革靴のフィッティングに興味が出てくると、次に気になってくるのはオーダーだと思います。思いません?
といっても木型からのオーダーは敷居が高いので、まずはパターンオーダーからですよね。
という事で、
- 関東近郊
- 常時オーダーを受け付けている
- アンダー10万円
という条件でパターンオーダーのできる店をリストアップしてみました!
例によって長くなりますので前編です。
最初に
パターンオーダーのブランドについては自身の工房で作成されているパターンもありますが、
他社に生産を委託している、いわゆるOEMでを行っているところが多く、
私が知る限りではおおよそ3つの工場に別れています。
ですので今回は工場でグループ分けして紹介していきます。
パターンオーダーを受けている主なOEM先は
- セントラル系
- ジョーワークス系
- 宮城興業系
です。
ということで行きます!
セントラル系
セントラル靴は、三陽山長の靴のOEMを手掛けており、またトレーディングポストのオリジナルラインの生産も引き受けていることからも、とても技術力のある工房であることがわかります。
三陽山長
ということで一発目は三陽山長さん
三陽山長はアパレルブランドの三陽商会が持つ紳士靴ブランドで
2000年に「山長印靴本舗」として立ち上がったものを
三陽商会が商標獲得し、2001年に三陽山長としてスタートしたものだそうです
山長時代短い
そんな三陽山長が手掛けるオーダーは
¥89,000+税からとのことです
Brosent
https://www.instagram.com/brosentofficial/p/BxOr12Nh2iA/?igshid=5e7oi9wb59m7
brosentは某紳士靴専門店で企画などをされていた清水さんと、某シューケアメーカーでカラリストをされていた本間さんという方が営んでいるパターンオーダー専門のお店です。
セントラルとは、清水さんが前職時代にお店のオリジナルブランドの製作を依頼した時からの縁で、RENDO同様セントラルのことを熟知されています。
ここで大体清水さんの前職がわかっちゃいますかね💦
たぶんご本人もあまり隠していないと思いますw
また、こちらのお店の特徴はフリーカラーシステムと料金システムです。
フリーカラーシステムはカラリストの本間さんによる手染めのサービスで、アップチャージ無しで色、染め方を問わず対応してくださいます。
最近アップチャージがつくようになっちゃいました
brosentのHPで提示されている金額は、箱代を含めたほぼほぼマックスの金額で
ここから加算されるのは、パーフォレーション、コインローファーの穴、コンビ革、木型の乗せ革、になります。
色々オプションをはずしていくと結構安くなるのも魅力です。
木型はラウンドトゥとソフトスクエアトゥの二種類になります。
店舗は目黒にありますが、販売を委託しているパートナーショップが複数店舗ありますので、関東以外でも購入することができます。
ブロセントさんを紹介する記事を書きました!
ジョーワークス系
ジョーワークスはその成り立ちから下記のブランドと非常に縁が深く、またセントラルとも関係のある工房です。
KOKON
https://www.instagram.com/kanazawa_kokon/p/BxCQlR8BF6L/?igshid=16kh6h1093c25
個人的に、パターンオーダーで名店、と考えるとまずこちらが思い浮かぶ、パターンオーダーの老舗になります。
当初はセントラルに発注をしていましたがKOKONからセントラルに出向してきたスタッフが独立してジョーワークスを立ち上げたため、現在はジョーワークスに発注しています。
こちらの特徴として踵が小さく、はくのに苦労するデザインもありますが、入ってしまうと驚くほど快適です。
また、オーナーが革の目利きで、貴重な革や、
ほかで扱っていないような珍しい革をお持ちなのが特徴です。
店舗は金沢にありますが、KOKONの靴を扱っている靴屋は金沢以外に数店舗あり、
関東では横浜中華街近くの「gloucester road shoes shop」で購入することができます。
クレマチス銀座
クレマチス銀座は、KOKONでハンドグレードラインを担っている高野さんが立ち上げたブランドで、クレマチス銀座のマシンメイドラインはジョーワークスで生産されています。
クレマチス銀座の特徴は木型とデザインです。
クレマチス銀座の木型は甲が薄く、既成の靴では羽が閉じてしまう方は是非試してみていただきたい木型です。
とはいえ、どちらかと言うと甲高な私でも違和感無くはけましたので、とても懐の深い木型だと思います。
また、デザインに関しても、一般的なデザインにアレンジを加え、独特の繊細さが生まれています。
特徴的なデザインを求められている方にもおすすめです
ジョーワークス
KOKONとクレマチス銀座の生産を担っているジョーワークスも自社名義でのパターンオーダーを展開されています。
ジョーワークスの特徴は、靴を作る方に直接フィッティングを見てもらえる点です。
例えば、フィッティングの結果から、羽の閉じ具合を考慮してあえて羽の角度を変えたり、デザインでもステッチをなくして代わりにパーフォレーションにしたり、
その場で出来る出来ないの回答がいただけるのもジョーワークスの良いところです。
ジョーワークスは関東の工房以外にも北海道、新潟、名古屋に販売を委託いている店舗があります
※ジョーワークスのオーダーレポです
宮城興業
謹製誂靴
宮城興業は古くからREGAL等の国産ブランドのOEMや海外ブランドの日本向け生産を担っていた工場で、国内の工場ではいち早くパターンオーダーを展開しています。そのパターンオーダーのブランドが謹製誂靴です。
謹製誂靴の特徴は、豊富なデザインバリエーションと日本全国でオーダーできる販売網の広さです。また、海外展開も積極的でその販路を日本以外にも広げています。
しかし、取扱い店舗ごとに価格や取り扱ってる皮革の種類、フィッテイングスキルに差があります。同じオプションでも店舗によって価格が違うこともあります。
基本価格は安いけど、革を良いものにすると他の店の方が安い、何て言うこともあります。
木型は3種類ありますが、サイズおよびウィズごとに木型が用意されており、高価格な店舗はおいてあるサンプルシューズが多い傾向にあるようです。
パターンオーダー初めてのかたをターゲットにしていると思われ、踵にすこし余裕のある木型だと思います。
取り扱い店舗の一覧は宮城興業のHPにありますが、上記の通り価格設定は取り扱い店舗に委ねられており、店舗のHPには詳しいオプションの記載がない(HPによっては基本価格の記載すらないorz)ので、色々オプションをつける場合、そのオプションが設定可能か、トータルでいくらになるかは実店舗にいかないとわからないことが多いです。
【2019/11/27追記】宮城興業を扱っているお店について、別途記事にしました
荒井弘史靴誂え室
荒井弘史靴誂え室は、宮城興業から独立した荒井弘史さんが手掛けるパターンオーダーのブランドです。
浅草にありますFANS浅草本店というお店でオーダーが可能です。
ラストの種類は大きく分けて3種類で、そこからトゥの形などでさらに分岐していきます。
また、1つのラストのパターンでもwizとlengthごとにサンプルシューズがあり、その数は圧巻です!
5のA-wizとかもありますので、足が小さすぎて合う靴がないかたの駆け込み寺にもなっているそうです。
荒井弘史靴誂え室の特徴は上記のフィッティングサンプルの豊富さ以外にもたくさんあります
まずはデザインの豊富で、デザインサンプルは是非見に行ってもらいたいです。
その上軽微なデザイン変更も3000円の追加で対応可能です。
はいてみて痛みがある箇所については無料で木型を調整してもらえます(削る方向は無理)
二つ目が用意しているレザーの豊富さです
代表的な高級皮革であるアノネイ・デュプイ・ワインハイマーを全部取り揃え、カーフのなかでも特に貴重な生後6ヶ月以内の皮を鞣したベビーカーフもラインナップ。薄くてしっとりしたさわり心地は是非さわってみて欲しい。
ベビーカーフもその他高級皮革と同じく16000円のアップチャージ(令和元年5月現在)でオーダー可能です。
コードバンの色数も豊富で、象や猪など珍しい革もたくさん取り揃えています。
実際にフィッティングを確認した時のレポートです
中書き
前半はここで終了です。
前半では著名なパターンオーダーのブランドを、そのOEM元に絡めてご紹介していきました。
後半からはそれ以外のパターンオーダーのブランドについて紹介していきます