映画好きとしては割と新参者の部類に入っているという自覚はあって
なので、クリストファーノーラン監督の作品も
「ダークナイト」
が最初だったりするのだけど
確かあれは前の会社で千葉と栃木を往復していたころだったから10年以上前ですね。
有楽町の映画館のでっかいスクリーンで
あのスクリーンからにじみ出る絶望感と狂気に衝撃を受けたのを覚えています。
そして、その次に見た作品が今回のインセプション
正直説明不要だとは思いますが
夢の中に潜り込む機械を物語の中心に置き
現実と夢の境界があいまいになる何とも不思議な物語でした。
勿論BDも持ってはいるのですが、
TENET公開延期のおかげで
IMAXシアターでインセプションを見ることができましたので
改めて感想をつらつらと述べたいと思います。
ちなみに見に行ったのはSSMの日
ええ、総理が辞任した日
総理が辞任を発表した時間に見ていました💦
それはさておき感想です!
複雑に重なる入れ込構造の世界は中毒になりますね
いきなり波打ち際に漂流するデカプリオの絵で度肝を抜かれますが
何が起きているのかわからぬまますぐに着飾ったディカプリオとジョセフの二人に切り替わり
作中の人物に語る形で世界観・システムを簡単に説明する。
複雑怪奇な世界だけど、それを誰かに教えるという形で観客に提示してきますが
夢の中の設定とか
あんなに長い夢だったのに一晩だったのか、
なんていう、いわゆる胡蝶の夢ですよね
そういった実際に感じていることを取り入れることで、納得感を足しているのも面白い
そして、リアルな夢を維持するために必要な職業というのがあの世界の中で(裏稼業なんでしょうけど)しっかりと確立しているのも良いです。
特別な舞台システムがしっかりしているから、そこに至るまでの物語も面白いんですよねぇ。
結構仲間探しをしている下り好きなんですよねw
話の筋としては、
一つの独占企業を弱体化するために仕事を依頼された産業スパイが夢の中に潜り込んでアイデアを植え付けるわけですが
実際のところはそのいわゆる「インセプション作戦」をとおして主人公である
「コブ」
の内面の変化を描いている。
壮大な世界設定で、すごくパーソナルな話を展開するのは、ノーラン監督のその後の名作
「インターステラー」
に通じるものもありますね。
最高峰のキャストの熱演にうっとり
実はタイタニックを見たことなく
アフリカのダイヤモンドをめぐるひどい現実を描いたブラッドダイヤモンドが初めてだったので、
デカプリオって悪いおっさんっていうイメージがすごく強いんですよね。
私
そのイメージが確定されたのがまさにこのインセプションでした。
その後のワンハリなんかも結構この路線だよなぁと思ったり
擦れていて、厭世的で、でも心のどこかがくすぶっている
そんなおっさんを演じさせたらデカプリオの右に出るものはそう相違ない
それくらいの熱演だったと思うんです
その脇を支える俳優陣も豪華
ノーラン作品はスターシステムのごとく俳優を再起用しますが
ダークナイトから続投の
マイケル・ケイン
キリアン・マーフィー
特にあのいけ好かないスケアクロウを3部作すべてで演じたキリアンが
本作で、どことなく若さを感じ頼りない御曹司役を好演していたのがすごく印象的でした
その後ダークナイトライジングにもキャスティングされる
ジョセフ・ゴードン・レヴィット
トム・ハーディ
マリオン・コティヤール
ジョセフもトムハも今や大人気俳優ですよね。
ジョセフのあの若さの中に老獪な雰囲気を漂わせるあの表情本当に好きです。
ザ・ウォークは結構好きな映画
彼のロビン見てみたかったなぁ
そしてなんといっても
アリアドネ役のエレン・ペイジが良かった!
純な女学生なんだけど、悪いことを教えられて好奇心に逆らえない感じ
たまりませぬ
若く才能のある彼女はちょっとちょっとのレクで世界のクリエイトの仕方を理解してしまう。
隠し事をしているコブは信頼できないと一度はチームを去るものの
世界をクリエイトするという神にも等しい体験が麻薬のように残ってしまい危険だと理解しながらも戻ってきてしまう。
ほんと悪い人に騙されて麻薬買っちゃう女子高生みたいでヤバイ(語彙力)
とはいえ、好奇心から彼の夢に入り見てはいけない彼の秘密を見てからは
コブを支える右腕として、実に良い活躍をしていたなと思うんですよね。
そして何よりもかわいい。
彼女の役名である
「アリアドネ」
は、ギリシャ神話の登場人物からとられており
ミノタウロスの迷宮に向かうテセウスに入り口につながる毛糸の玉を渡し
ミノタウロスを退治したのちはその意図ををたどってテセウスは無事に迷宮から脱出することができた。
という伝説があることから
夢の中の夢、という迷宮からコブを連れ出す役割を担っていたことがわかりますね。
個人的に結構2代目可哀想だと思うんだよね
作中ではあまり重要な人物として描かれていないのでさらっと流されてますけど
あれってある意味の洗脳ですよね。
インセプション=洗脳 である危険性はコブの妻のモルでかなり強烈に描いているのでどうしても彼の印象薄いですが
父親との確執に付け込まれ、偽りの決意を本心であると信じ込まされ
父親が気づいた会社を自ら破壊する(予定)
本作が「コブの内面」がテーマの作品だと思う理由の一つでもあります。
それ以外の出来事に対して扱いがすごく軽い
キリアン演じる二代目には、サイトーの思惑に反して大成してほしい。
ちなみにラストの解釈はどっち派?
ラスト、アメリカに戻ったコブが現実かどうか確認するために独楽を回すシーン
独楽が回り続ける中物語は終わっていきますが
そのことで
独楽は回り続けるよ→コブはまだ夢の中だよ派
と
独楽は止まるよ→やったね現実だ派
に分かれるらしいですね。
勿論どちらの言い分にも部があるとは思うので
自分なりにちょっと考察してみようかと
独楽は回り続けるよ
夢の中だと永遠に回り続けるらしいけど、それを確認したことはないよね。
どれくらい回れば夢なのかはよくわからないよね。
それに、正直あんな謎の日本人が航空会社買ったり、犯罪歴を消したりとか無理ぽでしょ
そもそも作中であまり語られないから破滅させようとしているサイトーのライバル会社が悪い会社であるって感じもあんまりないんだよね。
サイトーの口ぶりだと世界征服の野心があるくらいのいい方だったけど、その中身は死にかけのじいさんと、プレッシャーに押しつぶされそうな無能な(様に見える)2代目
実質的リーダーの専務も会社の規模を悪用するような感じにも見えないし
航空会社即決でポンと買えるような会社がつぶさないとッて思ってる巨大企業ってなんだよ。お前の会社のほうが絶対大きいだろって思ったりなんだったり
だからあのモルは本物だよ。
死んでも現実に戻るだけだから、また戻ってくるよ
モルはコブを殺して現実に戻そうとしているんだよ
巷では教授黒幕説というのもあるけど、最終的にコブは夢にとどまり続けることになるから、だれがしかがそう仕向ける必要はあるよね。
そうなると、登場人物のほぼすべてが夢の中の人物で、だれか一人だけが現実階層からの侵入者ということになる。
そこでマイケルケイン演じる教授が自分の存在を希薄化させつつ、
コブの動きを監視するためにアリアドネを向かわせた。という考え方もあるかもしれないね。
何よりも、教授はモルの父親だからね。関係性は強い。
そうなると、モルと教授は親子で反目していることにもなる
夫を夢から救い出したい妻と
教え子にとって一番居心地のいい場所に閉じ込めておきたい教授との対立とか?
といった感じなのかなぁ
独楽は止まるよ
まぁ正直バランス崩してたよね。独楽
あれはリカバー不能でしょ
倒れる倒れる。
モルの挙動も実在の人物とはいいがたくない?
過去に引きずられた感じをすごく受けるんだよね。
それに、一番の問題は、モルにインセプションしたイメージは
さらに上の階層があったとして、そこでも育ち続けると思うんだよね
つまり何が言いたいかというと、モルは変な言い方だけど、死ぬまで死に続ける
ひたすら死にながら上の階層に上り続けて、作中と同じようにいつか本当の現実にたどり着いても死に続ける。
あーでもそうか、教授はそうなった現実をコブに見せたくないから夢の階層に置きっぱなしにしたいという考え方もあるのか
そうすると作中のモルが現実の影法師であるのも問題ないと・・・
おや、ちょっとまだ夢の中説が有力になってきたな・・・
割と独楽はとまる派だったんですけど回り続けるもありになってきたな・・・
とはいえ、あれだけ夢との決別を決意したのに
コブがまだ夢にとらわれているのは悲しすぎますし、そうなるとエレンペイジの役がアリアドネであることに矛盾も出てきてしまうので
るので、できれば現実であってほしいところです。
そもそも、最後のシーン以外では独楽は止まっていたからまぁどこかで階層が増えていない限りはラストは現実化か
最後に
久しぶりに大きな画面でノーラン作品を見れて満足です。
18日に公開されたTENETもなんとか見に行けましたが、いや、難解ですね
難解というか、わからんことはないのだけど、なんかパラドックス起きてんなぁって感じ。
パンフにはしっかりと説明がありそうではあるので、
一回パンフを見ないで感想まとめて、そのあと答え合わせをしたいかなと思ってます。