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映画、漫画、革のブログです

恋をしたのは兄の嫁でした【#たとえとどかぬ糸だとしても】

フラジャイルに続き、1話読んでポイントゲットで1話目読んだらそのまま最後まで完走してしまった漫画第2弾

マガポケアプリで読み始めたので、そもそも百合漫画だと知らずに読み始めたのですが

pocket.shonenmagazine.com

のめりこんでしまいまたもやポイントを全部掃き出し

吐き出したところでAmazonのポイント還元セール対象なのも発覚し

(マガポケアプリで配信しているのに講談社作品ですらないんかい)

belphegor729.hatenablog.com

 

初めて全巻購入した百合漫画にもなりました。

マガポケのポイント1000ポイントくらい使っちゃったなぁ・・・

 

私の初恋の始まりは

好きな人が

手の届かない

存在になった瞬間でした

 

センセーショナルなモノローグから始まる本作ですが

媒体が百合姫だって知らなかったので、初めは兄に恋する妹の話だと思ったんですよね。

今考えたら妹にとって兄は生まれた時から手の届かない存在なんですけど

 

終わったことで始まるラブストーリーって切ない

 

多くは語られないものの、決して恵まれなかった実家から

サルベージされるように兄夫婦の家に居候する女子高校生 ウタ

 

兄夫婦との生活は、最愛のヒトと一緒に暮らす生活は

そばに入れるだけで幸せと割り切ろうとしても

その人の愛が目の前でほかの人に向けられている事実に心が引き裂かれそうになる

 

ウタの最愛の人 兄の奥さん 薫瑠 は

幼少からの幼馴染の同性で気の置けない友人としてウタに接してくる

自分から何度も告白をしてやっと結婚することができた、ウタの兄怜一ののろけ、不安の吐露、そういったものをウタに振ってくる

 

そこに恋愛感情はなくても、彼女にとってもウタはかけがえのない大切な人

 

ウタの薫瑠への感情は普通ではないとわかっているから、ウタも”大切な人”という立ち位置に甘んじ、これ以上望むべくもないとあきらめようとする

 

あきらめようとしたところに薫瑠に優しくされ、引きずられてしまうウタがとても切ない

 

特に、1巻終わり、思わず薫瑠の寝顔にキスをしてしまって心が壊れてしまったウタが本当に切ない・・・

 

この涙の結末を見るために読み続けたといっても過言ではなく、結論として追い続けてよかった

本当に良かった

 

 

こっからはネタバレ感想

 

正直1巻を読んだ時点では、というか結構ぎりぎりまでこんな結末に到達するとは思わんかった

ホント読んでよかった

 

2巻からは、どうも薫瑠に対して様子がおかしいというか、新婚とは思えないような態度をとり続ける怜一と、自分からアプローチし続けてきたこともあって

怜一からの愛情を疑いたくなってしまう薫瑠

出張していたはずの怜一が、なぜか市内に、しかも薫瑠の友人で怜一の元カノの璃沙子と一緒にいるって

なんかもう本当にもっとやりようあったでしょと怜一に切れそうになるわけで

 

とにかく中盤は、怜一と薫瑠の間で広がっていく溝と

溝が広がっていくことに傷ついていく薫瑠に心を痛めるウタ

 

薫瑠にとって、恋焦がれていた関係であるはずの怜一との結婚が、重荷になっているようにしか見えない

 

責任を伴い、我慢を強いられる結婚生活と

ただただ下心なく気持ちをぶつけられる女友達の関係の対比を見ていくと

 

百合抜きにしても、薫瑠にとってウタと一緒にいることのほうが幸せなんじゃないかと

 

思っていたところでこれですよ

 

私は

私を好きな女の子と

暮らしている

 

 

 

ここから更にぐっと惹きこまれてしまいましたね

幼馴染からの異常な愛情を向けられていることを自覚し

それでもなお手放しがたい友人であるから違ってほしいと心のどこかで否定する

 

大好きなのに、大好きだからこそウタを傷つけてしまう

5巻の2人の会話は圧巻でした

 

好きだからこそ離れたい、前に進みたいウタと

気づけば誰よりもウタが大事になっていた薫瑠の関係性の変化

 

思い返すと辛いときにいつも助けてくれたのはウタだったと気づくのが本当にエモいんですよね

怜一には常に一方通行の愛情しかなかったので、薫瑠さんつらかったろうな

どうして璃沙子と別れたのかもわからないからなおさら不安だよね・・・

 

というか、この結婚に関して怜一は本当にファンタジーな存在だと思う

薫瑠の母からの言葉が呪詛のようになってしまったんだろうけれど

それだけで結婚しよう、というメンタルになるのがまずファンタジーだし

ただ、責任を取るのであれば最後まで取れよと思うんですよね

結婚式を挙げてお役御免なんじゃないんだよと、楽しいとき、辛いとき、大事な時に一緒にいてあげるのが夫婦なんじゃないの?と

そもそもこんな支え方は薫瑠の母だって求めていなかったはず

違う彼女がいる男子に頼むことではない

もっと違う支え方だって絶対あったはずなのに・・・

 

二人が結婚しなければ、ウタの薫瑠への感情に名前がつくことはなかったのかもしれないけれど

そのまま怜一と璃沙子が結婚していたらこうはならなかったと思うし、きっとオシドリ夫婦になったんじゃないかなとも思うんだよね・・・

そういった点で、璃沙子は地味にかなり可哀想だと思うんよね・・・

怜一に振られたこと、何でもないようなふりして自分でも気づかずに引きずっていそうな描写が端々に見える

それこそ、璃沙子にとって怜一は、薫瑠にとってのウタのような

これが恋愛感情なのかはわからないけれども大切な人

ではあったと思うんですよ

だから、怜一は結果として2人の女性を傷つけたので、うん。好きにはなれないですね

 

登場するたびに璃沙子株ガンガン上がっていくし

たぶん元カノキャラ史上一番いい女

でもたぶん璃沙子も薫瑠に対して若干のレズッ気はあったな。自覚していないか、していたとしても明言を避けているけど

一番消したい他人への感情が薫瑠へのものなのは間違いない

 

とことん薫瑠に拒絶されたら
何も感じなくなるんじゃないかと思ったんだけど…
なかなかうまくいかないわね

 

 

 

誰でもいいから付き合ったんじゃなくて

薫瑠から怜一を奪いたかったし

奪うことで薫瑠の記憶に残りたかったのかも

いや、違うか、怜一を奪うことで薫璃に嫌われて、薫璃への恋慕を終わらせようとしたのか

ついでに、怜一を通して普通に男性も好きになれればよかった

という感じなんだろうな・・・

怜一は璃沙子を愛してくれたし、璃沙子もそれにこたえようとしたけれど

こんな形で関係が破綻したことで、

もう一度男性を好きになる可能性を負うことも

報われぬ女性への恋に焦がれることもやめたくなったんだろうなぁ

恋愛から仕事に逃げているだけ、だから強い女じゃないってつぶやいたのかなと思うと彼女はまた彼女で本当に切ないし、百合漫画の大切な一部だったんだなと思ったり

 

6巻の終わりから7巻にかけても最高のクライマックスで

ウタと薫瑠の関係と

薫瑠と怜一の関係が

言葉にしてしまうと壊れてしまうような繊細な関係という点で同じだという対比を見せて

言葉にしても残る関係は、二人がお互いを思う気持ちの強さ

 

なんかもうウタの思いが報われた7巻は本当に感動しました

本当に

 

からの後日談

 

最高すぎる・・・

ホントに最後まで読んだ読者

最後まで頑張り続けたウタへのご褒美みたいな話でしたね

もともと、年下からの一方通行な関係については

ウタの友人のクロとみや美がいたので

関係性が深まることで変化が生じる可能性については示唆されていたのだけれども

とはいえ薫瑠さんのテレ顔の破壊力が強すぎる

 

ウタの言う通り致死量越え



ボリュームが少ないのもあるけど常にKindleに入れて、しんどい時にこのエピソードだけ読んで元気もらってます