ダークなお伽噺「棺担ぎのクロ」

今週のお題「好きな漫画」

前回同じ作者の「GA 芸術科アートデザインクラス」の紹介をしましたが

belphegor729.hatenablog.com

もう一つこちらは「きらら」本誌で同時期に連載をしていた

「棺担ぎのクロ」も紹介したいと思います。

一時期休載を強いた時期もありましたが、こちらも完結した作品となります。

棺担ぎのクロは、「ある目的」で自分の棺を担いでいる「クロ」が、

喋る蝙蝠の「セン」と

特別な力を持った双子の「ニジュク」と「サンジュ」

と一緒に旅をする

「キノの旅」形式の4コマ漫画ですね。

基本的に四コマ漫画の形式をとっていますが、1ページに2×４こコマがある普通の漫画だと思った方がいいかも。

4コマごとの関連性は一般的な4コマ漫画よりも強いです。

序盤はクロとセンの２人(？)旅

旅の途中で寄った町々でトラブルに巻き込まれながら、足跡を残していきます。

その途中でニジュクとサンジュと出会い身寄りのない二人もつれて旅を続けていきます。

 話が進んでいくうちに、クロの悲しい過去、センの生い立ちが少しづつ明らかになっていき、またクロの目的もだんだん明らかになっていきます。

それと同時に、ニジュクとサンジュのモノローグからクロとの悲しい別れも推測され・・・

結末はぜひ漫画で読んでほしいです。

こんな素晴らしい結末を迎えられるとは思っていなかった。

GAもそうなんですけど、いつまででも続けられる物語を、綺麗に終わらせることって逆にむつかしいと思うんですね。

　正直宵闇幻燈草紙はそこがもったいなくて、またいつか続きを書いてくれることを今も待ち望んでいるのですが

全く同じ時期に、方向性が真逆な物語りを二つ同時進行して、どちらも綺麗に終わらせるその手腕が素晴らしいなぁと感動することしきりでした。

また、きゆづきさんの作品の素晴らしいところは、GAでもお話ししましたが、ステレオタイプからもう一歩踏み込んだキャラクタ設定だと思うんです。

　特にニジュクとサンジュは最初のうちは幼さからくる無邪気なキャラクターで、よくある萌えキャラかなという感じなんですが、

　話が進むにつれ、クロの影響で個性が出始め、ただのムードメーカー以上に深く物語りにかかわってきます。

　クロの過去、ニジュクとサンジュの過去また旅の先々で出会う登場人物について、多くのことについて直接明言をすることはありませんが、

　クロの出てこない、世界観を説明するサブストーリーも多く、また寓意に満ちていて、かつ登場人物たちのより深い場所でのつながりをそこから読み取ることができます。

　4コマ漫画という小さい箱の中で、複雑に絡まった人間関係の中でストーリーが編み上げられていることが、読み進めることによってわかっていく快感もまたぜひ味わってほしいポイントです。

　きゆづき先生については本作の終了とともに一時期連載作品はない状態でしたが

　GA完結記念イベントにも行きましたし

#これを見た人はもう見れない画像を貼れ
どちらの物語も完結したのだ#きゆづきさとこ展 pic.twitter.com/qJy1NHLgOF

— 端黒 歯車@skeb募集中 (@gear_t_destiny) 2019年9月20日

  後日談テイストのショートストーリー集も出ました。

　さらに、画集も発売されたので買いました

画集　棺担ぎのクロ。?標本図鑑? (まんがタイムKRコミックス)

画集好きなんですよね。イラストに込められた作者の考え、思いを知ることができて

読みなれた漫画に新しい驚きを与えてくれるので。　

そして、画集のなかには次回作進行中の文字が！

　きゆづきさんの紡ぐ物語の雰囲気が大好きな私は

　この情報だけでごはん三杯いけるので、食卓で素敵な料理が出てくるのを座して待ちたいと思います。

　ご清聴頂きありがとうございました。

棺担ぎのクロ。?懐中旅話?　１巻 (まんがタイムKRコミックス)

棺担ぎのクロ。?懐中旅話?　２巻 (まんがタイムKRコミックス)

棺担ぎのクロ。?懐中旅話?　３巻 (まんがタイムKRコミックス)

棺担ぎのクロ。~懐中旅話~ (4) (まんがタイムKRコミックス)

棺担ぎのクロ。?懐中旅話?　５巻 (まんがタイムKRコミックス)

棺担ぎのクロ。~懐中旅話~ (6) (まんがタイムKRコミックス)

棺担ぎのクロ。?懐中旅話?　７巻【Amazon.co.jp限定描き下ろし特典付】 (まんがタイムKRコミックス)

[まとめ買い] 棺担ぎのクロ。?懐中旅話?

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