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ロジカルな伏線配置に脱帽【#映画ドラえもん のび太の絵世界物語】

子供にせがまれて、

今年も見に行きましたドラえもん

 

 

 

去年のドラえもん今見返すとんまり悪いこと書いていないんだけど

実はそんなに良かった印象が残っていないんです

音楽をテーマにしていたんだけど、

秘密道具で音楽の才能を底上げしていたことに、ストーリーの都合上問題ないとはいえちょっともにょったり

キーアイテムが役に立たなかったり

のび太がうまく出せなかったリコーダーの音がその代わりになるくだりもかなり強引だったり

 

なもんで、うーん今年もドラえもんの映画連れて行かないといけないかー

とちょっと気が重たかったのですが

 

いやはや、なかなかどうして

今年のドラえもんは凄かった

 

ファンタジー設定というのが最近なろう小説ばっかり読んでいる私と親和性が高かったというのもあると思うのだけど

とにかく、シナリオ運び、というよりも、ゴールを決めたうえで逆算的に配置された設定達が一切の無駄なく回収されていく終盤の展開にもう本当にひっくり返るレベルで驚きました

 

今日日ここまできれいに話をたたむ作品無いですよ

子供向けと侮ってはいけない

さすがに、今年見た映画の中ではエモーショナルさでロズには及ばないですが

その次に来ても良いかなーイヤーガンダムかなーどっちだろうなーくらいには良い感じでした

正直がっつり語りたいのでネタバレ全開です

未見の方に言えることはひとつ、興味を持ったなら見たほうがいい

後悔はしない

 

 

 

 

まずOPが最高

絵の中に入っていく、ということで

様々な絵画のパロディが流れるOPはそれだけで見ていて楽しく

また知識があればあるほど元ネタがわかってさらに楽しい

父としては映画を見た後に、子供にこれがれだよ、とマウントをとって楽しんでいました

最初にミュシャ持ってくるのがよいですね

日本人ミュシャ大好き

ほかにもしずかちゃんがモネをやったり

モネ作品集

モネ作品集

Amazon

ジャイアンが牛乳を注ぐ女をやっていたのはあれむしろきんに君のパロディかな


www.youtube.com

 

 

絵を描くことに真摯に向き合っていたのも好印象

マイロが絵の具を作っているシーンをあえて入れていたのも

絵画というテーマに真摯に向き合っているんだなと結構好印象でした

あーこれがテンペラかー山田五郎さんのYouTubeで見たわー

見たけど作ってるところ見れるのムネアツだわ。もんじゃみたいで面白

そんで、前作で私が不満だった、ひみつ道具でスペシャリストになろう

というのを本作ではしなかったのも凄く良かったんですよ

絵を描くこと、その才能は本作ではあまり重要視されていなくて

それを一番絵がうまいマイロ自身がのび太に伝えている

上手い下手ではなく、好きな感情をぶつけることが大事

確かに、絵画のうまい下手は時代によって変わるしな

というのもありつつ

上手い下手は重要ではないから、のび太の書いたドラえもんの絵が

最後の切り札になる

その展開もまた

作品のテーマから見てあまりにも自然で、矛盾なく、必然である

という無駄のなさ

何度も言うけれども脱帽です

そして、知らなかったんだけどのび太パパ画家志望だったんだね

 

現実とファンタジーをうまくつなげたラストバトルもお見事としか

今回の話のカギとして、クレアの予知夢に出てくる「暗黒の騎士イゼール」と赤き龍は

アートリア王国が実在したことが確定した時点で、実際には存在しないものになるので

どういう落とし所にするのかなと興味深く話を見ていたのですが

なるほど、絵から出てきましたかと、これならファンタジー要素を無理なく持ってこれる

(まぁドラえもん自体がファンタジーではありますが・・・)

そんで、本作のヴィラン ソドロもいいキャラしていました

名前がコソ泥のもじりで悪役確定なのはご愛敬

ではありますが

後先考えない利己的な享楽主義者で、未来人であるがゆえにひみつ道具の扱いにもなれ

ドラえもんと同じレベル感で戦っているのが結構新鮮でしたし

あぁこいつなら「面白そう」というだけで制御できるかどうかも考えずにイゼールを解き放ってしまうわな

という納得感もありました

あと、いっちゃん最初にラビュリントスの絵から逃げ出したのび太とドラえもんを追って、ミノタウロスが絵画から頭を出したのも「絵画の中のものも、はいりこみライトを使うと出てくる」という軽い伏線ではあるんですよね

 

実際はイゼールと赤き龍は火山の噴火の神話的解釈なんだろうなと思うんですが

そこも、クレアの予知夢は事実イゼールと赤き龍の襲撃を予知していたけど

今はアートリア王国はないという事実が、もっと未来の火山の噴火を予知していた

と受け取ることもできて、そこらへんのミスリードがとにかく今作はうまいと感じました

 

敵の倒し方も納得しかなくて本当に隙が無い

どうやったらこんなのに勝てるんだ・・・からの

「絵から出てきたから水に弱い」

は確かに本当に確かに

という感じだったし、じゃあ水かければ勝てるのかといえば

当たらなければどうということはないといわんばかりに風圧ではじく、

白化光線で固める

と、反撃方法も抜かりなく

スネ夫、しずかちゃん、クレア、ジャイアンとどんどん仲間が倒れていき

最終的にすべてが白化した時の絶望感が半端なかった

隣で見ていた長男は

「え?これどうなるの?だいじょうぶなの?」

と挙動不審になりながらこっちを見てきてちょっと面白かった

あわや全滅かと思いきや、ひらりマント全損しつつもなんとか無事

という所で本当にあわや、という感じでしたが

そのあとにひみつ道具でできた砦が出てきたときの「アハ体験」感はやばかった

ドラえもんが謎の粉をかけようとした時点で確信に変わり

そしてドラえもんの絵ですよ

淀みねぇ

 

ラストの展開は虚を突かれた

今まで一緒に冒険をしたクレアが、本物ではなかった、というオチはかなり衝撃でした

これ言われるまで本当に気が付かなかったんですよね

これも最初のミノタウロスからイゼールの出現を経由しての丁寧に貼られていた伏線

絵画の中の少女が抜けてきたのだから、そりゃ本人ではないでしょう

というのはおっしゃる通りなんだけど

でも、作劇としてもわざと誤認させるよううまく仕掛けられていたなと

最初に、クレアがワームホールに吸われた後にあの森に辿り着いた様に見せていたから

この2つのシーンがつながっているように見ている方は感じるんだよね

しかもクレアはサークレットをつけていない

でもこれも、絵の中のクレア(以後クレア´)は後ろ姿しか見せていないからだと思うんだよね

だから、クレア´がサークレットをつけていないことに矛盾がない

 

あれ、あれれ?そういえば、クレア´も水に弱いのではと思ったけど流しそうめん食べてない。。。マジか・・・

イゼールの眷属もかるがるつりざおで放り投げているだけで、水に近づこうとしてない

てっきり釣り竿気に入っただけかと思ったけど、徹底していやがる・・・

 

あと、思い返していて気が付いたんだけど、私多分途中まで

劇中のアートリア王国は絵の中のアートリア王国だと誤認していた気がする

あのアートリア王国が本物なのか、偽物なのかあいまいなまま

そしてあいまいなままにしていることにも気が付かずに見ていたなと

事実としてクレアは失踪しているので、アートリア王国´でも彼女は失踪しているはず

ストーリーが進むうちに、いつの間にかこのアートリア王国は現実なのだろう理解してみていたのだけど、そのころには、アートリア王国´という発想そのものが頭の中で消えていてなので本作最大の仕掛けを完全にノーガードで食らってしまった

 

『はいりこみライト』が壊れたことで、クレアとチャイは絵の世界に戻っていったわけだけど、絵の世界を通してアートリア王国にやってきたドラえもんたちは現代には戻らなかったのか?というのはちょっと気になったけど、まぁ、あくまで絵の世界をタイムトンネルとして通過しただけで実質的にはタイムトリップ

ということであれば、一応ロジック的には成立するのか

あれ?でも、最初から入り込みライトを壊していればイゼールも消え…止めようこれは流石に野暮だ

 

最後に本物のクレアがパルにサルベージして無事に帰ってきたけど

ちょっとご都合主義かなという気持ちも見え隠れするものの

ここも、クレアは予知夢の能力持ち、という設定で十分カバーできると

何より、そこに疑問を持ちたくない

と思えるくらいには、ビターエンドを覚悟していた身としてはうれしい終わり方でした

まぁ子供向けだからね

とは思いつつ、これくらいのビターならむしろ早めに子供に摂取させてもいいのかな・・・・

とか大人の目線で見てはいましたががが

 

最後に

ちょっと意外な掘り出し物でした

どうも本作を手掛けた寺本幸代監督は久しぶりのドラえもん映画ではあるものの

過去手掛けた作品はかなり評価が高いみたいですね

時間が出来たら子供と一緒に見てみようかな。。。

 

 

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去年のドラえもん映画の感想記事です。

あんまりはまれませんでしたね

 

belphegor729.hatenablog.com