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【この夏の星を見る】感想|コロナ禍の青春に胸を撃たれる

最近はなかなか休日に映画が見れなくて

平日に休みを取って2本まとめて見に行ったりしているのですが

昨日は本当に良かった

映画2本見に行ったのですが、どちらも大当たり

映画の方向性の問題もありますが

こんなにすがすがしい気持ちで映画館を出れたのは久しぶりでした

 

そんな映画1本目が、辻村深月さん原作の映画

この夏の星を見る

 

 

 

 

 

映画化自体は結構前から知っていたので楽しみにしていたのですが

奇跡というか、偶然というか

ちょうどひと月前に、同じくコロナ禍を題材にした「フロントライン」があり

belphegor729.hatenablog.com

こちらもまたとんでもないくらいの名作だったので

本作も期待値バク上がり

コロナ禍の始まりで奮闘した大人たちを描いた映画がフロントラインなら

その後青春を奪われそうになった子供たちが、その理不尽に立ち向かう映画が

この夏の星を見る

順番すらぴったりで私はこれ、セットで見るべきだと思いましたね

そして、フロントラインと並び立つ、コロナ禍を描いた映画として非常に素晴らしい作品でした

 

「最高で、2度と来ないでほしい夏」っていうキャッチコピーが狂おしいほど好きですね

 

 

 

学生たちの青春がまぶしい

もうおじさんですからね、青春なんて20年以上前

思えば遠くへきたもんだなぁと思いつつ

こういう学園青春モノって実はあんまり手を出してこなかったなぁと

そもそもジャンルとしてそんなに多くはない印象もありますかね

見える子ちゃんは若干そんな感じだったけど、青春か・・・といわれるとちょっと違う気がするし

 

belphegor729.hatenablog.com

 

 

なんにせよ、学生時代何かに打ち込む

というのがテーマの映画ってもしかして初めて見るのかも?

思い出せないだけで、見てないってことはないと思うのだけど

 

やっぱりこう、何かに打ち込む学生って良いね

青春って本当にいい

そこに、コロナ禍という時代に負けたくない

という熱い思いも乗っかって

 

目線は完全に各学校の先生たち

クライマックス

 

スターキャッチコンテストで自作の望遠鏡を

カシャっ、シャッって動かすみんなが本当に格好良くてね

胸が熱くなりました

 

見守る先生たちも抜群に良かった

みんな経験も立場も違うけど

これからを担う若い生徒たちに向ける視線のやさしさ

今は2人の子供を育てる親でもあるけど

こういった子供たちへの目線を持てる親でありたいと思いましたね

 

忘れかけていたコロナ禍のリアル

フロントラインの時にも触れましたが

最初の緊急事態宣言発令時に私国に出向していたので

安倍首相のお声に非常に懐かしさを感じました(物まねだったみたいですが)

パンフレットの監督インタビューにもあったのですが、悪者は作らない

ヒールは時代、コロナ禍

ということで、いろいろフラットに描いてくださっていたのは救われました

それでも、毎日発表される新規感染者数に、ステイホーム、3密、黙食と

だんだん風化してきている当時の異常な日常が

こうやって映画として残っていくのは、記録としても良かったんじゃないか

学校では食事の時にあんなアクリルで3方囲むような対策をとっていたなんて

知らなかった。もしかしたら知っていたかもしれないけれど

当事者ではないということで記憶の片隅に追いやられていたのか

 

こういう辛い時代があった、苦しい時期があった

というのが形として残るのもきっと良かったんだろうな

そして、だからこそ、そんな中でも青春を輝こうと

可哀想なだけではなかったんだぞ

と、新進気鋭の若手監督、脚本家がタッグを組み

正にコロナ禍に学生だったキャストたちが、その当時の思いを胸に演じた本作は

価値があるのではなかろうかとそう思うのです

 

 

 

原作からの改変も良かった

良かったというとちょっと違いますけどね

ただ、パンフレットやインタビューにもあったのですが

原作者の辻村さんが、もっと監督らしさが出るように改変していい(意訳)的なことをおっしゃっていたそうで、

実は映画が待ちきれず、図書館で原作を借りてちょこちょこ読み進めていたのだけれども

原作との違いはあれど、原作を読んでいた身としても割と改変は納得できたかなと

スターキャッチコンテスト説明会のシーンとか原作にないしね

 

 

原作には映画には描かれていないキャラクターたちの心象、泣く泣くカットしたであろうシーンなどがあり

映画は映画として、映像ならではの表現、大きなスクリーンに、望遠鏡から覗いた夜空が映し出され、子供たちと観客が一体になる感覚

そして何よりも、魅力的なキャラクターたちにキャストというイメージが設定されたことで、原作を読んでいた時の解像度がグッと上がったので、映画も見てほしいし、見たからといって原作を読まなくてよいとならないのは非常によい

 

実は・・・

本作も私が住んでいる市原市でロケがあったそうで

そこも楽しみにしていたのですが、思ったよりも長尺で使われていてびっくりしました

パンフにもその場面のスチルがありますね

壁にモザイク画が張られているのがばっちり見えてますねぇ
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最後に

結構ボリュームのある原作でしたので、2時間にまとめるの大変だったろうなと

でも本当に、コロナ禍でいろいろあったけど

その中で一生懸命自分らしさを出そうとした子供たちの努力

それが実ったクライマックス

コロナ禍も、彼ら彼女らならポジティブに戦っていけるのだろうという明るい展望の見えるラスト

ほんと忖度抜きでよい映画でした

 

これ、私なんておじさんじゃなくて、同時代を生きて、苦しんだ若い世代にどんどん届いてほしいなぁ