うだうだと悩んだ後
見てきました。「スカイウォーカーの夜明け」
スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け MovieNEX(SWブラック・パッケージ、アウターケース付き) 初回版[ブルーレイ+DVD+デジタルコピー+MovieNEXワールド] [Blu-ray]
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- メディア: Blu-ray
正直不安しかなくて、
今日は #ブロセント のありすちゃん
— べる (@bel729) 2019年12月22日
今日は正直不安しかない映画を見に行きます。
トーホーシネマイレージカードなくしたと勘違いして止めちゃったの痛い😢 pic.twitter.com/xg5GAYmdxk
そんな話を実家に帰ったときに弟にしたら
「見る必要なくない?」とバッサリ言われ、まぁ確かにその通りなんだよなぁとも思ったのですが、
なんていうんですかね。けじめというか、やっぱり好きな世界観だし、好きなシリーズではあったので、最期を看取る気持ちで見に行きました。
ディズニースターウォーズでも、ローグワンは大好きだし、ハンソロだって続きを今でも待ってはいるのですよ。
X-MENも同じ気持ちで見に行ったなぁ。
エンドゲームといい、今年はアメリカのオタク文化の完結作が多かったですね。
スターウォーズのスカイウォーカーサーガの締めくくりを見てきた感想を吐き出そうと思います
目次
予想通りep8の影響はかなり排されることに
JJエイブラムス監督は否定していますが、
そうは言っても実際 ep8で提起された設定のいくつかは無害化されているのは間違いないと思います。
まずはフィンとローズの関係。
ローズの登場シーンは大幅に減り、またローズと接するフィンはとても淡泊です。
本作だけ見た人には8のストーリーの多くの部分をこの二人のラブロマンスが占めていたとは思わないでしょう。
そのかわり、フィンは新キャラクターのジャナと心が通じるようなシーンが増えています。ラストシーンの是非はさておき、戦えるキャラクターとの交流を増やす方向に彼の人間関係をシフトさせたように見えます。
次はカイロ・レンのマスク。
8で盛大に破壊したマスクを、作り直すでもなく溶接して復元する。
マスクと決別したその決意は萎えてしまったのかな?
もう戻れぬ過去の自分に対する後ろめたさを隠すためマスクなのかなぁとも思いますが。
光落ちの伏線ではありましたね
最後はレイの出自
取るに足らない下層民という事実は覆され、パルパティーンの孫であり、彼女が1人なのは、祖父の魔の手から逃れさせるための両親の苦渋の決断であることになりました。
ここで、スカイウォーカーサーガでの血統主義が復活し、8で希望とともに語られたフォースは誰の手にも宿る可能性があるという話は、フィンに薄ーく引き継がれるのみとなりました。レイアも8で急にフォースに目覚めたのではなく、ジェダイマスターとしての訓練をルークに受けていたことが(急に)回想で示されました。
私はこれでよかったと思います。
光のスカイウォーカー闇のパルパティーンという旧三部作の構図が
光のパルパティーン闇のスカイウォーカーと構造を逆転させることで
4人のキャラクターという点を繋いで面を構成することができています。
惜しむらくは、この構造をもっと早く打ち出していれば…
例えば、ルークとベイダーの血縁については5の段階で示されましたので、
その関係性を6で深めることができました。
しかし、レイ・パルパティーンという事実が開示されるのがあまりも遅い。
面が構成されたころにはサーガが終わってしまう。正直もったいないなぁと思います。
捨てられたと思っていたが、そこに確かに愛があった、と言うシチュエーションはとても好みなのですが、素直にのれないのはやはり「違うかもしれない」と言う伏線を8の時点で用意してほしかったんだろうなぁ俺
しかし、ライアンジョンソン監督はファンを自称していたけど外伝とかは見ていたんですかね。
多くのジェダイマスターは血統が開示されていません。
むしろ、ジェダイは一部を除き妻帯を禁止されていますので、血統によるフォースの遺伝はほぼあり得ない。
能力至上主義のジェダイの中で、むしろスカイウォーカー家のほうが異質なんじゃないかな。
そして、異質だからこそ、サーガたりえたとも思います。
伏線…もうちょっとで良いので、伏線を…
本作にあまり好印象を持っていない一番の理由はここで、
前作でもそうでしたが、その場限りでかつ後に続かない設定が乱発されて、もうちょっとつながっていく世界観を見せてほしかった。
例えば、シスの隠れ家であるエクセゴルの手がかりを探す一連の下りで、
その手がかりであるウェイファインダーをルークが探していた、という情報はまぁいい。
在処が何故かダガーにかいてあって、ダガーが示すポイントに立って、ダガーの刃先をデススターの残骸とマッチさせると鍔から伸ばすガイドが在処を示すと言うのもまぁおいておくとしても
C3POは読めるけど禁止語句だから伝えられないという突然の後付け設定。
読めるというのもそうだし、禁止語句というのもそう。
しかしハックすれば読める。
え、なにそのまどろっこしい感じ。
ハックして得られた情報からウェイファインダーのありかまでたどり着くことはできましたが、カイロレンに先を越されて破壊される。(その点では急ぐべきというレイの直感は正解でしたね。)
正直やばいな、と思ったのがここから先で、C3POの記憶をかけてまでエクセゴルの場所がわかるアイテムを探していたのに、
シスが使っていたドロイドがエクセゴルの場所を知っている。
え?じゃあ今までの冒険何だったの?
さらに、レイがカイロレンのタイファイターを奪ったことでエクセゴルの場所がわかったので、ドロイドの情報を使いすらしない。
ならドロイドが場所知っているっていうくだりいらなくない?
後だしじゃんけんの連続で目がくらくらしてしまった
また、レイアのジェダイとしての立ち位置も、本来であれば9で語る話ではなく、7や8でほのめかしておくべき情報だと思います。後出しというか、何も考えずに8で提示した事象にあとから理屈をつけ足しただけですね。
レイがパルパティーン家であるというのも、もっとちゃんと伏線を張ってほしかったし、パルパティーンが首魁であるのであれば、パルパティーンの息吹を8までに感じさせてほしかった。
8まで情報伏せて、いきなり「9でパルパティーンでます!」
で、どう8との整合性撮るのかな、と思っていたら序盤も序盤で「スノークは私が操っていたのだ!」
って、ちょっとひねりがなさすぎでしょ・・・
前記事でも言ったけど、こっそり大軍勢作ってましたはファーストオーダーもファイナルオーダーも同じ。その資金をどこからねん出したのかと言う疑問も同じ。
今回はさらに、それだけの艦隊を操る兵隊をどこで仕入れたの?というのも問題。
ファーストオーダー軍がそこまで兵を余らせていたとも思えないし、
かといって、秘密の場所であるエクサゴルで一般兵ごと用意しているのもおかしい。
終盤の「私を殺して皇帝になるのだ」というくだりも、
パルパティーンを殺すことでなぜレイが後を継ぐことになるのかが全く理解できませんでした。
怒りのままにパルパティーンを殺害することで、レイの感情がフォースの暗黒面に囚われる、ということであれば理解できますが、あれだけレイに対して懇切丁寧に説明をして、レイが怒りでもって彼を殺害するとは到底思えない。
結局殺害の決断をした時も、それはパルパティーンに仲間の命を人質に取られて仕方がなくです。
ほかにもいろいろありますが、タイトル回収のためだけに作ったとしか思えないラストシーンとかね。レイがパルパティーンの名を捨てるのは選択肢の一つとしてあり得るのかもしれないけど、そのうえでスカイウォーカーを名乗る理由がわからない。
わからないというか、わからなくはないけど、名乗る動機をもっと能動的にこっちに見せてほしい。
スカイウォーカーの夜明け(概念)ではなく、スカイウォーカーと夜明け(物理)、でしかなかったのは正直残念でした。まだEP8のフォースでほうきを引き寄せる少年のほうが作品の概念を体現するシーンとしてよかったと思います。
と、話を戻しますが、全体的にロジックがね。破たんしているんですよね。
自分の中で無理やりにでもこじつけられればまだ呑み込めるところもあったかもですが、全組み立てることができませんでした。
フィン・・・俺君のこと苦手だわ
はっきり言ってフィンというキャラクターが最初から好きになれなかったのですが、
彼に対する拒絶の感情が今回本当にマックスになりました。
そのシーンはシスの打ち捨てられた船にウェイファインダーの手がかりを探しに行くシーン。
レンの気配を感じで一人で船を離れることをフィンに伝えたのに、何故かチューイに見に行かせ、そのためチューイは帝国につかまってしまう。
私にはこの件の戦犯は余計な手出しをしてしまったフィンが戦犯だと認識しましたが、自信の落ち度を自覚することなく、当たり散らし、チューイを殺してしまったと自分の行為に怯えるレイをなだめる。
てか、C3POが記憶消失のリスクを負ってまでシス語のロックを解除したのはチューイが捕まってしまったからだよね。
誰がチューイを単独行動させたんだっけそうおまえだフィン!
デススターの廃墟に行くために単独行動するレイも自分勝手ですが
ジャナに無理やりボートを出させて追いかけるフィンもなかなか行動が過激です。
こう、フィン含め、全体的に自分の行動を顧みることがないんよね。
過去を振り返りすぎるのはよくないとは思うけど、
反省するからこそ人は進歩していくと思うんですよね・・・
またローズとの関係が希薄になった結果、次はジャナですか。そうですか。なんだかなぁ。
EP7のフィンって、人も殺せない臆病で優しいキャラクターだったと思うんですけど、8以降粗野過ぎません?パシリムのジェイクじゃないんだよ?
戦いの中で成長したと言えばそれまでだけど、その急激な性格の変更も彼を好きになれない理由の一つかもなぁ
そもそも根本的なところに問題があったと思う
そもそも論になるのですが続三部作はその作りがあまりにも歪だったと思っています。書いていたら長くなったので、別建ての記事にしようと思っていますが
結論だけ言うと、3部作を(当初は)3人の監督に好きにやらせようとした結果、3作の間で関連性や連続性を持たせられず、各章がが孤立してしまっています。
別々の監督にやらせるでもいいけど、せめて最初にシナリオをバーンと机に並べて、お互いの脚本をより良いものにするようディスカッションとかして、大枠だけでも共有すべきだったんじゃないかな。
7・8・9が監督ごとの世界観で分断されているから、正直考察や予想のし甲斐がなかった。
旧三部作のことはあまり思い出せないですが、新三部作は暗躍するシスという一本通ったストーリーがあったので、凄く繋がってる感じがしたんですよね。
そういう、三部作を繋げる何かひとつ、キーワードだったりストーリーだったりが欲しがった
もちろんよかったところもある
全体的に、カイロ・レンはよかったと思います。
最高指導者なのに、現場に赴きすぎじゃね?とかちょっとストーカーっぽくね?とか思わんでもないですが、序盤の虐殺のシーンも容赦なくて良いですし
改心してからのカイロ・レン改めてベン・ソロも、憑き物が落ちたかのようにスッキリとした所作で、今まで敵対するために使っていたレイとの空間を越えた接触を、レイからライトセイバーを受けとるために使ったシーンは激アツでしたね。
レイのフォースヒーリングの発動からのカイロ・レンへのヒーリング、ベンソロからレイのヒーリング返しもベタですが良かったです。そういう伏線をもっとたくさんはってほしかったなぁ。
最後に
色々と不満を述べましたが、続三部作に革新性を感じ、引き続きファンを続ける人たち、新しくファンになった人たちもたくさんいるのでしょう。
私も伏線至上主義的な考え方の人間であるとは思っているので、まぁ単に今のスターウォーズの方針が私の趣味から外れただけと言えばそれまでです。
何事も血の入れ替えは必要ですしね。前回スターウォーズに対する私の思いも吐き出しましたし、これからの新三部作はライアンジョンソン監督に一任する方針も変わらないようですし
サイドストーリーには興味がありますけど、メインストーリーとはお別れかな。