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映画、漫画、革のブログです

薬屋のひとりごとが好きな方はきっとハマる【王妃ベルタの肖像】

最近なんかスマホに漫画アプリ入れまくってるなぁ。
ジャンププラスをインストールした後
また面白そうな漫画がねっとの広告に出ていたので
アプリをインストールして無料で読める分をガシガシ読んでました。

それが、今回紹介する
「うっかり陛下の子を妊娠してしまいました~王妃ベルタの肖像~」

 

 

いわゆる「なろう系」になるんですかね。
小説家になろうというサイト発の小説の漫画家のようです。

タイトルが緩すぎるのですが、内容はかなりハード
原作はタイトルとサブタイが逆で
小説は売り方を考えてでしょうか
イラストも絵画風でタイトルも「王妃ベルタの肖像」のみです。

 

王妃ベルタの肖像 (富士見L文庫)

王妃ベルタの肖像 (富士見L文庫)

 

このイラストカッコいいなぁ・・・

 

やっぱりちょっと軽いサブタイトルでもつけておかないとなかなか読まれないんですかね。
ついでに小説のあらすじを読んだ感じだと悪役令嬢系の亜種として売り出したい感じもあります
なんか文字数増やしとかないと当たり判定が狭すぎて押してもらえないなんて話もあったなぁ。正直個人的にはタイトルで説明しすぎちゃうとうえってなっちゃうけど。
なろう系でありがちなタイトルは正直あらすじで書くことだと思うんだよなぁ・・・

それはさておき
内容としては、政略結婚でお飾りの第2王妃として嫁いだ地方豪族の娘ベルタ
しかし、初夜で妊娠してしまったため、ベルタは中枢の政争にいやおうなく巻き込まれていく、という感じ

王と第1王妃は血が濃すぎたため強い子供が生まれず、何度目かの流産ののちに子をなせなくなったという
教会はキリスト教をベースにしたもので、離縁の禁止、重婚の禁止をしており
しかしそれでは世継ぎを作ることができないため王は国教と決別し新たな宗教を起こし
国内ではあるものの実質支配の及んでいない地方の有力豪族から1人妃を迎えることで
後継者問題と国内の統制を解決しようとした。
今まで禁忌とされた重婚に踏み切ったうえ、迎え入れたのが意図的ではないものの、王室とは大きく異なる血統(王家は金髪、ベルタの出身地は黒髪)は保守派の貴族には到底受け入れられない。
ベルタも彼女の家もそれを重々承知していたため、王が他で子をなし、お役御免になるまで後宮で静かにしているはずが、子をなし、しかもそれが男児であったことにより
尊い血筋に不純がまざったことに嫌悪感を示す保守派の反発を招くことになる。

血の濃さに伴う問題はスペインハプスブルク家を
王室と宗教の問題はイギリス王室のイギリス国教会の成り立ち思い出します。まぁあれはちょっと不純でしたが

最近後継者問題とそれに伴う政争についての動画をよく見ていて
物語としても面白いなぁと思っていたので、
「庶子」とか「王統」とかを題材にした
それらに類似する作品としてとても面白く読ませていただいています。

また、王家の後宮の物語ということで、「薬屋のひとりごと」にも通じるものがあります。
王室の後継者問題について
それを周辺の人間から見た物語が「薬屋のひとりごと」で
当事者の物語が「王妃ベルタの肖像」
といった感じ。

なので、「薬屋のひとりごと」が好きな人は結構はまるんじゃないかなぁと思ったり。

こういう人と人の間の腹の探り合いって、結構知識がないとできないと思うんですよね。
また先ほど話した通り、中世ヨーロッパ史について知見が多くないと、なかなかここまでうまく引用してくることも難しいのではないかなと思ったり。

本作は2章まで公開されており、
漫画は1章の内容を連載中
小説は1巻1章で2巻まで刊行しています。

1章は皇子の出生によりパワーバランスの崩れた王室と貴族の関係について
2章は1章の出来事を片付けた後、崩れたバランスを立て直す中で変化していく夫婦関係を描いています。

個人的にすごいなぁと思うのは、危ういパラーバランスの上に成り立つ王室をかなり複雑に描いていることですね。

王のかじ取りもそうですし、自身と我が子を守るための王妃の差配もそう

キャラクターの配置に遊びがないんですよ。

たまに変な漫画だと「こいついるか?」とか「思わせぶりだったけど特に何でもなかったねー」みたいなよくわかんないキャラとか出てくるんですが
そういうのがない。

もしかしたら型にはまりすぎているという人もいるかもしれないけど
それぞれのキャラが背景に背負うべき“家”を持ち、その家が属する“派閥”があり
それに振り回されながら、時には利用しながら
緩やかに衰退していっている王国を立て直すため奮闘する王と王妃の姿はリアリティがあります。

特に、やっぱり主人公の王妃ベルタ。
血が通っている感じがしてすごく好きですね。

様々な思惑の元異邦の土地に送り出され、そこでなした子が大きな波を呼んでいる
実家と婚家との間に挟まれ、しかしながら自身のこのために何をすべきかを考え
苦しみながら考え抜き行動に移していく姿はかっこいい

2章からは大きな敵対関係が無くなり苛烈な、あるいは派手なやり取りは減っていきますが、その分王家の今後について、そして夫婦関係のこれからについて深くしっとりと進んでいってこれはこれで好みな感じ

惜しむらくは原作の小説になろうのほうが半年以上更新がないんですよね。

2章の節々でもっと長く続けていきたい意欲は感じているし、この記事を書く際に発見した作者のTwitterアカウントでも今後の展開について構想しているようですが

出版されるまで内容がわからないのは焦れますね

 

正直2章の終わり方完全に画面下に「つづく」って書いてあるパターンであまりきれいに終わっていないので、早く続きを読みたい



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