4年前に革靴のイベントでお会いし、靴のオーダーを始められたということでその時に1足誂えていただいたのが、私のビスポークシューズデビューでした
そのあと、のちに2022年のワールドチャンピオンシップインシューメイキングで2位になるカタオカさんのsiroenoyosuiで1足誂えてもらい
もうビスポークは終わりかなぁと思っていたのですが、
ふと、せっかく木型を作っていただいたので、ツイッターでご連絡を取り
もう1足誂えていただくことになりました
1足目の時点でかなり破格でしたが、今回はすでにマイ木型があるということ
基本的には、1足目のレイジーマンデザインを踏襲することから
木型あり、型紙ありの金額でお願いできました
正直なところ、昨今の革靴の価格高騰によって
海外製の革靴の値段がとんでもないことになっているので、
本当に良いお買い物をさせていただきました
オーダー詳細
今回のオーダーに関して、お願いしたことは4つ
木型は前回のまま
デザインは、前回のレイジーマンを流用したセミブローグ
しし座をモチーフにしたメダリオンを入れる
アッパーは、ヴィテッロ・フィオーレを使う
ただ、やはり4年前の木型ということで、クジラさんなりにいろいろとご配慮いただいたようで、今のクジラさんの知見をもとに多少(かなり?)削っていただいたとのこと
ありがたい話です
メダリオン
メダリオンは、やっぱりビスポークなら独特のデザインほしいよなと思い
Siroenoyosuiと同様にしし座をモチーフにしたものを起こしていただくようお願いをしました
Siroenoさんはライオンそのものを意匠として書き起こしましたが
今回はしし座のマーク♌をモチーフに作ってもらいました
それがこちら
しし座のアイコンをかがみ合わせにしたようなデザイン
左右非対称の、そのままメダリオンにするにはちょっと不格好になりそうな形をうまく左右対称にされたなと思い、これで行くようお願いしました
革について
今回お願いしたヴィテッロ・フィオーレは
私自身がレザークラフトでよく使用している革で、今使っているスマホケースにも使用しています
スマホを買い替えたので、手帳型ケース作り直し。
— べる (@bel729) 2023年8月29日
メインのレザーはヴィテッロフィオーレ
内装はブリーナのネイビーと、ネーブのレッド(オレンジじゃね?という感じはある)
全部レザークラフトフェニックスさんで購入。
のりが乾いたらコバ磨いてスマホケースと接着して完成 pic.twitter.com/pPAxMrrMOJ
子牛の皮をタンニンで鞣しした、タンドカーフとも呼ばれる一級品で
やわらかくしなやか、また子牛のため1頭からとれる革の面積も少なく
非常に価値のある川だと思っています
革靴に使われる革はクロム鞣しが多いため、結構作るの大変なのかなと思いましたが案の定かなり苦労されたようで、そういった意味でも大事にしないといけない靴になりました💦
タンニン鞣しである、というところがどこまで異教出ているかわからないですが
オイルを充填させた、バケッタ製法で作られた川であるため、テンションをかけるとかなり伸びるようです
主な販売元であるレザークラフトフェニックスさんでは、靴にも使える革ですよー
という記載はあるんですけどね
実際紳士靴で使われているのは軽くググった感じではなさそうでした
ヴィテッロ・フィオーレを製造しているGUIDI社そのものが、アパレルの展開をしていて、ブーツに使われているらしいことは知っていたんですけどね
また、オーダー後にこの革で靴を誂えているブランドも出てきました
いざ納品
11月末、完成の報告をいただきましたので、お会いする約束をつけて受領してきました!
1足目をお願いした時はブランド名すら固まっていない状態だったので箱無しでしたが、2足目はブランド名と合わせ、青い箱にクジラのロゴのついた箱に入っての受領
わくわくです
箱から出した手はこんな感じ
もともとはマットな仕上げの皮でしたが、製靴の過程で艶めいてきたそうで
非常になまめかしい光沢を見せています。これだけでこの革でお願いしてよかったと感動しますね
家に帰ってちゃんとした抗原の下でパシャリ
少し歩いたので甲に皺が入りましたが、それはさておき良い黒をしています
ソールの素材を聞き忘れましたが、おそらくオークバークかなと
もちろんヒドゥンチャネルです
耐久性を増すために、かなりオイリーに仕上げているとのこと
クジラさん的には底面美しくないと思っているそうですが
こういうむらっけのある仕上がりは私大好物です
ヒール素材はBrosentさんで教えてもらって以来ずっと使っているコンチネンタル
会社が製造をやめてしまったので、これからはどんどん入手しづらくなるらしいです
1足目と同じデザインなのでシームレスヒールに、革のつなぎ目をあえて外側にもってきて、パーフォレーションのデザインと溶け込ませています
個人的にこれが一番の会心の意匠
メダリオンもばっちりです!
ブランドロゴはそっくにも入っています
テンション上がりますね
最後に
ということで、クジラさんのビスポーク2足目でした
実際に少しはいてみましたが、1足目を履き続けて気になりはめた小指のあたりとかが改善していて本当に感謝です
右踵が少し緩かったですが、それもタンパッドで調整してうまくいきそうな感じ
右踵が緩い傾向は1足目の時からそうだったので、同じ処置でレイジーマンのほうも改善するかも
クジラさん自身、現在は副業で靴作りを続けられているのだそうですが、今後の展開もいろいろ検討されているようです
準備が整ったらおそらくアナウンスされるかと思いますが、その時がとても楽しみですね
クジラさんの靴はかなりデザインに特徴がありますので、もっといろんな人に知って、履いてみてほしいですね