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映画、漫画、革のブログです

【片思い世界】感想|ビターで爽やか

ここ最近映画が当たりばかりで非常に楽しい

今年は当たり年ですね

白雪姫はあたりに行ったようなものなのでノーカウントだし

で、ちょっと所用で東京出る用事があったので

いくつか見たい映画あるなーと思って検索

ただ、いつも使っているTOHOシネマだと、そのうちの2本しかやっておらず

せっかくなので、あまり見ないジャンルのこちらの映画にしました!

人気の脚本家  坂元裕二さんの手掛けた作品で

視聴の決め手は、市内の小湊鐵道が撮影協力しているから

 

こういうヒューマンドラマ系ってたまに見たいなーと思うんだけど、でも大体存在しるのが配信落ちした後で、ちゃんと見ないと気がそれちゃいそうでなかなかね、見れないんですよね。

それこそ、この方脚本の「花束みたいな恋をした」は結構オタクたちの中で評判という話を聞くんだけど

メンタル安定していないと途中で心折れそうな雰囲気を感じてまだ見れていない

 

今年の春に公開されていた1st kissも評判いいですよね

 

こっちもなんか悲恋に終わりそうな予感が強くて、見逃してしまった今サブスクで果たしてみるだろうか・・・という疑問はあるのですが

 

なので、小湊鐵道が出ているというのが良いフックになったので

エイヤーで見に行きました

 

正直、座席ついたときに「映画を見ることが義務になっていないか?本当にこの映画見たいか?」

という疑問が頭をよぎったのですが

いやーこれがこれが、なかなかどうして、思うところはありつつも

見てよかった。見れてよかったと思う素敵な作品でした

そんで、多分これも映画館じゃないと見れなかったな・・・というタイプの映画でした

 

本作ネタバレされちゃうとマジで感動が半減しちゃうので(というのも身構えさせちゃうからネタバレになるんだよなぁという気持ちもありつつ)

こっから先はネタバレ全開で語っていくので、まだ見ていない人はぜひ見てから!

 

 

 

 

あぁ、片思い 世界ってそういう・・・

正直開始20分は見たことを後悔していたんです

天真爛漫といえば聞こえがいいけど、若干傍若無人に片足を突っ込んでいる、末っ子ポジションのさくらがかなり話をひっかきまわしていって

人を小ばかにしたような言動が多く、それを相手に聞こえるような距離で話して、

「なんだ?本当は小声だけど観客向けに大きなボリュームにしているのか?」とちょっと演出プランに不快感も覚えたり

そしてコンサートホールでステージに上がって大声で切れ始めたときは、共感性羞恥でもう見ていられず手で顔を覆っていたのですが

さくらが爆弾発言突っ込んできてから大声でしゃべっていたのも含め

「えーそれそういう・・・」

と、今まで不満点だったいろんな演出が、ぱちぱちとパズルのピースを嵌めるかのようにはまっていく

この転換は凄かった

間に合わなかったバスに、姉妹二人のために空けてくれなかったのに、あとから来た典真には空けてあげたのも「いやな運転手だなぁ」という不快感を感じたことも

美咲が会社の飲み会で会計の時にすっとトイレに入って時間つぶしていて「え?このこ飲み会の会計ですっと逃げて支払しない子なの?」ともやっとしたのも

親元を離れて3人で暮らしているのに、都内近郊でこんな立派な一戸建てはありえんやろ

とかも、まるっと全部、「幽霊だから」と、たった1シーンできれいに整地されてしまったのはシナリオの勝利というか、これは確かに売れっ子脚本家ですね

と完敗状態でした

 

片思い世界って、3人分の片思いがある世界

だと思って見に行ったのだけれども

もちろんそれそれぞれの人物の一方通行な片思いは描かれるのだけれども

生きていたころの世界を恋しく思う

思うけれども触れられない思いが届かない

3人が、”世界”に片思い

していたということなのね

 

すげぇ。すげぇよ

 

ドラえもんといい教皇選挙といい今年シナリオでうならせてくる作品多いな

たまたまそういうのをたくさん引いただけで毎年こういう作品はたくさん公開されているのだろうけれどもね

 

彼女らと世界のドライな関係は徹底している

ラブストーリーだと思ったらSF(すこし・ふしぎ)だった本作だけど

本作さ、矛盾がないように徹底的に、かけらも現世に影響を与えられないんだよね彼女たち

車の中に放置された子供が助かったのも偶然

(ヤカラ系と思わせておいてめっちゃいい人だったの良かったなぁ・・・w)

優花のお母さんが助かったのもあくまで自力

典真が立ち直ったのも、合唱団の先生のおかげ

 

3人は状況を変えようと頑張っている。頑張っているけど、

ようく思い返してくと、悲しいくらいに世界に影響を与えていない

与えられない

それは、感動のシーンですら

でも、影響を与えられていないのに、ここまで感動を演出できるのも

ものすごく難しいことをやっているよなぁと思うし

安易に彼女ら側から世界に影響を与えさせなかった

次の話にもつながるんだけど、感動のためにルールを曲げずに

自分で決めたルールの中でいかに観客の心を動かすか

むしろ、ルールを守ったからこそ、あのクライマックス、練習室(だっけ)のシーンの感動があったと思うんですよね

あそこマジで涙が止まらなかった

良すぎでしょ

ラストのコンクールも、もしかしたら美咲たちがここにいるかもなんて微塵も考えて無くて、今ここにいる子供たちのためにピアノを演奏する典真が良い

多分だけど、典真に気づいてもらえることを美咲は欠片も期待していない

期待していないからこそ、あそこまで伸び伸びと楽しく、朗らかに歌えているんだろうなと思うんですよ

奇跡が起きなかったのがよい

私が本作で一番良かったなと思うのがここなんですよね

中盤は、現世とチューニングを合わせ、戻ることが目的になっていたけれども

それは設定が厳しいんじゃないかと思ったんですよね

「心を通わせる」というのがだいぶあいまいでしたし

それに、心を通わせたのは3人の中で優花とお母さんだけだったよね?

なのにほかの2人も戻れるの?手をつないだから?

とちょっと疑問

もし戻れたとしても、死んだ人の戸籍はどうなるの?

戸籍もそうだし、学歴も小学校中退(?)だよ?仕事もらえる?

優花は、もうすでに新しい家族との生活を持っているお母さんのところに戻るの?

だもんだったので、まぁあのくだりなんやったんやねん感はあったけどそれでも元に戻れなかったのは良かったかなと思います

失ったものは失ったものなんだ

死後の世界は現世と同じレイヤーの上にある、というそうなのかもしれない「すこし・ふしぎ」があるだけで

それ以外に、サイエンス・フィクションな要素は全くない

から、死んだ人がよみがえる奇跡もない

死んだ人は、現世に何も影響を及ぼせない

 

でも、そういう世界で、死んだ彼女らは楽しく生きている

だからこそ、楽しく生きている死んだ彼女たちが際立っている

 

彼女らは世界を変えられなかったけど

それでもあきらめずに行動したことで

間違いなく彼女たちは変わった。成長した

心のわだかまりを解消し

当時と同じ制服で、同じ髪型で

合唱コンクールに出ることで、現世の未練に別れを告げる

典真ももしかしたら美咲たちがここにいるかもなんて微塵も考えて無くて、今ここにいる子供たちのためにピアノを演奏してる

それが良い

多分だけど、典真に気づいてもらえることを美咲は欠片も期待していない

期待していないからこそ、あそこまで伸び伸びと楽しく、朗らかに歌えただろうなと思うんですよ

そうして生きていた頃の気持ちを大切に仕舞い、整理をつけ

 

新しい入居者のために住んでいた家を退去し

明るく、朗らかに、前向きに

新天地に向かって旅立つ

 

最後雑踏から姿が見えなくなり、声だけが聞こえて終わっていくのとかもー最高すぎでしょ

誰にも見えない現状は悲しいことかもしれないけれど

全然悲しくないよ、楽しくやっているよ、未来には期待しかないんだ

とここまで死をテーマにした作品でポジティブに終われるの無いでしょ

 

狭い箱でしたがほぼ満員で、私の両隣もはなずびずび言わせてました

 

もう1回言わせて、典真君が立ち直るシーン神でしょ

本作で唯一奇跡が起きるシーンだと思うんだよね

12年前のノートがまだおいてあって、神様が起こしたらいたずら風で

美咲のノートが典真の手に渡る

なんで典真はコルネリアのセリフだけ読んでいるのかは

もしかして美咲の声が聞こえた(思いの素粒子のチューニングがあってきた)のか?

と思ったけど、アグリッピナのセリフを読むのは自分ではない、ということなのかな

と思いなおす

美咲の生の声は聞こえていないけど、典真の心の中で美咲が読んでいるのかと思うとさらにエモい

辛い

でも良い

最後抱きしめるところとかね、典真はぬくもりを感じられないけれども

美咲は間違いなく典真のぬくもりを感じられたと思うんだよね

そんで、美咲さんは何もできないかもしれないけれど典真を立ち直らせたのは間違いなく美咲ちゃんなんだ

というのも最高に良かったです

もう書いている今も号泣ですよ

エモかった・・・

エモかったなぁ・・・

そして典真を演じた横浜流星君

立ち直るまでの人相が違いすぎて、このシーンまで流星君だと気が付かなかった

立ち直ることで、いつもの横浜流星君が顔を出してきたというか

コンサートで髭も剃ってスーツ着こなしてやっと確信が持てたレベルで

ここまでオーラ消して演じれるの本当にすごいなと、演技力にも畏怖しましたね

 

まぁ、気になるところもなくはないけどね

やっぱり一応理系なので、素粒子云々のくだりは結構強引に感じたし

ストーリーを起承から転にもっていくために

”現世に戻れるかもしれない”

という誘惑を用意しないといけないのはわかるのだけれども

ちょっと強引だなぁと思ったし

実際はそれが肩押しとなって行動に移した、という面のほうが大きいと思うのだけれども、

少年Aとお母さんとのくだりのあと、特に何のクッションもなく灯台に向かっていったのが、現世に戻るために接触した、という感じがしてちょっともにょったんですよね

そして何よりも、結局意味ないんだったらあのラジオなんやったんやねん

というのはとても強い

松田龍平さんを贅沢に声だけで出演させているんだから、もうちょっとそこにロジックが欲しかったかなぁっていうね

 

あと、いい悪いではないんだけど、少年Aきつかったっすわぁ

あれ間違いなく家で見てたらチャンネル変えるか早送りしている

演じる伊島空も凄すぎるということではあると思うんですけどね

片思いって一方通行の感情というとらえ方をすると

この優花のお母さんから少年Aも片思いの一つだよなぁ

 

これもう1回見たいなぁ

クライマックスがエモーショナルすぎて

終わり方が神過ぎて

もう一回見たい

それくらいにグッときましたね

実は小湊鉄道見つけられなかったし💦

 

3人と世界の片思い

典真と美咲の両片思い

優花とお母さんの両片思い

さくらは来るはずだった犬の話しかしなくて家族の話が出ないのは

小さすぎて家族との思い出がまだなかったのかな・・・

と思うとそれも結構辛いし

美咲はあまり現世に帰りたいそぶりを見せないのは、家庭が崩壊していて

今更帰ってもなぁ・・・という思いの方が強かった利するんだろうなと思うとやっぱりつらいのだけれども

でもこんだけ辛いことがって、でもこんなに爽やかな気持ちになれるのは本当にいい作品だったんだなと思うんですよね

多分見た直後よりも感想まとめている今のほうが評価が上がっている

コナンが始まっちゃうとぼちぼち終了しちゃう映画館も出てきそうで怖いですね

 

 

 

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