Let Life Loose

映画と革製品についての紹介がメインのブログです!特に革靴についてはディープな情報をあげていきたいと思ってます

ソシャゲコンテンツから現れた異例の快作!「映画刀剣乱舞」を紹介したい!

 

 ちょっと奥さんにブログバレするのが怖くて書くかどうか悩んでいたんですが、

 でもいい作品なので紹介させてください。

 

 その作品は「映画 刀剣乱舞」

 

 一世を風靡した艦隊の擬人化ゲーム「艦隊これくしょん」のシステムを女性向けコンテンツとして再構築した刀剣の擬人化ゲーム「刀剣乱舞」の映画化です。

 

 もうちょっと説明をすると、ゲーム「刀剣乱舞」が、女性向け作品と親和性の高い

 2.5次元(ゲームやアニメ、漫画などのコンテンツをイケメン若手舞台俳優で舞台化やミュージカル化したもの。という認識でいいのかな?)に参戦した

 「舞台 刀剣乱舞」

 というものがあり、それが爆発的な人気を博したためその勢いのまま映画化したものになります。

 アニメが爆死した元提督(艦これプレイヤー)として、コンスタントにメディア展開が成功している刀剣乱舞はうらやましいことしきりなのですが、それはさておき、

 舞台刀剣乱舞の何が凄いのかも別途記事にしたいと思っています。

 

 舞台派生の作品であるためキャストの大半は舞台から続投。

 主題歌は西川貴教。西川の兄貴と戦国活劇というと戦国basaraを思い出します。

 こちらも2.5次元舞台で人気のコンテンツの一つみたいです。結構特撮にも出ている俳優多いんですよね。仮面ライダー鎧武の貴虎兄さん(伊達政宗)とか。シンケンジャーの十臓(織田信長)とか

 また、本作の本気を感じたのが、脚本家に特撮やアニメで高く評価されている 小林靖子氏を起用していることです。

 映画上半期ベスト10でも話題にしましたが

 まさかの映画化に歓喜する刀らぶクラスタに小林靖子氏脚本と聞いて俄然興味がわいてきた特撮クラスタがアドバイスした。

 「作品の質は保証するが、押しキャラの命は保証できない」

 は今年1の名言の一つです。

belphegor729.hatenablog.com

 

大まかなシナリオとしては

過去の歴史を変えることにより、現在の改編をもくろむ「歴史修正主義者」が送り込んだ「時間遡行軍」が安土桃山時代の本能寺に現れたことを察知した審神者は、本能寺の変の改編を阻止するために6振りの刀剣男子を同時代に送り込む。
 時間遡行軍は本能寺に攻め入る明智光秀の軍勢から織田信長を守ろうとするが、刀剣男子によって鎮圧。
 本能寺が焼け落ちるのを確認した刀剣男子たちは、審神者のまつ本丸に帰還する。

 歴史の改編を阻止したと安堵するもつかの間、織田信長が生存していることが判明する。

 再度、安土桃山時代に送り込まれる刀剣男子たち
その目的は

 織田信長 暗殺

今回の時間遡行軍の襲撃に違和感を覚える審神者とその近侍(隊長兼執事)
しかし、審神者と近侍だけで作戦が進むことに不満を覚える刀剣男子もおり
刀剣男子の中でも足並みが乱れていく。
 実は審神者も秘密を抱えており・・・
 
 そして、送り込まれた時代で、驚きの行動にでる近侍
 何を信じるべきか。正しい歴史とは何か。
 翻弄されていくなか、果たして、時間遡行軍から歴史を守ることができるだろうか。

 といった形になります。

 本作を楽しむポイントは大きく2つ

 1つは、舞台で経験を積んだ若手俳優たちの美しい殺陣を堪能すること。

 特に、主役である近侍の三日月宗近ですね。
 

 

舞台刀剣乱舞は複数の刀剣男子による群像劇で、1本の刀剣を近侍として置いているものの、あまり誰かに比重が偏るような作りではありません。

 しかし、映画刀剣乱舞は、2時間で強く人を引き付ける為、あえて三日月宗近を主役として配置し彼とその他の刀剣男子という形で大きく比重を寄せています。


それは三日月宗近役の鈴木拡樹さんに対するスタッフの信頼があってのものだと思います。

 鈴木さんは、元々は美容師だったため遅咲きなのですが、たぐいまれなる才能とストイックな性格でメキメキと頭角を現し今では2.5次元俳優の顔ともいうべき人です。

 特撮ファンの方には、ディケイドで剣崎してた人だよというとみんなびっくりしますね。

 

 本当に進化が激しいです。

 

鈴木さんは憑依型の俳優で、その端正な顔立ちと相まって刀剣乱舞の重要なキャラクターある三日月宗近そのものとなっています。
 特に、本作では目の演技が素晴らしい。ここまで目だけで喜怒哀楽を豊かに表現できる俳優はなかなかいません。
 所作、刀捌き、すべてにおいて、見ほれること請け合いです。

 奥さんが大ファンで、鈴木さんが出ている舞台はほぼほぼ見に行っているレベルなのですが、男の私でも浮世離れした美しい顔立ちだなぁと思いますね。

 その他の刀剣男子たちも、舞台で磨いた殺陣の腕を、映画という、より制限のない環境で披露してくれます。

 特にラストバトルは圧巻です。
端的に言って素晴らしい。


 そして、そんな若手人気俳優を支えるのが
 織田信長訳の山本耕史さんと、羽柴秀吉役の八嶋智人さん。

 山本耕史さんは真田丸の石田三成役のイメージが強すぎて、見るまではどうだろうなぁと思っていたのですが、むしろ真田丸での素晴らしい演技そのままに、凄みを上乗せして見事な織田信長を演じていました。

 八嶋さんは八嶋さんで、ちょっとおちゃらけたイメージのまま、秀吉の光と影を上手く表現していました。
 八嶋さんしかできない秀吉像で、とても素晴らしかったです。
 

 

 もう一つは、織田信長自害というテーマから、刀剣男子という存在を絡め、

 歴史とは何か、ということについて改めて考えさせるシナリオを構築したことです。

 

 歴史改編についての是非については今年の仮面ライダーも扱っているテーマでした。

 

 

belphegor729.hatenablog.com

 

 で、

「織田信長 暗殺」
 
 というセンセーショナルなキーワードを用い、
 反逆者である明智光秀に、刀剣男子たちが味方するという
 ある意味敵見方が倒錯したような状態になっており、見る側を混乱させます。

 派兵された刀剣男子には織田信長にゆかりのあるものが多くそこも違和感を覚えさせる要因となっております。
 
 こう、よくある歴史タイムスリップものって、基本的に織田信長の味方だと思うんですよね。
 全部見ていないので作品についての評価はできないのですが
 信長のシェフ、本能寺ホテル、織田信奈の野望、信長協奏曲
たくさんありますよね。

やっぱり、志半ばで部下に裏切られた悲劇性と、織田家の地盤を簒奪した豊臣秀吉の晩年の悲惨さから、もし織田信長が生きていたらもっと良い未来があったのではないか、というifが想像力を掻き立てるのだと思います。

 その中で、あえて織田信長を殺すために味方が行動する。
なかなか斬新で、とはいえ面白く味付けするのはなかなかハードルが高いのではないかと思います。
自身の志半ばでの死という歴史を知ってしまった信長のあがきと、それを受け止める三日月宗近の演技という戦いをぜひ見てほしいです。
 
 そして歴史改編という縦糸に、本丸そのものが抱える問題が横糸として絡まり、時間遡行軍の真の狙いが見えてくると、物語は一気にクライマックスを迎えます。
 物語ることはすべて語り終え、あとは死合うのみ、といわんばかりの連続バトル
 ワンカットで愛情、安堵、そして激怒を目のみで表現する三日月宗近の演技が素晴らしい。
 さらに驚きの仕掛けを一つ追加して、映画は晴れやかに終了します。

 まとめ
 アプリゲームを出自として、舞台化を経て、満を持しての映画化ですが
 良質な歴史ファンタジーとして仕上がっていると思います。
 すべての人に刺さるかは自信がないですが、特に特撮付きの方には小林靖子脚本というだけで安心していただけるのではないかと思います。


最期に、本作で登場している刀剣男子は、基本的に意味があって配置されています。
 知らなくても楽しめますが、知っているとなるほどと思えますので、紹介をしたいと思います。

 

三日月宗近
三日月宗近は平安の刀工「三条宗近」の作です。
室町時代より特に名刀とされる五振りの刀「天下五剣」のうちの一振りで、現在は東京国立博物館に所蔵されています。

宗近の衣装は平安貴族をイメージしたものになっています。
宗近は豊臣家が所有する前は諸説あるようですが、本作では足利将軍家の所有物で、羽柴秀吉に下賜されたことになっています。

 

 

山姥切国広


安土桃山時代の名工「堀川国広」の作。室町初期の名物「山姥切長義」の写しとして打たれた堀川国広の傑作の一振りです。
 写しとは、もっといい表現があると思うのですが、違う作者がそれに似せて作る、というイメージでしょうか。
 逸品であることは確かですが、コピー品でもあるという事実、また山姥切という異名が長義のものか国広のものかもわからないことが性格設定に暗い影を落としている複雑な設定のキャラクターです。
 山姥切は今回の事件にあまり関係のある刀剣ではなく、どちらかというと舞台刀剣乱舞の主役であることが抜擢の理由かなと思いますが、しがらみのない立場で物事を俯瞰的に見るポジションでもあります。

 

薬研藤四郎

 

薬研藤四郎は鎌倉時代の刀工粟田口(藤四郎)吉光の作で現存していない刀になります。
散逸の理由は不明ですが、本作では織田信長の介錯に使われ、そのまま焼失したことになっています。
 焼失したことから刀剣時代の記憶が曖昧、という設定があります。

 

へし切長谷部


へし切長谷部は南北朝時代の作で織田信長から黒田官兵衛に下賜され、現在は福岡市博物館の所蔵です。
 織田信長所有時は作者不明で粗相をした茶坊主を隠れた棚ごと圧し(へし)切ったことからへし切と呼ばれるようになります。
 ジョークみたいな名前を付けられたこと、また部下でもない者(部下の部下)に下賜されたことから織田信長に対してあまり良い感情は持っておらず、自信の作者が長谷部であることを鑑定した官兵衛の息子黒田長政に敬愛の情を持っています。そこら辺を知って日本号との掛け合いを見るとちょっとイメージが変わってきますよ
かっこいい

へし切長谷部は福岡市博物館にて1月~2月の間公開されるので、成人の日あたりに実家に帰ってよく見に行きます。

 

日本号


 日本号は天下三名槍と呼ばれる槍の一振りで、現存する大槍の中で一番のものだそうです。
元々天皇の所蔵であったものが、足利義昭→織田信長→豊臣秀吉→福島正則を経てこちらも黒田家の所有となります。
 福島正則から黒田家に譲渡される逸話が
 「酒は呑め呑め~」で始まる黒田節です。
 これのせいで福岡県民は酒に強いとか言われるんだよなぁ・・・
 天皇より物でありながら正三位という高いくらいを与えられるくらいの逸品なものの、上記のエピソードの比重が重いようでちょっとチャラいキャラクター設定になっています。

 同じ黒田家の所有であるため映画ではへし切長谷部と一緒に行動し、息の合った掛け合いを見せてくれます。
 また、演者は仮面ライダーオーズで小林靖子氏と一緒に仕事をしている岩永洋昭さんに舞台から変更になっています。伊達さんですね。
 奥さん曰く、舞台のかたよりも日本号っぽいとのこと。私には伊達さんにしか見えませんでしたが、軽口を言いつつ全体を見通し、よく気づく保護者のようなポジションでした。
 やっぱり伊達さんだな。適役だ。
日本号もへし切長谷部と同じく福岡市博物館の所蔵で、こちらは常設展示となります。

 

骨喰藤四郎


骨喰藤四郎は薬研藤四郎と同じく粟田口義光の作で試し切りをしただけで骨が砕けるほどの切れ味の為骨喰と呼ばれるようになったそうです。
 骨喰藤四郎は元は薙刀で、時代を経て太刀→短刀と小さくなったようです。
 もともとは足利将軍家の持ち物で、この時に三日月宗近と面識があったということに映画ではなっています。
 また、骨喰藤四郎も江戸時代の大火事で焼けてしまい、打ち直していることから刀剣時代の記憶が消失しています。
 映画では記憶がないこと、刀剣男子として顕現して間もないことから新兵のようなポジションで、刀剣時代に縁のあった三日月宗近との関係性の中で歴史とは何か、歴史を守るとはどういうことかについて学んでいく一番初見の観客に近いポジションです。
 ちなみに舞台では古参の一振りでもっと攻撃的な性格とのこと。骨喰藤四郎と次で紹介する不動行光は同じ刀剣男子でも違う本丸とは別個体であることを体現するポジションでもありそうです。

 

不動行光


不動行光も織田信長の所有物で、信長お気に入りの一振りだったようです。
その後の所有者の変遷は諸説ありますが、刀剣乱舞では森蘭丸に与えられ、本能寺の変の際に不動行光で応戦したことになっています。
 そうなると現存しているのがおかしかったりするのですが、その他の説もあまり整合性が取れていないようです。
 刀剣男子としての不動行光は所持者である森蘭丸とその主である織田信長を守れなかったことがトラウマとなっており、そのトラウマが舞台刀剣乱舞のテーマでした。
 本作ではトラウマはそのままありつつも少し達観し落ち着いたキャラクターになっています。

 

鶯丸


鶯丸は三日月宗近と同じく平安時代の作で現在は天皇の所有物です。
鶯丸自体は特に織田信長関連のエピソードがないため本丸の留守を任されていますが
留守役として鶯丸が選ばれた理由は、同じ平安時代の作で、三日月宗近と対等に話ができる格の刀剣として選ばれたのだろうとのこと(嫁曰く)
彼も舞台と演者が異なっており、原作や舞台と比べだいぶ落ち着いた雰囲気となっているそうです。

 

 

 

映画刀剣乱舞-継承-

映画刀剣乱舞-継承-

 

 

 

 

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