LetLifeLoose

映画、漫画、革のブログです

#MCU 失速の原因は回収しきれないくらいのキャラクターを登場させたことにあると思う

 

最近Lokiシーズン2すら刺さらなかった身としては

本当にMCUに失望しているんです

 

なんでこんなにワクワクしないんだろう

MCUを追いかけることに、義務感を感じているんだろう

と振り返った時に

 

多分これだな、と思ったのは

やっぱり無駄にキャラクターが多すぎて、それらがつながっていくヴィジョンを

MCUが提示できていないところにあるのだと思う

 

 

 

インフィニティサーガはどうだったか

MCUフェイズ1-3のいわゆるインフィニティサーガは

キャラクターの配置が凄くしかりとしていたんですよ

主たるキャラクターとしてBIG3といわれる3人ともともと本国で人気の高かったハルク

この4人のキャラクターに絞って単独作を公開

各々の人気を単独作で確立したところで

満を持してのアッセンブル作品「アベンジャーズ1」を発表し

そして、サーガを通しての敵「サノス」もここで顔見世

サーガの中心はこの4人、特に、その中でも明確な対立軸となる

好対照のアイアンマンとキャプテンアメリカがサーガを通しての主役ですよ

メインヴィランはサノスなので、サノスの打倒がサーガの目標ですよ

というのをはっきりと打ち出していた

ここ非常に大事だと思うのですよね

サーガという構想はあとから出てきたものだと認識していますが、

ポストクレジットで作品同士を繋ぎ、またほぼすべての作品がインフィニティストーンというキーアイテムでつながっていたし

アベンジャーズというチームアップがインフィニティガントレットとは別の軸としてあったので

インフィニティストーンが関係なくても

ウィンターソルジャーで米国の政治体制が大きく変わり

シヴィルウォーでアベンジャーズの体制が変わり

ソーラグナロクの終わりでサノスとつながり

スパイダーマン/ホームカミングはアベンジャーズ1の後始末であり

アントマンとキャプテンマーベルは、打倒サノスの切り札として新規参入が不可欠だった

そしてフェーズの終わりにサーガのマイルストーンとなるアッセンブル映画、アベンジャーズを配置して、しっかりと区切ってきた

主役がいて、わきを固める

ゴールを設置して、それに向かってストーリーを進める

当たり前ともいえる基本的な構造がいかに大事かを、

マルチバースサーガでまじまじと見せつけられたような気がします

 

 

マルチバースサーガの失敗

はっきり言って、マルチバースサーガは失敗したといっていいでしょう

その原因は間違いなく

主軸主題不在

です

それが結果として、MCUドラマが軒並み大爆死し

シークレットインベージョンはMCUと地続きの作品と思いたくないとまで言われ

マーベルズの歴史的大敗につながっていっていると思います

 

ウィキペディア調べですが、マルチバースサーガは現在フェイズ5の途中ですが

フェイズ4で

映画7本、ドラマ11本

フェイズ5は予定されているものも含め

映画8本、ドラマ10本

映画15本のドラマ21本 計36作品

 

インフィニティサーガ全体で、23本の映画だったことを考えると

かなりのボリュームになります。

また、マルチバースサーガとインフィニティサーガの大きな違いは

マルチバースサーガ初出の作品で、2作目があるのはLokiだけということ

(正直ロキはドラマだし1で明らかに終わっていなかったので、

belphegor729.hatenablog.com

続編ありというのは個人的に抵抗があります)

 

これが詰まり、主軸と主題の不在を表しています

どういうことかというと、

マルチバースサーガを通しての主題がないから

主軸となるキャラクターを設定できず

主軸となるキャラクターがいないから単独作の続編が作れない

全部単発の作品で時系列が全然前に進まないから

サーガ全体のストーリーが一向に進んでいるように見えないんですよ

もうちょっと具体的に見ていきます

 

主題の不在

多分サーガの名前の付け方がそもそも間違えているんですよね

インフィニティサーガはのインフィニティは

概念ではなくアイテムでした

”インフィニティガントレット”の奪い合いが主軸であり

ガントレットの最終的な保持者が勝者であるという明確なゴールが、サーガからもわかるわけです

翻ってマルチバースサーガ

マルチバースはまごうことなき”概念”です

そして、これだけ多くの作品がありながら、マルチバースを描いた作品は

そもそもそれがストーリーの根幹のLoki

ワンダヴィジョン、Drストレンジ/マルチバースオブマッドネス、スパイダーマン/NWH

そして、ミクロバースともいえる極小世界(ミクロコスモス)もある意味マルチだよね

という変化球のアントマン/クアントマニア

の5本だけ

36作品中5本ですよ5本

しかも全員前サーガからの続投です

つまりマルチバースというテーマの推進剤として用意した新キャラがメインヴィランであるカーン以外いないんですよ

挙句の果てに、それぞれの作品で扱ったマルチバースのどれもがその作品内で完結している

サーガのメインヴィランであるカーンが登場するアントマンですら、主な舞台であったミクロコスモス自体はそこで完結している

駄目じゃん

インフィニティサーガの時のような、必然性のある作品配置が全然できてない

しようという意思も感じられない

ライター陣が各々好きなキャラを適当に映画化していて

それらをつなぐ縦軸をだれも考える気がない

映画同士で横につながっているのありました?

ないんですよ

映画の前振りと化しているドラマはあったかもしれないけど

主軸がないから、作品同士を繋ぐ依り代がない

結果として、

Drストレンジに対する、ワンダヴィジョン

マーベルズに対する、ワンダヴィジョン、Msマーベルのような

単発の作品に登場させるためにサブキャラクターをドラマの主役に

というレベルの作品間のつながりしかなく

そのつながりも単発でしかないので、サーガ全体を進めることに寄与していない

 

主軸の不在

結局横のつながりがないのって、サーガ自体をけん引していく強い魅力のあるキャラを輩出できなかったことにあると思うんです

本来であれば、Big3のように、まず主題となるキャラクターを用意して、サーガから逆算してキャラクターを配置すべきだったと思うけど

作中で新生アベンジャーズ計画が完全にとん挫しているように見えるのはいかがなものかと

もしかしたらティ・チャラがその中心にいたのかもしれないし、そうであれば非常に残念な出来事であったと思うけど

 

belphegor729.hatenablog.com

 

かといって、ティ・チャラだけが核ではなかったはず

シャン・チーでは新生アベンジャーズを、ウォンをニック・フューリー代わりとしてチームアップさせるような匂わせがありましたけど

もうシャン・チーも3年近く前の作品ですがウォンが驚愕した彼のメインウェポン

「テン・リング」とルーツを同じにしそうな、そんな描写を明確に押し出したアイテムは出てきていないです。ここでも横のつながりを作る振りだけして放り投げている

あれはシャン・チーをメインヒーローに据えられなかったんですかね

私自身彼にサーガを引っ張っていく求心力はないと思っていますが

結局のところ、マルチバースサーガ初出の新キャラってみんなサブキャラクターなんですよ

シャン・チーみたいな、目線が低すぎて対局で物を語らせるのに向かないキャラ、インフィニティサーガではアントマンのポジションですね

エターナルズ見たいな、強すぎるし、目線が高すぎるので脇に回らざるを得ないキャラ、Drストレンジやキャプテンマーベルのポジション

というか、完全新キャラの映画ってシャンチーとエターナルズだけか・・・

そりゃ話進まないし、サーガをしょって立つキャラクターを、MCUは用意する気がなかったんだなというのが明確にわかる

駄目だこりゃですね

 

作品構成の失敗

そもそもインフィニティサーガになって、アベンジャーズはおろか、シヴィル・ウォーのようなクロスオーバー作品すら発表されていないのって

ユニバース映画群として完全に失敗だと思うんですよ

ユニバースシリーズの何が画期的だったかって、

単発で存在していたヒーローたちがチームアップして巨大な敵に立ち向かうところだったと思うわけですよ

アイアンマンが、キャプテンアメリカが、ソーがハルクが一堂に会するカタルシス

それを、マルチバースサーガでは、フェイズをまたいだのに1度もしていない

これだけ複数の作品乱発しておいて、未登場キャラの顔見世ばっかりにポスクレを使って、サーガ内のキャラクター同士を繋ぐことを怠っているからクロスオーバー作品ができないんですよ

例えばシャンチーとDrストレンジを繋ぐとか

ブラックパンサーとエターナルズを繋ぐとか、

エターナルズとキャプテンマーベルを繋ぐとか

すでに公開済みの作品が横につながった結果がアベンジャーズなんじゃないのかよ

アベンジャーズ4

カーンダイナスティつったって、今インフィニティサーガ登場のロキとアントマンしか関係性がないし、アントマンはすでに倒している、ロキに至ってはもはや概念だ

アルティメットまどかと同じだ

因縁も無ければ力関係も変なことになっている。全然盛り上がる気がしない

まぁカーンダイナスティキャンセルされたけどね・・・

 

 

 

まとめ

結局アメコミ疲れって世間で言われているけど

「いつ終わるかもわからない、進んでいるようにも見えない」

作品群に付き合うことに疲れている

ということなんじゃないかな

と思うんです

カーン役のジョナサン・メイジャースがDVで有罪となり(結構どっちもどっちみたいな話もありますが、どっちもどっちな時点でジョナサン自身にDVがあったことは事実として認められてしまった)解雇になった結果

オプションとしてカーン役のリキャストだけでなく、メインヴィランのDrドゥームへの変更があること自体、マルチバースサーガ自体を進められていなかったことの証左だと思うんです

だって、マルチバースを滑るものとしてのカーン、だったはずです

それが、マルチバースと何ら関係のないDrドゥームに変えてもさして問題ない

と思っている時点で、もはやマルチバースサーガ自体のリネームすらあり得るのではと思っています

正直さっさとDrドゥームへの切り替えを決断して、それに伴ってマルチバースサーガのリネームもしてしまったほうがいいと思いますけどね

むしろ、フェーズ4、5を無理やりサーガとしてまとめるのではなく

ここまでは間奏ということにして、Drドゥームを中心にした新しいサーガを

マーベル最古のチームアップであるファンタスティック・フォーと

アベンジャーズに匹敵するマーベル世界のストーリーのけん引役であるX-MENを主軸としてフェーズ6、7、8として展開していったほうがいいんじゃないかなぁ・・・