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全ての感情がいとおしいと思える大傑作【#インサイドヘッド2】

前々から興味がありつつも、もう一歩見る決め手に欠けていた

インサイドヘッド

belphegor729.hatenablog.com

 

せっかく2が大ヒットしているし、と

割り返し映画を見ることに抵抗のない娘ちゃんと見たら、それはそれは大傑作だったので、娘ちゃんをだしに使いながら、二人で一緒に見に行きました!

 

インサイドヘッド2

いやぁ、本作もばっちり大傑作でしたね

前作の正当進化で、前作を踏まえ、ライリーの成長を通し、より良い答えを感情たちが見つける

ここまでのヒットをする映画か?というのはわからんですが、でも評価されるべき傑作なのは間違いないと思います

ということで、今回も基本ネタバレで語っていきます

 

 

 

ざっくりあらすじ

ライリーも13歳になって思春期を迎え

感情の振れ幅が大きくなるとともに

新しい感情たちが芽生える

シンパイ、イイナー、ハズカシ、ダリィ

の4つの新しい感情、特にリーダー格のシンパイは

思春期、多様な人の中でうまく感情をコントロールできていない

既存の5人の感情に不満を覚え

ヨロコビではなく、自分こそがライリーの感情をコントロールするにふさわしい

と、ヨロコビたちを隔離してしまう

このままではライリーを幸せにできない

と隔離場所から脱出し、シンパイからライリーのコントロールを奪還しようと奮闘するが・・・

といった感じ

 

 

拡張する感情世界

こう、1の時も思いましたけど、形のないものに形を与えるって才能だと思うんですよね

私には無理

なので本当に尊敬するんですが

本作の舞台である心象世界がまさにそうで

今作はライリーの成長によってさらに世界が広がりました

記憶を流すことで咲かせる花を形作る、ライリーの泉

きれいでしたね

個人的には、やっぱり記憶の世界で、ライリーの思い出の世界なので

アニメやゲームの思い出もそこにしまってあるんだ、というのも面白い発想で

特に隠しておきたい思いでの中にしまわれていた、「ランス・スラッシュブレード」

のジャギジャギのポリゴンはめちゃめちゃノスタルジィを刺激されましたねー

ゲーム性は完全にスマッシュブラザーズだし

 

 

「お前クラウドだろw」

と完全にツボってしまったですよw

 

 

思春期ってそっちかぁ

個人的に一番意外だったのがここ

ミニストーリーで、ライリーの初デートというのがあり

 

てっきりライリーに好きな人が出来て・・・

という、親子のセンシティブ案件かと思っていたのですが

 

そんな単純な話ではなかったですね

そうだったらここまでヒットしなかっただろうなとも思います

 

1作目が、1次性徴による感情のコントロールのむつかしさで

本作は、思春期を「視野が広がり、いろんな感情が芽生えたことによって感情に振り回される」時期と定義し、新しい感情たちによる暴走と、彼らと相対する既存の感情たち

という対立と和解をテーマにした力作でした

感情というインスピレーションの世界での出来事を、

若者と古参の世代間ギャップというオーソドックスな構造に落とし込んだことで

非常にわかりやすいストーリーテリングになりましたね

 

特にラスト、心配が失敗につながり、頭がぐちゃぐちゃになっているさまが

シンパイが暴走している、という風に持って行ったのはうまかった

ストーリーの見せ場としてもクライマックスとして申し分ない感じでしたね

恋愛ではなく、友情と好きなことを感情たちの舞台にしたのもストーリーに深みが出ました

 

感情たちも成長する

そんな感情たちの対立構造の中で

終盤までは、新しい感情たち、とくにシンパイをあまりにも悪役に仕立てすぎていやしないかと思っていたのだけれども

壁のようにそびえたった、いらない思い出の山を見て、ヨロコビが自分のこれまでの行いに疑念を持ってからぐっとストーリーに深みが出てきて

露悪的な行動ばかり目立ったシンパイではありつつも

ヨロコビたち古い感情を捨てたシンパイと、いろんな思い出を、「必要ない」と決めつけて捨てていった自分は何も違わない

シンパイは間違えた、でもそれはライリーを幸せにしたかったからだし

ヨロコビだってたくさん間違えてきた

シンパイの行動とヨロコビの行動は、ヨロコビの行動がポジティブに見えるだけで

本質的には何も違わないんだ

という帰結が本当に素晴らしくて

シンパイの育てた花も良くなかったけど、ヨロコビたちが育てた「正しい」の花も

何が正しいか、を感情たちが決めるのは良くない

良い思い出も、悪い思い出も、全部ひっくるめてライリーを形作るんだ

そうして、正しいの花すらも取り去り

ライリー自身が、形作る花は、まるで万華鏡のよう

虹色に輝き、いろんな面を持つ、それこそがライリーで、どの感情も

大切な感情なんだ、という帰結に思わず涙が流れてしまいました

そういえば、ひとつ前に見たブルーピリオドも

自画像というテーマで、「個性は多面」であると気付いたけど

違う映画で同じゴールに到達しているのも面白い

 

声優が相変わらず素晴らしい

シンパイの多部未華子さん、マジでやばかったですね

 

 

さすがに声優初挑戦ではなかったですが、2回目でこれ?

こんなトリッキーな役をここまで見事にこなすとは・・・

初挑戦だったボスベイビー2も悪くはないですが

こう、俳優が吹き替えやるときって、どうしても俳優そのものの地を活かしながらになると思うんですよ

1のヨロコビやビンボンもそう、カナシミもそう

なのに、シンパイは完全にキャラクターになり切っていて、ご本人の要素が全くない

なのに違和感がない、プロの仕事としか思えない

これは驚愕です

竹内さんの後任としてアサインされた小清水亜美も素晴らしかったですね

竹内さんのことを忘れたまま見ていたら、なにも違和感を感じなかったかも

知ったうえで聴けば、小清水さんの声色を随所に感じますが

でも、おそらく声を当てるにあたって、竹内さんのイントネーションとか、雰囲気をかなり研究して落とし込んだんだろうなと思います

さすが、カメレオンのように何でもできる小清水さんだと思いますし、役を大切に引き継がれたんだなと、そこにもちょっとうるっとしてしまいました

 

 

最後に

いやー、いいもん見させてもらいました

2本連続であたりを引けると非常に気分がいい

娘ちゃんも「もう1回見たい!」というくらいに楽しかったようなので

Disney+に言ったらすぐ見ますし

最近のディズニーはコンテンツ力の高い作品の続編を積極的に展開する方向にかじを切っていて、若干不安を感じたりもしていますが

このスタッフならインサイドヘッド3をやるとしても全然期待が出来そう