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長男君のランドセル選びが終わりました

年々ランドセル商戦は前倒し傾向にあるそうで

 

私が小学生に上がる30年前は前年夏が商戦最盛期だったようですが

今は前年年度末、まさに今頃にはもうすでに始まっているんですよね

 

で、奥さんがいろいろとカタログを含め情報収集を始めたのもあり

こういうのは勢いも大事ですし、いろいろとランドセルの出張展示会に参加したりしてみました

 

検討していたのは以下のメーカー

鞄工房山本

羽倉(HAKURA)

池田屋

アタラ(ATARA)

ふわりい

 

ふわりぃ以外はいわゆる工房系です

カタログを入手したメーカーも含めるともっといろいろあるのですが

検討の俎上に上がったのはこの辺り

展示会等に行ったのはアタラ以外

本当はアタラ他もう少しいろいろ見に行く予定だったのですが

毎店舗行くごとにこれがいいこれがいいと欲しいランドセルが変わっていって

「多分こいつ比較していないな」

と気づいたので、もう新しいところを見るのはやめて

若干の私のごり押しもありましたが

一番お子の食いつきがよかったように見えたものにエイやで決めちゃいました

 

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選んだのは鞄工房山本のOxford

 

チョイスしたのは奈良県に工房をもつ鞄工房山本さんのOxford

www.kabankobo.com

ブライドルレザーを使用したちょっといいモデルです

 


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ランドセルのふたには、革靴のメダリオンからインスパイアしたパーフォレーションが施してあります

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夫婦ともにランドセルはシンプルな方が良い派なのですが

まぁこれくらいの意匠はいいかな?

 

サイドにも革靴→イギリス

という連想ゲームから来ているであろうアーガイル模様のアクセントがついています


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鞄工房山本のランドセルの特徴としては

・荷物をぶら下げるフック

・小物収納ポケット

・蓋を留める金具

の3点ですね

 

フックは通常は全部金属ないし固い樹脂と金属でできているものが多いですが

ゴムに近い柔らかい樹脂パーツが使われています

結構子供の力だと、フックのばねの力に負けて指痛めたりとかありそうなので

柔らかいパーツが使われているのはやさしいなと思いますね

 

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小物収納ポケットも、ちょっとこの写真だとわかりづらいですがファスナーがL字で大きく開閉することができるので、かなり使い勝手がいいと思います

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最後に蓋の留め具ですが

こちらもランドセルの容量の埋まり具合に応じて2段階で調整でき

また、マグネットで自動で止めてくれるので、乱暴に扱っても大丈夫です
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後細かいところでは、負荷のかかる肩ベルトは本革と合皮の合わせ技

背中が当たる部分は通気性のよい合皮を使用しているとのこと

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鞄工房山本さんを選んだ決め手

勿論お子が結構乗り気だった

というのもあるのですが、一番の決め手は革製品らしさがしっかりあるところでした

 

最近は生活に余裕が無かったり2人目の子供の育児で手が離せなかったりでご無沙汰ではあるのですが

自分でレザークラフトをする程度には革製品が好きなんですよ

革靴にもこだわりがありますし

一度革の個人輸入もしたことがあります

 

belphegor729.hatenablog.com

 

そんな人間なので、やはり、ランドセルを買うなら本革一択だろうと思っていたのですが

実際にモノを見てみると本革と相違ない合皮、ではなく

合皮にしか見えない厚塗り加工の本革ばかり

 

それはもちろん合皮も非常にクオリティが上がったとは思うのですが

それ以上に、本革をうたう製品の表面加工が過ぎる

もちろんこれはランドセルメーカーが悪いわけではないと思うんです

表面加工を最低限にすると

どうしても表面が凸凹しますし、傷はよけるにしても個体差が目立ちます

また防水という点でもしっかりと加工をしないといけないでしょう

合皮=合成皮革も結局のところはベースとなる布に樹脂加工をしているわけで

表面だけ見れば表面加工べったりの革と何が違うのでしょう

と思うと、表面加工がっつりの本革を選ぶのであれば、個人的には合皮でいいのかなぁ

本革を選ぶのであれば、トラ(血筋)、皺がうっすら見える位ので全然いいのではないか

そういった観点からみると、鞄工房山本さんが一番革らしさを残したまま鞄に仕立て上げていました(もちろんがっつり加工のモデルもありましたが)

 

ちな、その点でいうと本当に私ランドセルになんでコードバンを使うのかわかんないんですよね

確かにコードバンは比較的強度がありますが、最大の欠点として雨に弱いです

スエード状の皮革を研磨してつやを出している様態ですので

水がかかった状態で放置すると寝かしつけた毛がけば立ってしまう

それを回避するために、ランドセルや、或いは安価な革小物なんかでは樹脂で表面をコーティングしてしまうのですが

これではコードバンの本来の魅力である滑るような艶は完全に死んでしまうし

タフさが必要なランドセルとはいえ、希少価値の高いコードバンをそんな目的で使うのもなぁ

完全に、コードバン=高級ランドセル

というブランディングが今も残り続けているだけなのかな

そう思います

 

その点で、取り扱っているメーカーはかなり少なかったですが(1社うちしか使っていないとのたまっているところもあったりして・・・・

ブライドルレザーこそがランドセルにふさわしいレザーなのではなかろうかと

思ったりなんだったり

もともとブライドルレザーは馬具に使われる革として、屋外で使用されることを想定して生み出されたため

強度があり、また雨にも強いです

上記リンクのランドセルメーカーは何を考えてかコードバンと同じ価格を付けていますが

基本的には圧倒的にコードバンよりもブライドルレザーのほうが安価です

ブライドルレザー:単価´

phoenix-shop.jp

コードバン:単価946~

phoenix-shop.jp

参考:レザークラフトフェニックス

というかコードバンが高すぎるねん・・・

 

 

でも多分妹ちゃんは違う工房のを選ぶかも

というよりも、おそらく妹ちゃんがランドセルを選ぶときは

本革ではなく合皮を選ぶと思います

メーカーもおそらく変わりますね

実は、長男のランドセルも最後まで池田屋さんと悩んでいまして

多分妹ちゃんは池田屋さんになるかなぁと思っています

羽倉さんはカラーバリエーションの豊富さが魅力でそれ以外の点も及第点ではあると思うのですが

www.hakura-randsel.jp

 

実は池田屋さんがギリギリまで第一候補でした

魅力の一つ目はこだわりの内製金具

具体的にはサイドのフックと蓋の留め具ですね

写真を撮り忘れていたのが痛恨なのですが

荷物のかけやすさ以上に、取りやすさを考えた構造が素晴らしいなと

www.youtube.com

蓋の留め具も、収納具合によって無段階でスライドする構造になっていて

とてもよくできている

www.youtube.com

惜しむらくは自動で止まらないところですかね。そこがちょっと残念

 

肩ベルトのフィット感にもこだわっていて

www.youtube.com

 

2つ目は、合皮の質が思いのほかよかったこと

質感の話になりますが、一番雰囲気が良かったですね

革っぽさを出そうと頑張っているというか

普段合皮のランドセルというと

「クラリーノ」という素材が一般的に使われているのですが

それ以外に池田屋さんは

「ベルバイオ」という素材も扱っていて

お店の方曰く、またネットで調べた限りでも性能に大きな差はないようですが

特にベルバイオのモデルは雰囲気が良かったです

 

多分妹ちゃんのランドセルを買うときは、こっちにするだろうなぁ

 

鞄工房山本を選んだ理由

 

実際のところ、結構これでいいかな?という思いはあったんです

じゃあなんで山本さんにしたかというと

長男くんの食いつきの瞬間最大風速と

まぁせっかくだし、男の子だし、いい革を

という親の見えです

つくりに関しても次点でよかったですしね

 

で、もっと大きな理由が

多分妹ちゃんがランドセルを選ぶ5年後

革の値段がどこまで吊り上がっているかわからない

 

というのが、今回合皮ではなく本革を選んだ1番の理由でした

実際のところ革製品を取り巻く事情は厳しさを増していて

 

過剰な環境配慮の圧力だったり、ヴィーガンブームによる食用牛の減少に伴う原皮の供給減だったり

そういったものによって革の価格、革製品の価格はどんどん上がっています

 

5年後、ランドセルの値段が倍になっていても驚かないなと

牛革のモデルで、現在のコードバンと同じくらいの価格になってしまうのではないか

 

実際、おそらくですが長男君が今回勝ったブライドルレザーのモデルは

私が30年前に買ったコードバンのランドセルとほぼ同じ値段だったと思います

革靴なんて価格の高騰が顕著

 

であれば、未来妹ちゃんが買う頃には合皮の性能もさらに上がっているだろうし

本革の選択肢は本当になくなりそうなので、今回長男君は本革にしようかなぁというのが選んだ理由でした

 

同様の理由で、革靴も買うなら今なんだろうなと思っています

むしろだんだん買える値段ではなくなってきている

革好きの冬の時代がすぐそこに迫っている感じがします・・・

 

 

最後に

長くはなりましが、意外とさっくりと終わってしまったお子のランドセル選びの話でした

私がランドセルを買った30年前は夏ごろがランドセル商戦だったそうですが

どんどん前倒しになっていますね

もともと5月くらいをめどに考えてはいたのですが、

展示会自体は2月から始まっていて、メーカーによっては3月で注文締めきっちゃうところもあるそうなので、そこまで焦らせる必要はあるのかな・・・

とはちょっと疑問に思います