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映画、漫画、革のブログです

ターゲットが変わってテイストもかなり変わった印象【#水は海に向かって流れる】

地元でロケがあったんですよーという情報をもらって気になっていた映画

水は海に向かって流れる

 

belphegor729.hatenablog.com

 

公開週の土曜日に時間を作って見に行きました!

 

 

楽しみにしている。

とはいったものの、結構漫画がこの人のタッチでしか出せない独特の空気感をまとっていたので、実写でその空気感を再現するのはむつかしいだろうなと思っていたのですが

まぁ、うん。そこの再現はハナからあきらめていそうな感じ。

 

原作では割と感情表現豊かな榊さんが、無表情なクールビューティーに改変され

主人公の直達もあの上方の再現はできず、なぜかマッシュルームヘアーに

 

無精ひげの生えていたニゲミチ先生が、榊さんの彼氏と思われても違和感のないイケメン俳優高良健吾だし

同じストーリーをなぞりつつも、もはや別物と思ってみたほうがいい感じでした。

榊さん原作だとかなり服装に無頓着なんだけど、映画は直達の同級生のかえでちゃんがお古もらいに来るくらいにおしゃれさん

映画自体も正直序盤はキャラが変わっているのにせりふ回しが同じな榊さんがだいぶ上滑りしている感じがあり、またおっさんからお兄さんに変貌したニゲミチ先生の演技がちょっと大げさだったりで、

コミカルな原作とシリアスな実写の間で不協和音が出ていたのですが

榊さんの母に会いに行くに至り、直達がため込んだ感情を爆発させてから物語は加速的に面白くなりましたね。

 

直達は直達で、鈍感、天然というには違和感を感じるような朴訥さだったので

主要キャラの二人がしっかりと感情を出してからのほうがぐっと盛り上がるなと

 

直達→榊さんの感情のラインはもともと原作でもわかりやすかったところではあるんだけど

榊さん→直達の好意も実写になることによって素直に納得できたなと

リアルに存在することによって、感情がずっと身近に感じたキャラという点では

直達の父親もなかなか、

うだつの上がらなそうな風貌で(ドラマの病院のメッカの千葉大)病院で情けない感情を吐露するシーンはあまりにも情けなさ過ぎるし共感する市で私の心にものすごい爪痕を残してきましたよ

 

あとは、悲しいかな、当て馬キャラの泉谷楓ちゃんが超かわいかった

結果原作ではギャグでギリ済ませられた直達の鈍感さが人として信じられないレベルの無神経にクラスチェンジしてしまい、私の中で直達に対するヘイトが中盤まで急上昇でした

 

逆に、実写になって不気味感が増したのが、この話題の中心にいる榊さんの母

漫画だとだいぶ罪悪感に苦しんでいるような表情をしていたんだけど

ドラマのお母さんなんかものすごい他人事な感じで、人間の感情がわからないモンスターなのではないかといっそ恐怖すら感じたよ・・・

 

まぁ漫画でもそこでそのセリフ吐くか?とは思ったけど。ちょっと、ちょっとね

マジこいつ何様なんだろう。

とはすごく思った。

ついでに言うと義娘が二人を追い出すシーンは原作を中途半端に引用していてここもちょっと滑っていたかな。。。

 

と、面白いな、良い映画だったな

と思う反面、原作の要素が上滑りしているな、むしろ中途半端にセリフとか引用しないほうがよかったんじゃないかな?

と思うことも多かった感じ。笑うところなのかな。。。みたいな

 

原作はやっぱりちょいコメディなんですよ。

ハードな人間関係をシュールなコメディタッチでとっつきやすくしている

青年向けの作品なのかなと思うんだけど

広瀬すずと若手注目俳優の大西利空をキャストしたことで映画の想定顧客は女性に代わったんですよね。

軽快な言葉のキャッチボールよりも、キャラクターたちの内面を深く掘り下げそこを軸に物語を組み立てているのかなと思ったので、

振り切っちゃってよかったんじゃないかなぁ

 

さらにもうちょっと映画の不満を言うと、わりかし漫画の展開に忠実だった(その分上滑りしていた)序盤に対して、

オリジナル、というよりはかなりエピソードの取捨選択をした中盤から終盤について、その選択が正直いまいちでした。

うん。いまいちだったよ。

榊母の義娘が二人を追い出すシーンは改変してほしかったし、

その後晩御飯を食べに行ったお店がファミレスからおしゃれなお店に代わったせいで、

残した料理包んでくれるようなお店か。。。?という疑問がわいたり

海でびしょぬれになって服を乾かすついでに宿泊した流れから

終バス無くなって一泊する流れは悪くはないんだけど、衣装にこだわりすぎて、一泊する気なかったのになんで翌日違う服着てるん?とかね

 

個人的に一番不満が大きかったのは、

直達が榊さんにこくったところで終わったせいで

 

個人的に一番カタルシスのあるタイトルの伏線回収のラストがバッサリざっくりおっとされたことかな・・・

 

広瀬すずの榊さんすごい好きになったので、このシーンはまじで再現してほしかったしすずさんの声で「最高の人生にしようぜ」って言ってほしかった。

エンドクレジット後とかないかなとすごい期待したんですけどね

 

ついでに推しキャラの楓ちゃんの出番が中盤からほぼ0になってしまったのも悲しかったかなぁ・・・w

 

とはいえ、中盤から終盤にかけたの盛り上がりはなかなかのもの

良いものを見せてもらいました。

 

 

個人的なお勧めの鑑賞順番は映画→原作ですねぇ。

ゴリゴリのネタバレあり感想書いておいてなんですけどね