もう靴は買わないとか1年位前に言っていたような気がしないでもないのですが💦
1年たたずに前言撤回するのはまぁ靴クラっぽいよね
ということで、ブロセントさんに1足オーダーした話と
ついでに昨今の靴業界事情的なものも雑談の中で教えてもらったので、ふわっとまとめてみようかと思います
オーダーの経緯
これで締め、とは言いつつ雨天で履ける靴もうちょっとほしいよね、っていうのはあったりして
雨天対応のアッパーだとBabooconさんの鹿スエードよかったなとか
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デザインは持っていないのは大前提だよね、ジョッパーブーツとか
マストではないけどシームレスヒールがいいなぁとか
脱ぎ履きしやすい靴がもう1足ほしいなぁとか
ぼへーっと考えていたら
革靴初心者のころにチャッカブーツをオーダーして、今でも愛用しているブロセントさんが
まず鹿スエードを入荷しまして
うお!まじか
となるわけです。しかもタンナーはスエード界の雄、「チャールズ・F・ステッド」
間違いないタンナーです
さらに、夏に発表されたニューモデルがジョッパーブーツを簡略化したようなデザインで、まぁときめきまして
しかもシームレスヒールじゃないですか!
で、さらにダメ押しで、この鹿スエードを使ったモデルのオーダーで20%OFFというセールまで開催されまして
べるさん無事陥落
イヤーくそ雑魚ですねw恥ずかしい
ほんとはユタカーフで作りたかったんだけど、残念ながらセール対象外だったもんで、
パティさんスエードで作ってかっこいいかはちょっと不安ではあるんですが
それはさておきやはり鹿スエードの撥水能力は
うわさでも聞きますし、ブロセントさんのブログでも驚異的な性能が確認できますし
何より20%オフはやばい
結果的にRENDOさんとほぼほぼ変わらない金額でオーダーすることができました
オーダー詳細
DOEスキン、銀面も結構素敵なシボ革でして、
こちら側で作ってもユタカーフに似た格好いい靴ができたのかな?と思わなくもない。うーん。ちょっと悩む
でもスエード面も非常に美しかったので、やっぱりこっちがいいかな
ベルトだけでも銀面側にしようかな?とかも一瞬考えたんですが、あんまり変なことはしない方がいいかなと思い直してそのままで発注掛けました。
悩んだのはソールですね
ブロセントさんの一押しはVibram Gumlite Capetown
サンプルをはかせてもらいましたがふかふかとした履き心地は確かにいい感じでした
ただ、ちょっとお値段が張るんですよね
基本コースと比べ、ヒールも併せて1000のアップチャージ
同じVibramのEtonソールにすると-3500なので、まぁ結構な差
ついでにVibramとダイナイトも見比べさせてもらったのだけれども
ダイナイトのほうがゴムっぽいというか、粘り気を感じましたね
Vibramはプラスチックに近いというか、かなり硬質
結局はVibramにしましたが、比較できたのは良かったです。
ちなみにブロセントさんはEtonは取り扱いをやめるそう
まぁ価格も安いとはいえダイナイトとそこまで差がないですし
あえて2つともラインナップする必要もないのかもですね。
その代わりにVibramで新しいソールを入れるそうです
多分ラインナップ増やすときはブログで周知するでしょうから要チェックですね
カントリーなシューズを作るときに選択肢になりそうなソールでした
また、ゲージを使いながらフィッティングを改めて確認
前回オーダーした時は右足小指に乗せ革をしたのですが
前回のオーダーで使用したカーフと比べ、スエードは柔らかく足なじみもよいので
乗せ革はしない方がよかろうとのことでした
むしろ、左足のほうにインソールの調整が必要かもしれないとのことで
完成時に来店して確認をしようということになりました
とりあえず年内納品
めちゃめちゃ楽しみです
昨今の革事情
一部界隈でも話題になっていたのが、JR
ジョー・レンデンバッハ
というソールのメーカーの倒産でした
レンデンバッハは非常に時間のかかるオークバークという革を生産していたドイツのタンナーで
オークバークソールの中では一番安価でJ.Rのロゴもありかなり知名度の高い革底の素材でした
オークバークのタンナーでいうとほかに有名なのは、ロシアンカーフの再現を頑張っていて、ブロセントさんでもアッパーのラインナップにあるベイカー社があったり
レンデンバッハと同じドイツのマルティン社というタンナーもあるそうですが
どちらもレンデンバッハよりも高く、ビスポークメーカーでの使用がほとんどだそうなんですよね
カールフロイデンベルクからのワインハイマーのように技術を引き取る企業もありそうなのですが、工場ごと引き取るわけでもなさそうで、どこまで技術が再現できるか・・・
というところから、ドイツのタンナーとフランスのタンナーの企業というか、お国柄の違いなんかについてもいろいろ面白い話を聞かせてもらいました
フランスのタンナーはなにがしかの高級メゾンの傘下になっているんですよね。
でもそれがドイツだとむつかしいんだね
JRのオークバークソール、本当にいいんだよなぁ。
私持っている靴は、ブロセントのチャッカも含めほとんどオークバークソールなんだけど、5年くらい革靴履き続けてまだ1足もオールソールしていないんだよね
本当によく持つ
ちなみに、なんでビスポークはより上位のベイカーを使うのか(シロエノヨウスイさんも芯材や底材はベイカーだったはず)なんて話も聞かせてもらえました
詳しい話はぜひブロセントさんに行って聞いてみてほしいですが機械縫いだとベイカーの特性が活かせずオーバースペックになるからだそうで、なるほどなるほど、面白い
なお、レンデンバッハは残念ながら倒産という形になってしまいましたが
そもそもアッパーでつかわれるような革の高騰も凄いらしく、そういった点でもブロセントさん厳しそうでした
今回のセールは間違いなくお得なので、興味がある人は絶対に乗った方がいいですよという話
靴屋の話
今回オーダーの応対をしてくださった清水さん
Tから始まる靴のセレクトショップで長くバイヤーなどをされていた方で
親交のあった、数年前に他界されたリカルド・ベステッティの話や
日本にカルミナを紹介したのも清水さんで、カルミナ周りの話等いろいろ面白い話を聞かせていただきました
で、清水さんがセレショ時代にオリジナルブランドの生産を依頼した時から今に至るまでお付き合いしているのが日本の靴づくりの雄(だと私が勝手に思っている)セントラルさん
今だと、ブロセントさんと某セレショ以外に三陽山長の靴を作っていたりもするのですが、一番お付き合いが長いのは清水さんだろうなぁとのこと
さらに、元セントラルのパタンナーで、独立したころはセントラルさんで生産をしていたRENDOの吉見さんだったり
金沢のKOKONがセントラルで生産していたころに付き合いがあり、そこから独立したJOE WORKSの駒澤さんもセレショの後輩だそうで
もっと言うと、いろいろ残念なことになってしまったフォスター&サンの日本代理店のトップも同じところだそうで、カルミーナジャパンもそう??
なんかTから始まるところのネットワークがすごくてびっくりしましたわ
ついでにJOEさんの納期が遅れ気味な理由もなんとなーく教えてもらいました
どこも大変ですわ
お客さんの話
とにかく靴のフィッティングはむつかしいよね
と思ったのが、私がオーダーしているときに飛び込み出来たお客さん
履いている靴のフィッティングに問題があったそうで、サイズを調べてみたら、
サイズ1.5違ったそう
ちなみに履いていた靴はこれ
スリッポン専業のブランドですね
え?4万円?やっす
作っているのはユニオンさんかな?
清水さんと一緒に「この靴かっこいいっすねー」って横から話をしていたのですが
とりあえず前滑りしないようにいろいろとあの手この手を使ってインソールを作っていました
そこで教えてもらったテクニックがまさにサンタリさんで教えてもらったフィッティングのテクニックと同じでびっくり
「本当はこのためのアイテムじゃないんですけどねー」
と言いながらインソールにひと手間加えているのがちょっと面白かった
三陽山長さんもそう、百貨店もそうだけど、靴やりたくて入社したわけでもない人が靴売り場担当になって、なれないフィッティングをやるのは店にとってもお客さんにとっても不幸よね
ブロセントさんはオーダー会のついでにそういう研修もされているそうです
私もVASSを個人輸入する前に百貨店に買いに行ったのですが
25~25.5の私に対して百貨店が提示したのが26.5
うぅ~んと唸って帰ったのを覚えています
大きめを提示したい気持ちはわからんでもないのですが
わかっている人には敬遠され、わからない人には革靴そのものへの不信感を植え付けているような気がして、やっぱり先細って言っちゃうんじゃないかなと思うんですよね
最後に
実は雨靴もう一足ほしかった理由の一つに、RENDOが思いのほか踵で靴擦れするというのもあったりするんです。
現状10足手持ちある中でおおよそノートラブルで履けているのが
で、まぁなんとかって感じなのが
BlueWhale、RENDO、Irondoress
って感じ
Brosentさん最初期に購入した1足なのに、ここまでフィット感に問題がないの本当にすごいなって思うんですよね
相性も良かったのかな
雑談も楽しすぎて長居しすぎてしまい、次の予定に危うく間に合わなくなるところでした💦
バーを居抜き改装したお店の雰囲気も最高だし、何よりも清水さんと本間さんのお二人の人柄がいいんですよね
清水さんちゃきちゃきっとしてるけどバイヤーとしての長い経験からくる知識が素晴らしいし、良いものはよい!と他ブランドでもガンガンほめていくスタイルすごく信頼できる
本間さんもあの優しいオーラにほんとほだされちゃうし、でもカラリスト、シューケアの知識がぴか一
納品の時はもうちょっとしっかりと時間を用意していった方がいいなw