日本の法律では強制力のある外出規制、営業規制はできませんが
非常事態宣言はひとまず5月6日までということになっています。
ですが、たぶん多くの人がそう思っていると思いますけど
6日を過ぎても元に戻ることはなく、有形無形の自粛は残ると思いますし
個人的には、5月6日に宣言は解除しないのではないかと思っています。
良くて段階的な制限解除ですかね。
理由は純粋に、新型コロナウィルス(COVID-19)の性質上完全に根絶できないと生き残ったウィルスがまた拡散するからで
個人的にはCOVID-19との戦いが終わるときは、
人類が抗体を持ったときか
特効薬が確立した時だと思うんですよね。
特効薬さえできれば、現状少なくとも日本においてはインフルエンザによる年間死傷者数を下回っているわけで
インフルエンザとCOVID-19との違いはタミフルのような効果的のあるとされる薬がないことだと思うんですよね。
COVID-19に対しても、既存の薬の中で投薬により症状の改善が期待できるものがいくつか出てきており
その中で日本で一番注目されているのが「アビガン(一般名:ファビピラビル)」
です。
首相の会見でも今後、COVID-19の感染者に対して、投薬を希望する人には積極的に投与していくと発言をされていました。
ただ、どんな薬なのかいまいちよくわかんないなと思ったので、
備忘録的にまとめてみようと思います
アビガンとは
富士フィルムグループの富士フィルム富山化学と富山大学の白木公康教授が共同開発した
抗インフルエンザ薬でアビガンは商品名
一般名としてはファビピラビルとなるのだそうです。
基本的に薬は認可された治療法でしか使えないはずですから
COVID-19に効くらしい→すぐ使える
というわけにはいかないんでしょうね
アビガンの効能
ツイッター上では他の投与薬と比べアビガンは優位性があるという発言を見かけます。
なんでもウィルスに対して抗体ができにくいのだとか
アビガンのウィルスに対するアプローチは
ウィルスをたたくのではなく、ウィルスの増殖プロセスを阻害するのだそうです。
インフルエンザやCOVID-19を含むコロナウイルスはRNAウイルスと呼ばれるもので
ざっくりいうと、ウイルスには人間と同じようにDNAを持っていてそれをもとに増殖していくものと
DNAに似たRNAというものをもとに増殖していくものがあるそうで
アビガンはこのRNAによる増殖プロセスを阻害することで症状の悪化を防ぐそうです。
既存の抗インフルエンザ薬はインフルエンザウイルスに薬が結合することで効果を発揮しますが、結合部が変異することで薬物体制を得るが、アビガンはウイルスそのものではなく増殖プロセスを阻害するため耐性ができづらいとのことです。
参考:抗インフルエンザウイルス薬の薬剤耐性化とその対応について
ウイルスそのものではなくウイルスの増殖プロセスに作用するため
インフルエンザと同じ増殖プロセスを取るRNAウイルスに対しての効果が期待され
そのためCOVID-19にも効果があると期待されているようです。
また、過去にはエボラ出血熱に対して臨床投薬が行われたそうですね。
でもアビガンって初めて聞いたよね
皆さんどうでしょう?
正直タミフルはよく聞きましたが、アビガンは初めて聞きましたよね。
どうも副作用の関係で積極的な使用は見送られているようです。
その副作用は、これも耳にされた方多いと思いますが
妊婦に投薬することにより、胎児に奇形が生じる可能性がある(動物実験で確認)
という結果になったからで
また、投薬することで精液に移行するため、男性も投薬後7日間は性交禁止となります
まぁ、熱でうなされているときにやる元気があるか?と思いますので
特に注視すべきは妊婦への影響でしょうね。
しかし、その危険性に対してそれでも抗インフルエンザ薬として認可されたのは、前項でのウイルスが耐性を獲得しにくい性質が評価されたからとのことです。
個人的には、アビガンとタミフルの副作用を比べたら、アビガンのほうが副作用の範囲が狭いので、こちらのほうが安全に感じます。タミフルも薬が胎盤通過性というものがあるので積極的には進められていないように見えます
承認用法及び用量における投与経験はない。
なお、国内臨床試験及び国際共同第Ⅲ相試験では、安全性評
価対象症例501例中、副作用が100例(19.96%)に認めら
れた(臨床検査値異常を含む)。主な副作用は、血中尿酸
増加24例(4.79%)、下痢24例(4.79%)、好中球数減少 9
例(1.80%)、AST(GOT)増加 9 例(1.80%)、ALT(GPT)
増加 8 例(1.60%)等であった。
(1)重大な副作用
異常行動(頻度不明):因果関係は不明であるものの、
インフルエンザ罹患時には、転落等に至るおそれのあ
る異常行動(急に走り出す、徘徊する等)があらわれ
ることがある(「2.重要な基本的注意」の項参照)。
(2)重大な副作用 (類薬)
他の抗インフルエンザウイルス薬で次のような重大な
副作用が報告されているので、観察を十分に行い、異
常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を
行うこと。
1)ショック、アナフィラキシー
2)肺炎
3)劇症肝炎、肝機能障害、黄疸
4)中毒性表皮壊死融解 症(Toxic Epidermal
Necrolysis: TEN)、皮膚粘膜眼症候群(StevensJohnson症候群)
5)急性腎障害
6)白血球減少、好中球減少、血小板減少
7)精神神経症状 (意識障害、譫妄、幻覚、妄想、痙攣
等)
8)出血性大腸炎
投与事例が少ないというのもあるかもしれないけど、副作用も、他の抗インフルエンザ薬でそういう事例があるので、アビガンでは確認されていないけど注意してね、程度の注意書きと読めますね。
実際抗インフルエンザ薬としての認可を目指す中で副作用についての知見も相当数たまっていると思いたいところです。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1 重大な副作用
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
蕁麻疹、顔面・喉頭浮腫、呼吸困難、血圧低下等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。11.1.2 肺炎(頻度不明)
異常が認められた場合にはX線等の検査により原因(薬剤性、感染性等)を鑑別し、適切な処置を行うこと。11.1.3 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(頻度不明)
重篤な肝炎、AST、ALT、γ-GTP、Al-Pの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。11.1.4 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)
11.1.5 急性腎障害(頻度不明)
11.1.6 白血球減少、血小板減少(頻度不明)
11.1.7 精神・神経症状、異常行動(頻度不明)
精神・神経症状(意識障害、譫妄、幻覚、妄想、痙攣等) があらわれることがある。因果関係は不明であるものの、インフルエンザ罹患時には、転落等に至るおそれのある異常行動(急に走り出す、徘徊する等)があらわれることがある。11.1.8 出血性大腸炎、虚血性大腸炎(頻度不明)
血便、血性下痢等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
また、どちらの薬に関しても、幼児・老人への投薬はあまり進められれていませんね
アビガンが積極的に使われないのが陰謀だ、とか言われるのも
まぁ気持ちはわからんでもない気がします。
そんな簡単に陰謀で世の中動くと思いたくないですが
実際に効果は出てるの?
海外ではすでに投薬が始まっており、
日本でも一部状況の整った病院で投薬が可能になったようですし
先週の首相会見で医者の説明と患者の同意のもと投与を積極的に行ってほしいと発言されたということは、どの病院であっても投薬が可能となったということでいいのかな?
上記記事では具体的な回復数が明示されています
アビガンを投与された300人のうち、軽症と中等症の患者ではおよそ9割、人工呼吸器が必要な重症患者では6割で2週間後に症状の改善が見られたということで、土井教授は現在行われている治験などでさらに効果を確かめる必要があるという考えを示しました。
300件だとまだ断言するには数が少ない気もしますし、
回復要因が本当にアビガンであるのか、さらなる検証が必要という意見ももちろんだとは思います。
ただ100%効く薬はないのは既存のものでもそうでしょうし
危険性・副作用の知見もさらに増えて
おおよそ今考えられている通りの副作用の少なさであれば
予防薬的な投与も・・・いや、常用するのはまた別の話か
ただ、希望の見える話だとは思いますので
はやく、アビガンの(もちろんほかの期待される薬も)効果が確約され
必要最小限の備えで済む、普段通りの生活が送れるようになればいいですね。