公開初日は帰省していたので見れなかったのですが、なんとか時間作って見に行ってきました!
キャメロット!
さて、どげんやろか#FateGrandOrder #キャメロット pic.twitter.com/ccpAfxF1W4
— べる (@bel729) 2020年12月12日
近くの劇場ではやっていなかったのでちょいと遠出しましたが
結構ポップとかに力を入れる劇場なのでなかなかいい感じでした
2週目入場得点のイラスト、ワダアルコさんすきなんで2週目になってしまったのも悪いことばかりではない。
ガレスちゃんかわいい
ということで感想です
ストーリー
第6特異点にレイシフトした藤丸一行は
特異点の原因と思われるアーサー王のいる聖都へ向かう
その旅路で、謎の剣士ルキウスと、弓兵アーラシュに出会う。
聖都では月に一度難民を受けいれる”聖抜”なる儀式がおこなわれ
それが今日であることを知った一行は
難民たちにまぎれ聖都に向かう
しかし聖抜は限られたものだけを受け入れ、それ以外を虐殺する”聖罰”だった
同じくアーサー王に会おうとするルキウス=ベディヴィエールに助けられ
今度は太陽王と自称するファラオの支配する土地へ向かう。
しかし太陽王は特異点の修復、アーサー王の討伐に能動的でなく決裂
第3勢力となる山の民の住まう土地へとさらに旅路を進めることとなる・・・
しかし、山の民には聖都の討伐隊が動き始めていた・・・
と、こんな感じ
終盤の盛り上がりは良い感じだが、中だるみがひどい、かなぁ
スマホゲームからの映画化ということで
各話ごとに戦闘を挟むシナリオから
大きく改変を行って、コンパクトにするうえでも山場を絞ったんだろうなぁという気はするのですが
それにしても中盤がしんどいです。
シナリオの構成を考えると映画よりもテレビシリーズのほうが改変少なく落とし込むことができるんだなぁとバビロニアと比べて思ったり。
ストーリー見てもらうとわかるんですが
聖都を出てからは特に盛り上がることもなく砂漠を右往左往するだけなんですよね
しいて言うならランスロット隊の追撃がありますが
ダヴィンチちゃんの自己犠牲により戦闘が回避されるので、逆に言うとバトルが発生しません。
オジマンディアスの領地でも特に大きなイベントが起きるわけでもなく
そのまま山の民の領土へ向かうので
ただ移動するだけのシーンで半分使っている感じで結構しんどいです。
その分ラストのアーラシュのステラが際立つという考え方もできるかもしれないですが、にしたってなぁ。戦闘以外で盛り上がらないというのもちょっと致命的かもですね
折角の映画ですし、せっかくのProductionIGなのだから
もっと迫力のあるバトルシーンは見たかったなというお気持ち
原作との相違点
原作もそうだったんだろうかと今見直しているんですが
映画化するにあたり大きくシナリオを改変しているようです。
ちょっとそれをまとめてみたいと思います。
原作から大きく変更した箇所は2つ
3勢力の敵対関係と、主人公たちが3勢力をめぐる順番です。
3陣営の敵対関係について
原作での敵対関係は以下の通り
聖都とファラオの間では不可侵条約が結ばれており
山の民はその両方と敵対
特に、もともとの領土を奪われたのでファラオに対してより敵対している印象があります。
明確な敵対関係が構築されていましたので、その中に異物として出現したカルデア陣営は戦闘に巻き込まれやすい=戦闘イベントを発生しやすい状況にあったといえます。
ですが映画では詳しい言及はありません。
聖都とファラオの間で不可侵条約が結ばれているというよりは
なんとなく相互不干渉な感じですね。
山の民も両陣営と敵対するというよりはあぶれたものを受け入れているだけといった感じ。
ある種の膠着状態ともいえるので偶発的な戦闘がすべてオミットされます。
劇中で山の民を円卓の騎士が襲撃する理由も、討伐対象であるカルデア陣営をかくまったから、という風に個人的には見えました。
確かに、百貌のハサンとの戦闘は本筋からそれるので削除しても問題なかったのかもしれませんが、
結果として、大きな戦闘は聖抜とラストの2回のみとかなりあっさり。
砂漠での移動があまりにも無風過ぎ、小規模な戦闘すらないので、物足りないという印象が強い。
もうちょっと定期的にハプニングを発生させたほうがよかったんじゃないかと思いますね。
陣営をめぐる順番について
思い切った変更をしたなぁというのがここ
原作では、
山の民(百貌)に遭遇→ファラオに謁見→聖都潜入→山の民の里に避難
だったのが
聖都潜入→ファラオに謁見→山の民の里に移動
に代わっています。
そもそもの物語の始まりが、聖都を後にする三蔵ちゃんからですからね。原作
劇場で見ているときは、まぁこんなもんかと思っていたのですが
新ためて原作を見直していると、結構無理があるというか
順番を変更し、また周辺のミニイベントを飛ばしていることにより
結構無理が生じているなぁと感じました。
まず、いきなり聖都に行くから状況説明がないんですよね。
なので、ファラオの領土の話が唐突に出てくる。
原作だと、そもそもの敵対関係からニトクリスと出会うイベントが発生し
その流れでオジマンディアスに謁見します。
そもそもの目的として特異点の回復があり
そこに対してオジマンディアスが消極的なためにカルデア陣営は決別する
という流れですね。
謁見からの決別がとても速かったので、映画のほうではかなりじっくりとやったなぁという印象。
やはり砂漠の絵ばかりでは厳しいという考えはあったのかなと思います。
ただ、その後の山の民の里への行き方に無理があったなぁと
母から託されたペンダントを光にかざすとマップが出るというのは・・・
なんかちょっとスカイウォーカーの夜明けを思い出しました💦
いや、まぁ別にいいんですけど
百貌とあっていたり、
もともとはファラオの領土が山の民の住処だったため山の民の里を知っている人間がカルデアと行動を共にする難民の中にいたりと
小物を使わなくてもちゃんとたどり着けるようにしていたのですよね
順番を入れ替えたこと。
そして、おそらくオジマンディアスの負の側面を映画では描かないことにしたのでしょう
ファラオ陣営と山の民との関係をぼかしたこと
この2つの改変でちょっとむりをしているなぁと感じました。
また、最初に聖都に行ってしまったせいで、ダヴィンチちゃんの退場も早かったですね・・・
先を知っているとはいえ、戦闘するダヴィンチちゃん自体がわりと貴重ですので前編でももうちょっと活躍してほしかったです。
全体的な雰囲気について
語ること、語らないこと、描き方など
原作と比べて雰囲気とか状況とか大きく変わっているなぁと思います。
まずは先に書きましたがオジマンディアスの描き方。
ヒロイックで傲慢でありながらも領民思いの賢王としていますね。
そして、円卓陣営
原作をやって意外だったのが、トリスタンが意外と饒舌だったこと
円卓の仲が割と悪かったこと
トリスタンは活躍がバッサリと削られましたねぇ。
そういえば悪逆過ぎてめっちゃヘイトためてたなこの人
また、普段獅子王に謁見できるのはアグラヴェインのみで、
アグラヴェインは獅子王と円卓の間を正しくつないでいないのではないかという不信感が円卓の騎士の中にある、という設定だったのですが
聖罰で脱走者を出した後の報告で、普通にガウェインが獅子王に謁見し、直接円卓の騎士に獅子王が指示をしていたため
画面上からはアグラヴェインに対する他の円卓の騎士からの不信感は感じられませんでした。
全体的に円卓の騎士たちの感情、個性が薄い気がしますね。
きのこ節を全然感じないんだよなぁ
原作を見返して思ったのは、
やっぱり厳しい状況でも軽口を忘れないのがきのこ節だよなぁと
なんていうんでしょうね。
固いと柔いの緩急がしっかりしているというか。
それに対して映画は割と固めで締めようと思ったんですかね。
ノリの軽いやり取りはかなりカットされたなぁ
また、その配慮が必要とは思えないのですが、映画だけを見てもある程度問題ないように
FGO全体につながる内容
魔術王に関する情報だったり、サーバント個々のキャラクターだったりについてはかなり省かれている印象があります。
呪腕の“実はいい人”設定はStay/Nightでの悪役ムーヴを受けてのものなので、そこを知っていて笑える話だとは思うのですが
バッサリカットでしたね
個人的にはこの見た目なのに実はいい人、っていうネタでもいいと思うんですよね。
また、ニトクリスのおっちょこちょいな設定も今回は省かれています
ベディビエールも、そもそものイラストが割と中性的ですし
作中での立ち振る舞いも意外とつんつんしていないんです。
割とかわいいキャラクターなんですよね。
(なのでCV宮野真守だと後で知ってびっくりしました。もうちょっと女性的なCVかと)
でも映画ではそういった甘さを廃した、笑顔を見せることはない感じのキャラクターになっていましたね。まぁ境遇を考えればそれくらい擦り切れていてもおかしくないのですが、映画のベディは顎が気になりすぎるんだよなぁ・・・
そういった感じで全体的に軽いノリは省きたいという強い意志を感じますが
そういう軽いノリが好きでFGOやっている身としては正直とても残念
多分悪くないと思いながらも物足りないと感じていたのは、そこにも原因があるのかなぁと思っていたり。
そののりがあってこそのきのこシナリオで
きのこシナリオだからこその6章7章の人気だと思うので
大事な部分を捨てたなぁと思わずにはいられません
まぁただ呪腕の改変については、堅そう、怖そうという印象があっての
“意外といい人”
というキャラクターなので
短い時間の中ではまずは固い人、という描き方まででいいのかもしれないですね。
ルシュドとの関係性については原作くらいの書き方までしちゃっていいと思いますけど
個人的には個々のセリフ重要だと思っていて、
呪腕この時代になじみすぎているんですよね。
他の章って、その時代に生きている、いずれ英霊になる人物と
抑止力に召喚された英霊がいるんだけど
呪腕はわかりづらい。というかどちらでもいい
やっぱり、あんまり個々のキャラクターについて深く論ずる感じではないのかもなぁ・・・
ただ、そういった少しわき道からそれる話が映画全体としての深みを増す力があるのも事実で、
静謐ちゃんのキッスとかそういうのを入れるのであれば、こういった話を入れたほうが
後々の呪腕の行動原理に説得力を与えたりすると思いますし
そこら辺の下りでVS呪腕戦を1回いれても良かったんじゃないかなぁと思ったり。
最後に
思ったよりも悪くないとか言いつつ、書いてみると全然ほめていない💦
ラストのステラは凄くじっくりと描いていて、とても良かったと思います
三蔵ちゃんの戦闘もかなり気合入っていましたね。
分身して部下の武器で戦う感じは頼光さんと似てますね
もっと長尺で見せても良かったのよ
個人的には、基本的な戦闘要員がマシュだけ
というのが戦闘が盛り上がりにくい要因の一つなんじゃないかなぁとも思うんですよね。
盾を振り回して殴るだけなので、どうしても見栄えが悪い
ちょっとふわふわしていた設定でしたが、
主人公がサーバントの影を召喚できるという設定わりと最近は正式に採用されている気がしますし
漫画の英霊剣豪では主人公が置きものではなく能動的に戦闘に参加できるということでかなり効果的に運用していますし
もっとほかの媒体でも活用していいんじゃないかなぁと思うんですよね。
まぁそこはもう言っても仕方がないところですが
とはいえ前半は盛り上がるシーンが少ないのも事実ではありますし
後編はその分盛り上がるシーンが盛りだくさん
本命は後編ですよね
春の公開を楽しみにしたいと思います。