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競馬と血統が導いた父と子の物語──『ロイヤルファミリー』最終回レビュー

TBS日曜劇場『ロイヤルファミリー』最終回を見終えたあと、しばらく画面の前から動けなかった。
感動した、面白かった――そんな言葉では収まりきらない何かが、静かに胸に残っていました。

TBS日曜劇場「ロイヤルファミリー」は、
競馬という題材を用いながら、
馬の血統と人の血のつながりを重ね合わせ、
親から子へと受け継がれるものの光と影を描いたドラマでした。

とりわけ最終回は、
それまで積み重ねてきた人間関係と血の物語が、
一本の線として結ばれる瞬間だったように思う。

 

 

似ていないはずの親子が、驚くほど同じだった

最終回を見て、強く印象に残ったのは、

山王、椎名
このドラマに描かれた二組の親子が、
表面上の関係性とは裏腹に、驚くほどよく似た構図をしていたことでした。

山王耕造と耕一──競馬馬鹿な父と、突き放しきれなかった息子

山王耕造は、家族より競馬を優先する人物で、

その彼の隠し子であることを、大学生になって今更知らされた耕一。

その心中は察して余る。

山王家にとっても“不義の子”である耕一は、
一度は父を否定することで、自分の立場を保ってきた。
それでも、競馬を前にしたときの彼の視線は、
あまりにも耕造とよく似ている。

そんな二人の関係性が、前半のクライマックスだったといえます。

 

椎名善弘と展之──距離を取ろうとしても、同じ視線に立ってしまう

椎名善弘と展之の関係は、一見山王親子とは対照的に見えます。
泰然自若な父と、そんな父親に反発する、チャラい息子。

自分たちより上の世代に対する対抗心を隠さず、同世代の馬主として目をかけている耕一にも、耕造の思いを継ごうとするその1点においては不快感を隠さない。

そんな展之の隠された親子関係の本心があらわになった最終回。

ここでぐっと展之の人間味が増すとともに、競馬のせいで反目しつつも、競馬に魅入られた似た者親子。

別のやり方を選ぼうとしながら、
競馬に向ける愛情や価値観は、
いつの間にか父のそれと重なっていき、有馬記念でそれが決定的になる。

違う物語を生きているように見える二組の親子は、
最終回に至って、合わせ鏡のような関係になっていた。

 

父を否定しながら、父と同じ目線に立ってしまう息子たち。
その対称性こそが、最終回に向けての感情を、
静かに、しかし確実に積み上げていったのだと思うんですよね。

 

馬の血統が、人の血の物語と重なった瞬間

このドラマが際立っていたのは、
親子関係の対称性を描くだけで終わらせず、
それを馬の血統という、より血が重要視される世界にそのまま接続した点にあります。

競走馬にとって、まずは血統が重視される。

誰の子か、母の父は誰か。

現実の競走馬の世界でも、血統は物語を生む。
親子で同一G1を制し、親の無念を子が晴らす。
そんな「流れる血がドラマになる世界」を、この作品はまるでスターウォーズのスカイウォーカー家のように、人から人、馬から馬へと受け継がれる物語として描いてみせました。

 

山王の血を濃く受け継いだロイヤルファミリー

ロイヤルファミリーは、
ある意味で山王の血がほとんど純化された存在として描かれる。

耕一の母が選んだ馬、ロイヤルハピネス。

耕造が入れ込んだ馬、ロイヤルホープ

まさにファミリーは、耕一そのもの。

耕一と同様、継承を体現している。

ドラマの主役としてこの馬しかありえない。という血統を持ってきました。

 

二つの血が混ざり合ったビッグホープ

そして、最終回、ファミリーとラストスパートを競い合ったのは、

展之のソーパーフェクトではなく、

ここまでその存在が秘されていた、しかし、多くの視聴者がその存在を渇望していた馬。

死の間際の耕造に、椎名善弘がした”大人げないお願い”

それは、ロイヤルホープを椎名の馬に種付けさせることに違いない。

そんな理想の馬が、最後の最後で登場し

そして、若手世代の壁として立ちふさがる。

こんなにロイヤルファミリーの最後のライバルとしてふさわしいウマは存在しない。

そして、ビッグホープをゆるぎないライバルとするために

展之のソーパーフェクトは、原作はロイヤルホープ産駒だったのが、そうではなくなり、限定馬主でセリに参加できない耕一が目をつけていた馬と関係性をワンランク落としているのも、脚本家改変の仕方が天才かと思いましたね。

 

あの一騎打ちは、このドラマそのものだった

そんな、ロイヤルファミリーと、ビッグホープの一騎打ちは

ロイヤルホープの子供同士の一騎打ちであると同時に

耕造から耕一への最後の試練でもある。

そんなドラマの構造に胸を撃たれました。

繰り返すけど脚本家天才かな。それだけ、この脚本は周到だった。

ジャパンカップを勝ったことで、逆にこれでファミリー有馬記念で勝てるかわからなくなったな。

と不安には思ったけど、ホープが負けても構造の夢は果たされる

日高の夢も現実になる。

とんでもなく練られた結末でした。

耕一が未来馬主に復帰するのも血が受け継がれていてよいですね。

 

競馬でバラバラになった関係性が、競馬でまた一つにつながったラスト

実は、一番私がぐっと来たのは、耕造の長男山王優太郎が、耕一の肩をたたき、「今度一緒に食事をしよう」と誘ったところなんだよね。

父親の不義の象徴で、本来受け入れられない存在である耕一が

会社事業の存続のために切り捨てた父の夢、馬主事業を引き継ぐ。

山王家から切り捨てられた耕一と

ロイヤルヒューマン社から切り捨てられた馬主事業

ここにも関係の対称性がある。

そんな耕一が、有馬記念を機に、山王家と和解する。

意外性はないけれども、誰もが求めた王道展開にぐっと来てしまいました。

 

まぁもともと優太郎自身は、競馬事業へ個人的な支援はしていたようだけどね。

「耕一、塾講師なのによく馬維持できたな」問題がしれっと判明した発言でもある。

また、有馬記念優勝場のビッグホープと、覚醒した結果日本初の凱旋門賞馬のロイヤルファミリーが産駒にいるロイヤルホープ、種付け料とんでもない事になってそうですね。

ロイヤルホープも、展之が目指した新しい血統なんだよね。

 

『ロイヤルファミリー』を見終えて

集中力が続かなくなって、毎週1時間あるドラマを見ることが全然できなくなってしまいました。

私の職場で撮影があったドラマが今クール放送されていたのですが、結局職場が出た回しか見れていない。

そんな私が10話、このドラマを追いかけられたのは、やっぱり脚本が素晴らしかった。

そして、その脚本を完璧に表現されたキャストの皆様。

競馬にかける思いに共感され、全面協力をしたJRA、牧場関係者あってのもの。

これだけの人がかかわって傑作ができたのだと思うと感無量ですね。

4歳の娘ちゃんも「くりすたいちょー(隊長?)みる!」と言いながら毎週放送の翌日に一緒に見てました。

いまだに行けていないですが、いつか子供を連れて競馬場に行ってみたいと思っています。

あ、あとマジで。本当の本当に、ロイヤルファミリー実装待っています。

ロイヤルファミリーウマ娘



 

映画化もしてくれてええんやよ

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