ジャンププラス
過去にもこちらの漫画の紹介をしましたが
読む漫画が多くてかなりヘビーユースしていて
もちろん今話題のタコピーも毎週読んでました
巷ではドラえもんへのアンチテーゼとか
令和版ドラえもんとかいろいろ言われている本作ですが
道具はあくまで道具でしかなく
誰が、どう使うかが重要なんだ
ということをかなりコンパクトに、でもキレッキレに読者にたたきつけてきたなと
ただ、それと合わせて親の存在が希薄になりがちな最近の学園ものへのアンチテーゼもあったりするのかな
親の負の影響が
特に名前有の3人について、三者三様描かれているのが特徴的でした
親戚が子育て支援みたいなところでちょっと働いていたりするんだけど
まぁそれこそフィクションだと思うような事例がそこにはリアルにあったりするそうなので
こういうネグレクトも世には当たり前のように転がっているんでしょうね
また、えぐいくらいリアルだなぁと思ったのは12話
もちろん個人としてそういう攻撃的な指向性が出てしまう子もいる上で
子供の行動原理が家庭の実情を反映しているかもしれないという事実は
自分の子供を見ても感じるので、意識していかないといけないところですかね
で、まぁタコピー終わっちゃったわけですが
最初読んだときは
うーん、結構終盤巻いたなぁと思ったんですが
改めて読み直してみると、案外必要なことは不足なく描かれていて
むしろこれ以上何かを足すのは野暮なのかもしれない
しずじゃちゃんパートをかなり丁寧にやったおかげで
実はしずかちゃんルートが2週目だったことが発覚する1週目のまりなちゃんルート
が案外よくまとまっていることが読み返してみるとわかって
お願いされたことをだたオウム返しにハッピーアイテムでかなえるだけだったタコピーが
様々な経験を経て
一方的に”助けてあげようとする”のではなく
15話で初めてしずかちゃんと対話をする
ここでやっとしずかちゃんとタコピーのコミュニケーションが初めて成立して
成立したことによって、本当にしずかちゃんが欲しかったことは何なのか
何が必要なのかがわかる
最終話でタコピーは消えるし
ハッピーアイテムはしずかちゃんやまりなちゃんの悲惨な状況の改善に直接は何も寄与しなかった
でも、タコピーがまいた種は
確かにしずかちゃんにも、まりなちゃんにも
そして東君にも残っていて
まいた種を芽吹かせる、
ハッピーアイテムはそれのほんの一押し
環境を変えることはできないけれど
自分は変わることはできる
東君はお兄ちゃんと対話をしたことで
1週目でも2週目でもしずかちゃんに入れ込んでしまった孤独な環境から抜け出せたし
まりなちゃんとしずかちゃんも3週目でやっと
ちゃんと心の底をぶつけることができて
まりなちゃんにしてもしずかちゃんにしても
家庭が崩壊している事実については1ミリも変わらなくても
孤独じゃない
それだけで、特別なアイテムがなくても
思いをぶつけあえば
救われるものがあるのだ
というの綺麗なエンディングだったなと思いますね
ちょっと、上下巻出たら併せて購入しようかな
タコピーが命を懸けて、できたことはほんの少し
と考えると、こういうのがいわゆるメリバってやつなんですかねぇ
でもここまでゴリゴリの地獄を見せて
ジェットコースターのように感情を揺さぶりながら
こんだけ綺麗な着地点を持ってくるのは素直にすごい
この読後感は、春の呪いをちょっと思い出したな
これも本当にいい漫画だった
タコピーが刺さったなら結構ハマる人いるんじゃないかな