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かげきしょうじょ 8巻

かげきしょうじょ 第8巻は

さらさの代役をかってでた愛ちゃんの顛末と

祖父が倒れたことを期に浅草に戻り、自分と歌舞伎についてあらためて見つめ直すさらさ

本作の主人公二人にあらためてスポットライトを当てる巻でした。

漫画の表紙も、さらさと隈取りをした暁也くん

 

歌劇への情熱が生まれ

今の自分と同じような情熱をかけていたJPXのメンバーたちに冷めた目を向けていた過去の自分を省み、過去の自分から脱却する名シーン

愛ちゃんどんどんいいキャラになっていくなぁ・・・

地味に乳母役のポーズが可愛くて好きですが

乳母とロミオはメインキャラクターじゃないのもリアルですよね。

薫ちゃんロミオ役に手を挙げてそうだけど、ダメだったか・・・

 

愛ちゃんが噛んじゃうのも、意外とプレッシャー耐性が人並というのが少し語られていたりもしたので、まぁさらさを見ていただけのピンチヒッターというプレッシャーは相当なものですよね。

ギャグシーンでもあり。

他の予科生と比べ多少場慣れしているだけの彼女ができる現実的な限界もここで提示しているんですよね。

そもそもさらさをコピーできるだけでも今までの愛ちゃんからしたら才能開花ですしね。

 

そして、浅草に帰ったさらさは、まさにこれまでの自分の総括をしていくんですよね。

祖父の無事に安堵し

そのうえで、今後の自分の立ち振る舞いについて、考えていく

煌三郎との会話もひりひりしました

もっと一緒の時間を過ごしたいけれど、それをおくびにも出さず、

軽い立ち振る舞いで、でも少し突き放してさらさと触れ合う煌三郎

そんな煌三郎”大先生”に舞台役者の先輩として心得を乞うさらさ

 

芸の道を進むものは、もはや人ではないのかもしれない

15代目白川歌鷗は化け物である

煌三郎も既にそうであり

さらさもいずれそうなる

 

暁也くんがはっぱをかけるシーン

健爺さんがさらさにやさしく語り掛けるシーンを経て

やっとさらさと暁也くんが対等な関係性になれたのかな

ここからがやっとスタート地点なんだなと思いました。

 

話それるけどちょいちょい出てくるおじいちゃんの回想シーンも好きなんですよね。

この人にも良き人生があったんだなと

そして、善き人生を歩んできたからこそ、さらさにも同じように良い人生を歩んでほしい

そういう説得力を短いシーンで描いていてすきです

 

ただ、事ここにきていまだにさらさの母の話が全く出てこないのが凄く不穏

祖母と同じ墓に入っていないのではないかという雰囲気もあり

ここまでくると、腫物といっていい扱い

彼女のことについて語られるときは、めちゃめちゃ重いエピソードになるんだろうなぁ

 

浅草編の最後にさらさの姉を名乗る謎の女性がでてきて終わりますが

今回は顔見世ですが、彼女もすごく好きなキャラクタなので、早く語りたいですね!

 

そして舞台は紅華に戻り

さらさが戻ってくると聞いてそわそわしたり

みんなの前では平気だったものの、さらさを前にしてふがいない感情が爆発しちゃった愛ちゃんをめでたり

7巻のスピンオフで聖ちゃんの本当の気持ちを知ってしまったので

冷たい物言いが彼女なりの励ましなのもわかってうれしかったり寂しかったり

彼女の舞台はあそこで終わったんよね・・・

 

 

最後、巻の終わりに

さらさ視点でも99期生が卒業し

101期生が入学する

 

今回もスピンオフなしで

かげきしょうじょ第一部完

といわんばかりの怒濤の展開でした

 

こんどはさらさたちがおねえさまになる今後の展開がとても楽しみです

 

 

しかし、アニメここまでやってほしいけどどうだろうなー

むしろ駆け足でやられるくらいなら尻切れトンボのほうがいいかもなー