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仮面ライダーゼロワンのお仕事5番勝負がなかなかにストレスフル

昨年9月から始まった仮面ライダーゼロワンも
年度末で滅亡迅雷.netと一応の決着がつき
終盤から暗躍していた巨大企業ZAIAの日本法人社長天津垓が
年明けから仮面ライダーサウザーとして本格的に本編に係ってきて始まったのが

飛電インテリジェンスのヒューマギアと
ZAIAが生産するプロダクト「ZAIAスペック」を使用した人間との
お仕事五番勝負でした。

 

なんですが、このお仕事五番勝負に私全く乗れていませんでして
ちょっとストレスフル

ちょっとこの下り、構造的な問題をたくさん抱えていると思うんですよね・・・
自分が何に引っかかっているのか、少しまとめてみました

 

目次

 


ZAIAスペックがよくわからない。

 


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ZAIAスペックは眼鏡型のガジェットで、それをかけることにより、人工知能と同等の能力を得ることができる。

とのことなのだけども、どういう方法で能力を付与しているのでしょうか?


人間の精神自体に干渉しているのか
それとも、デバイスから適宜必要な情報がレンズに投影されるのか。

 

その違いがなぜ気になるかというと、
上段の方法だと能力の均一化が図られるので、装着者がプロでもアマでも問題がない。
下段の方法のほうが現実的かなと思うけど、それは人工知能と同等の能力を得るとはちょっと違う気がする。

 

そもそも、ヒューマギアと比べるのであれば、
戦う相手はZAIAスペックを使用したその道の素人だと思うんだ。

ヒューマギアってなんで売れているの?
それは、人手不足の解消と、
人材育成コストも併せて解消できるからじゃないのかな。

 

ではZAIAスペックが求められる環境って何だろうと思うと
個人的には有能な人間をさらに有能にするのではなく、
例えば新人を即戦力として活用するところに需要があるんじゃないの?
って思うんですよね。
上限100の仕事に対して、80できている人間を90にするよりも
50しかできていない人を60できるようにするほうが
同じ10上げるでもメリットが違う。費用対効果が違うわけです。

こういうのって、実際は伸び代の問題なので、80の人は85までしか延びないけど、50の人が70位まで延びたりする

 

お仕事五番勝負はそもそもZAIAスペックがなくても充分トップレベルなプロフェショナルな人間に対して、ヒューマギアのラーニングというシステムが何処まで追いつけるかという構造に見えてしまうのが本末転倒感があります。
対等の勝負ではないんですよ

立花蓮太郎は華道の家元だし
新屋敷は自称「家を売るために生まれた男」なわけだからZAIAスペックを装着する前から成績優秀だったんでしょうよ

そもそも過去のお仕事回でも、ラーニングしたからといって大将よりも寿司を握るのがうまくなってないし、大和田伸也よりも演技が上手になってないでしょう

それに、個人的にAIと芸術っていまいち親和性があると思えなくて
AIが独自に芸術作品を作る、とかAIのフォローで素人が芸術作品を作る
とかならまだ理解できるのだけれど
芸術家が、しかもこの場合はその道のトップですよね。
トップに対してAIが助言をするってなんかおかしくない?と思うわけです。
芸術ってテクニックとか技法とかあるとは思うけど、やっぱり最後はセンスだと思うんだ。
立花家元の作品にZAIAスペックがどう影響を及ぼしたのかが全く見えてこないんですよね。
だから、まぁヒューマギアより人間のほうが優れている、っていう勝負なのでそこは良いとしても、それがZAIAスペックのおかげかどうかが見えてこない。
てか、今書いていて思ったけど、人工知能と同等の能力を人に付与することがヒューマギアよりも人が優れていることの証明にはならなくね?
飛電製AIとZAIA製AIの性能差じゃん
ううむ。
ちょっと深追いしちゃいけない気がしてきた。

 

話を戻して、新屋敷の場合であっても、
正直ZAIAスペックのおかげで売り上げが上昇したことについてやっぱり因果関係が見えない。あの売り方が不動産販売の最適解ではないでしょう。私がAIだったら客先ではふんぞり返らないくらいのアドバイスはマストでしますわ
そもそも不動産業に偏見持ちすぎ。
不動産業の負のイメージを凝縮したようなキャラクタ造詣は見ていて気分が悪かったですよ。恐らくあの性格設定は、彼のその後の行為について納得感を持たせるためだとは思うのですが、まぁ見せ方問題よね。そこについては次の項目で語ります。

 

ルールが曖昧過ぎて不満

 

ZAIAがTOBをやめる為の条件として始まったお仕事五番勝負ですが
あまりにもルールが雑というか、理不尽すぎていてそこもフラストレーションなんですよね。

とりあえず、一番の問題は司会進行と運営をZAIAに属するゆあちゃんがやっていること。
問題です。大問題です。
彼女の上司はZAIAの社長です。
どうやってZAIAに不利な判決を下せましょう

社長室でのやり取りで、ゆあちゃんは完全に天津の支配下にあることがわかっていますし、

そもそもゆあは飛電インテリジェンスの評判を落とすために天津の指示で動いていたわけですから、勝負の運営に問題が生じたときに飛電に有利な判決を下すことはあり得ません。

事実、現状2回の勝負で2回ともZAIA側が不正を行っておりますが、
1戦目はペナルティ無しで再戦
2戦目に至ってはおとがめなしです。
2戦目は新屋敷の妨害によって成約するはずの物件が破損していますから
それは飛電側の成約とみなして売上額を加算するか
破損による損害賠償をZAIA側は差し引くべき
そこをノンペナルティでZAIA側の勝利ではそれはもはや公平な勝負ではない。
人間のほうが優れてますー
ヒューマギアは暴走するから危ないですー
とか言っているけど、新屋敷はエニタイムエニウェア暴走してたじゃん。

てか新屋敷の行為の是非について、ヒューマギアに対してなら何をしてもよいと或人以外の人間が全員思ってそうで怖い。

あれただのいじめだよ?いじめられていじめられっ子が切れて反撃したら

いじめっこの方が「せんせーいじめられっこくんに殴られました」って言い出して

いじめられっこくんがさらに先生に怒られているようなシチュエーションだよ?

なんでこんなに胸くそわるく感じたのか何となくわかったわ。新屋敷の行為について或人以外咎めようとしていないのが本当に倫理観がヤバイ…
それに、特撮ドラマだからマヒしてるかもだけど、他人の所有物(物件及びヒューマギア)破壊して良心の呵責ないってかなりやばいよ?
常識で考えたら新屋敷は器物損壊で逮捕、会社も解雇だよ?
一定の条件がないと暴走しないヒューマギアのほうがよっぽど安全じゃね?
野蛮な人間(新屋敷に至っては選定の段階で悪意がありそう・・・)がヒューマギア焚きつけておいて「ヒューマギアは暴走するから危険だ」というのは番組内の登場人物は納得させられても、一視聴者としては、ロジックに無理がありすぎて没入感を阻害されるんです


結局、ZAIAは飛電が不服として勝負を降りても問題ないんですよね。
お仕事五番勝負はあくまでZAIAの温情なので
そこら辺の意識が或人には足りないのも問題だと思っていて
それは次の項目で話そうと思います。


もっと社長同士の信念のぶつかり合いが見たい。

 

そもそもこの勝負に対する二人の社長の姿勢もあまり良いものではないんですよ。

まず或人なんだけど、圧倒的不利な状況で勝負をしているという認識が全く感じられないんですよ。
負ければ終わり、という悲壮感がない。
心を入れ替えた立花家元の勝利を祝福する、住田スマイルの利益よりも顧客という姿勢を肯定したりと、
勝負結果いかんにこだわらず、その過程を大事にする姿勢は一主人公としては素晴らしいと思うのだけれど
多くの社員の未来がかかっている社長としては問題だと思うんだよね。


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必死に戦っているようには見えないの。
だから、ZAIA側の不正をスルーしてしまう。

最悪家元の勝利を祝福するのはよい、でもZAIA側に不正を指摘し食らいつく気概がないのは、如何なものか

また売上勝負で住田スマイルの姿勢を肯定するのは良い、でも、スマイル案でいった場合売り上げ勝負で負けるのは確定なのだから、社長としてどうスマイルの戦いをフォローするのかが社長の仕事だと思うんだよね。

それは天津にたいして社長論を説くことではない。
新屋敷の不正行為について、抗議すらしないのは当事者としての意識が欠けてると思う。
まぁ一番当事者意識が欠けているのは或人以外の経営陣だけどね。
素人社長にすべて任せて何してるのさ。
特に副社長。敬愛する先代の事業が否定され、先代社長の遺産でもあるヒューマギア事業そのものの危機なのに、或人を社長から蹴落とすことが目的にすり替わっていて、会社や事業そのものの消滅に目が行っていない。彼をそこまでダメなキャラに描く必要なかったと思うんだよね・・・
人の描き方が本当にダメだと思うの。ゼロワン。

 

まぁさーそもそも論なんだけど、滅亡迅雷ネットがアークの意思によって動いていて
アークに接続することによってマギアになるというロジックはある程度分かっているはずなんだから、ヒューマギア側のバグを修正してもいたちごっこなわけだから
AIMSと連携してアークを探して破壊することだと思うんだよなぁ。

 

 

ではZAIAの天津社長はどうかといえば、
そもそもの五番勝負の動機が恐らく不純なのでいろいろと説得力がないと個人的には思っています。
そのままTOBをすればいいものを、わざわざあえてお仕事五番勝負なんて仕掛けてくるってことは、天津社長にとって、勝負そのものは本題ではないと思うんです。

まぁ間違いなく勝負を通してユーマギアの有害性を世間にアピールすることが目的でしょう。
 ヒューマギアが人間の悪意にさらされたときにマギアに変貌するという想定の下
 対戦者に心理的ストレスを与え、ヒューマギアに敵意をぶつけさせる。

逆に言うと、さっきも言ったけど、そこまでしないと暴走しないヒューマギアは安全だと思うんですよ。
だから、天津社長は心の底からヒューマギアは人に害をなすと思っているとは思えなくて。
純粋にヒューマギアが嫌いだからつぶそうとしているようにしか見えないんですよね。


現状の天津社長の描き方では人類の未来のためにあえて行動している、という風には受け取れない。

立花家元の不正に激怒したかと思えば、新屋敷の不正は黙認する。
それは筋の通った行動とはいえんでしょ。


売り上げのために不正も辞さないのが社長というのが天津垓の信念なのでしょうか

怪人に変身して物件破壊するような輩をZAIA側のプレイヤーとしてチョイスしたのばれてんだから普通に考えたら家元の不正以上にマイナスイメージでしょ。

 

現状どちらの社長にも感情移入ができなくて、どうしたものか

個人的には、情で会社を動かす或人と、理性で会社を経営する天津の
両極端だけれども、どちらにも理がある。
そういった社長同士の信念のぶつかり合いを五番勝負で見たかったなぁ

まぁ、そういう勝負をするには或人と飛電インテリジェンスの社員との一体感が全く足りてませんけどね😖

立花家元の不正に激怒したときは、彼には彼なりの信念があるんだなと思ったのだけどねぇ・・・

 

最期に

 

まぁゼロワンは大和田伸也回でフラストレーションを見事にカタルシスに代えてくれたので、一応期待して見てはいるのですが

 

belphegor729.hatenablog.com

 

ワンパターンに悪意ある人間がピュアなヒューマギアに危害を加えて無理矢理暴走させる話が続くのであればかなり厳しいなぁ。

次回裁判でしょ?

人間側がまた悪どい手を使って正義感だけでは勝てないとか言い出しそうで、取り敢えず業界のイメージを下げるようなキャラクタ設定は他業種なんだし控えた方がいい気がするよ
このままだとただただフラストレーションだけためて、カタルシスも何もなくどす黒い感情だけ残していった仮面ライダードライブの仁良エピソードみたいになりそうなので
ちょっと不安です。

こどもがドライブにはまって「車の仮面ライダー見る!」とせがまれて最近見ていたんだけど
仁良回は一緒に見ていた奥さんの顔が引きつっていたんよね・・・

 

個人的にはいい加減現状レイダーに変身してるのがZAIA側の対戦者のみであることに誰かいい加減突っ込んでほしい

 

【追記】22話の或人と天津の会話から天津の目的を考察した記事を作成しました

 

belphegor729.hatenablog.com

 

【追記その2】

上記考察がぼろっぼろに外れてテンションさらにダウンです。

 

belphegor729.hatenablog.com