最近また新しい漫画アプリをインストールしてしまいまして
「アルファポリス」というアプリなんですが
玉石混合ではありますが、こちらも結構令嬢ものが多くある模様
で、今回紹介する漫画もそんな悪役令嬢もの
私、王太子 セシル の婚約者 バーティア は初めて会った時からおかしかった
彼女は不思議な言葉を使う
悪役令嬢とか、ヒロインとか?ギャフンってなんだ
彼女が言うには
自分には前世の記憶があり
ここは乙女乙女ゲームの世界
セシルは運命の乙女とであい
惹かれあう
自分は運命の乙女をいじめる悪役令嬢で
最後は運命の乙女をいじめた咎で婚約を破棄され
自分の家は没落
王子は運命の乙女と幸せになるとのこと
彼女の話を信じる気はないが
これまで何でもそつなくこなし
これからもそうあり続けるだろうと思っていた自分の人生に
何が起きるかわからない楽しみを持ってきてくれた女の子に興味がわいたセシルは
この不思議な女の子を少し泳がせながら観察してみることにしたのだった
とかそんな感じ
基本的にはセシルもバーティアもいい子
セシルは非常に能力が高い代わりに感情の起伏が少なく心を動かされるようなことに出会うことがなかった
そんなところにやってきた、何をしでかすかわからない変わった女の子に初めて心を動かされ、彼女の一挙手一投足を観察し、危ない方向に進みそうなときはそれとなく軌道変更してあげて・・・とかまっていくうちにセシルの心境に変化が表れていく
根がいい子過ぎる上に頭もちょっと弱いバーティアがセシルのために悪役令嬢を演じようとして演じ切れていないのをセシルと一緒にニヤニヤしながら楽しむ漫画で
まずそもそもいきなりいわゆる攻略対象かつ婚約者に前世の記憶を洗いざらいしゃべってしまうところが頭が悪い
要するにポンコツ可愛い
かといってセシルのことは綺羅なわけではなく、むしろ大切だと思っており
セシルにこれから降りかかる不幸と、不幸を防ぐことで、運命の乙女と王太子が幸せになる未来も不確定になることを天秤にかけて悩んだり
まぁ全部言っちゃうんだけど
そもそも全部言っちゃった時点で未来変わっちゃってるんだけど
そういった意味ではそもそもシナリオ通りの未来はあり得ないので
そこで躓いてしまうと多分この漫画楽しめないだろうなぁとかちょっと思ったりもするのだけれども
そこさへ乗り越えてしまえばポンコツ可愛いバーティアをセシルと一緒に微笑ましく眺めるだけで幸せになれる良作です
一生懸命から回って、結果原作よりも幸せな未来につながっていくのがとても良い
原作がいかに人の不幸の上に王太子とヒロインの幸せが築きあげられていたのかと
彼女が王太子の不幸な未来を回避しようと努力をしたことで
まわりまわっていろんなところに正のバタフライエフェクトが起きて
もうこの時点で原作ルートに戻りようがないくらいそれていくわけなんですが
出来上がった世界がとても幸福に満ちていて、王太子ですら原作よりも幸せな人生を歩めているし、行きつく未来もとても明るい
そして、読み進めていくうちに、これだけセシルのことを思っているのになぜバーティアは頑なに婚約破棄を望むのか
ほぼほぼ開示されたはずの設定の中に、それでもまだ隠されていたセシルに関する秘密が良いスパイスとなって後半を盛り上げていきます
本来の、ゲームでのセシルは、ヒロインは、バーティアはどうだったのか
結構な尺を使って語っていき、最後クライマックスに持っていくのはなかなかのカタルシスでした
本来のヒロインがほとんどやっていることが悪役令嬢なのはある意味このタイプのなろう系の定番ではあるのですが
他作品以上にそこは意識している雰囲気はある
本来のストーリー上では、低い身分であるがゆえに研鑽を重ね信頼を得ていくヒロインと
高い身分に甘んじ、周囲から甘やかされ堕していく悪役令嬢が
転生により変化が生じたことで
未来を知っているがゆえに、周囲の友人や婚約者の幸福のために自己研鑽を重ね、信頼を得ていく悪役令嬢と
選択肢通りに行動すれば物語の強制力が働くと自分を律することを怠り、またそれをとがめる家族、友人もなく、甘やかされ堕していくヒロイン
といった感じでしっかりと対比としてしっかり落とし込んでおり
まぁ転生ヒロインに関しては(これはバーティアもそうなんだけど)あまりにも物語の強制力を過大評価しているところは気になりはするんだけど
終わってみるとより一層バーティアのことが好きになる本当にいい漫画でした
全6巻、話数もそこそこあり結構満足度が高いですね!
今後は同じくアルファポリスさんでスピンオフの続編も始まるそうで
非常に楽しみ
お勧めです