スマホを買い替えて容量に余裕ができたのもあり、漫画アプリを入れまくって多分人生で一番漫画を読んでいる気がする
アプリのポイント目当てで読み始めたのですが
まんまとはまってしまいました。
九龍ジェネリックロマンス
単行本新刊発売記念ということで、ヤンジャンアプリで今月中全話読み放題になっています。
なんでも宝島社「このマンガがすごい2021」男性向け第3位とのことで
人気急上昇中の漫画みたいですね。
作者は眉月じゅんさん
スピリッツで年の差の恋愛を描いた漫画
「恋は雨上がりのように」
が大人気でアニメ化、さらに大泉洋さん主演で実写映画化までしていますね。
恋は雨上がりのように スペシャル・エディション [Blu-ray]
気にはなっていたけど読んだことない漫画ですね。アニメくらいは見てもよかったなぁ
そんな作者さんの最新作ということですが
前作とは内容ガラッと変わってディストピア系SF世界で繰り広げるラブロマンス、ということになります。
期間限定無料版のリンクもありましたので貼っておきます
九龍ジェネリックロマンス【期間限定無料】 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
なんでしょうね。
20世紀の終わりに解体されたはずの九龍城砦
多分私くらいの年齢(作者も同年代でした)って、
ブレードランナーで提示された近未来ディストピアと、それのフォロワーのような世界観に凄く親近感を持っていて、廃退的SF世界観を体現する場所として、九龍城砦ってすごくなじみが深いと思うんですよね。
スイカと一緒にタバコを吸うのが癖になっている主人公 鯨井令子と彼女が好意を寄せる先輩社員の工藤発(はじめ)
素直になれない2人の男女を描いたありきたりな漫画と思わせておいて
令子が抱える謎、それを知る発
失われたはずなのになぜかある九龍城砦と同様に何が本当で何が嘘なのかわからない
謎が少しずつ明かされて、それによりまた謎が増えていく。
九龍ジェネリックロマンスっていうフレーズも比較的新しい単語であるジェネリックと、ちょっと古臭さの感じるロマンスってフレーズがちぐはぐでとても面白い。
そして、話を読み進めていくとこのちぐはぐなフレーズがすごく重要なんじゃないか。物語の全容がが明らかになっていくにつれこのふわっとした単語の輪郭がどんどんはっきりしていくのを感じていてぞくぞくします。
また、イラストが洗練されつつも古臭さを感じるのがとても魅力的なんですよね。
地縛少年 花子くんで紹介した「Hauntedじゃんくしょん」のような電撃コミック感を感じたり
もっと言えば、攻殻機動隊の史郎正宗のような
そういった古いコミックのイラストの系譜を感じます。
「恋雨」もちょっとそんな感じはありますが、より意識してタッチを寄せているんじゃないかな?という気がします。
新しい漫画なのに、すごくノスタルジーを感じる。
令和にこんな昭和な漫画が読めるとは思わなかったですね。
ここからはネタバレ
個人的には鯨井Bがすごく好きです。
端的に言ってかっこいいですよね。
工藤の鯨井さんへのやりとりがまんま鯨井Bのコピーなのがうわぁと思うと同時に痛々しいというか
物語の謎の中心に彼女がいるのが作品の魅力を何倍にも増しているなぁと思うんですよね。
また、はじめはやっぱり昔のコミックにありがちなオカマ系のうざキャラかと思った蛇沼も回を追うごとにどんどんキャラデザが精緻になっていって、もう一人の主人公と言っていいくらいの重要キャラになっているのが面白い。
徐々に情報が開示されて行っているのに逆に謎が増えていく、さながら進めば進むほど迷っていく迷宮のようでそういった感じも九龍城砦っぽいですね。
ワンダビジョンにも似たわくわくもあるなぁと思ったり
とにかく先が気になって仕方が無い。
先が気になって仕方が無い漫画が多くて、そういった面ではとても今潤っているなぁと感じますw