予告がえぐいくらい良くて
時間があったら見たいなぁ・・・
もう、有休取るか
月1回有休取るって決めて早速5月1日も有休取れなかったし
6月早速有休いただいて、見に行きました
映画 国宝
いやぁ
とんでもない映画でしたね
とんでもない映画だからこそ、惜しいなぁという気持ちも強い作品でした
伝統芸能に脈々と流れる狂気
本作を見て一番感じたのはここかな
伝統芸能が伝統芸能足りうるために必要なもの
積み上げてきたもの
狂気
それは、本来次世代を担うであろう、俊坊の息子が
血だけを頼りにこの世界に踏み入れさせようとするのに足りなかったもの
なぜ伝統芸能の棟梁息子を、右も左もわからぬ年齢からひたひたに沈めてしまうのか
この業界がまとう狂気をしみこませているからなんだろうか
そして喜久雄は、すべてを失ってしまったからこそ、真綿のように芸を吸い込み
芸と一緒に狂気を取り込んでしまった
それこそ、悪魔に魂を売るほどに
まるで悪魔に手渡されたような人間国宝という座に
伝統芸能とはきれいなものではなく、だからこそ美しい
そういう思想を感じましたかねぇ
日本一の歌舞伎役者
それ以外に必要ない
と悪魔と取引をした結果
師匠が死に
女が離れ
才能を発揮する場を(一時的に)失い
挙句の果てに半身のような友人まで、父である師匠と同じ病気で舞台の上で死ぬ
糖尿病は遺伝するんだってねぇ・・・
先代の人間国宝である万菊も
美しいものに囲まれ、美しくあらねばならぬと追い詰められていたようにも見え
歌舞伎というものの業の深さを感じる
喜久雄=3代目、仇はとった
といっているので人殺していると思うんだけど人間国宝になれるんですかね
背中にほりもんしていても大丈夫なんですかね
とか疑問に思ったりもしたけど
清濁併せ呑むのがあの業界
という感じなんでしょうか
ビジュが凄い
とにかく映像美が凄かった
わざわざ海外の人間を撮影スタッフとしてアサインしているだけあって
絵作りにこだわりを感じる
特にライティング、舞台の上から見た客席だったり
落ちぶれて旅館の屋上で飲んだくれながら舞を踊るシーンだったり
全体的に原色の強さを感じました
美術スタッフも、東映京都撮影所がかかわっていたり
本物をそこに再現しようという強い意志を感じますね
まぁ本物見たことないんですけど
そんな私のような人がメインターゲットだと思うんですよね
そういう人達まで動員しないと興行的な成功はないでしょうし
そういう人たちにに、歌舞伎ってすごいな、見てみたいな
と思わせたいですよね
「あぁ、歌舞伎ってこんなものか」
と思わせてはいけないし、
実際に歌舞伎を見に行って
「やっぱりあの映画は作り物だったな」
とも思われたくない
主演二人は本当にやばい
そんで、そんな撮影スタッフの熱量に
主演の二人は完ぺきに答えたなと
とにかくトップオブトップにやばかったのはもちろん吉沢亮君でしたが
最後の曾根崎心中は横浜流星君の熱量も凄かった
この二人の関係は
ここぞという舞台では常に吉沢亮君の演技が凄くて
曾根崎心中でだけ、俊坊、半弥が劇場を支配していた
という塩梅も凄く良かった
あれ、残っている足も糖尿病で壊死しかけているのえぐかったなぁ
足に縋りつくくだりをこう使ってくるかと
3代目最後泣きながら介錯してましたけど
この舞台の上で半弥死ぬことなんとなくわかってただろうな
舞台を途中で止めることを拒否したのは3代目
それは同時に、半弥に限界を超えさせ、死んでしまった
彼を殺したのは3代目、ということを示唆している
劇と現実がオーバーラップする演出はたびたび出てくるけど
そう考えると3代目も舞台の上で死にたいんだろうな
という風に見えてくる
曾根崎心中調べるためにwikiってたら
曾根崎心中長いこと歌舞伎で演じられていなくて、復活させたのが
今回歌舞伎指導として参加していた中村鴈治郎さんの先々代としってほげぇとなる
この方に頼んだ納得の理由があったんですねぇ
で、舞台の上は基本的に吉沢亮君が輝いていましたが
通常パートは横浜流星君の独壇場だったなと
やっぱり劣等感にまみれておなかの中がぐるぐるしている人は良い
青春時代、いろんなものを喜久雄に奪われそれでも彼を嫌いになれない
二律背反で引き裂かれそうな彼のたたずまいに心引き裂かれそうでした
耐えられなくなって、春江と逃げだすのも良いよね
嫌いになれない、でも比べられて生きていくのはつらい
この子が舘プロの秘蔵っ子か・・・
去年かな、あぶない刑事のプロデューサーの話を聞く機会があって
そこで、舘プロにすごい若い子が入ってかわいがられている
というのを聞いていたのですが
黒川相矢くん
マジで凄いな
吉沢亮君の若いころを完ぺきに演じてたし
歌舞伎を完ぺきに仕上げてきた彼の幼少期としても恥じない仕上がりをしてきていて
これはマジでやべぇなと
まだ15歳かぁ・・・オーラを感じたよ
よくよく考えたらこの子推しの子でニノの幼少期もやってるんよな
後半が駆け足すぎる・・・
この映画、原作は前後編の2冊なんですってね
確かに、原作でたくさん演じた演目から映画に再編集するにあたり、数本に絞った
と監督インタビューで行っていたので、原作はもっと壮大なストーリーがあるのは間違いなさそうなんですよね
映画のどこまでが青春篇で、どこからが花道篇なのか想像するしかできないけど
映画も俊坊出奔あたりで区切って、前後編で良かったんじゃないかと思うんですよね
とにかく成年になってから、平気で2年8年16年とポンポン時間が飛んでいくので
喜久雄、俊坊の苦労を共有できないんですよね
喜久雄の過去がばらされ、隠し子も発覚し、女に連れられて逃走
宴会で誰も見ていない芸を披露し、今がどん底です
まぁわかる
ただそこで、晩年の人間国宝万菊にあって、歌舞伎役者復帰を決めて
次のカットではもうすでに大スターに返り咲いている
いやいやいや
「お前のための舞台を用意する」といった俊坊に対してぼろくそに悪態ついていて
良く二人道成寺で復帰したなと
若いころと同じカットで対比させた構図はかなりエモかったですが
演じるまでにあったであろう二人のやり取りにこそ物語の旨味が絶対あったと思うんですよね
ストーリーのテンポ的に、そういったところをそぎ落としたかった意図がありそうなのは何となく感じてはいるし、はいっていたら入っていたでテンポ悪くなりそうだなとも思うのだけど、見たかった。知りたかった
喜久雄が肩代わりした2代目の借金はどうなったのか
歌舞伎の世界にカムバックするにあたって、ちゃんと半弥は引き受けたのか
とかね・・・
原作読めってことなのかな
次の話とも被るけど、描かれていないからうまく気持ちが乗らないなぁ・・・
って思っちゃうシーンは結構あったんですよね・・・
二人を取り巻く女性の描写もいまいち
主役の二人は本当に良かった
彼らをとりまく男衆も良かった
2代目役の渡辺謙はもちろん
個人的には、最初喧嘩売ってきたくせに、終盤3代目の一番の理解者になっていた
三浦さん演じる竹野めっちゃ好きだったですが
男の世界の物語だからなんですかねぇ・・・
女性回りの描き方がだいぶ雑かなと・・・
二人にかかわる女性は3人
喜久雄の幼馴染だったはずが、いつの間にか俊坊に乗り換えていた春江
いつの間に?なんで?
俊坊もこの子選ぶんだぁ・・・
という驚きもあり
何で?っていう疑問も強く
この三角関係に揺蕩う闇だけで1時間のドラマが隠れてるでしょ
喜久雄のために劇場建てるとまで言っていたのに・・・
男の手を取って女が心中しようとする演劇と
俊坊の手を取って春江が逃避行に道井びいていく現実の対比えぐかったわ
首を振りながら演技する喜久雄が、もうすでに劇場にいない
一番自分の舞台を見てほしい二人を探しているようでほんとしんどかった
そして、一瞬移ってどこ行った?と思ったら実は喜久雄の愛人がそうだったと
最後の娘との会話で気づいた藤駒
いやぁ、わからんて
藤駒とばっかりいちゃついてたから春江は離れていっていたのかしら
一番残念だったのは、ぽっとでてきて、一緒に逃げて(ここも皮肉が効きすぎるくらい俊坊と春江の天丼でしたね)
愛想つかして去ってった彰子
この子絶対書き切れていないよなぁ
吹っ飛ばされた数年の間にたくさんドラマあったよなぁ
って思うんですよね
しかも別れた後に歌舞伎復帰して最終的には人間国宝でしょ?
見捨てた相手が
わかる。わかるよ。
彼女にとって若さゆえの過ち
喜久雄にとってはとりあえず流されてついていっただけ
絶対に破綻する関係性だった
その関係性に、噛めば噛むほど味が出そうな気がするんよね
いや本当に、3時間の映画に収めるには喜久雄の一生は濃すぎる
最後のインタビュアー
「順風満帆な歌舞伎人生」
ってどこ見ていっとんねん
でしょう
あれも、2014年に若いインタビュアーだと歌舞伎役者に対する知識ってそんなもんよね
というドライな視線だったのかもですが
やはり、前後編くらいにはしてほしかったかな・・・
最後に
SNS上では今年ベストの評価をする方多いですね
個人的には満足感は高かったものの、終盤のストーリーの密度が薄くて物足りなさを感じたのも事実
監督インタビューとか読んでると結構はしょっていそうなので小説を読みたくはなってきますね
多分読めないけどね
長編小説を読めていたころに戻りたい・・・
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