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かげきしょうじょ 1巻

奈良田愛と渡辺さらさのバックグラウンドと出会いということで

エピソードゼロの話は5話も使ってじっくりとやっていたのですが

 

belphegor729.hatenablog.com

 

この雰囲気おそらくアニメは1クールっぽいですねぇ

大体原作のどこまでやるのかも何となく見えてきたりしていて

1巻の内容は1話でぎゅっと詰めてアニメ化されていました。

 

 

エピソードゼロの時も話をしましたが

アニメ版は紅華歌劇学校100期生の”今”を中心に再構成していて

そのため1巻の中核となる、名誉教授の国広先生のエピソードがごっそり削られちゃったんですよねぇ。。。

このエピソードは紅華歌劇団の黎明期を支えた国広先生の反省を描きつつ

紅華歌劇団がどう戦後を乗り越えていったのかを断片的にではあるけれど描くことで

効果の伝統の価値、そして、それを変えようとする100周年という年月の重みを盛り込んでいて

その後の予科生による演劇授業に繋がる大事なエピソードなんですよねぇ。

アニメでは国広先生一瞬しか出てないし、予科生の演劇授業も安道先生が頑張りましたで終わっちゃったので、ちょっと深みが足りない。

このエピソードが削られちゃったので、このあとの100周年大運動会でも感動のシーンがあるんだけど、そこもなしになっちゃってね。ちょっともったいないなと。

 

まぁあくまでサイドストーリーとして、より深くかげきしょうじょの世界を味わいたいなら漫画を、という感じでしょうか

アニメはアニメでさらさちゃんの物真似を声付きで見れたのすごく良かったですしw

 

でもこの国広先生のエピソードは、この世界の片隅にが好きな人間として

同じ中国地方で空襲ですべてを失って、そこからまた1から作り上げていく物語性に心を打たれてしまうんですよね

おちもまた素晴らしくておじさん大号泣です。読み返す度涙ぐんじゃいます

この世界の片隅に 中

この世界の片隅に 下

 

また、女性であるがゆえに歌舞伎役者になれなかったさらさと

男性であるがゆえに紅華歌劇団に入れなかった国広先生

 

その燻る情熱をどう克服したのか

そのアプローチの違い

 

かげきしょうじょって至るところで対比が組み込まれていて

たぶん本作で一番の対比は紅華と歌舞伎だと思うのですが

この対比によって、さらさちゃんだったり愛ちゃんだったりのキャラクター性をすごく深掘りしていくんですね。

 

さらさとの出会いで若かりしころの紅華への情熱を思いだした国広先生からさらさへの激励の言葉は、さらさの心の奥深くに刻まれたんだろうなと

 

で、1巻のメインの物語は国広先生と紅華歌劇団出はあるのだけれども

クライマックスはもちろんさらさのティボルトで

このエピソードをフックに、さらさの演技の特性という形で歌舞伎とは如何なるものかの導入に持っていってます。

ここもアニメだと省略されがちなところではあるんだけど、

歌舞伎についても正直全然知らないので、この一冊を読んだだけで

宝塚とは何かだけでなく歌舞伎とは何かまで教えてくれる

そして、さらさの演技の特性がまた、さらさが歌舞伎の呪縛にまだとらわれていることも示していて、2巻への良い引きにもなっているなぁと思ったり

 

さらさティボルトの演技が長尺でじっくり見れるのも漫画の強みですね

 

 

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