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【今敏映画感想】『東京ゴッドファーザーズ』がどうしても刺さらなかった話

渋谷シネクイントで開催中の「KON’Sシアター」で

今敏監督手がけた映画3本を見まして、

そのうちの『パプリカ』、『Perfect Blue』の感想はすでにアップしました。

今回は最後『東京ゴッドファーザーズ』の感想です。

アップした記事は本稿の最後にリンクを張りますので、そちらもぜひ見てみてください。

 

 

『東京ゴッドファーザーズ』のあらすじ

クリスマスイブの夜、東京でホームレス生活をしている、浮浪者然とした身なりのギン、オカマのハナ、家出少女のミユキの3人が、ゴミ捨て場で捨てられた赤ちゃんを見つけたことから、赤ちゃんの親を探して東京中を駆け回るドタバタコメディ。

駆け回る中で、3人がホームレスになった理由を知り、家族との絆を再確認していく。

聖夜の夜から元旦までを描いた、奇跡と再生を描いた物語です。

 

脚本は今敏監督ともう一人、カウボーイビバップやサムライチャンプルー、スペース☆ダンディなど、渡辺信一郎監督を支えた信本敬子さんが共同脚本で名を連ねています。

確かに、一般の日常からちょっとずれた世界観でのドタバタコメディ、という作風はこれらの作品と同じ空気を感じますね。

 

正直、私にははまらなかった理由

もともと過去に配信か何かで見たときも、そこまで面白いと思った記憶はなかったんです。

やっぱり今敏監督の作品の中では一番陽の作品ですし、良し悪しではなく、私が今敏監督作品に求めている作風ではないなという。

ただ、だいぶ記憶も風化していましたし、見た当時と今では私の映画の受け止め方もだいぶ変わってきたとも思うので、もう一度見てみたら感想は変わるだろうか・・・

というのが今回『Perfect Blue』と併せて観た経緯だったのですが、残念ながら”あまり刺さらなかった”という感想に変わりはありませんでした。

 

作品のテンポが体に合わなかった

多分本作がはまらなかった理由で一番大きいのがこれ。

おそらく意図的にされているとは思うのですが、エピソードの間、あるいは途中で流れを止めてしまう展開が挟まれがちだったように感じました。

泣いた赤鬼がどんな話かを結構丁寧に説明したり。

特に、おかまのハナさんが、話の主導権を握ろうとして来たり、またオーバーリアクションだったりでちょっと苦手なキャラでした。

なので、作品の時間はパプリカと同じ約90分でしたが、結構長く感じました。

今敏監督のほか3作は、難解だけど説明は控えめ、映像表現で見る人の感情を引っ張っていくジェットコースターのような映画だったので、やっぱり『東京ゴッドファーザーズ』はちょっと異質な作品なのかなと思いました。

 

音楽も他3作ほどマッチしているようには感じられず

実は劇伴もあまり良い印象を持っていません。

平沢進さんが劇伴を手掛けた『千年女優』も『パプリカ』も、そして『Perfect Blue』も、音楽の挿入はかなり絞っていた印象がありました。

ですが本作は、割とずっと劇伴がかかっていた印象だし、その楽曲の印象も、よく言えば昭和のポップ、悪く言うと騒がしく感じられました。

エンディング曲も、ベートーヴェンの第9に歌詞を当てていましたが、なんというか昭和ですね。コミックソングのノリが合わなかったです。

 

声優はよかったですね

ただ、主要キャスト3人は本職の声優ではないのにはまっていましたね。

特に、家出少女のミユキの声を当てられた岡本綾さんは自然体な演技が彼女の魅力を何倍にもしていたと思います。雰囲気は『時をかける少女』の仲里依紗さんに似ているかな。彼女も初声優で抜群にうまかった。

岡本綾さん、声優としての仕事は本作のみで、2007年に俳優業を引退されてもう連絡も取れない状態らしく、ちょっと残念ではあります。

 

最後に

国内外で複数の映画賞を受賞しているので、決して悪い作品ではないと思うのです。

ミユキはころころ変わる表情が非常に感情表現豊かで魅力的でしたし。

最後の展開で前提条件が崩れてくる意外性も今敏監督らしさが感じられるものではありました。

ただ私には合わなかったなぁ。今敏監督に私が求めているものとの相違が大きくて受け止めきれなかったのが最大の原因。最後だけ今敏監督らしくても、それまでの展開がはまれない分を帳消しにはできなかったですね。落ちもスパッと切りすぎて物足りなかった。

ただ、「今敏監督といえばこう」という強い思い込みがない多くの人には、肩の力を抜いて見れる楽しい映画になると思います。

クリスマスのたびに見たいと思う人がいるのもわかるんですよね。

 

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本稿の途中で触れた『時をかける少女』の感想記事です。

 

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