去年がスッカスカだった分今年はドラマも含めてとても密なMCU
結構映画自体見に行く時間を作るのに苦労していたりするのですが
MCUも残すところ本作とスパイダーマンだけかな?
広くマーベル映画というとヴェノムもあるな
スパイダーマンは事前情報も期待をあおるものが多く、まぁ間違いなく面白いだろうという確信もあり
ヴェノムも前作があまり肩を張らず気楽に見れる映画でよかったですし、本作も、そんな軽いノリの中、ウディハレルソンがカーネイジを怪演しそうですごく楽しみ
正直、今回見に行ったエターナルズが一番不安だったのですが
結果としては見てよかった、私的に非常に好感度の高い映画でした
終わる頃には終電#エターナルズ pic.twitter.com/U1Bz5A6tqN
— べる (@bel729) 2021年11月9日
あらすじ
エターナルズは地球に解き放たれた捕食者”ディビアンツ”を刈るため
紀元前の太古よりセレスティアルズ”アシェリム”より地球に遣わされた兵士たち
その強力な力は人類の歴史を容易に変えてしまう為、彼らがその力を解き放つのはディビアンツを刈るときのみ
ディビアンツを刈りつくし、あとはアシェリムよりの帰還命令を待つ身となったエターナルズは、あるものは孤独に暮らし、あるものは集落を作り、あるものは社会の表舞台に
それぞれの人生を歩んでいた
そして現代、サノス事件が過ぎ去った今、絶滅したはずのディビアンツが現れ、エターナルズに襲い掛かってきた
ディビアンツが復活した理由
エターナルズの本当の任務
隠されていた事実が明かされ、エターナルズは岐路に立たされる
いろいろ詰め込みすぎな気がしてまぁ不安だったわけですよ
見るにあたって、なるべく前情報をシャットアウトしていたつもりではあったのですが
多分それ以上にストーリーそのものではなくて、もっと周辺の情報ばかりがクローズアップされていた、というのは多分にあると思うんです。
キャストに聴覚障碍者がいます
ゲイのキャラクターがいます
アンジーが演じるキャラは痴ほう症です
とか、言い方は悪いですけど、ポリコレ要素が気になってしまって、純粋に楽しめないんじゃないか?という不安が強かったんですよ
監督がノマドランドのクロエジャオ、というのも期待半分、不安半分で
アカデミー賞受賞監督ではあるので、そういった点では期待できるなぁとは思うのですが
作風的にスーパーヒーロー映画とどれくらい親和性があるかと考えると
正直そんなにないんじゃね?とも思うわけです
エターナルズ見る前にノマドランド、本当は見たかったんですけど、見る時間がなく間に合わなかったのも心残り
不安要素が全て魅力になっていたのが見事
とまぁ不安に思いながら見たわけだけれどもすべてが杞憂でした
特に、ポリコレ感が強いなぁと思っていた3点が、違和感なく、そして必要不可欠な要素として取り込まれていたのには脱帽しました
アンジー演じるセラの痴ほう症はエターナルズという種族が抱える秘密に起因するものだったし
ゲイキャラクターも、個人的にはゲイだからこそ違和感なくその人間関係を築けたように思う
聴覚障害のキャラは、まぁ必要性まではなかったけれども
過去の回想だったり、ワールドワイドな舞台で英語以外の言語を発するモブキャラクターが多いため、彼女のセリフ(手話)に字幕が入ることに違和感がない
むしろ、モブたちが違和感なく自分たちの言語を発する呼び水になっていると思う
そういった感じで、とにかく詰め込みすぎなんじゃないか、と不安だった設定がきれいに消化されているのに結構感動しました。
とにかく絵が美しかった
また、マーベル映画と監督との相性についても全然杞憂で
とにかくびっくりしたのがアクションが素晴らしいこと
エターナルズというキャラクターの設定上結構何でもありな集団かと思いきや、一人一芸で役割分担がしっかりしており、個々で見ると意外とアベンジャーズ程度の能力で収まっているんですよね
プライムエターナルのエイジャックなんてヒーラーですからね。単体での戦闘能力はないに等しいという
個人的には対ディビアンツという観点で幻覚使いのスプライトとマインドコントロールのドルイグはどういう運用を想定していたのか?というのは疑問だけど
遠距離攻撃主体のイカリス、キンゴ
近接戦闘のマッカリ、ギルガメシュ、セラ
特に近接戦闘組のチームワークが抜群で
そこに物質変換能力持ちのセルシや、発明家で自身が発明した武器で戦うファストスがトリックスターとしていい感じでフォローに回る
特にラストバトルのファストスは値千金の活躍でしたね
アベンジャーズってまぁ言ってしまえば寄せ集め集団なので、それと比べるとやっぱり集団戦の完成度が高い
そもそもの個々のアクションがまずかっこよく、また前衛キャラクターの攻撃エフェクトが基本的に黄色などの暖色で夜にも映えるし、あとこれが結構今までになかったなと思うんだけど、明るい場面でもアクションが凄く映えるんですよね。
今までのMCUって、夜だったり、宇宙だったり、屋内だったり
決して明るくはない場所での戦闘シーンが多かったと思うんだけど
戦闘の大半が明るい開けた場所で、そういった場所でもライティングやエフェクトでここまで美しい戦闘が出来るのかと感動しました
そう、ライティング
多分クロエ監督ライティングが素晴らしいと思うんだよね
とにかく1枚1枚絵になるカットが多い
また、多分ノマドランドもそうなんだろうと推測するんだけど、人気のないところ、遠景のカットが情緒にあふれているんですよね
また、エターナルズの戦闘コスチュームもかなりカラフルですしね
綺麗な映画を見たなという満足感がおおきかったですね
話はそれるけれども
マーベルのスーパーヒーローについてはBIG3についてちょろっと言及があっただけのわりに
スーパーマンとバットマンが会話の中で出てきたのにびっくり
これは、MCUの世界ではコミックとしてDCが存在している、ということなのかしら
これについてDCとマーベルでなにがしかのやり取りがあったわけではなさそうですね
まぁ面白いからいいんじゃないでしょうか
逆にDCEUでスパイディとかについて言及してくれると嬉しいですね
不満点もないわけでもない
こっからちょっとネタバレが入ってくるんですが
個人的には、ディビアンツの扱いが最後ぼやけてしまったなというのが正直あります
ディビアンツが本来の敵ではないことがわかるわけですが
正直、こうなるとエターナルズとディビアンツ対立する必要なくない?
と思ったので、特にリーダーディビアンツは知性も獲得したわけだし
実は割と利害が一致していたりするし、むしろ共闘してくれた方が流れおかしくなかったんじゃないかなと思ったり
この扱いならば、モブ敵のままでよかったんじゃないかなっていうのは正直思いました
まとめ
とはいえ全体的に満足度が高い、まぁそもそもの期待値が低かったのもあると思うんだけど
正直ブラックウィドウもシャンチーも私の中ではあまり期待値は高くなかったというか、あまり期待値を上げずに見ようと思っていたので
同じ土俵の中では間違いなく一番良い映画でした
ラストバトルを終えた後のそれぞれの結末
特に最後何もできなかったイカリスの苦悩、始末には胸を撃たれました
あの選択は、モチーフオマージュなんですよね。ああいう演出は憎い
結構劇場内鼻をすすっている人いたな。もしかしたら一人がひたすら泣き続けていたのかもだけど、結構こう、エターナルズって非人間のわりに人間以上に人間臭いんだよな
スプライトのラストバトル前の選択とか、どろどろとした人間的な感情に突き動かされていてとても良い
説明少なく、でも納得感が強いというか、少ない説明を潤滑油のようにして話を転がしていっているなという印象でした
これは、既存のMCUキャラクターを完全に廃したことでストーリーテリングに余裕ができたのかなとも思う。
MCUという枠組みを取っ払った完全単独作品としても全然成り立つ映画だよねと
最近の映画は、特にブラックウィドウはMCUというユニバースのデメリットが強く出てしまった作品のようにも思えたので、こういったところで全く新しい血を生み出していくことで新陳代謝をしっかりとして言っているんだろうな
そしてポストクレジット
ここでそんな血縁関係のキャラを出すのか、彼は次どの映画で出るのか、そのままエターナル続投なのか
GotGに顔見世くらいはするのか
セルシの彼氏は何者なのか、テレビドラマあたりから話を広げていくのか
また続きを恋焦がれながら待つMCUの楽しみを再開できそうです