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相手を尊重するということ【#顔に泥を塗る】

完結していて結構面白かった漫画があったので紹介

 

 

全8巻とある程度話にボリュームがありつつ、あまり脇道にもそれないので結構ストレスなく読んでいけます。

 

ストーリーは、弁護士のタマゴの彼氏と6年間同棲している、デパートの受付嬢の派遣社員をしている主人公「美紅(みく)」が、

普段とメイクを変えたことを彼氏の「悠久(はるひさ)」に否定さて落ち込んでいたところに

メイクをばっちり決めたハーフの青年「イヴ」と出会ったところから始まります

 

最初の数巻は、モラハラ気質であることが婚約のタイミングで顔を出し始めた悠久と誰のために生きるのかについて真剣に考えはじめた美紅との対峙がテーマになり

主人公美紅の成長をしっかり描いています。ここをしっかり描けているので

最後までだれずに読めているところはあるかな

一応悠久にも弁解の余地は残しているというか、どうしてモラハラ気質になってしまったのかというフォローが一応あったりもしますし、最終的にそういう自分について自省し、しっかりと彼なりの決着をつけるところも見どころ

まぁそう思っているなら相手を否定するのではなくて、ちゃんと言えよ、とも思うけど

言わないと伝わらない。も重要なファクターだったりはする

 

また、本作今時というか、様々な性志向のキャラクターが登場します。

まぁそこはあまり本題ではないので、ノーマルな性志向ではあるものの化粧をし、女性的な衣装も着こなすイヴ以外についてそこまで深堀されることはないんだけど

キャラクターが的確に配置されているので、いい塩梅に説明型になるのを防いでくれていたり、

性志向だけでない多様な生き方、考え方を作品の中で提示することで、

イヴのこれまでの生き方だったり、美紅のこれからの生き方だったりを肯定していくエッセンスとして機能している。

ディズニーの最近の映画で、

 

 

そういったものについて特に意味を持たせてはいけないというような風潮が感じられたりするけど、どういう志向を持ったキャラクターか、というのは物語を動かす中で意味を持たせるべきだと思うんですよね。

志向に意味を持たせない、というのはストーリーを進めていくうえでかみ合う歯車を持たせないということだから、不必要なシーンになって今う。

意味を持たせなく存在させるのは、逆説的に特別扱いをしていることにもなる。

 

いろんな特徴のキャラクターが意味を持って配置されている本作は、それぞれがうまくかみ合って無駄なシーンがあまりない

 

終盤ちょっと巻いている感じがして、もう1巻くらいじっくり美紅とイヴ、悠久たちのこれからを見たかったともったいない感じもありますが

凄く良い漫画でした。