私はまともに小説を読んでいたのは中学生までで
高校生から大学生まではライトノベルどっぷりだったものの
今となっては手軽にサクッと読めるなろうくらいしか読んでいない
なので、純文学というのものが何なのかすらよくわかっていないし
市川沙央なる人物も
あぁ最近ちょっと話題になった人ね
くらいの印象でしかなく、なんだったら途中まで市井紗耶香と勘違いしていたのだが
うーん。これはない。
これが芥川賞を受賞した人物の観察力か・・・とげんなりする内容だったので
そのげんなりを吐露したく
市川沙央さんによる『大転生時代」の書評が文春オンラインで読めるよ。ラノベ業界の異世界転生ジャンル論から始まり、本作で展開している誰もが転生者になりうることのリアリティに肉薄している書評の傑作といえます。https://t.co/KrV8N3vhLT
— 島田雅彦 (@SdaMhiko) 2024年9月23日
まずド頭でこんなことを言っているのだが
なお、現世の肉体の死を経由せず、自分自身の身体を持ったまま異世界に渡って活躍するものは正確には異世界転移ものとなるが、転生と転移はほぼ同類型のジャンルという了解で差し支えない。
いわんとしていることはわからんでもないし
ジャンルのファンとしてはカチンとくるものの
頭ごなしに否定するほどのことでもないとは思うのだけど(とはいえ、言葉を扱うご職業ですよね?とは思いますけどね)
後段を読んでいくにつ入れ
こいつ断言できるほどなろう読んでないな・・・
というげんなり感に包まれていく
べつにね、なろう作品を嫌悪する界隈がいるのはわかるんですよ
分かりますし、そんな人たちに理解してもらおうとも思わない
思わないけど、よくわかっていない、知ってもいないくせに上段から論じないでほしい
とは正直思う
外野の人間のくせに「差し支えない」じゃえねぇよ
差し支えないかどうか決めるのあんたじゃなくない?
次の段では「異世界食堂」という作品の存在をもって
タイトルにある「異世界×日本スゴイ」
にもっていこうとし、さらにその源流が敗戦にある
ととんでもない思想の飛躍を見せてくる
うーん。。。というか異世界転生の話してませんでしたっけ?
異世界転生の話をするのかと思いきや、いきなり全然関係ないジャンル持ってきて
挙句の果てに
私はこうした異世界転生ジャンルの発生原理を、ギブミーチョコレート症候群と呼んでいる。
ドヤァ
という擬音が聞こえてきそうなオチの持ってきかたとたとえかたに悪寒が止まらんし
異世界転生も、異世界転移も
食による日本スゴイなんて主流でも主題でもないはず
主流でもないテーマに名前を付けて、なろう全体を語ろうとしているのが露悪的
ようするになろうは米兵にたかるガキ見たいだって言いたいんだろうからね
異世界転生と異世界転移の話をしているんだから、ちゃんと主人公が異世界に転生/転移する作品で論じようよ
本当に芥川賞作家ですか?
そんでもってさらに浅いなぁと幻滅したのが、師匠筋の書籍を持ち上げるために(記事の主題)なろうをくさそうとしてはいた次のくだり
島田雅彦『大転生時代』は、異世界転生というジャンルに純文学の立場から対峙する挑戦的な作品だ。
ときてからの
転生系ライトノベルの型(パターン)においては「わたしは突然前世の記憶を思い出した」の一言で存在と一回性の人生の尊厳をまるごと抹殺されてしまう転生先本来の人格について本作は透明化することなく、むしろ転生という事象から生じうる共存の理想をいくつかのかたちで示している。
なんていうなろう小説の説明は
まぁ全然読んでないんだろうねっていうのを痛烈に感じる
転生先本来の人格について多くの作品が触れていないのはそれが主題ではなく、主題でないことを切々と語ってもノイズとなって「設定中乙」といわれるだけだからだし
本来の人格はどうなったか?が主題の作品もちゃんとあって
ちょっと前にXのトレンドにも上がった
「悪役令嬢の中の人」
がそう
そうでなくても、現代の人格(Aとする)がファンタジー世界の体に発現して本来の人格(Bとする)がどうなったか、が明記されているなろうは、作品名は憶えていないけど結構あって、タイプとしても、「中の人」とおなじ
・Bは追い出された
のほかに
・Bが得たのはAの知識だけで人格はBのまま変わらず
・B(のメンタル)が死んで空いたところにAの魂が入ったので人格はA
・幼少期にAが発現し、幼いBの人格は耐えられずに消失した
・そもそも記憶を持ったまま転生したが、人格が耐えられないのである程度成長するまで記憶を封印した。最初からBなどいなかった
・異世界転生ではなく、魂の入れ替え。なので、Aの魂はBの体の中にいる
と、こんくらいはあるので
以下の書評が
世界設定のお約束の共有によって発展したライトノベルの異世界転生にはない、前世や転生先となる異世界設定および各キャラクターの奥行きとオリジナリティ、バリエーションの多彩さはまさしくSFの醍醐味であり純文学の風格。
筆者としてはオリジナリティだ!とほめているんだろうけど
こっちからすると、手垢にまみれているものをオリジナリティといわれても・・・
と、完全に逆効果でしかなく
ぜひ島田雅彦の自在なイマジネーションを楽しんでほしい。
といわれても、こっちが好き好んで読んでいる作品群をオリジナリティがないとこき下ろされた口で進められても、
「いや、いいっす」
としかならん
まぁなろうを毛嫌いしている界隈には刺さるフレーズなのかもしれないですけど
でも、少なくともこの人の書評を読む限りは、なろうとさほど変わらなさそうというか
何よりも、設定が本当になろうっぽくって、逆にしんどい
なんだ、名前が三浦杜子春って
”超次元宇宙の座標”だの”異世界転生システムは量子もつれ理論に依拠している”だの
設定がラノベすぎて、というか今日日こんな設定ラノベでも使わんのではないか
とか最近ラノベ読んでないから言ってはいけないか
ただ少なくとも、なろうのメタを張った作品、という評価軸でいっても
異世界転生いうジャンルのはらむ奇異性をシナリオの根幹に据えた作品がすでになろう作品としてあるし
らしいかどうかを論じるのであれば、ちゃんとジャンルは調べたほうがいい
筆者はラノベから純文学に”異世界転生した”だのまたもドヤァと聞こえてきそうな放言をしているけど、ライトベル、出してるんでしたっけ?
純文学で無双、されているんでしたっけ?まだ1作しかお出しになられていないと思いますし
ライトノベル的文法で持って純文学に挑戦している作家は桜庭一樹さんとかね
いますからね。
そもそもラノベから純文学に異世界転生して無双している
という自己評価も、異世界たる純文学にないスキルを筆者が持っているからこそ無双できるのであって
筆者以上にライトノベル界で活躍している先達がすでに純文学界にいるのだから、それは筆者の夢想でしかないのでは?
取り合えず2作目もヒット目指して頑張ってくださいね、としか・・・ねぇ
正直「技術革新は日進月歩。~」のくだりは抽象的過ぎて読みづらく、何が言いたいのかを知りたいとも思えないくらい雑多
ちょっと気になって受賞作のアマゾンレビュー読んでみたけど、
テーマが評価されたのであって文体を評価されたわけではない、っていう感じなんですかねぇ
なおのこと2発目は大変そうだ
まぁ一発だけで私の生涯年収超えちゃうんでしょうけどね
てか別にラノベスキルで芥川賞取ったんじゃないんじゃね?
と、こんな文章書きながらX見てたら案の定、異世界転生と異世界転移を一緒くたに論じて右翼的なものへの嫌悪に帰結しようとする論調に
少なくともライトノベルでは間違いなく筆者よりもよっぽど売れている方々から異論が出てますね
まぁ小太刀氏、FGOのアニメ脚本でやらかしている人という認識なので
あまり好きではないですし、ゆきてかえりし物語は異世界転生/転移のメインストリームではないのでアンサーとしてそこを語られても困るのでは?と思いますが
榊一郎さんの「『わかりやすいアイコン』で全部一緒くたにまとめちゃう」危うさはわかりやすく評している気がしますね
そう思うのは構わないけれども、その程度の認識しかないと読者に思わせてしまうのは、その後の書評を読ませるうえでマイナスでしかないと思いますね
まぁ、筆者や筆者が絶賛するこの書籍の雰囲気を見るに
きっと私には純文学というジャンルは合わないんだろうな・・・という気はしますはい
そもそもこの書評の対象になっている作品
発売1か月たって評価0ですけど大丈夫なんですかね
つか、あー
作者これのひとか
メディアが真っ当な業界だったら絶対に取り上げちゃいけない人じゃん
https://x.com/azabu_food/status/1838825050583241117?t=qDnUyNLQgVQQX9r4awqDgA&s=19