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映画、漫画、革のブログです

オタクに最高に刺さるお仕事映画でした【#ハケンアニメ】

所々の事情でちょうど時間ができてしまい

なんか映画見ようかなぁ

トップガンでも見ようかしらとか思っていたらまだ始まっていなかったんですね

 

で、私が唯一ツイッターアカウントをフォローしている声優の新谷真弓さんが女優として出演していると言うことで、ちょっと興味があった

 

ハケンアニメ

haken-anime.jp

ちょうど良い時間にやっていたので見に行ったのですが・・・・

 

これはヤバイ、良い意味でヤバイ

めちゃめちゃ刺さる良い映画でした

 

 

ストーリー

公務員として働いていた主人公 斉藤瞳

ふと見たアニメ「光のヨスガ」に心を奪われ

この作品にもっと早く、幼い頃に出会えていたら、という思いと

自分もこれを越える作品を作って、今度は自分が届ける側になりたい

 

という思いを強くし

光のヨスガを製作したアニメスタジオの扉を叩いた

 

そして7年後、念願の初監督作品

「サウンドバック~奏の石~」

の裏番組としてぶつけられたのが

自分を変えたアニメ

光のヨスガ

を作った 王子千晴 の復帰作

「運命戦線リデルライト」

だった

二つの作品はそれぞれの陣営のたくさんの思に揺さぶられながらぶつかり合っていく

サウンドバックは、斉藤瞳は王子千晴のリデルバックに勝てるのか

そもそもアニメは最後まで放送できるのか

といった感じ

 

オシゴトモノとしてすごく秀逸

 

アニメ製作を舞台にしたオシゴトモノですね

同じジャンルだとSHIROBAKOとかありますよねー

興味がありつつも見てはいないのですが

というかまぁ、本作興味がありつつも優先順位が下がっていたのはそこに対する後ろめたさみたいなものがちょっとあったんですよね

SHIROBAKO 見てないのにハケンアニメ見て語るんすかw

ウケルw

見たいな、

それ以外のオシゴトモノの有名どころもほとんど見たことがなくて

なんかよくわかんない劣等感で何となく優先順位下げていました

 

あ、ポンポさんがあったな。あれも今くらいの時期だったし、掘り出し物の良い映画だった。別にポンポさん見てるんだからそんな卑屈になることもなかったな

 

belphegor729.hatenablog.com

 

でまぁそんな感じで見るかどうか悩んでいたのですが

実際見てみたら

初っぱな私のお目当ての新谷真弓さんの気だるげなハスキーボイスで始まり個人的にテンション上がりまして

そのなかで、手書きで原画を作っていくシーン

ラフな絵を流しながらのアフレコシーン

 

いろんな人にひろんな人が振り回されていて、なかなか見ていて興味深い

主人公陣営はプロデューサーに監督が振り回されているけど

ライバル陣営は監督にプロデーサーがぶん回されている

 

 

主人公の動機設定が共感しかない

 

考えてみると

ポンポさんは実写映画をアニメで

ハケンアニメはアニメ製作を実写でやっているので好対称ですね

 

ポンポさんは

天才のジーン君と天才のポンポさんがタッグを組んでいたので

出せば売れる、という感じだったけど

 

こちらは能力未知数な新人監督と、やり手とはいえ常識の範囲内

といった感じの行城さん

そしてライバルは帰ってきた天才監督

たちかはだかる壁が非常に高い

 

そんななか、理不尽なことに耐えながら

泣きながら、歯を食い縛りながら吸収して成長していく主人公の好感度が非常に高い

 

そして何よりも、

オタクな人生を歩んできた人間として、

彼女のアニメにかける強い思いに強く共感してしまうんですよね

 

やっぱり

「人生を変えたアニメ」

ってあると思うんですよ

 

私にとっては

勇者シリーズ

そのなかでも特に

「勇者警察ジェイデッカー」

かなぁ

あの作品にもっと早く出会えていたら、というのは、割りと早い段階でオタクの片鱗を見せていた私はあんまり無いんだけど

でも、アニメコンテンツに対する強い思いの発露が彼女の行動の原動力になっっているのは、本当に素直に好感度が高い

 

あらすじで、人生を変えるアニメに出会ったという話をしたけれども

なぜ彼女の胸に刺さったのか、というのが本作すごく重要で

そこを思い出すだけで涙が出てくるんだけど

主人公すごく不幸な幼少期を送っていて、

いわゆる普通ことが普通ではない

子供向けのアニメに出てくる子供たちなんて、普通程度には幸福で

そんなキャラクターたちでは自分には刺さらなかった

でも、不幸な幼少期をすごし、堅実な人生を送って県職員になった彼女がみた

「光のヨスガ」は

そんな幼少期をアニメの世界につれていってくれるような作品だった

その強い、鮮烈なイメージを抱えながら飛び込んだアニメ業界で

 

彼女は作中とにかくいろんな理不尽なことに常にくじけそうになっていくんだけど

そのアニメに対する強い思いを燃やして彼女はアニメを作っていることを視聴者は既に知っているので、彼女と視聴者のシンクロ率がめちゃめちゃ高い

 

また、斉藤瞳を演じる吉岡里帆の表情の演技が良いんだ

最高に良い

大事なところで全然しゃべんないの

いい意味で

全部表情で見せてくれるの

悔しいのも辛いのも恥ずかしいのも嬉しいのも

 

 

脇を固める俳優たちも最高ですね

また、とにかくキャラクターが生き生きとしていて

中盤までは結構全体的にぎすぎすしているんだけど

あるタイミングをポイントに、ふわーっと視界が開けていって

祖っからの流れはもうジェットコースターです

 

下請け会社が(恐らく)廃校を再利用しているようで

その廃校がある(という設定の)秩父市役所がコラボイベントをやるんだけど

それを担当する広報課の職員も、アニメに興味がないんですー

といった感じでなにも考えていないのかな?不審がらせつつ

実はそうではないんだと、わからないからこそわかるよう努力しなければならないんだと

仕事人として非常に学ぶべき姿勢を提示されたなぁと身をただす思いをしたり

 

主人公の越えるべき目標として立ちはだかる裏番組の監督

王子千晴が、逆に主人公の存在をプレッシャーに感じて追い詰められているのを必死に隠していたり

 

何よりも、ここネタバレになっちゃいそうだけど

とにかく序盤のぎすぎすの原因担っている、ひっじょーに嫌みな行城さん

彼本当に良い役です。

演じる柄本さんも凄すぎる

見終わったあと一番好きなキャラになっちゃいました

こいつだけハゼってぇ許せねぇと思ったのにw

 

作中で一番成長したのは主人公の斉藤瞳だけど

すべての人物がそれぞれ影響し合い、ぶつかり合いながら

共に成長し、ラストはひとつの目標に向かって突き進んでいく

 

本当に王道も王道

ド王道の展開を、

丁寧に丁寧に積み重ねていって

最高の映画でした

 

作中のアニメがめっちゃ面白そう!

こういうのの一番難しいところって

作中劇にもてを抜けないところだと思うんですよね

ポンポさんでジーン君が作る「マイスター」もとても面白そうでしたが

 

本作の作中で製作される

「サウンドバック(サバク)」

も、王子監督の

「運命戦線リデルライト」

もどちらも面白そう

リデルライトのほうは、あくまでもライバル陣営の作品ということでほとんど映像は出ないのですが、

最初に流れる番宣動画の構成がめちゃめちゃ良くて

正直見ていて鳥肌がたちました

 

で、サウンドバックも

アニメ製作を見せる、という形で要所要所で結構映像を見ることができ

また、割りとストーリーのおおよその部分は知ることができて

こちらもベーシックなガールミーツロボットに見せかけた、

マドマギのような重く深い舞台設定をうかがうことができて

 

いや普通にこのアニメみたいわ

 

となるガチな作りでした

 

当たり前だけど、こういうところにしっかりとてを抜かずに作っているのもすごく好感度が高いですね

 

冷静に考えるとうーんてなるところもまぁある

やっぱりどうしても、業界7年の新人監督がここまでやれるって言うのも、ポンポさんほどではないけどフィクションよなぁとおもったり

いや、いくらなんでもそのカップ麺は世界観壊すやろとか

 

後半その真意がわかるとはいえ、前半のパワハラは見ていてやっぱりしんどいとか

まぁまぁ色々思うところがありますし

 

個人的に一番見ていてきつかったのはギャグの入れ方

感動的な雰囲気でもっていったところで急にカットが変わって脱力させてくるのが

まぁそういうのが好きって言う人もいるんだろうけど

個人的にはもうちょっと感傷に浸らせてほしかった

 

まぁ、そういう不満もポストクレジットシーンがちゃらになるくらいフフってなったので善しです

あの落とし所の付け方は個人的にかなり好き

 

まとめ

なんか初動はあまり良くないみたいですね・・・

なかなか難しいのかなぁ

私も正直時間ができなければ見ていないし、何よりもライバルたちが強すぎるよなぁ・・・

Drストレンジがあり、コナンもやっていて、それこそ本作で主人公が勤めているアニメ会社の元ネタであろうシンエイ動画のクレヨンしんちゃんもやっている

というか何よりもシン・ウルトラマンか

庵野監督がまさに斉藤瞳で王子千晴見たいな存在だからな、なぜぶつけてしまったのか

むしろシン・ウルトラマンがぶつかってきたのか

オタクが好きそうなコンテンツ目白押しで、そのなかで実写は厳しいよね

でも、コンテンツとしての力は間違いなくあると思うんですよね。

色々あってこの記事、熱が冷めないうちにと映画館のロビーで小一時間で8割仕上げるくらいにはぐっと来てます

本作もサウンドバックと同じように10年後に語られる映画になってほしいですわ

 

 

 

 

 

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