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戦犯脚本 仮面ライダーセイバー 雑感

なんかもういろいろと酷すぎて、後半見てはいたものの全く情報が頭の中に入っていかなかったので、そんな状態で感想とか上げてもなぁとか思っていたのですが

フォローしているはてなブロガーさんが良質な批評(批判?)記事を書かれていたので

pisuke9190.hatenablog.com

 

ヤッパリ折角だし私も備忘録として残しておこうかと

 

 

 

敗因は脚本

これはもう間違いなくて、

私の中のマイワースト仮面ライダーは断トツで「仮面ライダーゴースト」

 

なんだけど、これも謎の老人が物語をひっかきまわしてグダグダにして

敵の組織の目的もグダグダ

換装システムの活用もグダグダ・・・はいつも通りか

ポイントポイントで光る部分はあるけど全体的にはまとまりがなく物語に引き付ける力が皆無だったんだけど

 

まぁ、同じ脚本なんですよね

意味深に登場するけどさして活躍しない老人(ビクトール)がいて

敵組織の描きかたが雑で、アイテム換装システムがグダグダ

と、まぁ笑っちゃうくらいにゴーストの問題を引き継いでいる。

もっと言うと登場人物の描き方については正直ゴースト以下だと思う

まぁゴーストの仙人は味方陣営にとって完全に無能な働き者状態だった分、ビクトールは毒にも薬にもならなくてまだましではあったかもだけど

敵組織として、メギドを深堀したいのかソードオブロゴスを深堀したいのかが全く見えず、結局どっちつかずというか、特にメギドの書き方がぼろっぼろだったと思うんですよね。

 

 

こんな脚本上梓したと思うわ

 

ということで、ダメだったところもうちょっと詳しく語っていきたいのですが

 

人物の描き方がダメ

最後まで見て新ためてどうしようもないなと思ったのが

仮面ライダーブレイズ=新堂 倫太郎の「ホモサピエンス」発言で

ある意味使い勝手のいい煽りセリフとしてネットミーム化して話題性はあっただろう

でも、そこの一点張りで、それ以上の意味を与えられていない。

いや、いいのよ?面白発言入れたくなるのはわかる。

でもそういうのはそれ以外の部分をしっかりと固めたうえで、

カチッとした中でのはずしとしてなら機能すると思うけど

全部が全部ダメダメな中でそういう事されてもイラっとしかしないんです。

で、なんで結局ホモサピエンスなんですよ。

ソードオブロゴスの人間はホモサピエンスじゃないんです?

普通のホモサピエンスって何が普通で何が普通じゃないんです?

普通のホモサピエンスじゃないところ見せてくださいよ

 

そしてこれももう耳に胼胝ができるほどいろんなところから言われていることだけど

とうまの作家設定が全く生かせていない

いや、ラスボス説得できたじゃんとか

そういう反論もあるだろうけど、あれは生かしたんじゃなくて、無理やり持ってきただけだから。

勿論後半のストーリーが全く頭に入っていなかったからあまり強く言う資格はないのかもだけど

要するにストリウスが元詩人でしたっていうのが

とうまの作家設定のために取ってつけたようにしか見えんのです。

 

もっと序盤から詩人っぽいところ見せてもらえません?

あんまりストリウスにポエミーな印象ないんだけど

もし、全知全能の書を読んで絶望してポエムは捨てたという設定だったとしても

あなたにその設定を活かす能力ははっきり言ってない。

それは設定がないのと同じ

多分愛がないんだな

というのをウィキペディアで感じた。これは酷すぎる

一筋だけ伸ばした髪は古屋なりに理由を考えたが、監督の柴﨑は理由は忘れたという

 

ストリウス以外のメギドの二人も、死亡→浄化の流れが唐突過ぎて全く乗れなかったし

デザストも意味ありげに登場してうろついていたけど、結局彼の出自がクローズアップされることもなく、デザ散歩なんて言うおふざけでお茶を濁して、そもそも彼の出自がわからんのよね

カリバーによって解放された3種類の本の要素をすべて満たした混合種の幹部

へー、知らんかった。で、3種類の本って何?ウィキペディアに突っ込むのもあれだけど日本語おかしくない?
カリバーによって解放された、3種類の本の要素を満たした幹部 なの?

カリバーによって解放された3種類の本、の要素を満たした幹部 なの?

結局か上条さんがなぜデザストを飼っていたのか、彼を使って何がしたかったのか
そういった彼周りの話が全く分からないまま、いや、そこを詰められなかったからこそ、参照したブログで言うところの”エモさ”に逃げた

組織からはぐれたもの、というガワだけの共通点を無理やりひっくるめてまとめてエモさで隠そうとしたようにしか見えなかったんですよね。

 

あぁ、大事なこと書き忘れていた

上條さんなんでメギドにいたんですかね、結局

世界を守る剣士が、組織に裏切り者がいるとして、何で敵組織で人に害をなしているんですかね。

よっぽどの理由がないとそんなん許されんですよ。

敵組織と繋がって人に害をなす

その点だけピックアップすればその裏切り者とやっていること同じですから

全然必要悪ではないですよ。

これもかつての恩人が敵にいる、という”エモいシチュエーション”ありきでなにも考えずにぶっこんだんでしょう。

シチュエーション優先で合理性を放り投げた結果

キャラクターの正当性、善性が損なわれている最悪のパターンになっています

 

敵の組織の描き方が雑

まずそもそも、正直この脚本家に敵組織を2つも動かすのは無理だったんだと思う。

まず、メギドという組織がスッカスカで全く情報がないんよ。

 

ウィキペディア曰く

ワンダーワールドを侵食して支配することが目的

だそうなんだけど、てっきり全知全能の書を作ることが目的だと思っていたんだよね

その力で、ワンダーワールドを支配するなりなんなりするもんだと思っていたんだが

正直そこらへんがふわふわしている中で

ソードオブロゴスの内輪もめのごたごたで中盤から終盤まで使ってしまい、

メギドとして何がしたいのかがわからないままストリウス個人としての目的にすり替わってしまった感じがするんですよね。

 

で、そのソードオブロゴス

マスターロゴスが邪悪すぎて、なんで後継者にこいつ選んだん?

という疑問が強すぎてもう何とも・・・

邪悪だとわからずに後継者に選んだのであれば初代や賢人が無能すぎるし

邪悪だけとわかっていたけど後継者にせざるを得なかったのであればセーフティーネットを用意しなかったのもまた無能で

こんな組織よく続いたなと思わずにはいられんのよね。

全体的に無能オブ無能

神代兄妹がマスターロゴスに心酔していたことも含めて無能

改心後の兄妹がとてもいいキャラしていたので序盤の行動は許された感もあるけど

それはそれ、これはこれ。

結局これも、兄弟愛エモいで全部洗い流そうとしているんだよね

兄妹が最終的に愛されキャラになったのは演者さんの熱意と努力が10割だよ

大きな大人たちは全く寄与できていないから。むしろ足を引っ張っているね

 

倫太郎もそうなんだけどさ、キャラはいい、すごくいいと思うんだ

でも、キャラ以外の部分が凄く台無しにしようとしてくるんだ。

尾上さんもこれぞ頼れる兄貴分って感じですごく好きなんだ

でもそんな良キャラクターを全然生かし切れず、むしろそんな尾上さんの良さを作り手が理解していないんじゃないかとすら思ってしまう

マスロゴに武器を奪われたのにのこのこととうまと一緒に戦場についていって足手まといになったり

で、伝説の階段を上っていくとうま

何というか寒気がしたよ

演出の拙さも含めてね

疑心暗鬼で仲間割れしていたくだりも過去に記事で吐き出したけど本当に酷かった

 

belphegor729.hatenablog.com

 

 

結局この時から何も変わることができなかったね

 

アイテム換装は完全に破綻していると思う

 

アイテム換装システムのグダグダっぷりは前にも記事にしたのですが

belphegor729.hatenablog.com

このころに感じた疑問、問題が何も解決されていないの本当に酷い。

 

3冊で強いのあとに1冊でも強いが来てしまったから

3冊変身がどんどんすたれていく。

そもそもセイバーブレイズスパーダ以外のライダーは1冊しかささらないから3冊で強いが完全に破綻している。

また、本来であれば1冊で強いの取っ掛かりとなるはずだったキングエクスカリバーについてはその後の言及は全くなく、使われないどころか仮面ライダーソロモンの武器にサイレントでリペイントされるという始末。

愛がないどころの話ではない。もはや冒涜ですよ。

再利用するにしても次回作以降でしょうよ

ある意味ギブアップ宣言でしょうね。

もうキングエクスカリバー掘り下げるの諦めましたーって

そんなもん作りながら掘り下げるんじゃなくて、最初にしっかり設定作って投入するもんやろがい!

諦めんなよ!物語ることをさ!


そういう細かいところ一個一個に仮面ライダーセイバーという作品の志の低さを感じずにはいられないの。

本当は、ベルトは変わらないで剣がかわる、っていうクロスセイバーのアイデアも

ほぼ初期のリペイントという最強形態も、もっと好意的に見れたと思うんだけど

 

クロスセイバーについて感動する余力はもう残っておらず

リペイントに至っては手抜きとしか感じられなかった。

 

私だってもうちょっとポジティブな感情で1年間の視聴を終えたかったですよ

 

良かったところ

演者・キャラ設定

この二つはよかった。

前述の通り、倫太郎のまじめすぎて抜けているところもなかなか愛されキャラでしたし

尾上さんの頼れる兄貴分キャラも個人的にすごく好みだった。

神代兄妹は本と演者の熱意に助けられたキャラたちだと思う

とくに玲花さんは中の人のTwitterも話題になっていて、中の人のいい人っぽさにキャラクターも引っ張られて魅力的になって言った感じがあるね。

 

あとは、ゼンカイジャーとのコラボ回と後日談的な最終話も割とよかった。


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それは、固すぎる本編にゼンカイジャーだったりリバイスだったりの緩いノリが混ざっていくことに対する物珍しさもあったのかもしれないけど

キャストたちも生き生きしていた気がするんだよね。

そういった意味では、前編通してボケがいなさ過ぎたのかな・・・

倫太郎の突っ込みとかさえてたもんな・・・

 

 

 

 

最後に

まぁ要するに設定が全く詰められていなかったってことなんですよね。

メギドとはどういう組織なのか

ノーザンベースとサウザンベースの違い、

ソードオブロゴスの組織の仕組みについて

キングアーサーの役目

 

全体的に過程を軽視しすぎで、

導入が意味深であれば、或いは結びが美しければ過程を軽視してもいいと思ったのか、過程をうまく詰められなかったことをいい感じの雰囲気の結びでごまかそうとしてばっかり。

 

設定を詰めようとする努力が見当たらず、エモいで逃げようとした結果がこの惨状だと思う

 

ちょっと本当にもうゴーストと合わせ技で本当に才能ないからやめたほうがいいよ脚本

2回連続で駄作でしかも欠点が治っていないの本当に酷いよ。とりあえず二度とニチアサには顔を出さないでほしい。

 

お子にとって初めて変身ベルトを買った仮面ライダーだったんだけどな・・・

 

 

まぁ明日からは新番組仮面ライダーリバイスです!

セイバーの反省とゼンカイジャーの好調からか割とギャグよりに持って行っている感じがしますが

劇場版でのエピソードゼロの感触は個人的に割とよかったので

そのまま1年間突っ切ってほしいところです