さて、長々と鬼滅の刃のアニメを鑑賞した感想を記事にしたためましたが
アニメを視聴した動機としてはやはり劇場で公開している間に
劇場版を視聴したい
という欲求があったのは確かなのだと思う。
ビッグウェーブに乗りたい、というよりは
テレビ版にしても映画にしても、レンタルまでしては見ないだろうという実感があり
また、コロナ禍によって悲劇的に本数の減った劇場公開映画において
間違いなく面白い作品を1本でも多く見たいという欲求が原動力の一つだったのかと思う
今更感あるけど
— べる (@bel729) 2020年12月22日
お次はこれ#劇場版鬼滅の刃 pic.twitter.com/T2Rdl9V0Mf
はたして、実際見た結果、これはまぎれなく傑作だと思った。
面白かった
もちろん傑作ではあるものの、原作の1エピソードを抽出し、映画冒頭からいきなり
まぁ産屋敷の独白から始まってはいるものの、そのあとはテレビ版最終話からシームレスにつながる構成は、完全にファンに向けた作りでアニメ版を見ていない人間を排除した構成になっている。
原作からの改変はほぼないと聞いているので、この作品の面白さは原作の持つ力なのは間違いない。
それを、力あるアニメスタジオであるufotableがその力を如何なく発揮し作品として仕上げた。
ufotableの魅力は、その戦闘に対する“映え”、見栄の切り方に対するこだわりももちろんですが
長い間、ぶっちゃけ面倒くさい部類のファンを抱えたType-Moonの初期の作品をひたすら作り続けることで培った、ファンの期待を満たす
ファンに向けた作品作りを得意とするスタジオなのかなと思っています。
最近の深夜アニメって、そういうすでに存在する作品のファン層に向けたニッチな作品が多くて、ぶっちゃけ本作もそういった作品の一つだと思うのですが
それが、コロナ禍での鬱屈とした空気に対するカウンターという面もあると思いますが
テレビ放送そのものが想定外のムーブメントになったことにより
ファン層そのものを拡大して日本の歴代興行収入1位を塗り替える快挙を成し遂げたんだと思います。
“作品”というよりはもはや“現象”ですね。
千と千尋を超えてこんな作品が1位になるなんて・・・
という声もありますし、まぁ気持ちもわからないでもないのですが
やっぱりこういうのって世相も反映するよなぁとも思うので
そういったバックグラウンドも含めて語り継いでいってほしいなと思うんですよね。
同じようにAvengers/EndGameも続き物のアメコミ映画がなんで・・・
と一部から反感を受けていた記憶がありますが
これもやっぱりそれだけマーベルがエンドゲームという作品に向けて10年間ひたすらに積み上げてきた結果生まれた“現象“ムーヴメントだったと思うんですよ
正直ジブリに興味があまりないので私千と千尋の神隠し見てないんで、どうして長らく日本の興行収入1位を死守できていたのか知らないですし、ちょっと当時の空気感とか知っている人がいたら教えてほしいなと思ったり。
やっぱり歴代1位って作品の質だけで到達できるものではないはずだからちょっと興味ありますよね。
そして、鬼滅の刃については、こういう時代だったんだっていうのをしっかり覚えておきたいと思います。
作品の感想としてはありきたりなことしか口から出ないですが
後半下弦の一が列車と一体化した後の肉塊のCGはFate/Zeroあたりが活かされてそうだな―とか
でも電車と一体化しちゃったら朝を迎えると電車ごと灰になってしまうのではないかとかくだらないことを考えたり
煉獄さんの幸せな夢が全然幸せじゃなかったことも気になったりしつつ
煉獄杏寿郎というキャラクターがただ陽に振り切ったキャラというわけではなく、陰な過去を踏まえたうえでの陽のキャラクターであるということを見ることができてよかったですね。
また下弦の一が存在を認識できていなかったねずこが反撃のキーパーソンでしたがそれ以上に炭次郎の精神的異常性が明らかになるのも、目的のために容易に自分を犠牲にするあたりやっぱり火野映司に似てんなこいつと思ったり。
まぁ自己犠牲の強さは煉獄さんもまた同じでしたが、
なんなん大正時代の長男は
怖すぎる。
あとは、上弦の三と煉獄さん結果として互角って
何百年も生きて鍛錬を続けた上弦が
炭次郎の言う通り、再生能力というアドバンテージをもってして
齢20前後の煉獄さんとトントンって
この人本当にちゃんと鍛錬してたんですかねぇという気がちょっとしないでもなかったかな
映画としては区切りの良いところで終わりつつ
とはいえ次のエピソードへの引っ掛かりとなる煉獄家というキーワードも出てきたので
続きが気になって仕方がないです。
漫画かうかぁ
きっと続きをまたアニメでやってくれると信じてはいるのでフラットな情報量でアニメで続きを見てみたいなぁ。
しかしいったいいつになるやらというのもあるので悶々としております。
・・・最後に
申し訳ないが私は劇場版FGO神聖円卓領域キャメロットを
(特にベディとガウェインの)作画
シナリオ変更(戦闘シーンの量)
の点で評価していない
とくに、ゲームを映画にまとめるにあたってのシナリオ構成に満足していないので
やっぱりなんやかんやでFate/Stay Night HFを3部作でまとめ上げ
鬼滅の刃でも某小説家がうらやむレベルでの原作再現をして見せたufotableにやってほしかったなぁというお気持ちでいっぱいです。
少し選んだ言葉で補足すると「代表作とされる作品が原作ではなく他人が大幅に手を入れ根幹テーマを全否定されたアニメである現状」は かなりキツい 会う人の大多数が瞳潤ませて「あのシーンは本当に感動しました」と言ってくるシーンが 他人が考えたシーンの他人が考えたセリフという状況も相当キツイ https://t.co/oiH9Fbc9tC
— 吉岡 平@六十歳というのはなんとも中途半端な年齢だな (@torinakisa) 2020年12月8日
蛇足ついでにさらに補足すると 長いこと その精神的に消耗する理由がわからなかったんだが あのアニメで 原作者とアニメとの 理想的な関係もあるのだということに気付かされて つい「羨ましい」と(物理的に)口にしたら数珠糸的に結論に至った ということなんだわ https://t.co/WOx3L8yQl7
— 吉岡 平@六十歳というのはなんとも中途半端な年齢だな (@torinakisa) 2020年12月8日
某氏の代表作「無責任提督タイラー」は
それこそufotableの出世作「劇場版空の境界」と同時期に愛読していたので懐かしい。