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映画、漫画、革のブログです

人の悩みに寄り添う優しさにあふれている【#セクシー田中さん】

ドラマね

木南さんが主演ってのにちょっとだけきょうみはあったんです

ありはしつつも、ほとんどドラマ見ないので、下剋上球児だけ見て力尽きて、パリピ孔明すらHDDの肥やしになっていたので、結局見ずに終わってしまったのですが

 

誰かのツイートで、「人の生きづらさに寄り添う漫画だ」という評価を見て

こうなってしまったことは悲しいけど

悲しいからこそ、どんな漫画を描かれる方なのか

気になって、1巻を読み、そのまま全館読み切ってしまいました

 

 

まず最初に、読む前のイメージと全然違いました

こう、1巻の表紙から感じるイメージって、泰然自若っていうんですかね

地味なふりして実は美魔女な田中さんが、若いこのメンターとなって導く

そんな感じの漫画だと思っていたんです。

ドランクドラゴンの鈴木さんみたいに

陰で何を言われようと、自分はベリーダンスの世界で一目置かれているから大丈夫

みたいな(こういう書き方するとちょっと嫌な人みたいだな・・・)

心の中に1本芯をもって動じない、そんなキャラかと思っていたのですが

めちゃめちゃ等身大の人間でした

人と同じように生きることができず、孤独のなかで、一筋の光となったのがベリーダンスだった

そんな、人一倍弱い田中さんが、同じ会社に派遣で来ているOLの倉橋さんにショーをしているところを見られてしまう、という出会いから、大きく人生が転がっていく

田中さんも、倉橋さんも

そんな、袖すりあうも他生の縁で、悩み、苦しみ、寄り添いあって、克服していく

すんごいポジティブな、勇気をもらえる作品でした

なんだろう、めちゃめちゃうまい具合に悪い人がいないんすよこの漫画

ぶりっこな倉橋さん、なんでぶりっ子なのか、彼女には彼女の人生があって、処世術があって

チャラいチャラい小西君、でも、彼は彼で、学生時代の苦い経験があり、その中で気づいてしまった、自分ではどうしようもない不誠実な性格と、誠実に向き合おうとしている

無自覚に人を気付つける、一言多い笙野さんは、田中さんとの出会いを経て、自分の半生を振り返りながら、変わろうともがいている

女たらしな三好さんの隠されたやさしさにメンタル持っていかれるし

極めつけの田中さん

人とずれていることにずっと悩み、下を向き、やっと前を向けるようになったベリーダンスにしがみつき、自分を見つめながら、一歩ずつ、前に進んでいく姿にものすごい共感する

 

特に、笙野さんと田中さん

笙野さんの無自覚に失言するから直したくてもどうしていいかわからない苦しみだったり

田中さんの、何のせいかわからないけど人とかみ合わない苦しみがよくわかって 

本当に他人のようには思えないんですよね

それでも、笙野さんにはそれを指摘してくれる小西さんがいて

田中さんにはベリーダンスと倉橋さんがいる

二人だけじゃない、いろんな人たちの好意のサイクルによって

二人の過去のトラウマがどんどん解きほぐされていく様は

本当に途中から読んでいて涙が出てきました

 

確かに結婚はできたものの本当にたまたまで

やっぱり自分どっかおかしいな、という自覚はあり

底を指摘してくれる人にもフォローしてくれる人にも出会えていない私からすると

 

笙野さんと田中さんはまぶしい、うらやましい

でも、そんな二人の世界が開けていく、広がっていく様は

純粋に応援したい

開けていって、新しい一歩を踏み出した二人が、

二人だけじゃない、小西さんも倉橋さんも、三好さんだって

悩んで悩んで悩みぬいて、選んだ未来はとっても素敵なはず

そんなストーリーの帰結を、見せてほしかった

選び抜くまでにももっとたくさん、悩み、苦しんだはず

その悩みに共感したかったし

それを乗り越える彼らを祝福したかった

もうそれができないことが悲しい

本当に悲しい

こんなにも、陽キャにも陰キャにも寄り添ってくれる漫画を描ける作者は

でも、陽キャの悩み陰キャの悩みをここまで繊細に描ける作者は、

きっと同じ悩みを持っていらっしゃったんじゃないかなと、繊細だったんだろうなと

思います

「愛されたかったわけじゃない、尊重されたかった」

というセリフが、重くのしかかる

 

辛いときはポジティブな映画を見る

先生にもしてほしかったな

今とても、「きっとうまくいく」が見たい