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丁寧なシナリオ運びに大満足【WW84 ばれあり感想】 

12月18日は楽しみにしていた映画が2本公開

 

何とか日曜日に見に行ってきました

 

ワンダーウーマン1984


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アメコミ映画はハーレイクインぶり

 

belphegor729.hatenablog.com

 

ハーレイクインは私の好みに全く合わなかったので

同じDC映画で同じ女性主人公でちょっと不安もありつつ

 

ワンダーウーマン自体年末公開が発表されつつも再延期の可能性が常にささやかれ

今年はもうアメコミ原作の映画は見れないんじゃないかと暗澹たる気持ちでいたので

延期がない旨報道があったときはとてもうれしかった・・・

 

期待8割不安2割くらいで見に行きましたが

杞憂でしたね。とても満足でした

 

ということで感想です!

 

 

小さい納得を積み重ねていくシンプルに良いシナリオでした!

 

ストーリー

ある宝石店に強盗が入った。

強盗の目的は宝石ではなく、宝石店を隠れ蓑に保管されていた盗難された文化財だった

強盗を退治するワンダーウーマンことダイアナ

 

盗難された文化財は鑑定のためにダイアナが働くスミソニアン博物館に運ばれた

同日、スミソニアン博物館に研究者として採用されたバーバラは

文化財の鑑定を任される。

その中に願いが叶うとラテン語で書かれた宝石を見つけたダイアナ

 

半信半疑で願いを唱えるふたり

石油会社を営む実業家のマックスが現れバーバラは宝石を渡してしまう

 

宝石を手にしたマックスは世界を変える願いを唱えるのだった・・・

マックスの願いにより世界は混乱に陥り、崩壊の危機に瀕する

 

といった感じ

 

OPのシークェンスはオリンピックイヤーを意識していたんやろか

謎の競技大会で始まった本作

画面が底抜けに明るく

そこで行われる競技も派手の一言

 

そういえば本当であれば東京オリンピックがあったんよな

これを撮影しているときはこんなことになるとは思ってなかったんやろうなぁと

なんというか、ビフォーコロナの空気を感じて懐かしくなりました。

 

それと同時に、改めてアメコミ映画というブロックバスターを見れるありがたさをしみじみと感じてちょっと涙が出てきました。

 

設定の組み立て方が凄く丁寧

私が本作が凄いなと思ったところがここ

猿の手

という、願いをかなえるがその人の大事なものを取り上げる

おとぎ話を下敷きに

 

そんなアイテムがDCユニバースに出現したら・・・

というのをすごく丁寧に組み立てているシナリオだなと感じました

 

バーバラの願いも動機を考えればそんなたいそうなものではなかったし

ダイアナの願いもまぁ彼女ならそれを願うよなというもの

 

バーバラの願いの対価は大したものではないなぁと思うし

逆にダイアナの対価はかなりシビアですよね。

ここがまた、ワンダーウーマンを弱体化させるうまい手だったなと思います。

どうしてもスーパーマンだったりキャプテンマーベルだったり

こいつらどうやって倒せるん?っていう超人系は中盤の戦闘で緊張感がなくなってしまいがちだと思うのでうまいことやったなぁと

 

 

そして、宝石を追い求めたマックスの”抜け道”もなるほどなぁと感心したり

願いをかなえるアイテムそのものになる、というと

触るものすべてを黄金に変えてしまう”ミダスの手”

だったり

能力とともに制約もその身に受けてしまったアラジンの”ジャファー”

だったりと、失敗例ばかりだったので

願いそのものではなく、良い対価を払える人物に近づき

願いをかなえる代わりに対価を奪っていくスタイルというのは斬新だったなw

 

そして、中盤までは積極的にダイアナと敵対してはいなかったバーバラが

真実を知り敵対するに至る流れも無理がなくてよかったなぁと

 

復活したスティーブと出会ってマックスを捕まえるという目的を完全に忘れてしまうダイアナも

ずっと人間味を抑えてきていたダイアナの素が出てしまっていることを表現しているんだろうな

 

ここで我を失っていたせいでマックスは宝石を手にしてしまうわけだけど

 

また、彼のことになると我を忘れてしまう問題は最後まで引きづってますよね。

とにかくスティーブを失いたくない一心で目的もかなりぐらついている

 

そして、自分がダイアナの障害になっていることに気付いているスティーブが本当につらかった。

 

スティーブいいやつですよね。

だからこそダイアナが惚れたっていうのもありますけど

 

自分が存在することでダイアナの足を引っ張り

またそのせいで世界の崩壊を止められない

間接的に世界崩壊の原因となっている状態は本当におつらいだろうなと・・・

 

それを演じるのがクリスパインなのも本当によい。

いい意味で悪ガキっぽいというか

童心と正義感が同居しているような顔立ちだと思うんですよね

声も好き

 

だからこそダイアナも正義のヒロインの仮面を外して素に戻れるんですよね

 

伏線とか天丼とか大好きです

私前にも言ったような気がするんですが

いわゆる天丼という演劇の技法が大好きでして

スティーブが生き返ったあとの衣装のチョイスで

ダイアナ一押しのコスがスティーブで大不評だったのに

元に戻った中の人が同じコスチュームで最後に出てきたのは何かぐっと来てしまいました。

ああいうの本当に弱い。

最後にアステリアが登場したのも、きっと次回作の伏線ではなくて

ダイアナの昔話のおまけ程度の伏線回収でしょうね

キャスティングも昔にドラマでワンダーウーマンを演じられていた方とのことで

にくい演出ですね。

そこまで深くフィーチャーしない感じもさりげなくてほっこりしました。

 

また、本作はストーリーの根幹に、

偽りで手に入れた栄光に意味はないという信念があり

 

敵対するマックスは偽りの象徴というようなキャラです。

序盤から登場する彼の息子が人種からして違うように見えるのは

彼が容姿を偽っていることを暗に示しているんでしょうね。

 

息子の表情が常に曇っているのもその偽りの栄光が空虚であることを息子を通して見せているんでしょうね。

 

そのうえで、その息子が2回願いを唱えるのがいいですね。

1回目の願いは一度遮られ、偽りの願いは彼を満たすことはなく

2回目にさえぎられた願いを再度叫んだときは、すでに1度願いをかなえられているために石の力は発動しませんが

真なる願いはマジックアイテムの助けを借りずとも届き、叶う。

 

ダイアナも、未練を断ち切り、かりそめのスティーブと別れを告げることにより

本当にスティーブと一つになれるのが 

風の流れを感じることで表現するのもきっと同じことなんでしょう。

 

偽りの力でほしいものを手に入れることよりも

自分たちのできる範囲で、できる形でかなえていこうよというポジティブなメッセージを本作から感じることができました。

 

ワンダーウーマン1984ではなくWW84

WW84という表記を見たときに

前作の時代がWW1だったこともあるので

ワンダーウーマンというよりはワールドウォーだよなぁと感じたのですが

まさにその通り!

 

 劇中でワンダーウーマン1984と表記された箇所は

おそらくなかったんじゃないかなぁと思うんですよね。

 

劇中のタイトルだったり、エンドロールだったりと

基本的にはWW84と表記されていたと思います

Twitterのハッシュタグも

#WW84

で特殊なイラストが表示されているんですよね。


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だから”WW”という記載にはやはり制作側で意図があるのは間違いない。

 

作中でマックスが人々の願いをかなえ、その対価を回収していくうちに

国同士の

特に米ソの対立が激化し(いろいろ仕方がない面がありますが主にアメリカ側の問題により)

 第3次世界大戦(WW3)を防ぐことがダイアナの使命になっているので、やっぱり間違いないと思いますね。

 

そういえば、同じく第三次世界大戦の危機を描いたアメコミにウォッチメンがありましたが

 

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あれは翌年(1985)の出来事だったんですね。

 

 

 

 

気になったところ

ブログ書いていてふと気づいたけど

マックスがキャンセルした抜け道は

”願いは1個”

であって

”対価を支払う”

ではなかったんだよな。

彼が支払った対価は何だったのだろうか。

 

ついでに

「コーヒー飲みたい」

なんてちゃちな願いで1回を消費した同僚はいったい何を対価に支払ったのか・・・こういった系の望みはキャンセル聞かないよなぁ・・・

 

ついでに、あんなに予告で思わせぶりに描かれていたゴールデンアーマーがさして強くなかったのもちょっと残念かな。

”チーター”に変貌したバーバラにガンガン翼破壊されてたからちょっと残念でした。

 

特別な金属で作られたわけでもなさそうだし、あくまでダイアナがテンション上げるために着ただけなんでしょうか

あとは”あやかりたい”とか

せっかくの新装備なんだし、設定ももっと盛ってほしかったなぁ。

まぁここで使い終わっておかないと、ジャスティスリーグでなんで使わんかったん?

って話になるんでしょうがないのかもですけどね。

 

最後に

WW84の感想でした

なんでしょうね。1984年って海外だと特別な意味があるのでしょうか

オリンピックイヤーくらいしか情報がないですが

ジョージオーウェルの名作に1984なんて作品もありますけど

 

一九八四年 (ハヤカワepi文庫)

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ちょっと調べたらターミネーターも1984年が舞台なんですね。

 

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SF的にどんな意味があるのか、知っている人がいたら教えてほしい。

ジョージ・オーウェルが原点なのかな・・・

 

また、個人的に意外だったのですが主演のガル・ガドット

ワンダーウーマンのキャスティング決まる前に俳優をやめるかどうか悩んでいたそうです。

 

www.harpersbazaar.com

 

何があるかわからないものですね

 

 

今年はあと2本映画を見る予定

来年は今年上映できなかった映画が大量に公開される(はず)

アメコミ映画だとマーベルのブラックウィドウが最初になるのかな?

 

忙しくなりそうです

 

 

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