Let Life Loose

映画と革製品についての紹介がメインのブログです!特に革靴についてはディープな情報をあげていきたいと思ってます

私の少年もうちょっと語りたいので書く

昨日アップした記事は、作品紹介記事としてなるべくネタバレなしで書きたかったので

結構書き足りないんですよ

 

belphegor729.hatenablog.com

 

社畜と少女の1800日ともうちょっと比較した話もしたいし

 

ということで、ネタバレ有の感想をゴリゴリと語っていきます

比較もするので社畜と~のネタバレにも触れます

 

 

 

聡子の家庭について

実際真修よりも悲惨なんですよね。聡子の家庭って

何故かって、真修は聡子との関係性ができたことによって

結果として父親が自身の家庭を省みることができ(聡子と関わっていなくても時間の問題だったかもしれないけれども)

今は、何も問題ない家庭になることができたけれども

両親の不和によって崩壊した家庭は修復されることなく今に至ってしまっている

彼女の幼少期は、真修と比べて救われなかった

 

結局家庭不和による恋愛不信でまともな恋愛をすることができず(椎川さんさりげなく可哀そう。でも婚約者いるのに聡子に未練タラタラなのはだめよ)

不和だけではない、両親によって、特に母親によって丁寧に丁寧に自尊心を傷つけられて、妹ほどそれをうまくかわし切れないまじめさも仇となって深い楔となって縛り続けている

 

私の少年の終盤は完全に聡子が幼少期の呪縛から解き放たれる物語だったんだよね

42話、すごく良かった

本当に良かった

 

私も多和田家ほどではないけれども、なぜ今家庭を持てているのかわからない程度には幸せな家庭を築く自信がなかったし、破綻せずに今も家庭を持ち続けているのも、破綻しそうなたびに修復するために動いていた奥さんのおかげで

だから、彼女の呪縛ってなんとなくですけどわかるんですよね

 

ネグレクトの少年を助けていたようで、その少年に聡子自身が救われていた

その気付きが、真修を救うことで自分も救われた、という綺麗事ではなく、真修を救おうとしていたのがただの自己満足だったと突きつけた上で、自省する中でトラウマを溶きほぐしていった、と言うのがなんというか誠実だなと

聡子が真修を希求する動機が、社畜~と比べても強いなぁと感じましたね

聡子→真修って、なんというか

好き

とはちょっと違うんですよね

罪悪感、責任感、庇護欲

そういった感情が全部とっぱられて最後に残った

まるでパンドラの箱のような優しい感情

これが本当の愛なんだろうな

直接的な発言を避けて、常に遠回し、遠回しに話すんだけど

そこに逆に好感を感じたんです

聡子さん、可哀そうなくらい誠実なんだよな

 

菜緒ちゃんが不憫

なんだろうなぁ

小学校のころから恋心を秘めていたのに

結局告白もできずに敗北してしまったのが辛い

かわいい子だしいい子なだけに辛い

いや、うん

たとえ告白しても勝てなかったかもしれないけれど

それでも告白してほしかった

告白させてあげたかった

 

ターコイズの服の下りはなんかもうおじさん黒い感情でいっぱいだったし

 

最後、告白ではなく、真修の気持ちの確認だけでしたが

そこらへんももしかしたら菜緒ちゃんらしいのかもね

ある意味告白するよりも残酷なことを自分にしているのかも

彼女なりに区切りをつけて、次に向かって進めそうなのはすごく安心しました

 

社畜と少女の1800日と読み比べて

同じテーマを扱っているのに

結構いろんなところで味わいが違って面白いんですよね

性別が逆転しているだけでなくて

優里ちゃんは(ほぼ)捨て子

真修くんはネグレクト

ではあるんだけど

優里ちゃんと東根は児相によって引き離されて、一緒に暮らせないままだとかなり悲惨な状況に優里ちゃんはなっていたかもしれないんだけど

真修君は、父親も積極的にネグレクトをしていたわけではなく

奥さんの死別により余裕がなくなってしまった、まぁこういうとちょっと微妙だけど、やむに已まれぬ事情だよね

 

ここがかなり大きな違いで

優里ちゃんと真修君の二人とも家庭が抱える問題が解決して

相手方だけの二人の閉じた関係から

学校の友人などの交友関係が広がっていくんだけど

優里ちゃんは主に東根とその同僚の力、優里ちゃんの他人の力によってだけど

真修君は父親が家族に向き合う余裕が出てきたことによる家庭環境の変化

身内の力によってなんですよ

 

だから、優里ちゃんと東根の関係は最後まで閉じていて

その中で関係をはぐくんでいった説得力が終盤の感動にもつながっていくんだけど

 

聡子と真修君の関係には必然性がなくなるんですね

そこからぐぐっと聡子の内面にも深く踏み込んでいくのが作風として印象的でした

本作何が好きって、やっぱり聡子の内面なんですよ

なんやかんや真修君は浮世離れしているので

まぁ優里ちゃんも同じだけどね

 

それに対して、東根よりも聡子さんのほうが、こう泥臭くて弱くていいですね

弱い

弱いからこそ真修君を助けたし

弱いのに頑張ろうとしてボロボロになっていくのが、痛ましくて

凄く応援したくなって

 

終盤妹ちゃんに諭された時も

そうだぞ!

と思いながら、

でもそういうところが聡子さんのいいところなんよな

とすごく親しみの沸くキャラクターだったなと思います

 

あと、人間関係も結構対となるキャラクターがいて

そのキャラクターの動きの違いが作風に現れているような気がしていて面白い

社畜~の桐谷は私の少年の椎川の対だけど

桐谷は東根への秘めた愛情から優里と引き離される東根をフォローしてたけど

椎川も同様の理由で聡子をフォローしていたように見せて

真修への嫉妬心からむしろ積極的に引き離そうとしていたあたり

高井先生の要素も少し入っていたりして

元恋人だしね

姪の勅使河原は完全に妹の真由子の対なんだけど

聡子のトラウマ克服の一端を担っていたり

勅使河原よりもかなり重要なポジションについているのは

その過程の複雑さからなんでしょうね

”知らなかった”幼少期の後悔という形で察する力の強い便利屋のポジションに説得力を持たせているのも設定が上手い

 

若い側に幼少期から惹かれていた同い年の子として

浅岡くんと菜緒ちゃんが対になっているけど

菜緒ちゃんは結構聡子さんと接したり、対峙したりしているわりに

浅岡君はちょっと描写が薄い

菜緒ちゃんは聡子さんの内面に深く切り込んでいった結果出番が増えているものあるし

逆に社畜~は優里ちゃんの成長を部活動によって描いていたから

その輪から出てしまっている浅岡君はちょっと損な役回りかも

そのぶん、真修君の友好関係は優里ちゃんほどは深く拾われていない感じもしますね

男友達はほぼモブでしか存在していない

 

高井先生の対になるキャラがいなかったのはよかったな

若干椎川がその香りを出しているけれども、性別が反転したことで、同じ立ち回りを男にさせるのもだいぶ厳しいと思うし、まぁあそこまで明確な憎まれ役を用意する必要もないと思うしね

私は高井の描き方は完全に失敗している、社畜〜の汚点だと思っているので

 

で、一番対照的だったのは終わり方ですよね

 

最後まで書ききった社畜と~と

二人の帰結、関係性についてはぼやかした私の少年

 

どちらが好きかって言われると

私はその後はご想像にお任せしますとは言われてもある程度の筋道は立ててほしいというタイプなので、断然社畜派なんですが

 

とはいえ、聡子の下した決断が、

あいまいであることを許す

だし、それが、育った家庭の呪縛から解き放たれるものであったわけで

まぁ敢えて極端なまでにあいまいにしているんだろうなぁ

 

菜緒ちゃんのいうとおり、二人はこれからいろいろ傷つくと思うんですよね

真修君と比べて聡子さんは家庭の問題が何も解決していない

母親からの口撃はこれからもつづいていくだろうし

あいまいなままでいるといっても、いつかは二人の関係性をどうするのか

決断を迫られる時が来ると思う

たぶん、真修君が就職したあたりで

 

私はその時にどうなるかまで読者の想像にゆだねられるのが結構苦手で

嘘くさくてもいいので社畜~のように「二人は幸せに暮らしました」って見せてほしいんですよねぇ・・・

まぁ、第1部で果たせなかった花火の約束を最終回に持ってくるのは完全にやられましたもんで

そっから先描いちゃうと余韻が薄れちゃって作品としてダメになっちゃう、蛇足になっちゃうとはわかっているんですが

 

でも後日談大好きなんです

せめて、あいまいな関係のまま、まだうまくやっています見たいなの

まってます