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『トロン:レガシー』感想|オリジナルの解釈の違い、トロン:アレスとの比較

トロン:アレスを劇場で観た勢いのまま、シリーズの流れを改めて整理したくなり、
『トロン』『トロン:レガシー』をディズニープラスで見直しました。

『トロン:レガシー』は公開当時に劇場で観たものの、世界観の解釈違いが大きくて、正直まったくハマれなかった作品。
今回の再鑑賞でもその印象自体は変わらなかったのですが――

『トロン:アレス』と比較しながら観たことで、レガシーがシリーズ全体の中でどんな役割を果たしていたのか、輪郭が見えてきた気がしました。

 

 

劇場公開時の印象

劇場公開時に観た『トロン:レガシー』は、どうしてもオリジナルの延長線上とは思えず、強い違和感が残りました。

デジタルワールド「グリッド」に、有機物である木が生えている。
プログラムたちが食事をする。
情報と光だけで成り立つはずの世界観が、どこか現実寄りに“肉付け”されてしまっていると感じてしまった。

オリジナルの「必要最低限の情報だけで構築された世界」は、水を飲むシーンはあったけど、それも飲むとスーツのラインが光る、というように、世界観に一致した表現でした。
ディズニープラスで再鑑賞しても、この印象はやはり変わりませんでした。
映像や光の演出は確かに美しい。30年の進化を感じる技術力も素晴らしい。
それでも、「これじゃない感」が拭えない――そんな作品でした。

 

『トロン:アレス』との比較で見えるトロン:レガシーの位置付け

ただ、『トロン:アレス』と並べて観ると、レガシーの立ち位置が少し見えてきます。

アレスは明確にオリジナルを意識している一方、レガシーは世界観の解釈を大きく変えた作品。
この大胆な変化が、少なくとも私は公開当時あまり受け入れられなかった。

また、実際の評価としてもアレスまで15年ものブランクが開いてしまった原因ではと思ってしまう。

それでもストーリーラインだけを見ると、
「現実世界→デジタル」だったオリジナルから、
「デジタル→現実」へと物語次のステップにつないだレガシーは、シリーズの正当な進化の上にある。

さらにアレスでは、“現実へ出そうとするもの”がプログラムから人間に変わることで、
シリーズ全体の方向性がさらに発展していく。

ラストの展開がレガシーとほぼ同じ構造なのは少し残念ですが、
三部作で見るとレガシーは「浮いているけれど必要な作品」なんですよね。

 

デジタルワールドの表現・キャラクターデザイン

レガシーとアレスを比べると、デジタルワールド「グリッド」の表現やキャラクターデザインにも大きな違いがある。

アレスでは、アップロードされた人間はプログラムと同じスーツを着た状態で転送され、これはオリジナルをの世界観踏襲しています。

 

対してレガシーでは、主人公であるサム・フリンがデジタル世界にアップロードされる際は現実世界と同じ服装で、発光するラインが特徴的なあのスーツは、まるでープロテクターのように後から着せられる。

プロテクターを装着するサムフリン

プログラムと人間の違いを強調している、という見方もできるが、これはオリジナルからの大きな改変点。

スーツのデザイン自体も、アレスのほうがオリジナルの精神を受け継いでいると感じる。

アレスとオリジナルの比較



レガシーはアーマーというよりもスーツ。光のラインもよりシンプルだ。

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音楽とパートナープログラムは魅力的

レガシーの最大の魅力のひとつは音楽だ。
ダフトパンクが手がけたサウンドトラックは、デジタルワールドの光景と完璧に融合しており、映像体験を一層引き立てている。
映像表現に違和感を覚える場面があっても、音楽によって世界観に没入できる力は大きい。

また、主人公のパートナープログラムであるクオラのビジュアルは圧倒的に美しい。

演じるオリビア・ワイルドの魅力も大きいですが、このたたずまいだけで強いインパクトを残すことに成功していると思います。

アレスのパートナープログラム「アレス」も魅力的ですが、演じるジャレット・レト自身がそもそも個性が強く、そのインパクトにもって枯れていて、キャラクターとしての印象の強さでは、クオラに軍配が上がりますね。
このように、音楽とパートナープログラムのデザインは、レガシー独自の魅力として強く残る部分だとおもいます。

 

総括|レガシーの評価とシリーズ全体の価値

『トロン:レガシー』は、オリジナルの精神を完全には継いでいないものの、
音楽・デザイン・映像の強度で唯一無二の存在感を放つ作品です。

そして三作を一気に見直してみると、
レガシーが“世界観を再構築しようとした中間点”として確かに機能していたことが分かります。

オリジナルの革新性、レガシーの実験性、アレスの原点回帰。
この振れ幅の大きさこそが、トロンというシリーズの魅力なのかもしれません。

 

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