみたいお店について、簡単に列挙していきたいと思います。

 

ショーンハイト

ショーンハイトは、千葉県の柏にあるREGALのOEMを手掛ける工場で、自信のパターンオーダーブランドを展開しています。

オーダーは柏の工場と、浅草にオーダーサロンがあり、日にちは限られますが浅草でもオーダーを受けることができます。

ショーンハイトの魅力はなんと言ってもその安さで、3万円でオーダーできるのは破格と言って良いです。また、作りのよさも評判でデザインの修正についても積極的に対応くださるそうで、ファンの多いブランドです。

 

REGAL
大手メーカーのREGALもパターンオーダーのシステムを用意されています。

価格は約5万からと高くもなく安くもなくといった感じです。

全国にあるREGALの一部の店舗でオーダーを請け負っており、オーダーをできる店舗数は宮城興業の次に多いと思われます。

https://www.regalshoes.jp/shop/storemaster/list.aspx?search_service=10&search.x=229&search.y=13

 

SANTARI

サンタリはアウトワーカー(外注職人)として高い評価を得ているtateshoesが満を持して展開するブランドで、自身の靴を履かれるかたの人生が燦然と輝くことを願ってブランド名を「SANTARI(燦たり)」と名付けられています。

サンタリの特徴は、10万円以下でアッパーにアノネイを使用した上でハンドソーンで底付けを行っていることです。

ハンドソーンは、グッドイヤーと比べ底付けの難易度が高く、機械化ができておりません。ですので、アンダー10万円を実現するためには、人件費であったり、素材の選択肢に安価なものを用意する(むしろコスパが良くなるようどのブランドも知恵を絞られてますが)などの努力をされています。

ですので、この価格設定は驚異的で、しかも、シームレスヒール(踵に縫い目がない仕様で美しく仕上がる)もサイトを拝見する限りでは基本価格の中で選択できるようで、アウトワーカーとして経験をつまれた腕の高さを感じます。

ブランドの一番人気がレイジーマンという靴のサイドにゴムをいれて、紐を結ばすに履けるデザインです。

しかし、通常のレイジーマンはイミテーションの靴紐がデザインされているのですが、浮腫んだときに緩められるよう本当の紐を通すこともできるようにしてあり、サンタリのユーザー目線でのもの作りを感じます。

 

カルツェリアホソノ

カルツェリアホソノは、青山にあるブランドで、どちらかと言うと婦人靴のオーダーで評判のお店のようです。

ただ、紳士靴のオーダーも扱っており、パターンオーダーで約6万円、フルオーダーで7万5千円と、特にフルオーダーの価格が破格なので、底付けはどうなっているのか、どのような革が選べるのか、是非お伺いしてお話と、試着をしに行きたいと思っています。

 

天草製作所

天草製作所は、熊本天草出身の店主が営む西荻にあるお店です。

こちらも底付けはハンドソーン、オプションで選べるアッパーもフランスの高級皮革haas社のレザーを使っており、やはりこちらも価格設定に驚かされます。haasレザーは、高級皮革の紹介で漏れましたが、ハイブランドのバッグなどに選ばれる上質なレザーで、天草製作所のほかにはクレマチス銀座でも取り扱っています。参考資料

木型の補正は1箇所5000円とのこと。

店主が同じ九州出身なので勝手にシンパシーを感じているところもありつつ、また、靴教室も開かれているということで、そちらのお話もお伺いしたいところです。

 

シナンド

シナンドは、高品質な紳士靴を提供する銀座ヨシノヤの生産を担っている小笠原シューズが展開するオーダーブランドです。

木型の調整がなげれば、こちらのブランドもハンドソーンで10万を切る価格で商品の提供が可能なようです。

 

tonearm

トーンアームは、吉祥寺で革製品の修理とオーダー靴の作成を行っている店です。

こちらのお店で一番気になったのは価格で、正確な金額は出ていないですが、オーダー例から8万円を切る価格でハンドソーンの底付けをしてくれるようです。

木型の調整は、恐らく一ヶ所につき5000円で、木型の作成が50000円から。

そう考えると、ビスポークに近いものが13万円でできることになりますね。

また、修理も行っていることから選べるソールの種類が多く、レッド・ウィング等のブーツの修理も手がけていることから、遊び心のあるソールが多いのも注目ポイントだと思います。

 

以上で紹介は終了です。

今回ご紹介した以外にもたくさんオーダーのブランドがあり、私が知っている範囲でもすべてを説明しきれていません。新しいブランドを探すのも楽しいと思います。

 

最後に…

個人的な意見ですが、パターンオーダーであっても、はじめからバチっとフィッティング決まるわけではないです。

また、履きはじめはよくても、沈み込みやアッパーの延びで緩くなりますし、フィッティングに対する自分の姿勢もだんだん変わってきます。最初はゆったりフィッテイングが好きでも、だんだんタイトな方が良くなったり、逆も然りですね。

ですので、既成靴である程度自分の好みのフィッティングを確立されているかたは良いのですが、そうでないかたは、雨様の靴だと思って、まず安価に最低限のオプションで、でもフィッティングには妥協せずにお作りになられると良いと思います。

そこで得られた知見、気付き、反省は、他のブランドのサンプルを履かれた時も必ず役に立ちます。

という事で、まずは店舗に足を運んでみましょう!

楽しい革靴ライフが待ってます