最近アマプラで過去に気になっていた映画がいろいろ配信されてきたので、元気があるときにちまちま見ています。
そんで、今回見たのがこちら
もしも徳川家康が総理大臣になったら(通称:もし徳)
2024年7月公開の映画で、思考実験としては面白いなと思いちょっと興味はあったのですが、地雷臭が凄かったのでスルーしてたんですよね。
ちょうど同じタイミングにMCUのデッドプール&ウルヴァリンも公開されちゃったし。
そっちを優先しちゃいました。
で、まぁ、プライムビデオで無料配信始まりましたということで、せっかくなので見てみました、
結論から言うと、当時の私の判断は正しかった。
少なくとも私には全然ハマりませんでした・・・
もし徳のあらすじ
時は2020年、コロナウィルスが猛威を振るい日常を奪われた日本。
国内どころか世界中が大混乱に陥る中、首相官邸でクラスターが発生、あろうことか総理大臣が急死。
そこで政府が実行した最終手段、それは「AI・ホログラムにより歴史上の偉人たちを復活させ、最強内閣をつくる」という前代未聞の計画だった。
総理大臣を託されたのは“江戸幕府を作り上げた伝説の男”徳川家康。
そして、日本史に燦然と輝く大スターたちが議員バッジをつけて入閣。
通称≪偉人ジャーズ≫によるドリームチーム内閣が誕生する。
圧倒的なカリスマに加え、政策を推し進める“えげつない”実行力に人々は驚愕し、日本中が熱狂していく。
そんな中、テレビ局の新人記者・西村理沙(浜辺美波)はスクープを取ろうと政府のスポークスマンである坂本龍馬に近づくのだが、
ひょんなことから偉人ジャーズの活躍の裏に渦巻く黒い思惑に気付いてしまう――
果たして、陰謀の正体とは?
そして、日本史に新たに刻まれる“事件”の真相とは?!(公式ウェブサイトより)
映画「もしも徳川家康が総理大臣になったら」の概要
眞邊明人の原作小説を、武内英樹監督、徳永友一脚本で映画化
このコンビは「翔んで埼玉」
から監督最新作の「はたらく細胞」
までずっと続いているようです
(ちなみに翔んで埼玉は1も2も私の住んでる市原でロケが行われていたりします)
ラインナップを見る限り、ちょうどいいコメディをコンスタントにヒットさせている割と打率の高いタッグのようです。
実際はたらく細胞面白かったですしね。
ただ今回は全然ハマらなかった・・・
良かった点
先に良かったところから
キャストは非常に良かったです。
赤楚衛二君の坂本龍馬は特にはまり役でしたし
記者の浜辺美波さんもキュートでした
GACKTの織田信長も、こういう信長の描き方個人的には嫌いなんですけど、スタッフが求める信長像を十分に演じられていたと思います。
歴史に興味のなかった記者が偉人内閣に触れて勉強し始める、というプロットも割と良いなと思っていました。
また、三英傑(織田信長、豊臣秀吉、徳川家康)と古代イスラエルの3王との相似についてはなるほどと思いました。
がっかりした点1:コロナ禍を舐めすぎ。政治も舐めすぎ
未曽有の危機に、すでに実績のある過去の偉人に政治のかじ取りを任せたら、という発想は面白いと思うんです。
ただ、一応私コロナ禍に中央省庁に出向していたので、あの当時、政府や役人がどれだけプライベートを犠牲にして、この未曽有の危機を乗り越えようと努力してきたかを知っています。
なので、イレギュラーな視点という自覚はありますが、この描き方はあまりにもコロナ禍を甘く見ています。馬鹿にしています。
パンデミック乱発するよ!
給付金は直接手渡し?ロックダウンしているのに外に並ばせるの?
不正する輩はあとで懲らしめる?不正したかどうやって調べてどうやって懲らしめるの?
現実でもスピード感重視で企業への給付金を巻いていたけど、あれだって、不正は後で覚知する最低限の仕組みは作っているわけよ。現金手渡しとか不正の宝庫よ。
手渡し早いといっても、結局手渡しスタッフの確保、教育、配布場所の選定、通達(秀吉は交渉はしないだろうとしても通達はするでしょう)賭けてもいい。リスクに見合うほどの迅速な配布はできないです。
給付金配布だって、教育・実務どこかのタイミングで必ずパンデミック発生するよ。
スタッフ間で起きる。現金給付の待機列で起きる。
パンデミックが起きて、給付が滞って、ロックダウンは崩壊するよ。現金給付されないなら守らないよって。海外で見た光景ですよね?
そもそも、ロックダウンとか言って、中央省庁の役人タコ詰めじゃん。3密どころの話じゃないよ。この世界ではコロナで首相死んでんでしょ。
言動不一致すぎて寒気しますよ・・・
とにかくリアリティラインが低いよ
てかなんだこの執務室
仮にも財務省の執務室でしょ
何で袖机もない折り畳み机にパイプ椅子なん

リアリティ・・・リアリティがさぁ・・・
ないねん・・・
記者会見だってコロナ禍の時は椅子の間隔開けてたの、そんなの調べればすぐわかるの。
映画の官房長官記者会見はこれ。
密すぎでしょ・・・

大本がフィクションすぎるんだから、細かいところをしっかりと固めてリアリティを担保しなきゃダメよ
緒方洪庵がワクチンのパイオニアなのは理解するけど、だからといって、現在の最先端科学者よりも知識が凌駕するなんてこともあり得ない。現代の科学技術インストールしましたとか言い出しそうだけど、天才一人が数日数週間で結果を出す世界じゃないでしょ。世界に先立って日本がワクチン開発に成功するなんてこともあり得ない。
そういう雑さが気になってしまって、この偉人内閣を全く好きになることができなかった。
そして、映画業界が”そちら側”だからですかね。揚げ足をとり足を引っ張ろうとするメディアの醜悪さも全く描けていません。
都合が良すぎるんです。
メディアがそんな簡単に日本政府マンセーするかよ。フロントライン見てみろよ。
こんなイージーモードで現実の政府と比べないでほしい。
「偉人内閣は最高だ!それに比べて現実の政府は・・・」とか勘違いするやから出てくるから。
別映画だけど、キャプテンアメリカ4では実際に起きたことだからね。
がっかりした点2:終盤の展開もありきたりすぎてがっかり
後半、政治の話から偉人内閣そのものの内紛に移っていくんだけど、その偉人内閣の描き方に全く納得がいっていないので私の中で全然盛り上がらず
謎に登場した天照大神(もどき)とか本当に寒かった・・・
一番肝心なクライマックスのシーンも、偉人二人が言いたいことを言うだけ。
しかもその内容も、「今の人間は愚かだ、無力だ、自分勝手だ。だから私が導くんだ」
みたいなあーりきたりで、うすーい内容。
え?この映画の言いたかったことってそれなんですか?
とおもうと本当にがっかりする。
さらに「話し合いしないと何も決められないなんて馬鹿げている」
だそうで・・・えーっと、、、”清須会議”って、ご存じ?あんたの時代だってみんなで決めてたよ。
挙句の果てに、「優秀な武将一人いれば政治は回る」そうで
専門知識ってご存じないんですかね。そして、この偉人AI達、自分の死後の情報もインプットされているはずだけど、あんた一人が暴走した後の事後処理がどれだけ大変だったか把握してないんすかね。
もう破綻していて、まぁまぁ歴史好きな私としてはもう見てられなかったっすよ。
あまりにも傲慢な思想の押し付けを見させられて、ヘイト役としてもあまりにも稚拙。
しかもこれを自分を支持していた民衆に向けて言いますからね。
これを聞いた民衆が「うぉーーーーさすがやついて行きます!」ってなると思って言ってるわけでしょ?暗愚だよね。端的に言って。
「だからお前たちは黙ってついてくればいいのじゃーわはははは」
って演出ど下手かよ。
で、てめぇらもちょっと顔しかめる程度でなんも言わないってなんだよ。
なんか言えよ。やじれよ。ばかみたいじゃん。
んで、それに対するアンサーが
「その意見にも一理あるけど私は信じたい」
一理ねぇよ。バカかよ。
これがBGMなしで延々続くから本当にしんどかった。
なんで演出サボってんの?
絵だけで持たせられる内容じゃないよ
映画館で見てたら気絶してたと思うよ・・・
最後に
私のパーソナルな部分がだいぶ足を引っ張って、細かいところに拒否感が出てしまった面も否めないです。
ただ、現実の悲劇をベースに思考実験をしているのだから、もうちょっと真剣にロジックを組み立ててほしかったな。というのが正直なところでした。
武内監督、この映画以外は大体好きだから、まぁ題材との相性が悪かったかなぁ・・・
コメディにしていいテーマではなかったと思うんですよね・・・
補足:さすがに原作はちゃんとしてそう
映画があまりにもひどすぎて、原作を読もうという気にもならなかったんだけど
ネットで原作の情報を漁った感じでは、終盤の偉人同士の内紛はどうも映画オリジナルっぽくて、もうちょっとちゃんと真面目にシミュレーションをしているようですね。
基本的に絶賛一色で、三英傑だけでなく、徳川綱吉、吉宗をしっかりと動かしているようで、
犬が好きだから綱吉は厚生労働大臣みたいな雑なことはしてないっぽい?
まぁ原作がヒットしないと映画化はしないですもんね。
調べれば調べるほど、原作は面白そうだと感じました。
漫画もあるようで、こっちもちょっと興味が出てきますね
関連記事
過去に見た武内監督作品
どちらも楽しかったです。
コロナ禍を描いた作品としては今年公開の2作のほうが断然おすすめです
イージーモードの中政治をしているフィクションを本気にしちゃうのまずいよねという話
本作と同時期に公開したデッドプール&ウルヴァリン
こっちを選んで正解でした。




