私が今年1番の大傑作の1つだと思っている映画「フロントライン」の無料配信がPrimeVideoで始まります。
この作品は2020年、日本で初めて大規模な新型コロナ感染が発生した、ダイヤモンド・プリンセス号での出来事を描いた実話映画です。
映画化のニュースを最初に聞いたとき、正直とても不安でした。
コロナ禍という悲劇を、エンタメとして消費してほしくなかったし、安易な政府批判に使われないか、それも不安でした。
でも、公式SNSでキャストやスタッフの言葉に触れるうちに、
「これはもしかして――」と、不安が次第に期待へと変わっていきました。
そして実際に映画館で見た私は、
この作品こそ“あの時間”を経験したすべての人が見るべき傑作だと確信しました。
閉ざされた船の中で、感染症予防のフロントラインで、見えない敵に立ち向かった人たちがいました。
彼らの奮闘、葛藤、そして献身を、この無料配信という機会に多くの人に知ってほしい。
ということで、改めて映画を紹介していきたいと思います。
- 映画「フロントライン」あらすじ
- 実際に奮闘した人ほど刺さる
- 嘘のない敬意が通う物語
- 映画としても圧巻──ドキュメンタリーを超えた臨場感
- 豪華キャストが全員主役級!『フロントライン』出演者の熱演
- 今こそ観てほしい──『フロントライン』が私たちに残したもの
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映画「フロントライン」あらすじ
舞台は2020年、横浜港。
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」で新型コロナウイルスの感染が広がり、船は封鎖されます。
乗客・乗員、医療チーム、政府関係者——誰もが初めての事態に戸惑いながら、それでも目の前の命を守ろうとする。
『フロントライン』は、あの数週間を実際に現場へ入った医療従事者たちの証言をもとに描いた群像劇です。
ニュースの向こう側にいた「人間の物語」を、そっとすくい上げる物語です。
実際に奮闘した人ほど刺さる
この映画を観ている間、ずっと胸が締めつけられていました。
私は2020年4月から2022年3月まで、出向という形で某省庁の端っこに在籍させていただいていまして
だから、映画に登場する官僚たちの葛藤、手探りの中を最良のためにもがく様が、痛いほど分かるんです。
あの時は、中央省庁の役人だけでなく、様々な人がこの国難に立ち向かっていました。
前にイベントで、ホリプロ社長の堀義貴さんや歴史学者の磯田道史さんのトークイベントに参加したことがありますが、様々な分野で、コロナ化をどう乗り切るのか知恵を出し合っていたんだ、ということを知りました。
そういう、あの時、コロナ禍を乗り越えるために奮闘した人たちは、この映画がきっと刺さるはず。
嘘のない敬意が通う物語
プロデューサーをはじめ、制作陣の熱量が尋常ではありません。
取材は事件直後から始まり、関係者全員への監修を経て完成した作品だそうです。
その徹底した姿勢が生み出したリアリティは、画面の隅々に宿っていました。
この映画は、ただの再現ドラマではなく、
「ありがとう」と「あなたたちは間違っていなかった」を伝えるための記録でもあります。
あの時、罵声を浴びせられ、批判に晒された人々が確かにいた。
私も当時、出勤退勤の際にデモ隊に圧をかけられながら逃げるように駅に駆け込んだことが何度もありました。
怖かった。
そんな自分を、彼らを、やさしく肯定してくれた。それがこの映画の最大の功績だと思います。
映画としても圧巻──ドキュメンタリーを超えた臨場感
ドキュメンタリータッチでありながら、映画としての完成度が非常に高い。
冒頭の5分――
暗い船内を進むカメラ、緊張感の中でマスクを外し、息をつく森七菜さん。
その一瞬の静けさに、張り詰めていた空気がほんの少しだけほどける。
この導入だけで一気に世界へ引き込まれました。
実際の出来事を再構成しながら、
2時間の物語にきちんと起承転結を持たせ、最後まで破綻しない。
社会派でありながら、物語としても十分に魅せる構成。
これはもう、“映画”としての勝利です。
豪華キャストが全員主役級!『フロントライン』出演者の熱演
全員が主役級。誰ひとり浮いていません。
小栗旬さん演じる結城医師の静かな情熱、
池松壮亮さんの「隊員の家族のことは誰が考えてくれるんですか…」という台詞の痛み。
滝藤賢一さんは短い登場シーンを圧巻の演技力で強い印象を残し、たった一瞬で心を持っていかれました。
窪塚洋介さんの抑えた演技も圧巻で、
一人ひとりが“現場の人間”としてリアルに息づいている。
とくに、私の一押しは松坂桃李さん演じる立松。
予告では冷たい印象さえあった彼が、実は柔軟で、嘘をついてでも人を守り、結城の荒唐無稽なアイデアも、良いと思えば運用できる理屈をひねり出してしまう。
そんな清濁併せ持つ存在として描かれていて、心が震えました。
名優たちもただ芝居をしているのではなく、モデルとなった方々との対話の中でキャラクターを作り上げていったそうです。
その取り組みの中で、ただのキャラクターではない、血の通った人間がそこに形作られていったんだと強く感じました。
今こそ観てほしい──『フロントライン』が私たちに残したもの
『フロントライン』は、決して過去の記録ではありません。
私たちがどう戦い、どう乗り越えたかを思い出させてくれる、
“いま”と地続きの物語です。
それは、映画のラストにも示されている。
もし当時苦しい思いをした人は、きっと涙が出る。
そうでなかった人も、あの時のリアルをぜひ知ってほしい。
プライムビデオで無料配信が開始した今だからこそ、ぜひ多くの人に触れてほしい傑作です。
関連記事
私のこのブログを読んでフロントライン、見てくださった方の感想です!
一人でも多くの人に見てほしくて書いたのでとてもうれしい!
映画公開当時、感情の赴くままに書きなぐった記事です。
今回の記事はもうちょっと冷静になって、改めて紹介する記事になります。
フロントラインで描かれたダイヤモンド・プリンセス号での出来事から数か月後、
コロナ禍にポジティブに立ち向かった中高生を描いたこれも大傑作です。
最近プライムビデオで無料配信が開始した、もしコロナ禍の日本を率いた政府が
歴史上の偉人だったら・・・というif映画です。
残念ながら、コロナ禍が、まさにエンタメとして消費された作品でした。
