結構前に話題になってたなぁと思って
コミカライズのイラストも凄く好みだったので手に取ってみたんですが
ファンタジーな設定の中にリアルを落とし込むのがすごくうまい作品だなと思いましたね
死の間際、異世界に転移させられたJKのハルが
男尊女卑の世界の中で体一つで娼婦として生きていく
というストーリー
転生ではなく転移、という点で
家政魔導士と同じ境遇ではあるのですが
こちらではかろうじて冒険者になるという道筋があったのですが
男尊女卑が強いために一定の条件がないと冒険者になることができず
女子高校生で手に職もなく、地縁もないハルは
娼館で娼婦として生きていくことを決める
上記の漫画のシオリも危うくそのような状況に堕とされるところだったことが示唆されてはいるのですが
こちらの漫画はすでにそこからスタート
それでもあまりしとしとしていないのは、ハル自身がいわゆるギャルで、性に対してオープンで、彼女なりに現状を受け入れ、向上していこうという意思があるところ
やるからにはてっぺんとりたいし、そのためにはほかの娼婦たちからも盗める者は盗んでいきたいし、前の世界で得た知識は積極的に活用していきたい
時には暴力を振られたり、乱暴に扱われたりもするけれど、そこでめげない、扱われたうえで、どう切り抜けるか彼女の強さに引き込まれる
「ハル」というキャラクターが持つポジティブさとクレバーさが本作の魅力の大きな部分で
勿論娼館がテーマということでエロくないかというと、今まで紹介した漫画の中では一番エロくはあるんだけど
それ以上に自身の境遇にめげず、その仕事にプライドを持って、自分の居場所を勝ち取ろうとする
”強い女性”
の漫画としてとても魅力的で、読みやすさにもつながっている
彼女と比較されるキャラクターとして
同じ事故で一緒に転生した陰キャオタクの千葉というキャラクターもいて
これがいい感じに気持ち悪いw
陰キャがまさに漫画のような世界に転移して、さらにチートスキルまでゲットして浮かれているさま
彼がハルに対して抱く歪んだ感情
そして、そんな彼を”客”として対応するハル
まさに”オタクに冷たいギャル”っていう感じなんだけど
まぁ千葉がいい感じにきもいのと、ハルのさばさばとしたキャラクターがかなりマッチしているのであまり嫌な感じもなく
完全に千葉寄りの人間なはずなのにいっそスカッとするのよね
世界観的には、魔物がいて、魔王がいて
人それぞれに(恐らく)自覚していないユニークスキルを持っていて
千葉はそれがチート級
千葉とハルは魔王を倒せば元の世界に戻れるものの
ハルは倒しに行けず、千葉はつまらない現世に戻る気がなく、この異世界でちやほやされたい
ゴールがあるようでない感じなので、どこまでだって続けられる作品なので
一つ、大きな事件を経てハルが隠していた秘密とともにひとまずの幕引きとなるのですが
現在単行本化している4巻でやっとそのクライマックス手前
4巻は最高に可愛いハルちゃんが見れるので、ここまで読んでほしいなぁというお気持ち
(この表紙のハルも可愛すぎる)
雑誌公開分を見た感じだと、5巻でもまだクライマックスの山の手前で終わりそうな感じ
6~7巻でひとまず終わりで
短編集の原作後日談まで漫画化するかどうか
できればしてほしいし、なんだったらこの世界観でもう少し先を見てみたい気もするし
小説1巻分はなろうのほうにあるのですが、短編集のほうはなさげなので
とりあえず、久しぶりに原作小説を買おうかなぁという気になる程度にはハマっています