Let Life Loose

映画、漫画、革のブログです

やり直しの物語であり、けじめをつける物語【#スパイダーマンノーウェイホーム】

年始一発目から盛大に感情を揺さぶられてしまった

 

今年はもうこれ以上の映画はないかもしれない

 

MCUスパイダーマン3部作最後を飾る

スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム

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本作についてはネタバレなしでは語れない

語れないので、ネタバレ全開で感情の暴走を吐露していきます

よっと

 

 

あらすじ

前作のミステリオの捨て身のフェイク動画によって

身バレすると同時に悪人として糾弾される立場となてしまった

ピーターパーカー

belphegor729.hatenablog.com

ミステリオの殺人容疑については

盲目の弁護士 マッドマードックの弁護により証拠不十分で不起訴となったものの

一度民衆に植え付けられた不信感はぬぐわれることなく

ミステリオを信奉するカルトからの心無い暴言や暴力

また悪意ある野次馬からの心無い言動により

ピーターは居場所を失っていく

悪意が自分だけに向けられているのであればピーターも絶えることができたが

大切な恋人、友人にまで魔の手が伸び

それが自分たちの進路を狭めるに至り

 

思いつめたピーターは

Drストレンジに事態改善の協力を懇願する

 

タイムストーンのない今、時間を戻すことはできないが

世界中のすべての人間から

”ピーターパーカーがスパイダーマンである”

という情報を忘却させることならできる、と持ち掛ける

 

ピーターの同意を得

術式の展開に移るストレンジ

しかし、優柔不断なピーターの無茶ぶりによって

術式の構築が破綻してしまうストレンジ

術式暴走の前に凍結することには成功したものの

 

制御しきれなかったことにより

別の次元から”スパイダーマンがピーターパーカー”であることを知るヴィランを呼び寄せてしまう

 

呼び寄せてしまったヴィランは皆未来スパイダーマンによって倒され、結果として死ぬものたち

 

それを知ったピーターは

ストレンジの制止を振り切り

元の世界に戻す前に、ヴィランになってしまった原因を取り除くため奔走することになる

 

といった感じ

 

予告の段階ではわが身可愛さでストレンジを頼ったように見えましたが

あくまでも自分のせいで苦しんでいる友人たちを助けるため

という他人本位の考え方で解決を模索していたのが好印象でした

 

まさにスパイダーマン3シリーズを追いかけていたファンへのご褒美ムービー

なんというか、すごい熱量の映画でしたね

本作について、新規のヴィランっていないんですよ

全部過去のヴィラン

トビースパイダーマンから

グリーンゴブリンとDrオクトパス、サンドマンが

アメイジングスパイダーマンから

リザードとエレクトロが

MCUに迷い込んでくる

彼らは全員、元から悪意のある人間ではなく

不幸が重なりヴィランと”成ってしまった”人たちで

このままただ元のバースに帰してしまった後彼らがたどる未来はスパイダーマンとの対決からの死

普段から慈善活動を積極的に行っているメイおばさんの影響もあり

それではいけないと救う方法を探すピーターを見てて思ったのが

 

あ、これ悪役令嬢ものだ

 

というだいぶ失礼な感想でしたw

用意されたバッドエンドを回避するために奔走する物語であり

また、あの時ああしていればという後悔からの脱却を目指す物語

 

類似点に気づいてちょっと笑っちゃって

でもこれ大好物な物語だと期待値がさらに高まりましたw

 

初代スパイダーマンを履修していてよかった・・・

ヴィランの扱い的に、かなり初代スパイダーマンがフィーチャーされていたように感じる本作、コロナ禍で時間があるときに、一応初代を履修していて本当に良かった

belphegor729.hatenablog.com

本作を楽しむうえで

初代ピーターと、オズボーン親子との関係性

そして、ドクターオクトパスのキャラクターを正しく理解することは必須でした

特にドックオックは、本来の彼のキャラクターを理解することで

中盤の理解と、終盤の展開への没入感が大きく変わってしまう

 

特に、スパイダーマン2で最後に正気に戻ったドックオックすごく好きだったので

制御チップを修復して正気に戻れたのもちょっとうるっと来ちゃったし

その後終始スパイディのために行動するドックオックにもグッときちゃいました

 

あれはちゃんと初代見ていないと味わえない感情でした

 

サプライズは予想していたとはいえさすがに燃える

本作の最大のサプライズは

”スパイダーマンの正体を知るもの”

の最たる存在である

スパイダーマンそのものの登場でした

で、初代ピーターもアメスパピーターも

ヴィランたちのように当時の若さで出るのではなく

2人とも相応に年を取っての登場だったのがいい

トビーピーターなんてちょっと腰やってたりMJと関係がこじれていたりとまんまスパイダーバースのピーター・B・パーカーでしたし

幻となってしまったアメスパ3を垣間見るような

グウェンの死を乗り越えることができず、でも”親愛なる隣人”の仮面をかぶり続け

その裏で泣き続けるアンドリューピーターの姿を知ることができたのは感無量です

 

いやー

 

私、アンドリューガーフィールド大好きなんですよ

ソーシャルネットワークで主人公の友人役で出演していたのが最初だったのですが

なんてイケメンなんだとファンになってしまって

アメイジングスパイダーマンでピーター役に抜擢されて

世間では評判が悪いですけど

ヒロインのグウェンものちにラ・ラ・ランドで主演するエマストーンが、芯の強いキャラクターを好演していたり

青春映画として評価の高い(500日の)サマーを監督したマークウェブの手によって

ウェットで繊細な映画に仕上がっていたと思うんです

特に、悲劇からの再起を描いた2は師玉だと個人的に思っていて

結果としてソニーとアンドリューは喧嘩別れに近い形となってしまっていたので

今回のアンドリューのスパイディ再演は、和解というポジティブな印象もすごく強い

そしてなによりも、

本作のテーマは繰り返しになるけれどもやり直し

自身のバースではかなわなかったこと

手から零れ落ちてしまったことを

改めて掬いなおす

そういった展開にカタルシスを感じる身としては、本当にご褒美のようなストーリーラインでした

 

特に、ねぇ

トムホピーターの手が届かなかった

落下していくMJをアンドリューピーターが

今度こそとキャッチするシーンは

アメスパ2の悲劇を強く再起させて思わず椅子から崩れ落ちてしまったし

MJを助けられた、今度こそ”スパイダーマンの彼女”を助けられ

いろんな感情が襲ってきて顔をぐしゃぐしゃにするアンドリューガーフィールドに

私も涙で前が見えなくなって

もう、もう、もう

ホントやばい

あのシーンだけでもう傑作決定ですよ

 

アメイジング・スパイダーマン2 (字幕版)

アメイジング・スパイダーマン2 (字幕版)

  • アンドリュー・ガーフィールド
Amazon

そしてこれに対するアンドリューガーフィールドのインタビューもエモい

virtualgorillaplus.com

和解、でいいんだよね。本当に良かった

 

 

そしてけじめの物語

本作で巻き起こした事件については

基本的にはピーターパーカーの不始末を自分で処理する

自分で掘った穴を埋める系のストーリーなんですよね

アベンジャーズ2と同じパターン

しかし、ピーター個人が支払った代償があまりにも大きい

MJに、ネッドに、メイおばさんに

忘れてほしくない、と願ってしまったばかりに

メイおばさんを失い

そして自らの意思で

MJやネッドの思い出からも消えていく

 

スパイダーマンの幼年期の終わりとでもいうべき

 

若く、無鉄砲で明るいスパイダーマンはきっとここで死に

孤独の中、大人になるんでしょうね

 

メイおばさんの墓前でのハッピーとの会話で

メイの甥、という立場すら彼は手放して

本当に天涯孤独、無に至ってしまった

 

あんなに若さと明るさにあふれたピーターが

まさか誰よりもすべてを失うとは

 

勿論不満点もある

アメイジングな2代目スパイダーマンそのものの活躍は申し分なく

アンドリューガーフィールド大好き人間としてはもう本当にありがとうございますとしか言いようがないんだけど

ただ、その分アメスパバースから来た2人のヴィランの扱いはかなり残念でしたね

エレクトロはそんな好戦的な性格でしたっけ?とちょっと疑問になりますし

リザード=コナー博士も

とりあえず出せるヴィランが少ないので頭数そろえるために出しておきました感が強く

ちょっと扱いの軽さを感じました

もっと残念だったのはサンドマンですね

基本的にスパイディ側の人間のような演出だと思っていたので、

ピーターに向ける不信感に説得力がなく、グリーンゴブリンによる離反に同行したのもいまいち理解がむつかしい

 

メインヴィランとして生き生きと行動していたグリーンゴブリンや

ある意味でピーターたちのメンターとして物語を動かしていったドックオックと比べ

物語の都合で動かされていた感は結構ありましたね

 

まぁ、ただ

”実写版スパイダーバースをやる”

という命題が強すぎるので

全てを100点で動かしていくのは無理に近い

なんだったらそれくらいの作品の隙はあってもいいのかなとも思いますね

 

最後に

ということで新年一発目にとんでもない傑作を突き付けられて興奮冷めやりません

もう一回見たい

 

愛しているからこそ、また不幸にするかもしれない

今ある幸せを壊すべきでないと身を引くピーターの切ない終わり方にも

ぐっと来てしまいましたし

そのピーターの決意を尊重して、個人的にはMJとネッドには記憶が戻らないまま

ピーターパーカーのつらい決断を尊重したい

ハッピーエンド大好き人間のはずなのにそう思ってしまっています

MJお相手ネッドかぁ・・・ていうのはありますし

傷ついても一緒にいたいと切に願ったMJの思いが尊重されていない結果であるのも事実ではあるので、何が正しいのか、どうあるべきなのか、むつかしい作品だなとも思います

演じたトムホとゼンデイヤも意見が割れているみたい

virtualgorillaplus.com

ペシミスティックだったMJがピーターと心通わせるうちにポジティブになり

MJを愛するがゆえにネガティブに落ちていくピーターと

ポジションが逆転しているという指摘は納得感が強い

 

 

そしてミドルクレジットのヴェノム出張版もちょっと笑いましたし

取り残されたシンビオートがどういう悪さをするのかも気になる

ポストクレジットが実質Drストレンジの予告状態だったのもちょっと笑っちゃいましたが

サムライミが監督するしワットイフで登場した悪ストレンジっぽい存在も確認できたし

非常に楽しみですね!