おそらくこの冬一番の話題作のひとつとなる
ズートピア2
本国アメリカで記録的な大ヒットを飛ばし
日本でもかなりの好スタートを切っているとか
私も前作はディズニー映画でも五指に入るくらい好きな作品で、なんだったら2010年代で好きな映画第3位にも挙げさせていただいた作品。
続けられるけど、蛇足な話にならないだろうか、と
続編の制作には懐疑的だったのですが
記録的な高評価の声に、胸をなでおろしました。
そして、この波に乗り遅れないよう、東京に出たついでに
大スクリーンで堪能してきました。
前作が制作経緯からすると奇跡のような傑作だったのですが
今作はその奇跡のような前作をうまく繋げ、発展させた素晴らしい作品でした。
ネタバレ感想多めで行きます。

- 『ズートピア2』の中心にある、ニックとジュディの関係性の物語
- ズートピア2はスピーディな展開が飽きさせない
- テーマソングがぶっ刺さった
- 字幕声優も豪華でした
- ネガティブポイントもある
- まとめ
- 関連記事
- ストーリーの根幹は、見る人によって想像するものが違うかも
『ズートピア2』の中心にある、ニックとジュディの関係性の物語
本作の一番大きな軸はここ。
前作で結成した凸凹コンビが、紆余曲折の結果本当のパートナーとしてより強固な関係になること。
前回あくまで成り行きで一緒に事件を追いかけ、結果としてバディを組むことになったジュディとニック。
ある意味でつり橋効果的に距離を縮めた二人が、
日常の中で徐々に方向性の違いが浮き彫りになる。
でもバディでい続けるために、見ないふりをして
いよいよ限界が来たときに二人はどうするか。
私はその答えにすごく心を打たれました。
お互いを知ることは、お互いが違うということを認めること。
お互いがお互いの思いを吐露しあうクライマックスのシーンは涙なしでは見れなかった・・・
親友だからこそよい格好をしたい、という関係性から一皮むけて、弱みをさらけ出してこそ親友、みたいな展開に弱いんです。
ここ最近は同調圧力が強い世の中になってきたと思うことも多いです。
だから
全く同じ方向を見ているわけではないけど、一緒に向かっていいんだ。
というメッセージは、今の時代にあっているなと感じました。
ズートピア2はスピーディな展開が飽きさせない
前作で世界観の説明が終わっていることもあり、とにかくいろんなことを詰め込んで観客を飽きさせないようにしていましたね。
字幕で見たからかな。ジュディってこんなに早口だったんですね。
2時間弱があっという間。その中で、新キャラも立てつつ、前作のキャラクターにもしっかりと見せ場を作る。
前作は、誰が真犯人なのか、というサスペンスも魅力でした。
今作は割と序盤から黒幕が判明して、そのあたりどうかなとも思っていましたがそこもばっちり。
彼が真犯人であることに、それなりの意外性もありましたし、
何よりも、違うことを認め合ったジュディ&ニックと、違うことに耐えられなかった彼の対比が美しい。
実にお見事でした。
テーマソングがぶっ刺さった
前作に引き続き、シャキーラがガゼルのシンガーとして楽曲の提供をしているのですが
これがね、なかなかどうしてすごく良い曲でして。
私も意外だったのですが、なぜか聞いている最中に気づいたら涙がにじんでいて
なんでだろう、仕事で疲れてたからかな・・・
社会で消耗している現代人に向けたポップで力強い応援歌だなと感じたんですよね。
もちろん、ズートピア2のテーマとも合致している内容でもあるんですけど。
歌詞にぶっ刺さりまくっていました。
これなぁ・・・吹き替えだとDreamAmiさんが歌うんだよなぁ・・・
多分上戸彩さんのバーターでキャスティングされたんだと思いますが、声に覇気がないんですよね、シャキーラと違って。
エンドロールではシャキーラVerが流れるとはいえ
ミュージシャンとしての実力が違いすぎて、多分吹替では刺さらない気がする。
字幕声優も豪華でした
もともと子供と一緒に来週見に行く予定だったのを、あまりの高評価で先に私だけでも見に行こうと今回スケジュールを組んだので、折角だからとディズニー+でも見ていない字幕で今回見ました。
驚いたのはジュディとニックの声が、日本語吹き替えの上戸彩さんと森川智之の声にそっくりだったこと。
正直吹き替えしか見ていないので違和感がないか心配だったのですが、吹き替えの選定もかなり丁寧にやっていたんですね。そのほかの前作続投組も全然違和感なく見れました。
そして、本作のキーキャラクター、蛇のゲイリー役にエブリシング・エブリウェア・オールアットワンスで再評価されたアジア人俳優 キー・ホイ・クァン
今回のヴィラン一味、リンクスリー一家の長男にマコーレー・カルキン
そしてちょい役が妙に豪華で、ヤギの警察官にジャン・レノ
結局どこに出たのか見つけられなかったのだけど、狐の犯罪者マイケルJにマイケル・J・フォックス。
さらに、もはやどの動物のだれなのかもわからないですが
ジークにドウェイン・ジョンソンもいたりして
WWE好きとしては、シマウマ(もどき)役がCMパンクだったのはびっくりでした。
ネガティブポイントもある
前作に引き続きZPD(ズートピア警察)が無能すぎません?というのはちょっと気になりますかね。
また、差別を自覚することが前作のテーマだと思っていたのですが、最初の警察署のシーンでのジュディとニックに対する同僚警官の態度はあまりにも悪意があってなかなかしんどかったり。そう簡単に差別はなくならない、という話かもですけどね。
展開がスピーディーなのはいいけれど、チューブから出た場所にちょうど隠れ家があるなど、都合の良い要素の配置も所々にあったり。
また、やっぱりちょっと解決の仕方が性善説に頼りすぎているかなという気もしました。
現実とつい比べてしまうと、
世の中そんな簡単に悪は裁かれない。
なぁなぁで済まされ、”世界は変わらない”
ただ、それは大人の視点。
子供には、「良き行いで世界は変わる」というのはちゃんと見せていかないといけないし、ビッグバジェットの映画でしっかりと見せてくれるのはありがたいとも言えます。
まとめ
アンコンシャスバイアスをテーマにしながら、種族の違いを人種の違いのメタファーにすることで、MIBなど過去の作品でも多用された凸凹コンビに新鮮さを加えることに成功した前作。
その発展形として非常に見事な作品でした。
3作目を作る気満々な終わり方をしていましたが、2がこの出来なら3も楽しみですね。
関連記事
前作、ズートピアの感想です。
私は種族の違いを、白人と黒人のメタファーだと感じました。
ゲイリーの声を当てた、キー・ホイ・クアンの出演作のレビューです
どっちも刺さってないな・・・
ストーリーの根幹は、見る人によって想像するものが違うかも
ストーリーは観る人によって、現実のどんな出来事と重ねるかが違ってくる。
本作は、悪意ある人間による嘘によってその立場を追われた無辜の人々の名誉回復の物語でもあるわけだけど、これも、前作同様現実のストーリーと重ね合わせてしまう。
おそらくベースは、西洋式の取引に騙されて土地を追われたネイティブアメリカンと白人がベースになっているのではないかと思いますが、インターネットのデマをも味方につけて大統領になったトランプ氏をイメージする人もいるだろうし、ネット上の陰謀論を真実であると信じ、そのターゲットとなっている政治家をリンクスリー家とだぶらせる人もいるでしょう。
私は、今まさに公判が行われていることもあり、安倍元総理のことを思い出しました。
彼ならたたいてもたたき返さないだろうと、メディアがあることないことはやし立て、ありもしない罪で犯罪者のように扱われ、それを真に受けた間抜けによって命を奪われた・・・
死してなお、その名誉が侵され傷つけられている。そして社会でそれなりの地位にある学者教授たちが貶め続けている状況が、ズートピアを追われ、その後も、冤罪で爬虫類という種族そのものが汚され続けている状況とだぶってしまいました。
今も思い出すとつらくて多くを語ることができないですが、当時の思いをつづった記事です。
