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【麒麟がくる】だんだん信長が可哀想になってきた

私、信長好きなんですよね

 

belphegor729.hatenablog.com

 

世間一般の評判は革新的な覇王といった感じなのでしょうけど、

最近の研究では真逆で、保守的で堅実、あと意外と弱い。

 

大間違いの織田信長 (ワニの本)

大間違いの織田信長 (ワニの本)

  • 作者:倉山満
  • 発売日: 2017/08/24
  • メディア: Kindle版
 

 

覇王信長ではなく、そんな人間味のある信長に親近感を覚えたので

新しい信長像を描く「麒麟がくる」にとても期待していました。

 

実際に登場した信長は、仲間思いだけど親の愛に恵まれず、どこか人とずれている感じ。

新しい信長像をここで見れるのかなと期待していたんですね。

そして、信長が畿内を平定した後半戦

信長の描き方は今までと違うところもあり同じようでもあり

ただ、今までと同じ暴君としての側面は、前半で片鱗を見せていた人との感覚のずれに苛立つような形で顕現しているように思い

信長への感情はだんだん好感から共感に代わってきました

 

それと同時に私の中での好感度が滝のように下がっているのが正親町天皇

 

ちょうど今の舞台が「信長」VS「本願寺」だからなのですが・・・

 

本来はさ、「朝廷」VS「本願寺」だったはずなのですよ

京都の、貴族の生活を脅かす強欲な金貸し本願寺から京都の平穏を取り戻すための戦いだったはず。

しかもその大元は、ぶっちゃけて言えば兄弟げんかですよ。

兄のまぶしさを羨んだ弟の怨念返し。そしてそれを正親町天皇も存じていたはず

もちろん畿内統一を目指す織田信長にとっても本願寺は目障りな存在だったと思いますが、大義名分としては”朝敵を打つ”です

 

しかし最近は、三條西経由で「いつまで戦が続くのか」ばっかり

その話を天皇と三條西がするたびにどの口が言うのかと

 

これは兄弟げんかの代理戦争なのですよ。

少なくとも醜い弟が美しい兄に対して感じている劣等感が原因の本願寺と朝廷の対立だと物語上規定したのであれば

少なくとも「麒麟がくる」という作品の中ではそうだと思うんです。

 

なのに、本願寺に与する毛利に蘭奢待を与えておいて

「いつ戦は終わるのか」「神罰が当たる」

って・・・いくら殿上人は下賤のものの意図など関しないといっても酷過ぎませんかね・・・

 

確か切り取った蘭奢待を信長が正親町天皇に献上したところまでは史実で、それを毛利に下賜したのは創作だと思うんですけど。

そこで信長と正親町天皇の不和を見せたかったんだろうけど

ちょっと本末転倒なんじゃないのかなと思うんです。

私だけだろうか。

 

蘭奢待を天皇から下賜されるって、本願寺への助力が天皇のお墨付きになったも同然だと思うんだけど

 

そりゃ戦は終わりませんよ。

本願寺の覚如も信長に対する障害という舞台装置に成り下がっていて

もはや覚如のパーソナリティはないかのようですが

最初は欲にまみれた相当な悪党として描かれていたんです

”比叡山に棲む魔物”ですからね

www.nhk.or.jp

 

 

おかしいなぁ。現状は兄弟げんかしていたはずの二人が、反信長という感情で一致してしまっている。

 

そこまでのことを信長がしたとは、私は思えないのですがどうなんでしょう。

40話の信長の

「なぜ裏切る?帰蝶もそうじゃ。帝もそうじゃ。なぜ皆私に背を向ける」

という言葉は切なかった

特にこの二人は裏切りの理由に納得ができない。帰蝶なんて毒を食らわば皿まで行くべきポジションだと思うんですよね。

正親町天皇も、なんというかおだてたら調子に乗りすぎて手に負えなくなったとかそういう感じだったら離れる理由も理解できるのですが

その後の

「これはたわけの愚痴じゃ」

という言葉がさらに切ない…

多分なんで離れていくのか本当にわからないんだな。

信長の孤独がすごく良くわかるから胸が詰まる思いでした…

 

信長って、徹底的に合理の人なんですよね。

合理的であるからこそ大和収める人間に松永ではなく筒井を選ぶ。

感情を抜きにしたらそうでしょ?感情重視したら立ち行かないの理解してくれるよね、って多分本気で思っている。

比叡山の焼き討ちだって、「事前に退去するよう触れは出した」ので、筋は立っている。

申し訳ないけどそれを無視して叡山に残っていたのであればそれは自業自得。個人的にもちょっとドライすぎるかもしれないけど、10:0で信長が悪、ではないと思うんですよね。

そんな信長が無理して他人の気持ちを慮ろうとすると、家康の父を暗殺した件然り、蘭奢待献上の件然りうまく行かない。

どっちに転んでもうまく行かないから詰んでるんだよなぁ。

信長に共感しすぎて本能寺を見るのが辛い

号泣する自信がある

 

なんというか、(本人は知らないけど)息子を毒殺した足利将軍家に与し信長に敵対する朝倉義景だったり、その朝倉と何食わぬ顔で同盟を結び、まるで聖人のごとく切腹して散っていった三渕であったり。自分でけしかけておいてついていけないと去っていく濃姫であったり。

もちろん史実が先に合って、それとの整合性をとりながらストーリーを紡がないといけないのは大変だとは思うのですが、

なんというか、サブキャラクターたちについて最初に抱いた感情、動機がなおざりになっているような気がするんですよね・・・

 

そんなことはないんかなぁ。

 

そういった中では一番行動の理解ができるのは松永久秀ですね。

 

 

 

演じられた吉田鋼太郎さんの熱演もさることながら、行動が一貫していてぶれなかったなと。

梟雄との悪名高い松永久秀の、本来の姿を描いてくれたこともとてもうれしい。

東大寺を焼いたのは不慮の事故だし、足利義輝を殺してもいないし、平蜘蛛とともに爆死もしていない

 

あくまで自分の価値を高めることが行動原理で、そのために信長につき

しかし、あまり人の感情の機微に聡くない信長の軽率な行動によりそのプライドを傷つけられ、勝てぬとわかっていながら離反する。

意地で生きる戦国武将の悲哀を感じられてよかったです。

 

また、彼については信長は正しく失礼だったと思うんです。

私も信長は松永久秀にひどいことをしていると思う。

そして本作で描かれる信長ならそういうことをしそうという納得感がある。

 

私頭でっかちなので、納得感がある行動をとるキャラが好きなんですよね。

そんな松永久秀が退場しちゃうととてもさみしいです。

 

そんな麒麟がくるもあと4話

40話の「松永久秀の平蜘蛛」で明智光秀が信長から離反する流れの退路を松永久秀によって立たれた感がありますね

www.nhk.or.jp

 

もうちょっとこうしてほしいとかいろいろと不満はもちろんありますが

それでもとても楽しく見させていただいているので

信長の、そして明智光秀の最後を見届けるのを楽しみにしています。

 

個人的には家康が割と明智光秀を頼っているので、思い切って南海坊天海=明智光秀説やってくんねぇかなぁと希望していますw

 

同じほぼ創作だった真田丸も、秀頼薩摩に落ち延びた説に触れてほしかったなって思ってたんですよね 

 

そういえばこんな本も買ったなぁ

 

信長名鑑

信長名鑑

  • 作者:姫川 榴弾
  • 発売日: 2019/11/14
  • メディア: Kindle版
 

 

 

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