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公開タイミングがあまりにも悪すぎる佳作【#Flash】

6月16日はアメコミ映画が2作同時公開し

奇しくもDC VS MARVELの構図となっていたわけですが

公開初日にスパイダーバースを見に行き

 

belphegor729.hatenablog.com

 

今週休日出勤の帰りにレイトショーで見に行ってきました

FLASH

ただ、なんでしょうね。

公開週が1週ずれているとはいえ

スパイダーバースは一番大きい箱でしたが、フラッシュは100弱の小さい箱で、

まぁ何というか、うーん。正直スパイダーマンに2回殺されたな・・・

というなんとも微妙な評価です。

うち一回はもちろんマルチバースというテーマすらかぶってガチンコの直接対決となったスパイダーバース

そして、同じくマルチバースをテーマとしたスパイダーマン/ノーウェイホーム

 

belphegor729.hatenablog.com

この2つとどうしても比べてしまい、とくにノーウェイホームに対しては

後発というビハインドが最後まで足を引っ張っていました。

ただ、ノーウェイホームよりも先に公開出来たら多少は評価変わっていたかもだけど

見ていた時の私のメンタリティ的にも合わなかったのかなというのが最終的な評価でした

たぶん、本作のテーマを受け入れる精神的余裕がなかった

 

ということで

 

あらすじ

 

ジャスティスリーグの1員として、普段は正体を隠しながら慈善活動にいそしむフラッシュことバリー・アレン

彼は、妻殺しの罪で投獄されている父の無実を晴らすための証拠も探していた

しかし、バットマン/ブルース・ウェインに依頼していた犯行時間の父のアリバイになるはずのスーパーの監視カメラの画像は、解像度を上げる画像処理をしたうえで、父と思われる人物が下を向いていたことで証拠としては不十分なものだった

悲しみに暮れ自暴自棄になり能力を暴走させながら走るバリー

そのスピードが光速を超えたとき、不思議な空間を走り続けていることに気が付く

バリーは限界を超えたスピードで走り続けることで、過去にタイムスリップすることができることを発見したのだ

 

過去に戻り母を助けたバリー

しかし、現在に戻る途中で何者かの妨害に会い

現在の数年前に放り出されたバリー

そこには元気な母と、母の死というトラウマを負うことがなく、無駄にチャラい大学生のバリーアレンがいた

 

もう一度元の世界に戻る前に、母が生きているこの世界に迫る危機を防ごうとしたものの

そこがすべての誤りの始まりだった

 

良かったところ

エズラミラーが主演なこと

個人的に一番良かったのは、やっぱりバリー・アレンを演じるエズラミラーの演技力が抜群だったこと

一つの作品で陰キャ、陽キャ両方とも演じ分け

演じ分けつつも根っこのところではおんなじ、というところまでうまく演じていて

やっぱりこの俳優凄いなと、そこは素直に感動しました

 

ゲストヒーローたちがみんなよかった

マイケルキートンバットマン確かにすごく良かったです

いぶし銀で、チームのリーダーとしてバシッと決まっていて

ベンアフバットマンとは違った良さがあったんですけど

私ベンアフバットマン凄く好きやってん

彼の勇姿が見れたことにまず感動してしまってん

まぁ、彼の活躍ちょっとでしたし、あまりちゃんと活躍できていたかは微妙ですけど

でも最後に彼の勇姿をスクリーンで見れてよかった

 

また、スーパーガール、カーラ・ゾラも凄く良かった

勝気な女の子かわいい

強かったですしね

怒気をうまく演技に乗せていたなとも思います

 

うーん、あまりうまく褒めれない・・・これだけではないはずなんだが・・・

 

 

悪かったところ

エズラミラーが主演なこと

というのは冗談半分本気半分

どんだけ演技力があってもプライベートが醜聞まみれだと素直に楽しめない部分がどうしても出てくるですよ

 

いいことしても、「でもこいつぷらいべーとやべーやつだしなぁ」

と頭をよぎってしまうし

陽キャを好演してても「演じてるのかな、素なのかな」

とかどうしても余計なノイズが入ってきて集中できなかった

こっからネタバレ全開で語っていきます。

まだ見ていない人は回れ右

 

パワーバランスがおかしい

よくある話ではあるんだけどさ、

まずもってゲストたちの扱いが悪いなぁ特にスーパーガールの扱いが悪いなぁという中で

力関係のバランスが正直合っていないんじゃないの?

というのが見ていて気持ち悪かった

ゾット将軍>=スーパーマンであったので(正直あまり覚えていないんだけど)

ゾット将軍>スーパーガールなのは仕方がないとはいえ

ゾット軍団>フラッシュ2人+バットマン++スーパーガールなのは

いやそんなことないだろって思うんよね。

そしてこれもまたありがちなんだけど

打撃攻撃への耐性はあるのに、剣での斬撃で即死するのも凄くアンバランス

初回のゾットVSスーパーガールなんて

基本的にスーパーガールが圧倒していたのに剣の一刺しで行動不能そして追加の血液採取で死亡ってあっけなさすぎません?

ゾット宇宙船にめり込むほどたたきつけられたダメージどこ行ったん

2戦目以降フラッシュは結果を知っているんだからもっとうまく立ち回らないといけないのに考え無に時間だけ巻き戻してスーパーガールは前線すらせずに瞬殺され続ける始末

大枠が呑み込めないとこういう些細なところにもイライラしてくるんですよ

正直魅せ方が悪いんじゃないかなという気がしました

死ぬ、という結果ありきで戦いが組まれている茶番感せっかく魅力的なスーパーガールがただの舞台装置とかしているもったいなさ

 

 

ノーウェイホームより後に公開されたこと

これが本当に大きい

同じマルチバースを扱った作品で、サプライズゲストも仕込んであったりと

作品上の相似点もあるのだけれど

主人公の余計なおせっかいによってマルチバースの扉が開き、

過去作品の敵と戦い、

そして世界を元に戻して終わる。

その中で多大な犠牲を主人公は払う。

というストーリー上の相似点もすごく大きい

 

という中で、もちろんとらえ方は人それぞれだと思うんだけど、

どうしてもノーウェイホームのほうがよくできていたなと思ってしまうんですよね。

マイケルキートンのバットマン登場は1年以上前から確定していたのでサプライズ感もないですし、

細かすぎて伝わらないネタとしか言いようがないニコラスケイジのスーパーマン

ジョージクルーニーのバットマンも

リアルタイムのファンではないのでどうもいまいち乗れない

ついでにわき道にそれるけど、序盤のサプライズゲストのワンダーウーマンも

同DCEUのシャザムでこちらはこちらで感動すぎるサプライズ登場をしてしまったために新鮮味がゼロ

個人的にはそんなことよりも、これだけのカメオ出演の中でかたくなに出そうとしないカヴィルスーパーマンに、制作の裏事情を感じてしまうのだ

 

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それに、このサプライズカメオたちは全員端役なのよね

クルーニーバットマン存在すら知らんかったから、DCEU→DCUでリキャストなんかと思ったらそういうことでもないし

トリビア大放出!以上の意味なかったなぁと・・・

それに比べてノーウェイホームの2人のサプライズゲストはほんとにサプライズだった上に終盤主役を食わんとする活躍をして、特にアメイジングなガーフィールドスパイディがMJを助けたときは

ある意味で作品の外の事情すら味方にした感動を演出してきたので

「すでに似たような作品で傑作があるからな」と、なかなか高評価を上げづらい

後発であるがゆえに、作品単体で評価するのがむつかしかった。

また、これは次に話すアクロスザスパイダーバースでも同様の比較が出てしまうんだけど

ノーウェイホームは、トムホスパイディが自分で掘った穴を自分で埋める

自分がしでかしたことの代償を自分で贖う物語であったものの

それでも彼が起こした男気、ヒーローとしての行いは

他バースのヴィランたちにポジティブな影響を及ぼしただろうという

ビターな中にも希望を感じる結末だったのに対し

本作は、「足るを知る」「あきらめないといけないときがある」

というビターでビターなエンド

彼は、自分の世界を正常にするために

陽キャバリーの世界を見捨てないといけなかった。

というよりも、母が死ぬ、という自称がどうしても避けられない

母が死ななければ母ごと世界が終わる

というあまりにもな絶望を受け入れる物語で

そこに一ミリも希望がない

なんだったら、最後に余計な欲を見せたことで、ベンアフバットマンすら抹消してしまった。

多分監督脚本的にはジョークシーンなんだろうけど、

だしにされたベンアフバットマンという人格がマジで悲惨だなと・・・

かけらも希望がない本作の設定も、たまにはあってもいいと思うんだけど

どっちが好きかで言うと、どうしても絶望の中にひとかけら残った希望

まさにパンドラのような希望がひときわ輝いているノーウェイホームのほうが好きかなぁ

ラスボスポジがあの陽キャバリーの成れの果てで本当にいいのかって話よね

陰キャバリーをかばう形ではあったものの、自分で自分を殺して消滅って、個人的に展開も早すぎて乗れなかった

タイムリープを繰り返せば繰り返すほどドツボにはまる下りはもっと丁寧にしたほうが良かったと思う

 

アクロスザスパイダーバースと公開時期がかぶったこと

正直ノーウェイホームでの比較と被るんだけど

似たようなテーマな分フラッシュの後ろ向きな世界観がどうしても気になってしまう

あきらめるを知るにしてももう少しどこかに希望の種を仕込んでほしかった

 

特に、フラッシュとノーウェイホームについては主人公がまいた種なのに対して

アクロスザスパイダーバースについては主人公何も悪くないんだよね

押し付けられた運命を切り捨てる(予定)の話なので

観客として非常に主人公に感情移入しやすい

 

そもそも私と作品との向き合い方に問題があったのかも・・・

これ書いていて今ふと思ったんだけど、今の私のメンタルもフラッシュを素直に受け入れられなかった要因なのかもしれない

フラッシュを絶賛している人たちって、アメコミを詳しく知っていて

原作となる「フラッシュポイント」も知っているから、大枠のストーリーや個人的に盛り上がらなかったラストの展開についてもすんなり受け取っているんだろうなと思うんだけど

 

それ以上に彼ら成しえていると思うんだよね

もちろん彼らにもままならぬことってあると思うんだけど

それでも私みたいな一般人と比べたらままなることが多くて

ままならぬことをあきらめるというストーリーに抵抗がないのかも?とおもったり

 

多分、仕事やプライベートでままならぬことが多すぎて

「せめてフィクションだけでもままなってほしい」

という映画に対して私が求めていたことと本作のテーマの乖離が

本作に私がはまらなかった一番の理由なのかもしれないなぁ・・・

 

常に胃が痛いなぁ仕事したくないなぁと思いながら仕事している中で

「あきらめることも大事なんだ!」

とか言われると

「う、う、う、うるせーーーー」

となってしまったのがきっと原因

 

まとめ

いろいろ書いたけど、結局

私には合わなかった

というのが答えなのだと気づけたのは

ブログを書いてよかったなと思うところ

 

嵌る人には嵌ると思うんだけど

シャザムの時も同じ要因でこけていたけど

そもそも先がないキャラクターたちのために金をかけて見に行くのか

映画を見る時間がない中でこれいがに見るべき作品があるんじゃないか

というので選ばれづらくなってしまったいろいろ不幸な作品だなとも思いますね。。。。

同じDCなら全然Shazamのほうが好きですわ