男同士の友情っていいですよね。
レースで男同士の友情というと、
RUSH/プライドと友情
を思い出しますが
あちらはライバル同士の友情
こちらはチームメイトの友情と
だいぶテイストが違いますね。
どちらも名作でした
主演がアメコミに縁があるのも共通してるなぁ。
さて、私この映画見るまで勘違いしていたことがあって
予告見ていた時は、てっきりマットデイモンがドライバーでクリスチャンベイルがメカニックだと思っていたいんですよね
CMでも「そんな短期間でフェラーリに勝つのは無理だ!」
ってベイルが嘲っていたので不可能に挑戦する映画なのかなーって思っていたので
マシンスペックの面では案外簡単に肉薄したなーというのがちょっと残念だったり
困難は困難でも技術的な面ではなくて政治的な面でしたね。
大衆車とスポーツカーでは根本的に考え方が違うんだ見たいなギャップを克服する映画と思っていたのですが
まぁ専門用語ゴリゴリでどこを削って軽くして・・・とかだと一般受けはしないか。
それよりも、人間関係の力学と、マシンスペックを目いっぱい引き上げたうえでの
マシンと人との対話といった点にクライマックスのポイントをフォーカスしたのは正解だと思う。
破天荒だけど自分の仕事にプライドを持っているケン・マイルズの精神性がストーリーの柱になっていて、フォード経営陣の無茶ぶりにゴリゴリ削られながら同じルマンに命を懸けた男として最大限の助力をするシェルビーのいびつな友情関係ににやにやが止まらない。
映画公開直後はウィキペディア日本語版にケンマイルズのページはなかったのですが、
もうすでに出来上がっているのは映画の影響力を感じます。
そんな破天荒なケンと彼の生きがいを共に愛する奥さんも最高でした。
ドライバーに選ばれず、ちょっと不貞腐れながら工場でラジオを聴くケンをダンスにいざなうシーンとかほんとにね。もうね。
最初から最後までずっといい女だった。
奥さん本当にあんな人だったんかな。
衝撃のラストのあとにシェルビーとあった時のリアクションまでええ女だった。
ふつうだったらシェルビーに当たり散らしてもいいのにね。
同じモータースポーツを愛する同志として、シェルビーに怒りをぶつけるのは、
ケンの生き甲斐を否定することになるからだろうか。
エモい、エモすぎる。
辛かったけど、本当にいい終わり方だった。
辛かったけど。
ばれなしでも話した通り、ベースとなる実話については私全く情報を持っていなかったので、どういう結末になるのか全然知らなかったんですけどね。
中盤やたらモータースポーツによる事故死についてちらつかせてきたので
ラストのルマンでいつケンは事故るんじゃろうかと、レースの結果とは別のところでハラハラしてたんです。
ストーリー上フェラーリにフォードが勝つのは確定事項じゃないですか。
それで、フォードが3チームいて、フェラーリのチームが全員リタイアしちゃって
もうケンの車がリタイアしてもフォードの勝利は揺るがないじゃないですか。
だもんだから、ケン死なないだろうかとずっとハラハラしながら見ていて
優勝できなかった!副社長この野郎(実は副社長は良い人らしいね)
でも無事でよかった・・・
と安堵してからのあの結末・・・
ケンに感情移入したり、シェルビーに感情移入したりで
なんかもう心バッキバキに折られてしまって呆然自失になってしまいましたが
最期の奥さんの表情にすごく救われた気がしました。
めっちゃつらいだろうになぁ。
すごくシンプルだけど力強いストーリーに心を揺さぶられる名作でした。